ここから本文です。

第16回「市長と語ろう!」

最終更新日 2022年10月12日

開催概要

≪テーマ≫子育て(子育てが「まちの力」で豊かになる社会へ向けて)

集合写真

≪日時≫

令和4年8月24日(水)16:00~

≪会場≫

こまちカフェ(戸塚区)

≪対話団体≫

認定特定非営利活動法人 こまちぷらす(戸塚区)

≪団体概要≫

「子育てがまちの力で豊かになる社会」を目指し、平成24年設立。子育てに関わるすべての人に対して、子育てに関する団体及び個人の相互の情報交流を支援するとともに、社会とのつながりを見出し子育てに対する喜びを発見・共有し合える場を地域社会と連携、創出することで孤立しない子育て環境の形成に寄与することを目的にして活動。居場所としての常設のカフェの運営を中心に、赤ちゃんの誕生を祝福し子育てを社会全体で応援する「ウェルカムベビープロジェクト」、カフェから「まちの担い手」がうまれる「つながりデザインプロジェクト」、商店会の事務局等、複数の協働事業にも取り組んでいる。

≪対話概要≫ 

※ 文意を損なわない範囲で、重複部分や言い回しなどを整理しています。

市長挨拶

市長

本日はご多用のところお時間をいただきましてありがとうございます。私が市長に就任したのが、昨年の8月30日ですので、まさに1年が経とうとしています。いろいろアンケートを取りますと、その中で多いのが、子育て環境を重視してほしいというような意見です。これまでも、私の前任や前々任の市長さんが子育て環境に力を入れてきたと思うのですが、私の代でもさらに力を入れようと思っています。
すでに15区回らせていただいて一口に子育てといっても乳幼児から青年前、そして、それぞれのお子さんが抱える状況でも非常に幅が広いなと思っています。あとは、横浜は東西南北広いですから地区ごとでも抱える課題もあって、本当に課題が多様だなということを改めて認識しております。
今日は、ぜひ皆さんが抱える問題意識とかこうしていきたいとか行政のことを、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

「対話の場と出番」がお母さんたちの自己肯定感を回復させる

参加者

「こまちぷらす」という団体名は「子育てをまちの力でプラスにしていく。」、一人や、家族だけではなく、街のみんなでやっていくということが当たり前になったらいいなと思い、それが、そのまま活動の団体名になり、そういった社会を目指している団体です。

子育てについて、特に産後は、孤独を感じるというお母さんたちが7割くらいいて、こうした状況を踏まえて私たちは、「対話の場と出番」を作ることと、「まちの中で自分事として子育てに関わる人口」を増やしたいと思って活動をしています。
お母さんたちは、なかなか「頼る」ということが難しく、その背景に自己肯定感の低さがあって、ここで自分のことを語ったり、いろいろ出番があることによって、だんだんと自己肯定感の低さが回復していくのではないかと思っています。

正のサイクルに向かうための「回復」と「参加」という2つのステージ

参加者

子育てに「孤立」を感じる背景というのは何だろうということで、2019年に大学の先生と一緒に調査をしました。分かったことは、今までいろいろなコミュニティに属していたのに、子育てによって、これまでの経験、既存の関係がぶつぶつと切断されてしまうということです。また、「子育ては幸せであるべき」ということから、否定的な意見を自分で封じ込めてしまって、人に言えないということや、「幸せでない自分」を自己否定してしまうことから、孤独とか自己否定という負のスパイラルなりがちです。
育児とか妊娠とか介護とかライフステージの変化があると、これまで持っていた社会とのつながりが薄くなり、特定の人としか付き合わなくなるので、新しい世界に触れる機会が著しく減ってしまう。思うようにならなくて非常に残念な気持ちになることが多いので、不甲斐なさを感じる機会も多く、自信や自己肯定感を失ってしまう。一度この孤立感が育つと、この社会的孤立は長期化してしまい、なかなか浮上できません。そこで、どうしたらその孤立を解消できるのだろうかというところで、こういうカフェみたいな場に、ふらっと足を運んで、今の自分をそのまま受け入れてもらえたり、いろんな参加の機会があったりして、「今の自分でもできることがある」って、自信を取り戻してもらう。そうすると自分の知らなかった潜在能力も引き出されて、これまでの自分と違う一歩を踏み出していける。「回復」と「参加」の2つのステージをポイントにしていければいいと思っています。こういうことがあると新しい自分で社会参加できる正のサイクルに向かっていけるのではないかと思い、お話する全ての事業にこうした要素が組み込まれています。

