ここから本文です。

第11回「市長と語ろう!」

最終更新日 2022年11月2日

開催概要

≪テーマ≫子育て(地域で子どもを育む)

集合写真

≪日時≫

令和4年7月17 日(日曜日)14:00~

≪会場≫

つづきMYプラザ(都筑多文化・青少年交流プラザ)(都筑区)

≪対話団体≫

つづきMYプラザ(都筑多文化・青少年交流プラザ)(都筑区)

≪団体概要≫

「青少年地域活動拠点」と「国際交流ラウンジ」という2つの機能を横浜市で唯一併せ持つ施設。青少年支援の観点から構築された地域のネットワーク及び、外国につながる子ども達等の支援・多文化共生の観点からつながった人材のネットワークにアプローチして運営。青少年が気軽に集える場所であり、外国につながる子やその親等、外国人の相談窓口として、居心地の良い身近な施設として機能している。気軽に話せる場だからこそ、青少年の問題の早期発見や外国人の個々の事情に合わせた相談に対する支援を学校及び関係機関と連携し実施している他、2つの分野があるからこそ構築された関係により実施できる事業が多々あり、施設としての魅力を高めている。

対話概要

※ 文意を損なわない範囲で、重複部分や言い回しなどを整理しています。

市長挨拶

市長

日曜日にも関わらずお時間をいただきましてありがとうございます。
私自身、重点施策の一つに「子育て」を掲げており、18区全てに行って、地域で活動されている団体の皆様とお話をさせていただいています。子育てといっても幅が広く、いろんな角度から考えるべき視点があると考えております。地域で活躍されている皆さまから、どういった思いで活動され、課題を抱えているのか、お聞きすることが今後の市政運営の参考になると考えております。
本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

二つの異なる機能を併せ持つ施設

参加者

市長にお話しをする参加者

つづきMYプラザは地域の多文化共生を担う国際交流ラウンジと中高生世代を中心とする青少年地域活動拠点の二つの異なる機能を併せ持つ施設です。同じ場所で同じスタッフがそれらの機能を形にするということは容易なことではなく、開設間もなく自分たちだけで担うことはとてもできないと結論付けました。つまり、事業推進に際し、私たちスタッフが地域とつながり、なるべくMYプラザ単独では事業の実施をしないことを決めて、常に誰かと連携することを考えてまいりました。
今年15回目となる夏のボランティア体験「はぁとdeボランティア」は、都筑区社会福祉協議会と一緒に、中高生にボランティア活動を一緒にしないかと声掛けをしたところ、5コースの活動が実現いたしました。現在は市内でも他に例を見ない力強い事業に育っております。
また、「STEP UPプログラム」も、昨年9月からこの夏を目指して活動を継続しております。中高校生世代で行う地域活動の経験は、次に繋がるものと考えております。
また、多文化共生を担う国際交流ラウンジの機能として早い時期から取り組み始めたのが外国に繋がる子どもの支援です。国際交流ラウンジと青少年の地域活動拠点が重なる部分を、MYプラザが学校連携として実施をしてまいりました。そこで作成したのが、「外国につながる子どもとともに」という資料です。まずは学校にMYプラザを知ってもらう必要があり、この1枚の資料が学校連携のスタートとなりました。現在は学校から直接相談が入り、子どもや保護者と繋がるようになりました。特に中学3年生の進路指導は、外国人集住地区ではない都筑区にとっては大変難しく、必要に応じて学校・家庭とともに支援体制を作りながら進める必要があります。一番大切なのは子ども自身が自分で自分の進路を決める力を付けることだと考えています。それさえあれば次のステージをやり遂げられるのではないかと思います。

「専門性よりも関係性が求められる居場所」の親でも教師でもない第3の大人の存在

参加者

青少年の地域活動拠点は、中高校生世代の放課後の居場所ですが、中高校生にとっての居場所は単にスペースがあればいいという訳ではありません。専門性よりも関係性が求められる居場所は、彼らが学校や学年を超えた同世代や多世代との信頼関係を築くことのできる大切な場所だと思います。特に親でも教師でもない第3の大人の存在が重要だということを、MYプラザを運営しながら痛感しました。
彼らが巣立つときに、第3の大人との関係性は非常に漠然として形ないものに見えますが、とても大切な子育ての出口ではないかと考えています。

