よこはま彩発見
2026年1月号
<読者プレゼントあり>

海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ都市横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。 今回は、よこはま動物園ズーラシアと横浜市繁殖センター(旭区)からです。 広報よこはま2026年1月号に紙面掲載した「よこはま彩発見」の内容は、「よこはま彩発見」紙面連載バックナンバー(2026年分)をご覧ください。

ズーラシアと繁殖センターの取組

よこはま動物園ズーラシア・横浜市繁殖センター


ホッキョクグマの親子 ライ(左)とイッちゃん(右)

「よこはま動物園ズーラシア」は、日本最大級の動物園で、世界中の野生動物を展示・飼育・繁殖しています。同じ敷地内には「横浜市繁殖センター」があり、国内外の希少な野生動物の飼育・繁殖に取り組んでいます。さらに、動物の精子や卵子などの遺伝資源を凍結保存し、将来にわたる保全にも力を入れています。


繁殖センター外観

繁殖センターは、1999 年に開設された、日本初の動物園併設型の希少野生動物保全施設です。敷地内には、希少野生動物を飼育する動物舎、研究棟、そしてズーラシアの動物を診療する動物病院などがあります。


遺伝資源の凍結保存

飼育棟では、絶滅の危機にある野生動物を守るため、繁殖させて世代を重ねながら飼育していくことを目指しています。現在は、マレーバクやカンムリシロムク、カグー、コンゴクジャク、ニホンライチョウなど、国内外の希少な野生動物の飼育・繁殖に取り組んでいます。他にも、⻑期的な保全のために、次のような研究も行っています。

  • ・DNA 解析による性別や親子関係の判定
  • ・フンに含まれる性ホルモン量を測定し、妊娠を早期に診断
  • ・精子、卵子、体細胞などの遺伝資源を凍結保存

(左上)マレーバクの親子、(右上)カンムリシロムク、(左下)カグー、(右下)ミゾゴイ

世界の希少動物を未来へつなぐため、繁殖センターでは国際的な協力も進めています。

例えば、絶滅が危惧されるカンムリシロムク(ムクドリの仲間)の保全のため、育てた160羽を本来の生息地であるインドネシアに里帰りさせました。また、カグーをはじめとするニューカレドニア固有の希少動物を守るため、学術交流や動物の交換も実施しています。
国内では、絶滅危惧種のミゾゴイを2015年に世界で初めて飼育下で繁殖させ、以降、毎年繁殖を続けています。2023年からは金沢動物園と連携して、野生に戻す試験放鳥や行動調査にも挑戦しています。
また、市内で地域絶滅の恐れがあるムカシツチガエルを2014年から飼育し、2018年に飼育下での繁殖に成功しました。2021年からは、育てた個体やオタマジャクシをかつての生息地の水田に放流し、再び定着させる取組を進めています。この活動は市内の小学校などと連携し、環境教育にも活かされています。
繫殖センターは調査・研究を目的とした施設のため、一般公開はしていませんが、SNS で情報を発信したり、年2回の特別公開イベントを開催したりして、市⺠の皆さんに生物多様性を身近な問題として感じてもらう工夫を続けています。


人工授精で生まれたツシマヤマネコの赤ちゃん

ズーラシアでの希少動物の保全活動もご紹介します。

ツシマヤマネコは⻑崎県の対⾺だけに生息する野生のネコ科動物です。野生での生息数はわずか100頭ほどと考えられ、生息環境の悪化や交通事故、シカやイノシシ用のワナに誤ってかかってしまうなど、さまざまな要因によって絶滅の危機にあります。このため、環境省のレッドリストでは最も危険度の高い「絶滅危惧ⅠA類」に指定され、保全活動が進められています。対⾺以外でもツシマヤマネコを守るため、環境省と日本動物園水族館協会が協力して飼育下繁殖や普及啓発に取り組んでいます。ズーラシアは2006年から、日本動物園水族館協会に加盟する人工繁殖推進施設として、ツシマヤマネコの飼育下繁殖事業に携わっています。2021年には、国内で初めて人工授精によるツシマヤマネコの赤ちゃんが1頭誕生しました。現在は、福岡市動物園で元気に暮らしています。