カフェに集まる「地域に埋もれている声」

参加者

カフェは、2016年から登録ボランティアの「こまちパートナー」を始めて、これまで約230名の方が登録をしてくださり、その皆さんのお力によって活動ができています。
大きな事業収入としては売上です。あとは寄付とか、協賛金です。助成金も新しい事業開発や研究開発のために活用しています。
2012年にママ友5人に声をかけて創業して、2014年に「まち普請コンテスト」を経てこちらに遷移しております。地域企業の方や、商店の皆さんや、市民の皆さまのおかげで事業を展開することができています。2013年にNPO法人化、2019年に認定NPO法人の認証を取得することができました。
主な事業としては、「こまちカフェ」。カフェをしているといろいろ困っていることや、地域に埋もれている声が集まってきますし、「こういうことできるよ」という「できること」も集まってきますので、カフェから発生した事業もあります。
「参加」というキーワードでお母さんたちや子育て中でない方も参加してくださっています。無関心だった方が、こういった地域の活動に関わるまでのステージを理論的に体系立てしながら、いろいろな地域の居場所の立ち上げというようなことにもアドバイスをしています。

民間型プロジェクト「ウェルカムベビープロジェクト」

参加者

ウェルカムベビープロジェクトといいまして、民間企業と立ち上げたプロジェクトもあります。徐々に、いろいろな企業さんが関わってくれるようになって、日本で初めておむつ自動販売機も生まれました。

市長

ウェルカムベビープロジェクトは、中に何が入っているのですか?

参加者

戸塚区内で赤ちゃんの生まれたご家庭が、お申込みいただいた場合に、無料でご自宅に届けてくれる出産祝いになります。開けていただくと、例えば、昔は赤ちゃんの産着の後ろにいろいろな刺繍を施していたものをモチーフにして、地域のボランティアさんが縫ってくださった「背守り」が入っていて、縫われた方からのメッセージもあります。その他にも理念に協賛いただいた企業さんからご提供いただいた品が入っています。

市長

こういうものをもらうと嬉しいですよね。おむつ自動販売機の件もそうですし、これをお配りするのを、もっと広げられないかなと思っています。今は戸塚区と鶴見区で展開されていますが、ぜひ横浜でと思っています。

参加者

私たちが大事にしているのが、民間型プロジェクトとして寄付や協賛で支えていただいて無料で届くという仕組みを作ることです。
鶴見区はまた違うNPOさんですが、それぞれの地域のNPOが、それぞれの地域にあった形で活動できるように広めていきたいと思っています。そこでネックになるのが、地域のNPOが企業の協賛を獲得しながら出産祝いを作っていくという点です。そこに力とリソースを注げる団体がどれだけあるかというところがあります。興味はあるが、そこまでの動きができないという団体もあります。

市長

今は受け皿が戸塚と鶴見にしかないということですか?

参加者

そうですね。地元のみなさんたちと、子育てをウェルカムする文化を作ることが目的のプロジェクトなので、地元企業の参加が重要です。

市長

規模は違いますが、各区にもいろんな団体あって、どうやったらやれるかなと。すごくいい取組だと思うので、行政としてもバックアップしたいと思います。こういうことが子育て支援なんじゃないかと思います。当然お金がかかることで、やり方はいろいろ考えないといけないと思いますが。貰って、みんなの気持ちがほんわかするというか、嬉しいものなので、これは展開すべきものと思います。

参加者

私たちも民間企業と市の共創フロントにつないでいただいたところから実現ができました。いろんなNPOに「どうやって企業と繋がるのですか?」って聞かれます。お金の問題に加えて、企業や商店と協働するきっかけがあるかどうかも大きいと思っています。

市長

新しい命の誕生を歓迎するという、おもてなしの一つでいいなと思っています。

参加者

あとは、集まってくるありとあらゆる声をデータベース化して、ワークショップで活用もしています。おむつ自動販売機もそうですが、地域には「埋もれた声」がこれまでもあったと思うのですが、そこに企業もなかなかタッチができなかった。だから、いつまでもサービス化されなかったのですが、そういうものが出てきて、実際ものになってみると、「こういうものがあったんだ」って注目されて、先ほどのおむつ自販機も今や全国で79台になりました。そういった、困っているけど埋もれていることは他にもたくさんあるので、そういったことをいかに地域や社会の方々に見てもらうかってこともやっています。