きっかけは「現地でしていただいたことをしたい。」「日本を好きになってもらいたい。」

参加者

私は、約20年程度、外国につながる子どもの支援を続けてきました。活動を始めたきっかけは、短い期間ですが海外生活をしていて、その時は子育て中だったのですが、現地の方にすごく良くしていただき、帰国して私も「現地でしていただいたことをしたい」と思ったことです。
今、主に来たばかりの子どもの支援をしています。どちらかというと親御さんの都合で来ている子どもたちが多いので、最初から「日本語頑張ります!」っていう子は少ないです。中には心を閉ざしている子どももいて、そこをいかにしてソフトに開かせてあげるかというのが難しいです。
でも、本当にこの場所があるっていうのはありがたいことです。ただ、通うのが遠くて難しいという子どももいるので、できれば各中学校に一つくらいあると通いやすいと思います。

参加者

私はずっと普通のサラリーマンをやってきていましたが、50歳を過ぎてから、「会社だけで、地域とのつながりが全くない。」、それじゃちょっとまずいなと思い、海外とお付き合いをする仕事が比較的多かったこともあり、たまたま区役所でボランティア活動の掲示板を見て、ここの存在を知り、ここに来ました。
実際ここに来てみると、「彼らにとって外国(日本)に来ていることが本当に良いことなのか、彼らは必ずしも望んできたわけではない。」ということを感じました。できれば彼らに、「日本を好きになってもらいたい。」そうなることのお手伝いができれば嬉しいと感じて、週1回「勉強を教える。」ではなく、「勉強を一緒にしている。」というところです。

違う国に引越しする時はメンタルの心配をすべき

参加者

違う国に引越しするって考えると大人の人は、お金、文化そして言語の心配をするのですが、私の経験ではメンタルの心配をすべきだったと思います。
小学5年生で日本に初めて来たときは、日本に来ることが夢だったので「嬉しい」という感情しかなくて、勉強に関しては全く考えていませんでした。でも、学校に通いはじめて、成績の悪化と、どんどん置いて行かれる気持ちが、すごいダメージでした。でも、親の応援と友達ができて、なんとか乗り越えることができました。

学生たちがつづきMYプラザと繋がった様々なきっかけ

市長にお話をする参加者

参加者

もともとボランティアを始めようと思ったきっかけは、今思うと良くないと思いますが、高校受験の内申に「ボランティアをやっていました。」って書いてもらえればと思ってでした。辞めたくなったら辞めてしまえばいいと最初は思っていました。

でも、やっているうちに学校も学年も違う、全然違う環境の中でどんどん自分が成長しているような気がして、「人のために何かするって楽しいな」って思いました。全員がボランティアを始めるきっかけは違っても、全員が「人のために何かをしてあげたい。」という気持ちが一緒だからこそできることがあったりもします。人数が集まらない日も、一人でもできることないかなって考えるようになりました。

参加者

きっかけは学校の先生に勧められたのと「楽しそうだな。」と思ったことです。始めてみたら、楽しいし、自分のやっていることが地域のためにもなって、それが一石二鳥みたいな感じです。

知らなかった人とも知り合えて、地域のためにもなっていろいろ感謝してもらえるのはいいなって、「ただ自分の好きなこと」をするよりも、ボランティアをした方が良いなと思いました。

原動力は「成長を間近で見せてもらえる」そして「社会の変化」

市長

支援者の皆さんに伺いたいのですが、活動をずっと続けていくことの原動力は何ですか?

参加者

初めは半泣きになりながら来ていた子たちが、他の子と関わるようになって、成長を間近で見せてもらえるということが醍醐味です。卒業生の活躍とかをSNSで知ったりして、すごく感激したりします。「あんなに漢字嫌がっていたのに~」なんて。

参加者

人の役に立ちたいっていう気持ちは多少あります。ボランティアをやるといっても、「自分になにができる?」と考えたときに、「KANJIクラブ」が自分にぴったりだなと思いました。
あと、最初笑顔のない子がだんだん話してくれたり、日本語を書くことができないと思っていたら、「作文書いたので見てください。」って言ってきたり。「あれ、こんなことできるの?」とか、そういった新鮮なこともあり、毎週来るのが楽しいです。

