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第五話:東野(あずまの)の乳出神(でえーがみ)さま

最終更新日 2019年3月7日

「東野のでえーがみさま」の民話のイラスト

 むかし、東野は、北に小高い山々を背負い、あちこちに泉が湧(わ)き、いくすじもの谷戸川(やとがわ)が流れ見晴らしのきく住みよい所でした。
 その谷戸近くに、仲のよい働き者のお百姓夫婦が住んでいました。二人は毎日せっせと畑仕事に精を出していました。あるとき、この夫婦に赤ん坊が生まれました。しかし、どうしたことか女房には乳が出ません。困った夫婦は毎日「お乳が出ますように」と祈っておりました。
 ある日、亭主がいつもの通り畑仕事に出かけたところ、東野の銀杏(いちょう)の木のそばに、まわりの草むらをぬらしてこんこんと湧く清らかな泉を見つけました。亭主は
「この水でおかゆを炊いて女房(にょうぼう)に食べさせたら、もしかすると乳が出るかもしれない。」
と思い、水を竹筒に入れて持ち帰り、さっそくおかゆを炊いて女房に食べさせました。すると、ふしぎ、今まで一滴も出なかったお乳が出るわ、出るわで大喜び。
「これもあの泉のおかげ、あの泉は乳出神さまだ」
と夫婦は東野の泉にむかって手を合わせました。そのお乳を飲んで赤ん坊はそれからすくすくと育ちました。
 やがて、この話が伝わり、東野の泉は乳出神さま、と近在の人々はもとより、遠くの村々からも、母親たちが「お乳が出ますように」と願をかけにきては泉のお水を持ち帰ったということです。
 泉のほとりの銀杏(いちょう)の木は、ご神木(しんぼく)として大切にされ、人々の祈願(きがん)の絵馬(えま)が奉納(ほうのう)され、泉の底にはいつもお饌米(せんまい)やお賽銭(さいせん)があげられていたということです。


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