制度とサービスとの隙間をコミュニティ同士の繋がりで埋める

参加者

昔は制度とかサービスってすごく少なかったと思うのですが、コミュニティはすごくふくよかでした。困りごとがぽつんと落ちてきてもコミュニティがキャッチできていたと思います。これまで多くの先輩の皆さんが制度やサービスを作ってきてくれて、救われた方がたくさんいましたが、同時にコミュニティに救われた人もたくさんいました。今やろうとしていることは、困りごとが出てきたときに、制度とサービスとの隙間の部分を、一つひとつのコミュニティは大きくなくていいので、コミュニティ同士が繋がることで、零れ落ちないよう埋めていくということです。
例えば、ある「こまちパートナーさん」から、遠方の親戚の介護の相談をされたことがあります。私たちは介護のことに詳しいわけでもなく、その遠方の土地のことに詳しいわけでもないですが、私たちの活動している商店街の介護サービス会社に相談をすると、頼れるサービスをリストアップしてくれて直接連絡を取り合ってくれました。結果的にその方は遠方まで行って介護しなくて済んだということがあります。
やはり、私たちができることには限界があるのですが、こうしたコミュニティを自分たちの周りにたくさん作っておくと、それが繋がっていくことによって地域の困りごとが解決されていくと思いますし、保護者や、そういった中で育つ子どもたちも希望をもって、安心できると思います。

市長にお話しされる参加者


カフェで「ゆっくり温かいご飯を食べてもらいたい」

参加者

カフェでは食べ物や飲み物を提供していて、戸塚区内の農家さんから仕入れた野菜を使い提供しています。アレルギーの子もたくさんいらっしゃいますので、アレルギーのある子もそうでない子も一緒に食べられるようなメニューをランチで提供しています。
ランチタイムは、保護者の方にゆっくり温かいご飯を食べてもらいたいという思いで、ご飯を食べている間、学生さんや地域の方々が来てくれて見守りボランティアさんとしてお子さんを見てくれています。
あとは、卵・乳製品・小麦粉を使っていないお菓子を店頭やオンラインショップで販売していますし、雑貨コーナーでは、地域の方や子育て中の方がハンドメイドで作っている物を置いて、まだ働きには行けないけど家で作って販売する機会やチャレンジする機会としています。その他にも、子育てのイベントだったり、障害のあるお子さんをお持ちの親の会だったり、引きこもりの子を持つ親の会などを開催しています。
この「こまちカフェ」に飲食やイベントで足を運んでもらって、自分の思いを話したり、いろんな話に触れたりする機会をつくって、「自分だけじゃないんだ」「1人じゃないんだ」というように、子育てで孤立しないように取り組んでいます。

市長

担い手というか、例えば先ほどの見守りの方はどこから来られているのですか?

参加者

ここで見守りをしてもらったことがすごく嬉しくて、子どもが大きくなったので今度は自分が手伝うということもあります。他には地区社協さんのメンバーの方ですとか、区民活動センターなどのご紹介が非常に多いです。あと、最近は学生さんがボランティアさんに来てくださって、子育てを自分がする前に子育て中のお母さんに触れあったりすることも、すごく大事にしているので、いろいろな方に来ていただいています。