参加者

私自身、開設からずっと館長をやっていますが、なぜできたかというと、一つは辞めるタイミングを失ったこともありますが、多くの変化があって「ここで良い。」という時が無かったということかもしれません。開館式から始まって、15年の社会の変化、ここを使う子どもたちの変化、青少年も含めて本当に変わってきています。その度に課題があり、地域ニーズが変わり、それに対応したら15年経っていました。原動力は、社会の変化だったのかもしれません。
ただ、悩んだことは、ここが専門機関ではないということです。「専門性ではなく関係性が大事」ずっと悩んできた答えがそれでした。特に彼らは専門機関を求めているわけではない。そこに行きついて、「ああ、やっぱりここにいて良かった。」と思ってもらうことが、私の中でのある意味結論でした。

施設の特徴を生かす「支援を具現化する発想力」と「地域ニーズの裏付け」

市長

「青少年育成」と「外国人支援」の2つが合わさっているからこそ、他の施設ではできない取組ができるのかなと、お話を聞いて思いました。

参加者

そのとおりだと思います。そういう意味では横浜市で唯一無二の施設だと思っています。

参加者

国際交流ラウンジは国際局、青少年地域活動拠点はこども青少年局が、それぞれ18区に作っていく中で、両方の候補に都筑区が上がって、人材や様々なネットワークとか、あとはこの場所が見つかったということも大きかったと思います。

市長

2つの機能を併せ持つことのメリットは何ですか?

参加者

きっかけが増えるということです。ただ、裏返しにあるものは、それだけの発想があるかということが必要だと思います。国際交流ラウンジと青少年の地域活動拠点は全く違うものです。それを併せ持って重なることころで外国につながる子どもの支援をするにしても、それをイメージだけに留まらずに具現化するということは、発想力だと思います。もう1つは地域ニーズの裏付けがないといけないと思います。ここが、外国人集住地区じゃなかったっていう点です。18区のうち外国人集住地区と呼ばれるのは3区で、残りの15区はそうではない。その中で、複合施設を強みにすることができたと思っています。

「中学3年生までに心のシャッターを開けたい」

市長

親御さんの都合で外国から来られている方は、かなり多いと思いますが、「KANJIクラブ」の卒業生として、ご自身が小学5年生の時に来られた時のことを振り返って何かアドバイスはありますか?

参加者

まずは漢字を学ぶことですね。小学校の漢字まで。あと、日本人だけの友達をつくる。私が小学校に入った時は外国から来た子どもは居なくて、周りはもちろん日本人しか居なかったです。そのおかげで早く日本語が学べたと思います。

参加者

私は、彼と去年1年間一緒に勉強していましたが、性格的に非常にポジティブです。もちろん日本に来て悩んだこともあるだろうけど、積極性のある性格なので友達ができて日本語を覚えたとか、そういうのは彼の性格が良いほうに作用しています。みんながそういう訳では決してないというのも事実だと思います。

市長

最後まで気持ちを開かない子どももいるのですか?

参加者

います。中学3年生をどう過ごすかというのが非常に大事で、中学2年生まで心を閉ざしていたとしても、中学3年生までには心のシャッターを開けたいと思います。なぜなら、その先の進路を考えさせたいからです。高校受験を拒む子もいます。「もうどうせ行けないし、行かない。」という子であっても、ずっと付き合っていく中で、時間をかけて自分で進路を引き出す。それに寄り添い続けるのがボランティアさんだし、私たちスタッフです。

市長

外国から来ている子たちが、スタッフやボランティアの方々が見守る中で、いろんな活動を通じて繋がりを持ってもらうことが、日本で過ごしていく上ですごく重要だと感じました。

「はぁとdeボランティア」「STEP UPプログラム」を経験して

市長

いま「STEP UPプログラム」で活動されていると思うのですが、「はぁとdeボランティア」の経験は役立っていますか?

参加者

「はぁとdeボランティア」の参加申し込みを出すときに第1~第3希望まで出せたのですが、第1希望は人気があって自分がやりたかったものができませんでした。「STEP UPプログラム」に進んだら、自分がやりたいことができるのではないかと思ったのが最初です。

市長

「STEP UPプログラム」で運営側に入ってどうですか?

