予算質疑から 令和2年度横浜市予算議案と予算関連議案について、各会派を代表して14人の議員から「予算代表質疑」と「予算関連質疑」が行われました。その中から、24項目を抜粋して掲載しています。 【自民党】10問 ●SDGsの推進 ●旧深谷通信所の跡地利用 ●令和2年度予算案の基本的な考え方 ●公園の公民連携 ●実現に向けた決意 ●横浜IRとスマートシティ ●旧上瀬谷通信施設での新たな交通の導入 ●デリバリー型給食の早期実現 ●1人1台端末を活用した教育 ●医療的ケア児・者への支援 【立国フ】6問 ●新たな劇場計画の検討 ●自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション) ●風水害時における地域との連携強化 ●RPAを活用した行政事務の効率化 ●事業者契約の解除規定 ●いじめ早期解決に向けた取組 【公明党】5問 ●災害時における液体ミルクの活用 ●母子保健コーディネーター配置の意義 ●認知症への支援 ●8050問題対策 ●ハマ弁を給食に位置付けることの意義 【共産党】2問 ●アドバイザリー契約事業者の透明性・公平性・公正性 ●中学校給食の実施 【ヨコ会】1問 ●インバウンド政策の転換 政策 SDGs(エスディージーズ)(※)の推進 自民党 (問) SDGs達成に向けた取組を一層加速させるため、政策全体にSDGsを取り入れて個々の取組を充実させるとともに、推進体制を整える必要があると考えます。SDGsを組織横断的に推進する部署の設置が必要と考えますが、いかがですか。  (答) SDGs達成のさらなる加速に向け、現行の体制を検証し、必要な組織体制のあり方を検討します。 用語解説 SDGs(文中の(※)で表示) 持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。国連で採択された、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。 政策 旧深谷通信所の跡地利用 自民党 (問) 深谷通信所跡地(泉区所在)は約77haの広大な土地で、緑に囲まれた魅力的な地区です。大規模スポーツイベントの盛り上がりを踏まえ、多くの人が集まる市南西部地域のスポーツ拠点にふさわしい施設や、防災性の向上などをしっかり検討することが重要と考えますが、いかがですか。 (答) 今後、具体的な設計を進める中で、軽い運動から本格的なスポーツに対応できる施設を検討します。また、広域的な防災拠点としての機能も併せて検討を進めます。 政策 新たな劇場計画の検討 立国フ (問) 国を代表する劇場となるならば、ニーズを踏まえ、プログラムづくりや集客など様々な課題を解決する必要があると思います。劇場整備に向けての課題認識と取組について、うかがいます。 (答) 国や民間からの支援も含めた財源確保や、経営に優れた運営主体づくり、国内外の劇場連携など持続可能な運営の実現が課題と考えています。2年度は、基本計画の検討や顧客動向も踏まえた管理運営に関する調査、国との調整や民間企業への働きかけを行っていきます。 政策 自治体DX(デジタル・トランスフォーメーション) 立国フ (問) DXは、企業が競争力や持続性の向上を目的として、戦略的にデジタルを活用できるようにビジネスや組織を変革することで、デジタルに対応したサービスや機能をデジタルプラットフォームとして組み込み、内部を効率化します。その行政版が自治体DXです。市も他都市事例を含めた調査や責任者であるCDO(シーディーオー)(チーフ・デジタル・オフィサー)設置の研究を始めるべきと考えますが、いかがですか。  (答) 民間では、デジタル戦略を統括するCDOを置き、製品・サービスの高付加価値化などを進める企業も増えていると認識しています。市でも、ICT(アイシーティー)やデータを様々な分野で活用し、利用者目線に立ったより効果的な市民サービスの一層の推進に向け、研究を進めます。 防災 風水害時における地域との連携強化 立国フ (問) もしものときのわかりやすさ、市民の安心という点では、風水害時も震災時と同様に全ての地域防災拠点が避難場所として開設されることが望ましいと思います。