第3期都筑区地域福祉保健計画「つづき あい」 計画期間 平成28年度〜32年度(2016年度〜2020年度) 横浜市都筑区役所 横浜市都筑区社会福祉協議会 区内地域ケアプラザ(加賀原・葛が谷・新栄・中川・東山田) 第1章 第3期都筑区地域福祉保健計画の概要 1 第3期都筑区地域福祉保健計画の基本的な考え方 〇 基本理念と目指す姿 基本理念: 人と人との「であい ささえあい わかちあい」 目指す姿: 「であいが広まり、お互いにささえあい、地域がもつ力をわかちあえる地域づくり」 都筑区では、人と人との「であい ささえあい わかちあい」を基本理念として平成18年に地域福祉保健計画を策定してから10年が経ち、地域の方が福祉保健課題について話し合う地域懇談会の開催や子ども、高齢者が集まるサロンなど、様々な取組が広がってきました。地域での活動が広まっている一方で、高齢者が多くなっているなど、今後、支援が必要な人は増えていくと考えられ、地域での見守り体制や課題解決に向けた取組が一層重要になっていきます。 平成28年度から取り組む第3期都筑区地域福祉保健計画(〜平成32年度)においてもこれまでの基本理念を引き継いでいくとともに、誰もが地域活動や行事等に参加するなど「であいが広まり、お互いにささえあい、地域がもつ力をわかちあえる地域づくり」を目指していきます。 〇 取組の方向性 第3期都筑区地域福祉保健計画(以下、「第3期計画」)は、都筑区の特徴や魅力でもある緑道、公園などの豊かな地域資源を活かしながら、お祭り、体育祭などの地域行事や様々な活力をつないでいくことを目指して策定しています。 統計データや区民意識調査を踏まえると、「子ども・青少年」、「高齢者」、「健康づくり」の分野に特徴がみられ、今後、取組の重要性は増していくものと考えています。 「子ども・青少年」、「高齢者」、「障害者(障害児を含む)」、「健康づくり」の各分野に取り組むとともに、「地域福祉保健計画を推進する基盤づくり」を進めていきます。 統計データでは (1) 15歳未満人口の割合が高く、今後も現在の水準を維持する (2) 65歳以上人口が増え続け、今後15歳未満人口を上回る と予測 (3) 高齢化に備え、健康寿命延伸の観点から、健康づくり(運動習慣の定着、健康的な食生活、健康診断の受診、社会参加など)が重要   地域懇談会・区民意識調査結果から (4) 地域活動の担い手不足や地域における人と人とのつながりの希薄化が課題 ○ 個人や家族でできること(自助)と地域や仲間で支え合いながらできること(共助)の重要性  福祉保健分野においても、自分でできることに主体的に取り組む「自助」が注目されてきています。  また、人々が抱える様々な生活課題を地域課題として共有し、身近な地域などのつながりで支え合う「共助」も一層重要となっています。「共助」からは地域の安心感、信頼感が生まれ、そこに参加する方の個人の生きがいや健康にもつながります。  これらの「自助」「共助」に、必要な公的サービスを提供する「公助」が適切に組み合わさり、それぞれの効果が相乗的に発揮されることで、誰もが健やかで安心して生活できる地域づくりが進むよう、取り組みます。 2 計画の構成  第3期計画は、「区計画」と「地区別計画」で構成されています。 (1)区計画について 〇 区・区社会福祉協議会・地域ケアプラザによる一体的な推進  第3期計画は、都筑区と都筑区社会福祉協議会、地域ケアプラザ(平成28年現在、5か所)が共通の基本理念・目指す姿のもと、地域福祉保健の事業に一体的に取り組み、計画を推進していきます。 〇 地域福祉保健計画推進委員会  都筑区地域福祉保健計画の推進にあたっては、様々な関係者の連携が必要不可欠です。そのため、都筑区の福祉、保健、医療等の関係者で構成された「都筑区地域福祉保健計画推進委員会」(以下、「委員会」)が、計画の実施状況を把握し、今後の推進に向けて意見交換を重ねてきました。第3期計画においても、この体制を引き継ぎます。  また、第3期計画の取組分野である「子ども・青少年」、「高齢者」、「障害者」、「健康づくり」について、より具体的な議論を交わし、効果的な取組を推進するため、委員会の下にそれぞれの分野について検討する場を設けます。 (2)地区別計画について  地区別計画は、地域の特性に応じた福祉保健課題にきめ細かく対応していくために、連合自治会町内会(以下、「地区連合」)及び地区社会福祉協議会(以下、「地区社協」)のエリアごとの目標や取組内容を盛り込んだ行動計画です。  地区別計画のエリアは、組織的な活動が地区連合エリアで展開されていること、地区連合エリアごとに地区社協が組織されていること、などから、地区連合・地区社協エリアとしています。  第3期計画では、これまでの成果を踏まえて、さらに地区連合と地区社協が一体となり、主体的に課題解決に取り組んでいくことが大切だと考えています。  この地区別計画については、地区連合・地区社協エリアごとにその計画の内容と地域の特徴を掲載した小冊子を作成し、配布をしていきます。 3 第2期計画までの取組・成果  平成18年度に策定した第1期計画では、人と人とがつながるきっかけである「であい」をつくり、その基盤の上に「ささえあい わかちあい」ができるような人のつながり、場、機会を広げていくことを目指して取組を進めました。その成果として、地域の活動を紹介する計画発表会や地域懇談会を開催することにより、地域福祉保健の課題解決のための情報共有や話し合いの場として定着しました。