参加者

人の前に出て何かを仕切ったりすることが好きなので、みんなをまとめた経験が生かせているのかなと思います。

参加者

小学生の時、初めて「はぁとdeボランティア」をやって嬉しかったので何回かやりました。「STEP UPプログラム」に参加したきっかけは、夏休みにやっているからで、やっていて楽しかったから続いています。

市長

「STEP UPプログラム」も「はぁとdeボランティア」も、学校や学年が異なる人たちと何かを作って活動していくことはどうですか?

参加者

学校だけでは絶対に知り合えなかった人たちと一緒にできたり、いろんな考えの人がいるので、自分の考えが広がったり、そこで出会った人たちと仲良くなって友達になって、友達の幅も広がって、人と話したりすることも好きなので、いろんな人がいるからこそ楽しいって思います。

様々な国の方々との交流

対話の様子

市長

「プラザまつり」では、外国から来られた人たちと一緒に活動することはあるのですか?

参加者

コロナ禍の前は外国の方々と活動する機会が本当に多かったです。
外国人も日本人も、大人も子どももたくさんの方々が来場する「プラザまつり」以外に、家族総出の「日本語学習発表会」も実施していました。日本語を学ぶ子どもも大人も一緒に学習の成果を発表します。「プラザまつり」には区内の企業から連絡があって、技能実習生として来日している人たちを参加させたいという相談もありました。
ただ、残念ながらこの3年間はまったくできていません。
その代わりとして、3月にブラジルやコロンビア、台湾、インドと繋いだオンライン交流会を初めて試みました。そういう新しい試みを考えていくことが、先ほどのご質問の原動力かもしれません。

活動を進めるうえでのこれからの課題、すべきこと

参加者

区長へのお願いですが、こういった活動や似たような活動の情報があるといいと思います。今は外国人の皆さんのお手伝いをしていますが、外国の子どもじゃなくても日本人の子どもでも、ヤングケアラーだとか勉強したくてもなかなかできないとか、困っている子は多いと思うので、どこで何をやっているか分かるといいと思っています。

市長

子育て支援とか青少年育成とか、いろんな役割をもった団体は多数あると思うのですが、ある程度相互連携、横連携はもっと強化してもいいですよね。

区長

毎年3月にボランティア団体の発表会をやっていたのですが、コロナ禍でここ何年かはできていません。全てを網羅していないので、我々としても課題かなと思います。

参加者

「KANJIクラブ」は小中学生が対象で、外国につながる高校生の支援がまだまだ不十分です。上手くいかないと辞めてしまったり、中退したりしてしまう。このことは全国的な問題になっています。これだけ人が多い横浜市ですから、恐らく見えない数字は相当あるのではないかと思っております。小中高と切れ目のない支援、「KANJIクラブ」のその次への支援というのがこれからの課題かなと思っております。

市長コメント

参加者にお話しされる市長

市長

今日はいろいろ聞かせていただいて、青少年育成と外国人支援という異なる二つの目的をもった施設を運営されていることの難しさや、でも達成できることも多いことが分かりました。そういった活動に日々取り組んでおられる方々や、活動を通じて学び、経験してきた学生さんたちとお話をする機会が持てて本当に良かったです。
横浜は、都市部から郊外部まで面積も広く、人口は政令指定都市でナンバーワンですから多様な問題があります。その中で、地域で活動されている皆さまこそが宝だと思っています。
皆さんのように、いろいろな気持ちを持って取り組んでいただいておられる方々の大切さを本当に感じました。青少年支援・外国人支援といってもいろいろな側面や角度から考えなくてはいけません。地域で活動されている皆さんの取組が地域の絆をつくり、地域を活性化していくと思いますので、それを行政としてきめ細かく支援していきたいと思います。
また、現地に赴いて、現場で活動されている方々と直接意見交換をしていくことの大切さを改めて感じました。今日は本当にありがとうございました。

このページへのお問合せ

市民局総務部広聴相談課

電話:045-671-2335

電話:045-671-2335

ファクス:045-212-0911

メールアドレス:sh-shukai@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:212-713-878

  • LINE
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube
  • SmartNews