一般質問から 市政全般に関する方針や事業などについて、各会派を代表して7人の議員から「一般質問」が行われました。その中から、12項目を抜粋して掲載しています。 【自民党】4問 ●アビジャン自治区との連携 ●障害者の高齢化 ●マンモス団地の高齢化対策 ●丘の上の一戸建て住宅地の課題 【民権フ】3問 ●山下ふ頭再開発とIR(統合型リゾート) ●森林環境税 ●ハマ弁給食 【公明党】3問 ●犯罪被害者等支援 ●クルーズ旅客の誘客による市内経済の活性化 ●発達障害児・者の支援 【共産党】1問 ●地域交通問題 【太 田】1問 ●ハマ弁 政策 山下ふ頭再開発とIR(統合型リゾート) 民権フ (問) 我が会派は、29年秋に、カジノについては導入しない計画とするよう予算要望で申し入れました。しかし、カジノが含まれることが明白なIRが、今後4年間の市政運営の骨格であり最重要計画に位置づけられる次期中期計画素案(「横浜市中期4か年計画2018〜2021」(素案))に「検討します」と明記されています。市長が、「IRは白紙」との立場をとる中で、次期中期計画素案に、「国の動向を見据え、IRを検討します」と明記した考え方について、うかがいます。 (答) IRの整備に必要な法制上の措置となるIR整備法案が国会に提出されました。こうした状況を踏まえ、前回計画と同様に、「法の制定等、国の動向を見据えた検討」と記載しました。IRについては、白紙ではございますが、様々な受け止め方がありますので、引き続き、国の動向を見据えながら検討していきます。 政策 地域交通問題 共産党 (問) 郊外部に位置する旭区は、山・坂が多く、道幅も狭く、交通不便地域の多いところです。高齢化が進む中、移動支援が強く求められています。29年10月の決算特別委員会で地域交通サポート事業(※)の運営費に市の財政支援を求めました。市は、「超高齢・人口減少社会が進展する中で、地域交通維持・充実は大事な課題であり、次期中期計画を策定する中で検討していきたい」との答弁でした。素案ではどのように検討され、反映したのか、うかがいます。 (答) 高齢化の進展など社会情勢が変化する中、重要な課題であるため、中長期的な戦略において、郊外部の取組の柱の一つとして新たに位置付けました。また、「政策 市民に身近な交通機能等の充実」でも、地域交通サポート事業に加え、新たな交通サービスに向けた社会実験の取組などを行うこととしています。 用語解説 地域交通サポート事業 (文中の(※)で表示) 生活に密着した交通手段の導入に向けて、地域の主体的な取組がスムーズに進むように、実現にいたるまでの活動に対して支援を行う事業。 税金 森林環境税(※1) 民権フ (問) 平成30年度税制改正大綱で「森林環境税(仮称)」の導入が決定され、36年度より徴収が行われます。また、森林環境税とセットで創設される「森林環境譲与税(仮称)(※2)」による税譲与は31年度から始まります。森林環境税及び譲与税が創設されると、「横浜みどり税」との関係を考えざるを得ません。今後の市のみどり施策推進やみどり税の議論において、森林環境税や譲与税を含めた総合的議論をしていくべきだと考えますが、いかがですか。 (答) 31年度以降の横浜みどり税を含む財源のあり方については、「これからの緑の取組」の原案をもとに、今後検討していきます。現時点では、国から森林環境税の使途など、制度の詳細は示されていませんが、財源の検討に当たっては、森林環境税なども含めた議論をしていきます。  用語解説 森林環境税 (文中の(※1)で表示) 温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止を図ることを目的として、36年度より個人住民税の均等割に1人あたり1,000円上乗せして徴収することとされた国税。 森林環境譲与税 (文中の(※2)で表示) 森林環境税(仮称)の収入額に相当する額を、市町村及び都道府県に対して譲与するもの。 国際 アビジャン自治区との連携 自民党 (問) 31年は「アフリカ開発会議(TICAD)」の第7回会議が再び横浜で開催されます。30年4月に、市は、コートジボワール共和国アビジャン自治区に代表団を派遣し、日本アフリカ友好横浜市会議員連盟の16名も同時期に訪問しました。29年9月にアビジャン自治区のマンベ知事が横浜に来られ、横浜と交流協力共同声明を発表しておりますが、アビジャンにとって日本の自治体との都市間関係は横浜市が初めてです。そこで、アビジャン自治区と共同声明都市として関係強化を進める意義について、うかがいます。 (答) アビジャンは経済成長を続ける一方、人口急増に伴う都市課題に直面しており、日本・フランス両政府が協力して取り組む「日仏(にちふつ)計画」のパイロット都市です。アビジャンとの連携は、国と一体となったアフリカへの協力が進められ、横浜の都市課題解決の経験も生かせることから、ともに成長する都市間連携の具体的な一歩になると考えています。 