先輩ママとして、同じ目線に立ってお母さんの話に耳を傾けて気持ちに寄り添う

参加者

月に一回やっている「でこぼこの会」ですが、発達障害の子を持つ保護者、当事者や支援者が気持ちや悩みを話せる場として開催しています。大体3歳から小学生くらいのお子さんのお母さんが一番多いです。
障害のある子の母親は、いわゆる定形発達のお子さんと日常が違っていて、日々が疲れ切って孤独を感じている人がすごく多いと思っています。父親や祖父母が発達障害についての理解があまりないことに悩んでおられたり、子どもとどう向き合っていけばいいのか分からないといった声をよく聞いています。そのことがさらには母親を追い詰めてしまっていて、心理的な負担がすごく大きくなっています。家族の中でもやっぱり母親の負担が大きいと考えています。
そういった状況で障害のある子を連れて区役所なり、療育センターなり専門家のいるところに行くということがまず、とてもハードルが高いです。私たちのスタッフは全員専門家ではないですが、同じ発達障害の子を育てていた先輩ママとして、同じ目線に立ってお母さんの話に耳を傾けて気持ちに寄り添うという役割が大切なのかなと思っています。
実際に参加した方は「数は少ないと思っていたけれども、1人ではないと気づいた。」とか、「地域の学校の情報とかをもらえた。見通しがたった。」ということで嬉しい声もいただいています。カフェということで非常に近く、ふらっと立ち寄れる場で、何回でも相談に行けるし、何でも聞いてくれる場が「でこぼこの会」だと思っていて、障害があっても将来の見通しが立てられるというのがすごく大事で、あと、個々の問題というのは根本から解決しないかもしれないけど「なんとかなりそうだな」と思える気持ちが重要だと思います。そんな風に感じられる地域づくりっていうのが求められているのではないかと思っています。

親御さんの笑顔が子どもを元気にする

カフェで販売されているクッキー

参加者

「ほっとひと息金曜日」は不登校・引きこもりの子の親が話す会になっています。「ほっとひと息金曜日」では親御さんにこの場に来ていただいて、不登校になって周りから断絶される状況に置かれたときに、「1人じゃないんだ」って思っていただけることと、不登校になっても「子どもの未来は大丈夫」っていうことを感じていただくことで、まず親御さんに笑顔を取り戻していただきたいと思っています。親御さんに笑顔を取り戻していただくと不思議と子どもも元気になっていきます。なので、私たちは具体的な問題解決はできないけども、まずは親御さんたちに元気になっていただこうということで活動しています。
親御さんたちからよく出てくるご意見が、学校に行けなくなった時の経済的な負担の大きさと、学校の内外問わず居場所がすごく少なくなってしまうことにより、教育を受ける権利というところで取り残されてしまうという悲しい気持ちになる。そういったことを切実な声としていただいています。

無表情だった子たちにすごく表情がでてきて

参加者

そこで昨年9月から微力ながら親子の居場所として、金曜の夜の時間にこの場所を開放してお子さんにも来ていただくようにしています。この場所の名前を考えようとなった時に、子どもたちの提案で「ただい間のおうち」という名前に決まって、親子の居場所として始めました。
子どもたちが親以外の第三者と話すことができたり、他の不登校の子と知り合うことができたりすることで、無表情だった子たちにすごく表情がでてきて、別の場所に行ってみようとか、意欲的に取り組む姿勢が、とても印象的な会になっています。今後は学校、地域、商店街や街の人だったり、あとは学生さんでボランティアに参加してくださっている方もいるので、皆さんと子どもの居場所を広げていけたらいいと思っています。

相談しづらい子育て中の介護の問題

参加者

「でこぼこの会」「ほっとひと息金曜日」のお話では子どもの発達、不登校引きこもり、あとは親の介護もあります。「ケアラーズカフェえんがわ」という会を月に1回やっています。妊娠出産の高齢化でダブルケアの方が増えているなかで、親の介護は子育てと違ってママ友との立ち話で話しづらいとか、時に急に始まってしまうことがあります。介護保険の話を聞いたことがあるが、どこに行って申請したらいいか知っている人は少ないです。気持ちの戸惑いだけではなくて、急にいろんな申請が出てきて選ばなくちゃいけなくて、「在宅にするのか入所なのか」「延命する、しない」など大事な選択も迫られることがあります。
そうしたお母さんたちが周りに相談できずにいるので、葛藤も含めて思いを話せるような場所になれたらという思いでやっています。

市長

やはり、最初の部分でこういった場所はとても重要だと思います。いきなり役所で相談を受けますといっても、やっぱり相談しづらい。まずは来ていただくことが必要で、そこから支援が始まるのだと思います。だから、こうした取組は本当に重要だと思います。
こういった活動の積み重ねで、まず入口を増やしていき、来ていただければ後は行政の方で引き継げることは引き継いていく。行政も最初にどのように、どこから情報を拾えばいいのかが分からない。最初の声を拾っていただけるというのは重要だと思います。

