一般質問から 市政全般に関する方針や事業などについて、各会派を代表して8人の議員から「一般質問」が行われました。その中から、14項目を抜粋して掲載しています。 【自民党】5問 ●今後の市政運営 ●災害対策 ●環境と経済の好循環 ●福祉の視点を持った職員の育成カリキュラムのさらなる充実 ●自転車の交通安全 【民権フ】4問 ●災害対策 ●市有地の課題解決型公募の効果検証 ●障害者の就労支援 ●市営地下鉄の駅空間の有効活用 【公明党】3問 ●持続可能な開発目標(SDGs) ●性的少数者支援 ●予防接種 【共産党】1問 ●防災・減災対策の抜本的強化 【ヨコ会】1問 ●横浜港におけるコンテナ物流の効率化 政策 今後の市政運営 自民党 (問) 市の人口は、2016年には死亡数が出生数を上回り、戦後初めて自然減に転ずるなど人口減少社会の到来は現実となりつつあります。平成30年9月1日現在の人口は、鶴見区、西区、港北区では前年同月比で増加していますが、南西部の郊外区では概ね減少しており、区によっては既に人口の減少局面に入っています。そこで、人口減少社会の到来という、これまで横浜が経験したことのない課題に対してどのように取り組んでいくのか、うかがいます。 (答) 子育て世代の転入にもつながる子ども・子育て支援、女性・シニア、若者の活躍支援など、全ての世代に寄り添った取組を充実させていきます。また、それらの取組を支える財政基盤の強化を図るため、企業の集積や文化芸術、観光・MICE(マイス)(※)の振興による賑わい創出などを一層進めることにより、横浜経済を更に活性化させていきます。 用語解説 MICE (文中の(※)で表示) 企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)などの総称。 政策 持続可能な開発目標(SDGs(※)) 公明党 (問) SDGsの達成に向けて最も大切なことは、市民一人ひとりの日々の生活そのものがSDGsの目標達成につながっていることを市民に理解いただくことだと思います。そこで、SDGsをどうやって市民生活に浸透させていくのか、うかがいます。 (答) 新たな中期4か年計画を策定・推進するにあたっての基本姿勢に、「SDGsの視点を踏まえた取組」を位置づけ、各分野の取組を進めていきます。具体的には、SDGs未来都市に関する取組を通じて、市民にSDGsの理念が浸透し、行動につながるよう取り組みます。また、「よこはま国際フェスタ」等の市内での関連イベント開催などを通じた啓発・普及を進めていきます。 用語解説 SDGs(エスディージーズ) (文中の(※)で表示) 2015年9月の国連サミットで採択された、2030年に向けた国際社会全体の行動計画である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて掲げられた目標。169の関連ターゲットを伴う17のゴールから構成され、「誰一人として取り残さない」ことを基本理念としている。 防災 災害対策 自民党 (問) 日本各地で毎年のように大規模な自然災害が発生しています。政府は大規模災害時の被災者の救助をより円滑・迅速に行うため、指定都市を救助実施市として指定し、自らの事務として被災者の救助を可能にする「改正災害救助法」を国会に提出し、30年6月に全会一致で可決成立しました。これは、横浜市会をはじめ20の指定都市の議会が国に意見書を提出するなど、当局と議会が一体となって取り組んだ成果であると思います。そこで、「改正災害救助法」の成立について、市長の所感をうかがいます。 (答) 法律の改正により、大規模災害時における都道府県の連絡調整機能が強化され、あわせて救助実施市として指定都市の災害対応力を十分に活用できる仕組みができました。災害への備えに万全を期し、市民生活を確実に守り抜くため、31年4月の救助実施市の指定に向け、しっかりと準備を進めていきます。 防災 災害対策 民権フ (問) 北海道胆振(いぶり)東部地震では、多くの市町村で断水や停電の被害が発生しました。災害時に電力供給が停止することを想定し、浄水場のポンプを動かす自家発電設備の燃料を確保するため、水道局では、30年3月に民間事業者に保管料を払って燃料の優先備蓄を行う協定を締結しましたが、この協定について、どのように実効性を確保するのか、うかがいます。 (答) 浄水場を3日間運転するために場内備蓄では不足する分の燃料について、発災時にはローリー車で運搬、給油をしてもらう協定を民間事業者と締結しました。協定の実効性を確保するために、毎月事業者から備蓄量の報告を受けるとともに、四半期に一度、職員が事業所を訪問して備蓄量の確認を行っています。30年8月には、事業者が保有するローリー車の給油ホースを西谷(にしや)浄水場の自家発電用の燃料タンクの給油口へ接続する訓練を実施しました。 防災 防災・減災対策の抜本的強化 共産党 (問) 崖(がけ)地対策が108か所の即時避難勧告対象地に限定されていることは問題です。崖地周辺の居住者の生命に著しい影響を及ぼすおそれがあり早急に対策を行う必要があると市が判断した1,364か所の1割にも届いていません。また、今回の中期4か年計画の中で崖地対策の目標がわずか120か所というのも見直しが必要です。災害リスクの除去と人命を守ることを優先するならば、職員と予算を増やして、崖地対策の働きかけはがけ地現地調査Aランクの1,364か所全体に広げるべきと思いますが、いかがですか。 (答) これまで、即時避難勧告の対象となる崖の所有者を中心に働きかけを行ってきましたが、Aランクの全ての崖にも対象を広げ、所有者調査を行いながら、順次、崖地の改善に向けた協議を進めていきます。 環境 環境と経済の好循環 自民党 (問) 地球温暖化の影響と思われる現象が各地で生じており、気候変動対策は喫緊の課題です。しかし、企業にとって温暖化対策はコストとして捉えられることが多く、経済に対する影響が懸念されます。そこで鍵となるのが、環境と経済の好循環という視点です。脱炭素化を進めていくことはコストではなく、資金を呼び込み、新たな市場を生み出し、イノベーションにつながる好機であるとして、市でもこの好循環をつくることが必要と考えます。そこで、環境と経済の好循環に対する市長の見解をうかがいます。 (答) パリ協定採択後、ESG投資(※)の増加や脱炭素ビジネスという新たなマーケットの拡大など、温暖化対策は企業にとって飛躍のチャンスとなっています。そこで、市内企業の温暖化対策を促進することで、市域の脱炭素化を進めるとともに投資を呼び込み、新しいビジネスの開拓など、競争力の強化に結びつけるといった、好循環の実現を目指していきます。 用語解説 ESG投資 (文中の(※)で表示) 環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮している企業を重視・選別して行う投資。 人権 性的少数者支援 公明党 (問) 日本には約7.6%のLGBT(※1)と呼ばれる当事者の方がいると推計され、決して少数ではありません。現在、東京都渋谷区をはじめとして、各自治体において、「パートナーシップ認証制度(※2)」の導入が進んでいます。また、市長が会長を務める指定都市市長会として国に要請を行ったと聞いています。そこで、指定都市市長会会長として、国への要請を行ったことへの所感をうかがいます。 (答) 7月23日に開催された第45回指定都市市長会議において、「性的少数者に係る窓口の一元化及びパートナーシップ制度を含めた取組の強化に関する要請」を採択し、提案市である熊本市が内閣府に要請書を提出しました。指定都市市長会会長としては、誰もが互いの多様性を認め合い、それぞれの人権を尊重し合える社会の実現を目指し、国としても取組を強化することが必要であると考えます。 用語解説 LGBT(文中の(※1)で表示) 「Lesbian」(レズビアン、女性同性愛者)、「Gay」(ゲイ、男性同性愛者)、「Bisexual」(バイセクシュアル、両性愛者)、「Transgender」(トランスジェンダー、出生時に診断された性と自認する性の不一致)の頭文字をとり、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の一部の人々を指した総称。 パートナーシップ認証制度 (文中の(※2)で表示) 法律上の婚姻とは異なるものとして、男女の婚姻関係と異ならない程度の実質を備えた、戸籍上の性別が同じ二者間の社会生活における関係を認証する制度。