また、「つづき あい基金」の設置により、多くの区民・団体等が協働した地域福祉保健計画の推進につながりました。  平成23年度からの第2期計画では、第1期で定着した話し合いの場などを活かしてつながりづくりが進みました。また、東日本大震災の経験を活かし、必要な人に必要な支援を届けるため、全ての地区連合で災害時要援護者支援事業「つづき そなえ」に取り組むなど、顔の見える関係づくりが進められました。その他、地域における福祉保健の取組や活動を紹介する「つづき あい通信」の発行により、さらに情報共有が進みました。  こうした地域の取組による顔の見える関係やつながりづくりを通じて、地域の方々による子育て・高齢者サロンの開催や小規模のボランティア、健康づくりなど、主体的な活動が進んできています。  平成28年度からの第3期計画では、平成22年に区独自に策定した都筑区こども・青少年育成計画と地域福祉保健計画を一本化し、地域の福祉保健課題解決に関する取組を一体的に推進します。 ◇都筑区社会福祉協議会とは◇  都筑区社会福祉協議会(以下、「区社協」)は、社会福祉法で「地域福祉の推進を図る」事を目的に組織された地域の住民や団体・施設が会員として加入している民間の福祉団体です。  区社協の目的は、福祉のまちづくりを目指して地域福祉活動を進めることであるため、「自主性」と「公共性」という性格を持っています。  区社協は、地域の福祉課題をみんなの課題とし、地域のみんなで話し合い、計画的に解決に向かうよう取り組んでいます。 <区社協の活動> ●基本となる活動 ・都筑区福祉保健活動拠点(かけはし都筑)の運営:福祉団体等への活動の場の提供 ・福祉保健活動団体への支援:ふれあい助成金や善意銀行配分金等 ・ボランティアセンター:ボランティアに関する相談や受付、育成のための講座の開催、ボランティア保険の手続き等 ・福祉教育や啓発活動 ・障害児者支援事業 ・地域福祉保健計画の推進 ●地域支援の活動 ・身近な地域のつながり 支えあい活動推進事業  地域にお住まいの要援護者の方々等の個々の困り事を、地域の課題として捉え、地域の方々が共に考え、解決に向かうために、より身近な範囲での「つながり」や「支えあい活動」を地域ケアプラザとともに進めます。 ・地区社会福祉協議会を中心に地域活動の支援  地区社会福祉協議会(以下、「地区社協」)の運営や活動の相談、情報提供・活動費の助成、研修会の開催など ●福祉サービス活動 ・送迎サービス  公共交通機関の利用が困難な高齢者や障害者の方を対象に地域のボランティアの運転による送迎サービスを実施しています。 ・あんしんセンター  高齢者・障害者の方々へ福祉サービス利用援助・金銭管理等の権利擁護事業を行います ・生活福祉資金の貸付事業 ●第2期計画の取組・成果〜地域福祉活動計画の推進〜  区社協は、第2期地域福祉保健計画の一環で、「テーマ別(ボランティア・障害児者・高齢者・子ども)活動計画」と「地区社協版の活動計画」として、モデル地区社協5地区の推進に取り組みました。  テーマ別計画では、障害者団体の方々による理解促進のため、バッチを活用した啓発活動やボランティアによるPR活動等を進めました。  各モデル地区社協では、地域住民全世帯対象の意識調査や地域の活動団体の把握を実施するなど、地域のニーズを把握し計画を策定しました。その結果「ちょこっとボランティア」などの助け合いや見守り活動、サロン活動の実施に結び付くなど、この5年間で地域福祉の環境づくりや地域での福祉活動が広がりを見せ、活発になりました。  これらの活動計画の取組は、第3期都筑区地域福祉保健計画にも反映しています。 ◇地域ケアプラザとは◇    地域ケアプラザは、誰もが住み慣れたまちで、安心して暮らせる地域をつくっていくための拠点として、地域の福祉・保健活動を支援し、福祉・保健サービス等を身近な場所で総合的に提供する施設です。  そのほか、地域の皆さんの福祉・保健活動等の支援や交流の場、地域の身近な相談窓口としてもご利用いただけます。 ●地域活動交流  地域交流コーディネーターが地域のさまざまな活動を支援します。また、各種イベントや講座、ボランティア活動の調整などを行っています。地域の皆さんの福祉・保健活動等の支援や交流の場として、多目的ホール等の各部屋をご利用いただけます。 ●福祉・保健サービス  高齢者デイサービスなど、地域のニーズにあった福祉保健サービスを提供します。(提供するサービスは各ケアプラザで異なります。) ●福祉・保健の相談・支援(地域包括支援センター)  地域の身近な相談窓口として、福祉・保健の専門の相談員が相談を無料でお受けし、情報提供や関係機関との連絡調整を行います。  また、地域ケアプラザは地域包括支援センター機能を持ち、介護保険の認定申込の受付や、高齢者の生活全般にわたる幅広い相談を承ります。 ●第2期計画の取組・成果  第2期計画では、「顔の見える地域づくり」「幅広い区民参加で活動や取組の輪を広げる」「必要な人に支援が届く仕組みづくりや取組を進める」を目標に掲げ、取組を進めました。  個別の支援や自治会町内会等の行事への積極的な参加、定期的な広報に一つ一つ取り組んだ結果、地域の方との顔の見える関係づくりが進んだほか、総合相談の受付も増加し、地域の身近な相談窓口として定着しました。  また、地域の見守りネットワークや元気づくりステーションの立ち上げ支援に取り組み、その結果、地域の方々が主体的に地域課題について話し合ったり、介護予防に取り組む環境づくりが進みました。