参加者

横浜はケアプラザがあるので身近なところにいつでも相談できるところがありますが、「そんなことで電話していいの?」って多くの方がおっしゃります。でも、そこはまず「連絡していいですよ」って言ってます。必要になる手前から取組を知っていただけるだけで必要なときに支援に繋げることができます。
私、以前は地域ケアプラザの地域包括支援センターに居ました。どうしても介護者の会に子育て世代の方はいらっしゃらないですし、子育て支援の会で介護の話はしてくださらない。でも悩みを抱えている方はいたるところにいます。身近なカフェでこういった会があることで、より身近になってもらえたらと思います。

立ち上げ時の経験をオープンソースにして

市長

どうしたらこういう居場所が増えていきますか?こうした取組をもっと増やしたい、応援したいと思います。

参加者

私達もすごく必要なことだと思っていますが、立ち上げの時に、ものすごくエネルギーが必要だと思います。初期投資は大きな借金が必要で、信頼がないと中々できません。こういった活動は市民性は高いですけれど、経営者が立ち上げる訳では無いので、そこのバランスが必要なことと感じています。私達も10年間かけてようやくここまできましたが、カフェを運営するときにありとあらゆるペーパーワークがありました。例えば、衛生管理などそうですが、実務もすごくたくさんあって、帳票類も作らなければならないので、そういったものを全てオープンソースにして、多くの方々が何か立ち上げようと思った時に少しでも立ち上げやすくなるように無料でダウンロードできるようにしています。

市長

そこまで皆さんの情熱があるのは、やはり皆さんが経験者だからですか?

参加者

経験者であることと、やはり救われた経験もあるという両方ですね。その両方があるからこそ、次に恩返しをしていくという思いがあります。

「人と人とのぬくもり」「情熱」を次世代に繋いでいくためのシステムづくり

対話風景

市長

取組を始めたきっかけは?

参加者

私は、以前立ち上げ当初からつい最近までこまちぷらすの理事をやっていましたが、ここからは少し離れた団地でこまちぷらすとは違う団体で子育て支援もしています。
私達の時は、コミュニティがあるところで子育てができましたが、次の世代の人たちは少子高齢化で子どもが少なくなってコミュニティがないまま子育てをやっているので、団地の中での子育て支援を始めました。
15年くらい前に、戸塚駅周辺に子育て支援拠点を作ろうということで、区役所がどういった視点で作ったらいいか集めたところ、子育てを楽しめる場所がないという声がありました。私は団地でNPO法人も持っていたので、その声や想いを、何とか受け止めていかなければいけないという思いでした。しかし、法人の皆さんは団地で既に子育て支援をしているので、「私一人しか参加できないけどいいの?」って聞いたら、お母さんたち、支援者たちが「やります」と集まってきていただきました。

市長

ご苦労が多いことは分かっていますが、やはり成功している例だと思います。

参加者

同じように子育て支援拠点をやろうとする人達が横浜市内で子育て系NPOを作った時期でした。

市長

どの区もNPOが結構ありますよね。

区役所レベルで把握しているとこもあるでしょうが、その全貌が良く分からない。今回18区回らせていただいて、すごくよかったと思ったのは、地区毎の濃淡があるなかで、行政として目指すところは、良い雰囲気を横展開していく、取組が同じである必要はないのですが、良い意味で標準化をしていくところだと思います。地域差が出ないようにしたいし、先行して良い取組をしている事例を共有していきたいと思います。市役所の中でプロジェクトを立ち上げなければならないと思うのですが、やらなければいけないと思っています。

各区で良い取組があって、それを広げる。言うのは簡単ですけど、実際にやるには大変です。ですが、そこに情熱を持ってやってこその子育て支援じゃないかと思います。「人と人とのぬくもり」「情熱」を次世代に繋いでいくためのシステムづくりをしていきたいと思います。それは、制度を作る話ではないので、より一層行政側も情熱が必要になると思いますが作っていきたいと思います。

参加者

コミュニティを作っていく過程では、仲間ができて連帯して「何とかなる」と思えるような安心感が生まれます。そして、自分達の街への愛着が生まれて、行政に「お任せします」ではなく、自分達で良くしていく、市民として責任を持って考えていくというスタンスを育んでいくことは何歳になっても大事だと思います。ただ、今そのきっかけがすごく少ない、何かやりたいと思っている人は山ほどいると思っています。

