一般質問から 9月6日本会議(第2日)において、市政全般に関する方針や事業などについて、各会派を代表して6人の議員から「一般質問」が行われました。その中から、13項目を抜粋して掲載します。 【自民党】6問 ●期待されるIRの役割 ●国際園芸博覧会 ●聴覚障害者への情報保障 ●広告付案内サイン・公衆無線LAN整備事業 ●現市庁舎街区活用事業 ●ブルーラインオーバーランによる車両損傷 【立国フ】3問 ●カジノ誘致への民意を問う機会 ●カジノを含む統合型リゾート誘致 ●避難生活の環境整備 【公明党】3問 ●性的少数者支援 ●中高年のひきこもり対策 ●相模鉄道本線(鶴ヶ峰駅付近)の連続立体交差事業 【共産党】1問 ●カジノ誘致宣言は撤回を 政策 期待されるIR(※1)の役割 自民党 (問) 市は少子高齢化の進展により、経済力の低下、税収の減収、社会保障費の増大等、我々の子どもたちの世代は社会を支えるためにどのような負担を強いられるのか、強い危機感を感じています。市では、今後IRの本格的な検討を進め、実施方針を進めていく予定と聞いています。市において期待されるIRの役割は何か、うかがいます。 (答) 生産年齢人口の減少、老年人口の増加により、消費や税収の減少など、経済活力の低下や厳しい財政状況が見込まれています。IRでは、美しい港を引き立てる景観とともに、世界規模のMICE(マイス※2)施設、さらには、一流のエンターテインメント、お子様も楽しめるアトラクションなどにより、観光の一層の振興、地域経済の活性化につなげていきたいと考えています。また、IRによる増収効果を活用して、市民の皆様の安全安心な生活を守る施策、横浜の魅力をさらに高める施策を進め、横浜の持続的な発展・成長を実現していきたいと考えています。 用語解説 IR(文中の(※1)で表示) 統合型リゾート。国際会議場施設、展示施設等、魅力増進施設、送客機能施設、宿泊施設等の観光振興に寄与する施設とカジノ施設から構成される一群の施設であって、民間事業者により一体として設置・運営されるもの。 MICE(文中の(※2)で表示) 企業等の会議(Meeting)、企業等の報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Event/Exhibition)などの総称。 政策 カジノ誘致への民意を問う機会 立国フ (問) 市の重要施策が、市民説明会からわずか2か月足らずで誘致の表明がなされ、全く判断材料すら与えられず、選択肢もない検討状況を強いられました。住民投票や市民アンケートなどカジノ誘致への民意を問う機会を設けるべきではないかと願いますが、いかがですか。 (答) 現在は、日本型IRの仕組みなどを十分にお伝えできていない中で、IR=(イコール)カジノと捉える方が多く、ギャンブル依存症の増加や地域の治安への影響に対する不安の声を多くいただいております。そのため、まずは世界最高水準のカジノ規制の内容、治安や依存症の対策に関する国の取組や、市の考えをしっかりとお伝えしていきます。なお、民意の反映方法については、IR整備法(※)で、都道府県の同意、公聴会の実施、議会の議決などが規定されており、今後の国からの情報も参考にしながら、引き続き検討していきます。 用語解説 IR整備法(文中の(※)で表示) 「特定複合観光施設区域整備法」の通称。 政策 カジノを含む統合型リゾート誘致 立国フ (問) 政策・総務・財政委員会の参考人招致で配付された資料や、記者会見資料で用いられた日帰り客・宿泊客の割合と、消費金額の全国・東京・横浜の比較グラフは、観光庁と市で、データ採取方法が異なることが分かりました。事実を客観的に映し出すとは言えない比較表を根拠として、横浜は全国や東京都より宿泊客が少なく、消費金額も低いから、将来のためにIRが必要だとことさら強調して説明するのは、許されないことだと思います。算出方法やアンケート手法が違う数値をカジノ誘致の理由にすることはできないと思いますが、いかがですか。 (答) 国が実施している全国調査は、無作為抽出した国民を対象にアンケート調査したものです。一方、横浜市の調査は、主要な観光地でのアンケート調査によるものです。本市と国の調査方法は異なっていますが、目的や調査項目が類似しており、いずれも信頼性があると考えておりますが、これから調査を深くやっていきたいと思います。 政策 カジノ誘致宣言は撤回を 共産党 (問) IRについて、市の増収効果を1,000億円とした場合、大阪にならい試算すると、カジノ売上は約4,500億円になります。日本人客の割合を8割とすると、3,600億円が海外のカジノ事業者に移ることになります。IRは、地域経済の振興どころか、逆に地域経済を縮小してしまうことを直視すべきです。市長の見解をうかがいます。 (答) 外国資本の場合でも、IR内での消費に伴う物品、サービスなどは、近隣から調達する方が有利であるため、海外のIRでも現地の調達率が高くなっています。また、日本型IRは、カジノ売上の30%が国と自治体に納付され、これ以外に施設の魅力向上への再投資も義務付けられており、利益の多くが国内に還元されます。消費額については、有識者から、「国内よりも海外からの旅行者の方が単価は高く、総額の割合は海外と国内が50%ずつ程度ではないか」という見解も示されており、地域経済に還元されるものと考えています。 政策 国際園芸博覧会 自民党 (問) 国際園芸博覧会は、国際的な園芸・造園の振興や花と緑のあふれる暮らし、地域・経済の創造や社会的な課題解決への貢献を目的に開催される博覧会です。市は2027年3月に開催することを目指し、承認機関である国際園芸家協会(AIPH)に対する申請の準備など精力的に取組を進めています。国際園芸博覧会の招致に向けた取組状況について市長にうかがいます。 (答) 本年5月に地元の誘致団体を設立するとともに、7月に国際園芸家協会(AIPH)の視察を受け入れ、私自身も直接、歓迎の意と開催に向けた強い思いをお伝えしました。また、8月には本市からの要請に基づく国の検討会が開催されました。9月9日には、北京市で開催される国際園芸家協会(AIPH)の総会で開催申請を行います。今後も着実に取組を進めていきます。 防災 避難生活の環境整備 立国フ (問) 市は4月に災害救助法の救助実施市になり、法に基づく被災者の救助を、市長の権限でできるようになりました。例えば、応急仮設住宅の建設を、県が実施するまで待つ必要はなく、市長自らの判断で機動的に実行でき、避難者の実情やニーズに応じた救助の実施内容や程度について、国と直接協議できるようになるなど、期待をしています。救助実施市として、避難生活の環境整備を着実に行うことへの市長の決意についてうかがいます。 (答) 救助実施市として権限と責任により、これまで以上に被災者の皆様に寄り添った避難所の運営や、応急仮設住宅の提供などの災害救助を、スピード感を持ちながら、着実に行ってまいります。「助かった、助けられた命」が避難所生活の中で失われることがないように、しっかりと対応していきます。