人権 犯罪被害者等支援 公明党 (問) 横浜市犯罪被害者等施策に関する懇談会において、委員である被害に遭われた方や有識者の方々などからも直接、条例に関する御意見をその思いとともにお寄せいただきました。従前より、犯罪被害者への支援には、広く市民への周知と協力が重要であり、関連する条例の制定が欠かせないと申し上げてきました。そこで改めて、犯罪被害者等支援に関連する条例の制定に取り組むべきと考えますが、いかがですか。 (答) 懇談会からいただいた御意見に加え、市が条例を制定することにより、関係機関との連携強化や市民への理解の広がりが期待できると考えます。今後、条例案の骨子を公表し、市民意見を広く募集するなど、制定に向けて取り組んでいきます。 観光 クルーズ旅客の誘客による市内経済の活性化 公明党 (問) 横浜には、クルーズ旅客の方々に、地産地消の食事を堪能していただく、西洋文化の窓口の役割を果たした横浜のまちを知っていただく、外国人の方々には、三渓園や横浜能楽堂などで日本文化に触れていただくなど、横浜ならではの資源でおもてなしができるポテンシャルが多くあります。横浜の魅力的な資源を有機的に結びつけ、クルーズ旅客に選んでいただく必要があると思います。そこで、今後、クルーズ旅客の横浜での滞在・観光促進をどのように進めていくのか、うかがいます。 (答) 横浜港の発着クルーズ船を利用するお客様が多い、米国などの船会社や旅行業者に対して、横浜の魅力をこれまで以上にセールスしていきます。また、今年度に行うクルーズ旅客の乗船前後の動向調査を踏まえ、港湾事業者をはじめ民間と連携し、乗船客の皆様に市内を回遊していただける環境づくりを進めていきます。 福祉 発達障害児・者の支援 公明党 (問) 国では、都道府県及び指定都市における支援体制の整備として、発達障害について保護者の対応力向上を支援する「ペアレントトレーニング」の普及を推進しています。発達障害やその傾向のある人が、子どもの頃から理解ある適切な対応を受けることで、その後の豊かな成長につながると言われており、発達障害児にとって一番身近な保護者に対する支援を充実させていく必要があると考えますが、いかがですか。 (答) 地域療育センターでは、発達障害に関する学習会や、障害の特性が共通する子どもと保護者同士が、グループ活動を通して障害理解を深める広場を開催しています。今後、厚生労働省が普及を推進している「ペアレントトレーニング」など、他都市の取組も参考にしながら、保護者に寄り添った支援を充実することにより、子育ての困難や不安などの解消に努めます。 福祉 障害者の高齢化 自民党 (問) 障害者の高齢化に伴う体力や運動機能低下、病気などにより、日中の過ごし方を変えざるを得ない状況が起きてきます。市は、25年度から、高齢化し医療的なケアを必要とする障害者を受け入れることを目的としたグループホームを、独自のモデル事業として1か所設置しました。今後も障害者の高齢化が一層進んでいく中、増やしていく必要があると考えます。そこで、高齢化対応グループホームについてどのように評価をしているのか、うかがいます。 (答) 看護師、栄養士などの専門職を配置し、身体機能の低下等に伴い、障害福祉サービス事業所への通所が困難な高齢の障害者に対して、昼間のケアを提供できるようにしました。健康管理などの面も含め、安心して生活できる場になっていると認識しています。 住宅 マンモス団地の高齢化対策 自民党 (問) 市内にある住宅176万戸のうち約6割がマンションや団地で、築35年以上経過した500戸以上の大規模団地は61か所もあります。こうした大規模団地は郊外部に多く、高齢化や老朽化、担い手不足などの問題を抱えています。このままでは、高齢者の多い郊外部の団地の空洞化が進み、将来的にはゴーストタウン化、スプロール化が進んでしまいます。そこで、若い世代を呼び込むための団地再生の進め方について、うかがいます。 (答) 様々なライフスタイルに対応した空室のリノベーションや、保育所、診療所、日常の買い物施設などの誘導による子育て環境の向上を進めます。また、多世代居住を一層推進するため、近居(きんきょ)、隣居(りんきょ)制度や、地域の魅力を高めていくエリアマネジメントの展開などの取組を支援していきます。 住宅 丘の上の一戸建て住宅地の課題 自民党 (問) 横浜の郊外部には、高度経済成長期に開発された、敷地規模が比較的大きく、緑豊かで落ちついた環境の住宅地が丘の上に広がっています。このような地域では、建築協定によって敷地の分割が制限されている場合が多く、駅から遠いのに価格が高く、若い世代が購入しづらいなど、流通が進みにくいという声も聞きます。そこで、建築協定をはじめとしたまちづくりのルールの見直しなど、郊外部の活性化につながる取組をさらに推進すべきと考えますが、いかがですか。 (答) 地域の活性化や高齢化への対応など、地域の将来を見据えた視点が必要であると考えます。このため、建築協定をはじめ、まちづくりのルールの更新時期などにおいて、地域の皆様が、ルールの見直しも含め、まちの将来像を幅広く考えていけるよう、職員やまちづくりの専門家の派遣などにより積極的に支援をしていきます。