風水害時の避難場所開設など地域との連携を強化すべきと考えますが、いかがですか。 (答) 風水害時は、土砂災害や浸水の恐れがあるエリアなどでは、災害状況を踏まえて地域防災拠点以外に地区センターなども開設します。各地域の状況に応じて適切に対応できるよう、地域との連携を強化する取組を進めます。 防災 災害時における液体ミルクの活用 公明党  (問) 地域防災拠点には、アレルギー対応も含めて粉ミルクを備蓄していますが、災害時に使用できない可能性もあります。必要としている避難者に液体ミルクが行き届くようにすべきと考えますが、いかがですか。 (答) まずは自助として各家庭で備蓄するよう、周知・啓発を進めます。また、災害時の物資の提供について協定を締結している事業者に対して、液体ミルクの供給が可能かを確認しています。必要な方々に提供できるように進めていきます。 働き方改革 RPA(アールピーエー)(※)を活用した行政事務の効率化 立国フ (問) 毎年実施している保育所入所事務は、3か月で18,000件以上の申請書類を審査するなど、膨大な作業量があります。事務作業を全庁的に棚卸しした上で、RPAの活用による事務効率化を進め、人件費圧縮や働き方改革につなげるべきだと考えますが、いかがですか。  (答) 職員の能力を最大限発揮するためには、内部事務の集約化や外部委託化などとあわせ、RPAなどICTを活用した事務の効率化をこれまで以上に進める必要があり、働き方改革にもつながると考えています。 用語解説 RPA(文中の(※)で表示) Robotic Process Automation(ロボットによる業務自動化)。これまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作を、ソフトウェアのロボットにより自動化すること。 財政 令和2年度予算案の基本的な考え方 自民党  (問) 2年度予算案は、市を取り巻く環境変化を踏まえ、経済対策、子ども・子育て、教育、福祉、医療、まちづくり、環境、文化、観光など足元の課題に目配りされており、評価しています。基本的な考え方について、うかがいます。 (答) 人口減少、高齢化、多発する自然災害など、市は様々な困難な課題に直面する一方、多くの成長チャンスもあります。市民の安全・安心な暮らしを守り支えるとともに、培ってきた信頼や実績をさらなる成長と新たな活力につなげ、次世代につなぐ予算としました。 観光 インバウンド政策の転換 ヨコ会  (問) 新型コロナウイルス問題が大きな影響を与えています。インバウンドについて、国も市も中国からの多数の誘客に重点を置く政策を進めていますが、転換が必要と考えます。いかがですか。 (答) 市内外国人延べ宿泊者数93万人という中期計画の指標を達成するためには、4分の1を占める中国からの誘客は重要です。しかし、感染症流行による渡航制限等、観光を取り巻く状況を踏まえて、東南アジアや欧米等、幅広いエリアからの誘客にも柔軟に取り組みます。 子育て 母子保健コーディネーター配置の意義 公明党    (問) 妊娠期から切れ目のない支援の重要性を繰り返し主張してきました。平成29年度に3区で始まった母子保健コーディネーター配置は、2年度にはついに18区に拡充されます。配置の意義について、うかがいます。 (答) 気軽に相談できる窓口として信頼され、妊婦やご家族から様々な相談を受けるようになりました。妊娠期から子育て家庭に寄り添う体制が整うとともに、関係機関との連携も深まり、的確な支援につながります。安心して出産・子育てをする上で大変意義があると考えます。 福祉 認知症への支援 公明党 (問) 後期高齢者の増加に伴い、認知症高齢者の増加も見込まれます。認知症は誰もがなり得るもので、多くの人に身近なものとなってきます。認知症になっても安心して暮らし続けるための支援について、うかがいます。 (答) 元年度から早期発見のため、もの忘れ検診を実施しています。2年度は、専門的な相談や医療が受けられるよう、認知症疾患医療センターを5か所増の9か所にします。認知症サポーターや認知症カフェの充実、「認知症施策推進計画」の策定など、共生社会の実現を目指します。