ホッキョクグマの親子(2025年10月撮影)

また、2024年11月18日にはホッキョクグマの赤ちゃん「ライ」が誕生しました。⺟親の「イッちゃん」は、野生と同じように狭くて暗い静かな産室で出産し、60日以上何も食べずに育児を行いました。ライは産まれたときはわずか600gほどでしたが、イッちゃんの栄養たっぷりの⺟乳を飲んで、ぐんぐんと大きな身体に成⻑。産室の中では、飲水用の水に入って遊ぶなどやんちゃな姿がみられ、好奇心に満ちあふれている様子でした。


ホッキョクグマの「ライ」(2025年10月撮影)

2025年5月から一般公開が始まり、展示場ではライの元気な姿を楽しめます。イッちゃんが見守る中、大きなプールで泳いだりダイナミックに飛び込んだり、遊具と格闘する姿を見せてくれます。陸上では駆け回り、植木に体当たりして揺するなど、エネルギーいっぱいです。⼟の上で転がり真っ⿊くまになることも…。かと思えば、イッちゃんに甘えて授乳をねだる様子は、体重100kg をはるかに超えていても、まだまだ赤ちゃんです。この時期限定の親子の姿をご覧いただけますので、ぜひズーラシアへお越しください。


ズーラシア園内の様子

よこはま動物園ズーラシアは、「生命の共生・自然との調和」をメインテーマに掲げています。「ズーラシア(ZOORASIA)」という愛称は、動物園(ZOO)と広大な自然をイメージしたユーラシア(EURASIA)の合成語で、1996 年に市⺠公募で選ばれました。
園内は、世界の気候帯・地域別に「アジアの熱帯林ゾーン」「亜寒帯の森ゾーン」など、8つのゾーンに分かれています。オカピや、国内ではここでしか見ることができないテングザル、セスジキノボリカンガルーなどの希少な動物を飼育しています。園内の植生や設置物にもこだわっていますので、世界一周の動物旅行をどうぞお楽しみください。


干支展

さらに現在、干支の午年にちなんだ「干支展」を3月2日(月)まで開催中です。ズーラシアで飼育している⾺についてのパネル展示や蹄の手入れ道具など、ウマにまつわる様々なものを展示しています。
また、2月27日の「国際ホッキョクグマの日」に合わせて、2月11日(水・祝)から3月2日(月)まで、国際ホッキョクグマの日イベント「知ろうくまフェスタ!」を開催します。ホッキョクグマの生態等についての講演やグッズ販売など、みなさんにホッキョクグマの現状を知っていただくイベントとなっています。こちらもぜひお越しください!

≫よこはま動物園ズーラシア 公式ウェブサイト

問合せ

よこはま動物園ズーラシア
TEL 045-959-1000
FAX 045-951-0777

読者プレゼント

【2026年1月30日(金)締切】

いつも「広報よこはま よこはま彩発見」をご覧いただき、ありがとうございます。感想をお寄せいただいた方の中から抽選で、よこはま動物園ズーラシアの入園招待券を5組10名様にプレゼントします。

ご希望の方は、次の6項目※を明記し、電子メール(ss-saihakken@city.yokohama.lg.jp)または郵便はがき(〒231-0005 横浜市中区本町6-50-10 横浜市役所政策経営局広報・プロモーション戦略課 あて)でご応募ください。締切は2026年1月30日(金)必着です。

※①郵便番号、②住所、③氏名、④感想、⑤読んでみたい記事、⑥「1月号プレゼント希望」

なお、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。いただいた個人情報は、賞品の発送以外の目的には使用しません。

読者プレゼントの問合せ先

横浜市役所 政策経営局広報・プロモーション戦略課
TEL 045-671-2332
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