ここから本文です。
第十五話:一つ目小僧
最終更新日 2024年3月15日
むかし、十二月八日の晩になると人の目には見えない一つ目小僧が、部厚い帳面をかかえて山から村へおりてきて、戸締りの悪い家をさがしてははいってくるといわれています。子どもたちがお行儀悪くぬぎ散らかしている下駄や草履(ぞうり)を見つけては、それにぺたんとはんこを押して帳面に名前を記していくのです。帳面が名前でいっぱいになると、それを辻の道祖神(どうそじん)に初午の日まで預けて、一つ目小僧はまた山へ帰ってゆくのです。
名前を書かれた子どもの家は、翌年になると必ず疫病神(やくびょうがみ)がやってくるといって、人々から恐れられていました。だから、村の子どもたちは、初午の日に一つ目小僧がきても、帳面がその手に渡らないように、正月の十四日には門松やお飾りなどで作った道祖神さまの仮の祠(ほこら)を、どんど焼きといっしょに燃やしてしまうのです。
おとなたちは、一つ目小僧がやってくる十二月八日になると、家の庭先に目籠(めかご)をさげておきます。すると、一つ目小僧は、
「こいつはたくさん目があるなあ、こんなやつにはかなわないよ。」
といって逃げ出してしまうのだそうです。
このページへのお問合せ
瀬谷区総務部地域振興課区民協働推進係
電話:045‐367‐5694
電話:045‐367‐5694
ファクス:045‐367‐4423
メールアドレス:se-kyoudou@city.yokohama.jp
ページID:793-847-873