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第四話:鎌取池(かまとりいけ)

最終更新日 2019年3月7日

「かまとりいけ」の民話のイラスト

 むかし、阿久和川(あくわがわ)の源(みなもと)、三ツ境(みつきょう)の奥深い森の中に鎌取池という大きな池がありました。
 ある時、村の若者が池の周(まわ)りにおい茂った草を刈りにやってきました。働き者の若者は、時間のたつのも忘れ、せっせと草を刈っておりました。
 昼どきがきてやれ一休みと腰をおろしているうちに、ここちよい眠りにさそわれて、つい、いねむりを始めました。
 しばらくして若者がふと人の気配(けはい)に目をさますと、この世のものとは思えないような美しい娘が池のほとりに佇(たたず)んでいました。娘は悲しそうなようすで
「私はこのあたりに住む者です。あなたはそのように熱心に草を刈ってくださいますが草を刈られては私たちが困ります。この池の周りの草がなくなると私たちの住むところがなくなってしまいます。お願いでございます。今あなたさまがお使いになっているその鎌(かま)をしばらく私にあずからせてください。どうぞ、お願いいたします。」
と目になみだをうかべながら訴えるのでした。
 若者は夢を見るようなここちで、いわれるままに使っていた鎌(かま)を、その娘に差し出しました。すると、娘は鎌をだいじそうに胸にだいたと思うと若者の目の前から、すうっと、かき消すように見えなくなってしまいました。
 若者がはっとしてあたりを見廻(みまわ)すと、そこには一筋の水のあとと、きらりと光るうろこが残っているだけでした。若者は娘が大蛇(だいじゃ)の化身(けしん)であったのに気がつきました。
 若者は村に帰ってこの話をしました。すると、人々は
「そういえば、おれもあの池で鎌を取られた。」
と口々にいうのでした。
 それからというもの、この村の人々はこの池のことを鎌取池と呼ぶようになったということです。今はもう遠い昔のこと、この池も埋められて名が残っているだけです。


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