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横浜市長林 文子― 共感と信頼の行政をめざして ―

令和3年度の市政運営の基本方針と予算案について(R3.2.10)

最終更新日 2021年2月10日

令和3年2月10日
市会本会議での提案説明

令和3年度予算案、関連する諸議案の提案にあたり、市政運営の基本方針と概要を申し上げます。

はじめに

 1年前、世界が注目する中、新型コロナウイルスの集団感染が発生した大型クルーズ船が横浜港に入港しました。「ダイヤモンド・プリンセス」号の受け入れという前例のない非常事態を前にして、横浜市は、全身全霊で乗客と乗組員の方々の命をお守りしました。
 この経験と実績は、コロナ禍における国や県、医療機関との連携や医療提供体制の維持に大いに生かされています。この1年間、市民病院・市大病院を中心に、地域中核病院などの医療機関、衛生研究所、救急、保健所など、大都市横浜が築いてきた数々の関係機関が、基礎自治体ならではの顔の見える関係で連携し、持てる力を最大限発揮して、未曽有の困難を乗り越えてきました。
 横浜市内の新規陽性患者数は、昨年12月中旬から再び増え始め、1月には最多の542人を数えました。そのような中、昼夜を問わず最前線で働いてくださっている医療従事者の皆様のご尽力と、感染予防対策の徹底に取り組んでくださっている市民、事業者の皆様のご理解、ご協力のおかげで、新規陽性患者数は確実に減少してきています。
 ウイルスとの闘いに打ち勝つ決め手となり得るのが、新型コロナウイルスのワクチンです。市民の皆様の命を守るワクチン接種をお一人おひとりに着実に、そして円滑に実施するため、特別チームを編成しています。現在、50人規模の体制で、まず65歳以上の皆様から、順次、接種券の郵送を開始できるよう準備を進めています。今後も、さらに体制を強化し、3月には、ワクチン接種専用のコールセンターを開設します。史上最大のこのプロジェクトを横浜市の総力を挙げて、必ず成功させていきます。
 未曽有の厳しい財政状況の中でも、市民の皆様の命と健康をお守りし、幸せな暮らしを実現していく。
 そして、横浜に賑わいと活力を取り戻し、経済を力強く再生させていく。このたびの予算案は、そうした思いを込め、「感染症対策の強化」と「経済再生の実現」を最優先に、横浜のさらなる飛躍を目指して編成いたしました。

感染症対策の強化

 まず、「感染症対策の強化」です。医療機関と連携し、救急患者さんの入院調整を担う「Y-CERT」や保健所の体制を強化し、引き続き、クラスターの発生防止、早期収束のための疫学調査チーム「Y-AEIT」が、速やかに立入調査や指導を行います。また、高齢者施設に新たに入所する方や妊婦の方へのPCR検査費の助成、学校等における陽性者発生時の対応、感染により養育者が不在となった子どもの一時預かりにも、引き続き取り組みます。

安全・安心な暮らしを守る

 安心して、心豊かに平穏な日常を送ること。いま、市民の皆様が何よりも望んでいることです。不安が高まる中だからこそ、市民の皆様お一人おひとりに寄り添い、安全・安心な暮らしをお支えしていく。そして、横浜に暮らす全ての皆様に、将来に明るい希望を感じていただく。市民生活に最も身近な基礎自治体としての使命を、全力で果たしていきます。

 市民の皆様の暮らしをお支えするため、緊急雇用による就業機会の創出、就職氷河期世代への就職支援や、住居確保給付金の支給、セーフティネット住宅に入居する方の家賃負担の軽減を通じた住まいの確保も後押しします。また、ひとり親世帯の方を対象に、フードバンクを活用した食材の提供や新たな助成制度の創設など、支援を拡充していきます。

 横浜の将来を担う子どもたちや子育て家庭のための施策を、一層手厚くします。保育所待機児童ゼロに向けて、新たに2,155人分の受入枠を拡大します。産後母子ケアを充実するほか、特定不妊治療費助成の拡充、1・2歳児の小児医療費助成の所得制限の撤廃など、子育てしやすい環境を更に整えていきます。
 児童虐待の対応件数は、平成27年度から令和元年度までの5年間で倍増し、1万件を超えました。対策を強化するため、「こども家庭総合支援拠点」の機能を10区のこども家庭支援課に新たに設置し、子どもとそのご家庭を、切れ目なく支援します。子ども食堂の支援や寄り添い型生活支援事業の全区展開など、すべての子どもたちが健やかに育つ環境づくりにも力を注ぎます。

 GIGAスクールにおける学びを充実させるため、学校のICT基盤を整備し、教材作成等をサポートする支援員を中学校・高校・特別支援学校にも派遣します。4月からは、いよいよ中学校給食をスタートさせます。食材の国産比率を高め、栄養バランスのとれた魅力的なメニューを取り入れます。不登校や日本語指導が必要な児童生徒へのサポートなど、教育環境の充実も進めます。

 超高齢社会の進展に伴う課題にも果敢に取り組んでいきます。特別養護老人ホームの整備を進め、要介護認定までの所要日数を短縮するため、要介護認定事務センターを本格稼働させます。
 救急搬送人員は、この10年で4万人増え、年間18万人を超えています。この救急・医療需要に応えるため、日勤救急隊を増隊するほか、遠隔医療体制「Tele-ICU」の本格稼働に向け支援していきます。
 障害のある方の移動をお支えするため、重度障害者の方々への自動車燃料費の助成制度を創設します。アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症に対しては、新たに「横浜市依存症対策地域支援計画(仮称)」を策定し、当事者の方やそのご家族をお支えしていきます。

 東日本大震災の発生から、間もなく10年を迎えます。首都直下型地震の発生は引き続き危惧されており、一昨年の台風第15号をはじめ、近年、風水害による甚大な被害も頻発しています。災害はいつ起こるかわかりません。激甚化する自然災害に対しては、あらゆる事態を想定し、対策を講じていきます。河川改修や雨水幹線の整備、ハザードマップを利用した避難行動の促進などに取り組むほか、避難所における感染症に対応する診療資器材を、各区役所に新たに配備します。

横浜経済の再生に向けて

 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界中の社会経済活動を抑制し、大幅な景気後退をもたらしました。事業者の皆様は、これまで経験したことのない困難に直面していらっしゃいます。かつてない大変厳しい状況にある皆様を、何としてもお支えしなければならない。コロナ禍にある今、横浜の成長の基盤を支えてくださっている、事業者の皆様をしっかりとお支えしていくことの使命感を、改めて強く感じています。
 同時に、今だからこそ、横浜は立ち止まることなく、経済に新たな活力を生み出す動きを大切に育て、コロナ前にも増して力強く成長するために前進していく必要があります。
 厳しい状況にあっても、未来に向けた挑戦をあきらめない。それこそが、開港以来、幾多の困難を乗り越え、成長につなげてきた横浜の姿であると、私は信じています。

 経済の活性化には、力強い事業活動が不可欠です。市内事業所の99.5%は、中小企業の皆様です。コロナ禍にあっても事業を継続いただけるよう、横浜商工会議所などの関係機関とともに、訪問相談や支援情報のわかりやすい発信に取り組み、制度融資や 設備投資助成、販路開拓支援、商店街支援につなげていきます。

 横浜の将来の成長に向けては、新たな活力が必要です。企業立地促進条例を改正し、中小企業支援の拡充や、郊外部への立地促進に取り組みます。また、「I・TOP横浜」と「LIP.横浜」の連携によるイノベーションや「YOXO BOX」を通じたスタートアップの創出を更に進め、グローバル拠点都市として人・企業・投資を呼び込むビジネス環境を構築していきます。

 街の賑わいを呼び戻し、都市に活力をもたらす施策も展開します。「ガーデンネックレス横浜2021」をはじめ、「Dance Dance Dance@YOKOHAMA2021」、都心臨海部を舞台に、夜を美しく彩る横浜ならではのイルミネーションを実施します。日帰り旅行商品の販売や宿泊促進プロモーションにより横浜への観光誘客につなげ、クルーズ客船の受入れも引き続き行います。
 来たる「東京2020オリンピック・パラリンピック」に向けても、万全の感染症対策を講じて開催の日を迎え、375万人の市民の皆様とご一緒に、国内外のお客様をお迎えいたします。

 コロナ禍にあって、直接、文化芸術を鑑賞したり、イベントに参加したりする機会が、大きく減ってきています。社会全体が大きな閉塞感に包まれている今こそ、本物の文化芸術や夢のあるエンターテインメントが、人々に強く必要とされていることを、私は実感しています。
 発信の場が失われ、大きな影響を受けている文化芸術関係者の皆様をお支えし、人々の文化芸術を鑑賞する機会を確保するため、感染症対策経費や会場費を支援します。市立小学校の子どもたちを対象に、「心の教育バレエの世界」やクラシックコンサートの鑑賞、アーティストの学校派遣など、一流の文化芸術に触れる本物体験の機会を充実させていきます。

横浜のさらなる飛躍へ

 私はこれまで、市民・事業者の皆様に、この横浜の未来に明るい希望を感じていただきたいとの思いで、皆様と力を合わせ、さらなる飛躍に向けた土台を一つひとつ築き上げてきました。そして、自らの経営者としての経験から、状況が悪化した時でも、着実に成長し続けるための必要な投資を行ってまいりました。
 市民の皆様の安全・安心な生活と経済活動の基盤となるまちづくりは、これまで先人たちが、横浜の輝かしい未来像を描き、長年にわたり脈々と引き継がれ取り組んできたものです。バトンを受け継いだ者の責務として、この取組を途切れさせることなく進めてまいります。そして、皆様に愛され続ける横浜の未来への展望を描き、これからの横浜に必要なものは何かを見極め、さらなる飛躍への布石を打っていきます。
 関内・関外地区の活性化をはじめ、旧上瀬谷通信施設などの跡地利用、新綱島駅周辺等における市街地開発事業など郊外部の活性化を進めてまいります。また、横浜環状南線・横浜湘南道路や相鉄・東急直通線の整備、高速鉄道3号線延伸など交通ネットワークの構築、横浜港の機能強化も更に推進します。
 アフターコロナを見据え、2027年の国際園芸博覧会開催や、IR(統合型リゾート)の実現に向けた取組、文化芸術創造都市の核となる新たな劇場整備の検討も進め、世界を惹きつける魅力ある都市づくりと横浜の持続的な発展への道筋をつけていきます。

 人口減少・超高齢社会においても、横浜が持続可能な発展を遂げるため、デジタル化や脱炭素化の取組も推進し、新たな成長の原動力を生み出していきます。
 新たに「デジタル統括本部」を設置し、電子申請の拡大など行政サービスのオンライン化を、スピード感を持って進め、市民の皆様の利便性を高めてまいります。また、商店街の支援やサービスオフィスへの立地促進、先進的な栽培技術を活用したスマート農業の導入もサポートし、事業活動でのデジタル化も後押しします。
 全国に先駆けて掲げた「Zero Carbon Yokohama」の取組も加速させていきます。2050年までに「市役所RE100」を目指し、18区庁舎の再生可能エネルギー100%化を進めます。

行財政運営

 それでは、令和3年度各会計予算案をご説明します。
 一般会計 2兆 73億円
 特別会計 1兆3,013億円
 公営企業会計 5,934億円
 全会計総計では、3兆9,020億円 です。

 一般会計は、新型コロナウイルスワクチン接種など、予算規模に顕著な影響を及ぼす全額特定財源の事業を除くと、1兆7,737億円で、実質的な対前年度伸び率は、1.9%の増です。
 歳入の中心を占める市税収入は、過去最大の減収を見込み、2年度当初予算額に比べて488億円の減となる、7,953億円としました。このうち、30億円を補正予算の財源として留保し、当初予算では7,923億円を計上しています。
 一般会計の市債については、2年度2月補正で財政目標を変更し、3年度はコロナ対策としての赤字地方債を500億円発行します。この結果、中期4か年計画で活用を予定していた額と合わせ、1,718億円になります。

 未曽有の厳しい財政状況の中、最終年度を迎える「中期4か年計画」に掲げている政策の優先度をはじめ、真に必要な事業について、改めて職員と議論を尽くしました。市民生活や市内経済に支障が生じないよう十分に配慮したうえで、徹底して事業を見直し、1,280件の事業で生み出した159億円の効果額を必要な施策に振り向けました。
 市民サービスの最前線である区役所からの提案は、2年度を上回る81%を局の事業に反映しました。国が掲げるマイナンバーカードの普及目標の達成を目指し、横浜駅の臨時申請窓口を交付拠点に転換するほか、新たに2か所の交付拠点を開設します。
 法定雇用率の引き上げも見据え、市役所における障害者の雇用を拡大します。また、分析ツールを導入し、データ活用の環境を整備するほか、政策課題の調査検討にも取り組んでいきます。

「特別自治市」の早期実現

 大都市が抱える課題に対処し、より良い行政サービスを提供していくためには、それにふさわしい権限と税財源を持ち、市域の仕事を一貫して担うことが必要です。力強い経済の回復と活力ある地方を創るためにも、大都市制度の見直しは急務です。
 大都市は、経済活動の中心であり、感染症対応の最前線となる保健所や衛生研究所、高度医療機関を有しています。しかし、残念ながら、コロナ対策における国からの包括支援交付金の交付対象は、都道府県となっています。横浜市が、より迅速に医療機関や市民の皆様をご支援していくためには、感染症対策において指定都市が権限と財源を持つことが不可欠であることを、痛感しています。
 私は指定都市市長会会長として、他の指定都市と連携し、特別自治市など地域の実情に応じた多様な大都市制度の早期実現を強く要望してきました。2019年には、災害救助法の改正が実現し、横浜市は「救助実施市」に指定され、市民の皆様への迅速な救助活動が可能となりました。市民の皆様の命や暮らしを守ることにつながる改革の第一歩です。
 先日実施された、大阪都構想に関する住民投票は、大都市のあり方、大都市制度に関する議論に、一石を投じました。国民の皆様からの関心も高く、まさに今が変革のチャンスです。
 昨年、指定都市市長会で設置した「多様な大都市制度実現プロジェクト」で、今後、具体案を取りまとめ、早期に国に提言していきます。

むすび

 この1年間、皆様と力を合わせて、新型コロナウイルスとの闘いに挑んでまいりました。緊急事態宣言が延長される中、横浜市は、一刻も早く宣言解除の日を迎え、私たちの日常を取り戻せるよう、今後も皆様とご一緒に、全力を尽くしていきます。
 いかなる時も市民の皆様の日常をお守りし、将来にわたる横浜の成長を実現する。このことこそ、私たち横浜市の責務であり、横浜市長としての私の使命です。二元代表制のもと、市会の皆様と議論を重ね、ともにこの困難な状況を乗り越えていきたいと新たな決意を胸にしています。これからもこの横浜市会で、議論が活発に行われることを期待し、また私達も先生方に誠実に向き合って、正しい方向に横浜市の政策を導いていく。そういう風にしていきたいと考えております。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。

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