よこはま彩発見
2026年3月号
<読者プレゼントあり>

海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ都市横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。今回は、写真家の森日出夫さんに寄稿していただきました。

記憶と対話する横浜の風景

写真家 森 日出夫


▲1975年3月7日 大桟橋に初入港のクイーンエリザベス2

生まれ育った横浜を撮り続けて半世紀、華やかな場所はもちろん、通り過ぎてしまうような街角にも横浜らしさを感じてシャッターを押してきました。
不思議なもので何十年も見てきた風景なのに、建物や一角が変わるとあっという間に慣れてしまい、そのうちに記憶からも消されていく。
気になる場所は写真に残しておくこと、これが私の仕事であり、楽しみでもあります。

1975年3月7日、「クイーンエリザベス2」が大さん橋に初入港しました。
客船の煙の向こうにはまだ産業貿易センタービルが工事中で、大さん橋はタグボートで溢れています。
埠頭は港で働く男達の活気で溢れていました。客船が入った3日間は40万人という観光客で港が賑わいました。

私は初入港を撮影するために、戸塚のドリームランドからヘリコプターに乗り港に飛び出しました。
当時はヘリの発着場がドリームランドにあったのです。客船の周りはヘリコプターとセスナが10機以上飛び交い、それはもうぶつかりそうな勢いでした。
私のヘリはヒューズ300で小さくて小回りが効いたので、周囲より低く、しかも寄りで撮影することができたのです。


▲1984年2月11日 入港8回目のクイーンエリザベス2


▲2024年 横浜ベイブリッジと大黒埠頭・みなとみらい21地区

ここで港の新旧の写真になります。
1984年2月11日の朝、朝陽を浴びながらクイーンエリザベス2が入港しました。横浜港は8回目の寄航で、世界をめぐっての船旅です。
私は横浜開港125周年の取材のため、空からと地上での撮影を行いました。船内では豪華絢爛な雰囲気と、船員・乗客の様子など見たことのない世界が広がっており、私はクイーンエリザベス2のデッキから赤レンガ倉庫を撮影しました。
空から撮影した写真の奥に見える造船所の跡地(現・みなとみらい21地区)は造成中で、5年後には横浜博覧会が行われる場所になります。
その頃横浜ベイブリッジの工事が始まりました。大黒ふ頭はまだ埋め立て中です。

そして現在に近い2024年の横浜港です。
比較すると様変わりがよくわかります。左右の赤灯台と白灯台はそのままに、横浜ベイブリッジと大黒ふ頭、みなとみらい21地区が横浜港を彩りながらその役割を担っています。


▲2025年12月24日 全館点灯と「ヨルノヨ」のコラボレーション


▲2022年 雨の赤レンガ倉庫と大さん橋に停泊する客船

2024年12月、横浜は「日本新三大夜景都市」に選ばれました。
歴史的建造物に囲まれたみなとみらい21地区が霧雨の中に浮かび上がる中、一夜限りのクリスマスの全館点灯と「ヨルノヨ」のコラボレーションが海に反射して輝いています。
サーチライトが空を照らし、霧の見事な演出によって横浜ならではの夜景の醍醐味を醸し出しています。
まさに新旧混在の街・文化歴史の重みを感じます。


▲1970年 関内周辺をセスナで空撮

今年は関内駅の周辺が大規模に変化していきます。
写真は1970年の関内周辺をセスナで空撮したもの。関内駅の下には運河が流れていました。駅前にある横浜センタービル(昨年12月に閉館した「セルテ」)はかつて、ランドマーク的な商業施設でした。
ディスコ「カウベル」がありファッションの発信地でもありました。私も二十代の頃よく通ったものでした。

遡って私が中学生の頃、横浜公園で「開港記念バザー」が催されていました。これは大正時代から始まった、横浜開港を祝う歴史的なイベントでした。
私は同級生と市電に乗って横浜市庁公舎前で降り、縁日やバザーなどを見ながら楽しんでいました。当時は、物語や妖怪を題材にした演目や、今ではテレビでしか目にしないような芸も披露されていました。
公園内には野外音楽堂もあり、よくコンサートが開かれていました。

海側はこれから埋め立てが始まり、みなとみらい21地区・大黒ふ頭・横浜ベイブリッジなど横浜が大きく進化していく、まさに横浜の六大事業の始まる頃の港です。
右側には旧横浜市庁舎と、横浜公園野球場(現・横浜スタジアム)。下部に流れる運河は、現在の大通り公園。旧横浜市庁舎跡地には3月に「BASEGATE横浜関内」がオープンし駅周辺が新しい文化やビジネスの拠点に生まれ変わります。
歴史的建造物として旧横浜市庁舎が保全活用されるというのは嬉しく、風景としてどのように溶け込んでいくのか注目です。

問合せ

政策経営局広報・プロモーション戦略課
TEL 045-671-2332
FAX 045-661-2351

読者プレゼント

【2026年3月31日(火)締切】

いつも「広報よこはま よこはま彩発見」をご覧いただき、ありがとうございます。感想をお寄せいただいた方の中から抽選で、森日出夫さんのサイン入り写真集を10名様にプレゼントします。
「SCENERY of Yokohama3」または「横浜開港160年記念フォトブック」のいずれかをお送りします。(選ぶことはできませんのでご了承ください。)

ご希望の方は、次の6項目※を明記し、電子メール(ss-saihakken@city.yokohama.lg.jp)または郵便はがき(〒231-0005 横浜市中区本町6-50-10 横浜市役所政策経営局広報・プロモーション戦略課 あて)でご応募ください。締切は2026年3月31日(火)必着です。

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なお、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。いただいた個人情報は、賞品の発送以外の目的には使用しません。

読者プレゼントの問合せ先

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広報よこはま2026年3月号に紙面掲載した「よこはま彩発見」の内容は、 「よこはま彩発見」紙面連載バックナンバー(2026年分)をご覧ください。

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