市長

コミュニティを作っていく過程では、仲間ができて連帯して「何とかなる」と思えるような安心感が生まれます。そして、自分達の街への愛着が生まれて、行政に「お任せします」ではなく、自分達で良くしていく、市民として責任を持って考えていくというスタンスを育んでいくことは何歳になっても大事だと思います。ただ、今そのきっかけがすごく少ない、何かやりたいと思っている人は山ほどいると思っています。

参加者

戸塚区のこども家庭支援課の皆さんは、行政ができることは行政がしっかりやって、こういった民間でしかできないことは民間でやって、お互いの得意不得意をうまく組み合わせていると思います。

市長

立ち上げる時には行政と民間のタイアップは必要で、ある程度までいったら、民間でやってもらう。

参加者

行政にしかできないこともあり、民間だからこそできることがある、と思います。民間の中でもできることについては、マイナスからゼロにということと、ゼロからプラスでということの二段階を、「民(みん)のインフラにも埋め込みながら」進めていくということがすごく大事かなと思います。

市長

ああ、いい言葉ですね、「民(みん)のインフラにも埋め込みながら」という取組。
おっしゃるとおりですね。


さまざまな「市民参加」のかたち

参加者

これは産前産後の方々がカードに書いてくださった声になりますが、例えば「障害」「働き方」「介護」だったり、「外国にルーツのある方」だったり、24個のテーマで1,000枚以上の声があります。このカードを使ってワークショップをすることで、普段だったら絶対に出会えない人の声に接していただいて、いろんなことを考えていただいています。企業でやっていただくとしたら、生活者としてそれぞれ働く人の立場を理解するためのツールとして使っていただいて職場の環境改善に活用したり、地域連携をどのようにしていったらいいかというような考えるきっかけとして使っていただいたりしています。あと、街の中でやるときはお隣に住んでいる方が、普段どんなことを考えているのかということを分かっていただくというようなツールにもなっています。

参加者

こういった声を出すことも市民参加ですし、これを見た方が「これって何かしなきゃいけないかな」と思うことも市民参加の一つですし、みんながちょっとした参加をリレーのように繋げていくようなことも市民参加です。

参加者

横浜のすごく誇れるところで、全国から注目されてきたことは横浜の市民力だと思うのです。そこをしっかりともっていくと結果的に子育てがすごく安心すると思います。

居場所としてのカフェの在り方を明文化すること

参加者

こういった居場所をどう展開していったらいいかというところですが、その地域ごとにその地域らしさやその運営する団体や人らしさが中心にある場が一番よいと思います。
ただ、それをゼロからつくるためには、チーム作りや経営やカフェ運営のオペレーション、関わりやすさや居心地の良さ、そういったことの多くを試行錯誤しなければいけません。
少しでも立ち上がりやすく続けやすくなるようにするにはどうしたらよいかと考え、2016年から様々なご支援をいただきながら、体系立てたり展開の試みを重ねてきました。
居場所を通してどのように参加のきっかけを作っていくか、「対話」を通してその方自身がその人自身とつながり誰かとつながっていけるか、今の私にもこれができると思えるような瞬間機会をカフェという居場所の中でどう作っていくか、を経営やオペレーションとセットで考えることは大変で、時間をかけてブラッシュアップしてきました。
いろんな居場所が全国にありますけども、こうやって仕組みを体系化したり明文化したり することによって、誰でも自分の地域に持ち帰ってその人らしい工夫ができると思っています。こまちぷらすの場合は、こまちパートナーの方々がいて、その皆さんの「参加」によって活動ができてきました。そうしたいろんな人の「参加」によって運営できるカフェ・居場所を更に連携しながら増やしたいと思っています。そうした先にどんな子育てにもコミュニティがある状態ができるのではないかと思っています。

市長コメント

団体の皆さんとお話する市長

市長

本日のお話ですが、「子育て」を推進していくうえで、「横浜の子育てのしやすさの向上」という観点で、多くの人をカバーできる取組だと思います。

いわゆる無関心層と言われる方々から街の担い手の方々まで色々いらっしゃるとは思いますが、伺ったような仕組み、活動が活発になるように、行政としてもいろんな取組を強化していきたいと思います。今日は色々な興味深いお話を聞かせていただきましてありがとうございました。

このページへのお問合せ

市民局総務部広聴相談課

電話:045-671-2335

電話:045-671-2335

ファクス:045-212-0911

メールアドレス:sh-shukai@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:190-191-956

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews