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横浜市長林 文子― 共感と信頼の行政をめざして ―

平成27年度の市政運営の基本方針と予算案について

最終更新日 2018年8月7日

平成27年2月10日
市会本会議での提案説明

未来を見据えて力強く前進する年

平成27年度予算案及びこれに関する諸議案の提案にあたり、市政運営の基本方針とともに概要を申し上げます。

横浜市を取り巻く都市環境は、大きく変化しています。急速な少子高齢化の進展や人口減少社会の到来に加え、インフラの老朽化や交通ネットワークの変化が進んでいます。東京都心では再開発が進み、さらなる一極集中が懸念されます。4年後をピークに、市の人口は減少に転じ、10年後には、65歳以上の高齢者の数が約100万人に達する見込みです。

変化に直面する今こそ、将来を見据え、都市の総力を結集し、確実な手立てを打つ。それが、大都市・横浜を経営する私たちの責務です。昨年末、市会で議決をいただきました「中期4か年計画」に、その手立てをしっかりと盛り込みました。27年度は、計画の2か年目であり、目標実現に向けて力強く前進してまいります。

私はこれまで、横浜経済を活性化し、市民生活の安全と安心をお守りするため、一つひとつの施策に地道に取り組んできました。ともに市民の負託を受けた市会の皆様と議論を重ね、多くの方々にご支援いただき、着実に成果を積み重ねてきました。

保育所待機児童対策において進めてきた取組は、国や他都市に波及し、昨年4月に待機児童ゼロを達成した政令市は7市に上りました。他都市に先駆けて推進してきた女性の活躍支援は、国の重要施策に位置付けられています。

観光・MICEの取組が奏功し、25年に横浜を訪れた観光客は前年比653万人増、過去最高の3,134万人になりました。昨年の市内ホテルの稼働率は平均86.5%まで上昇し、8月、11月は90%を超えています。

「環境未来都市」「特区」など、数々の国家プロジェクトで成果を生み出し、公民が一体となった横浜の「実行力」は、誰もが認めています。APECやTICADなど大型国際会議での市を挙げたおもてなし、初代の東アジア文化都市としての日中韓交流、さらにはY-PORTを通じた都市インフラの国際技術協力など、「共感と信頼」の関係を土台にした横浜の取組は、国を越えて広がっています。

積極的な誘致策が実り、多くの企業が横浜に進出しています。企業立地促進条例に基づく認定数は、実に100件に達しました。昨年末に発表されたアップル社の進出決定も、都市としての総合力に対する評価の表れと感じています。

そして、こうした成果の全ては、市会の皆様をはじめ市民・企業の皆様との信頼関係、オール横浜での取組なくしては成し得なかったものです。

我が国最大の基礎自治体として、市民生活に寄り添った政策を実現し、時代の課題を克服していく。その成果をもって、国や内外の諸都市の成長にも貢献していく。今後も、横浜への「信頼」と「期待」にしっかりと応えてまいります。

その原動力になるのは、横浜の「人」の力に他なりません。

「人」の輝きをさらに引き出すとき

私は、「すべては人から始まる」と確信しています。横浜のさらなる成長を必ず成し遂げるために、「人」の力を引き出し、より多くの「人」を惹きつけていきます。

まず、未来を担う子どもたちの育成、教育の充実、女性の活躍支援に、一層の力を注ぎます。

4月からスタートする「子ども・子育て支援新制度」のもと、どのように横浜の子育て支援を進め、子どもたちを育成していくか、議論してきた成果を「子ども・子育て支援事業計画」としてまとめ、今定例会にお諮りします。

昨年末に議決をいただいた「第2期教育振興基本計画」に基づき、人を思いやる優しさと豊かな感性、自立して生きていく力を育む教育を実践します。世界で活躍できるグローバル人材を育成し、教職員が子どもたちとしっかりと向き合う時間を確保します。

女性の活躍支援が国を挙げた取組になっている今、新たな男女共同参画行動計画を策定し、多様な働き方の実現を通じて、男女がともに活躍できる横浜にしていきます。また、シニアの方々の活躍が、今後の横浜の活力向上の鍵となります。豊富な経験やノウハウを、地域で、企業で発揮していただけるよう支援していきます。

さらなる活力を生み出すとき

横浜の街は年々賑わいを増しています。季節感あふれる催し、感動で心を揺さぶる芸術アクション事業。魅力的なミュージアムや商業施設の進出も続き、公・民の垣根を取り払い進めてきた取組が実を結んでいます。さらなる人と投資を呼び込み、横浜の経済に一層の活力を生み出していきます。

とりわけ、MICEの開催効果は幅広い分野に波及し、新たなビジネスやイノベーションの機会を創出します。そして都市の競争力とブランド力を高めます。パシフィコ横浜は昨年度、約3,200件の問い合わせを受けながらもお応えしきれず、開催決定は約900件と、3割弱にとどまりました。これは大変大きな損失です。20街区への施設整備などハード面の強化に加え、他施設の活用も進め、受入環境を一層向上させます。

文化芸術創造都市施策も、重要な取組です。文化芸術には人を呼び込む力があり、人と人とを結び付け、心豊かな社会を実現します。2020年オリンピック・パラリンピック東京大会は、文化芸術の祭典でもあります。この機を逃さず、横浜の、そして日本の文化芸術を世界へ発信し、来街者はもとより、あらゆる世代の市民の皆様がより身近に文化芸術に親しめるまちづくりを推進します。

「中小企業振興基本条例」をベースに、市内事業所の約99%を占める中小企業の皆様の活躍を後押しします。経営や技術開発を支援し、強みを引き出し、国内外でのビジネスチャンスに結びつけていきます。新たに設ける国際局にY-PORTセンターを置き、その核にしていきます。また、商店街の魅力を高め、地域の皆様に一層親しまれるよう取組を進めます。

強靭で機能的な都市づくり

「人」や「企業」が存分に力を発揮するためには、強靭で、より機能的な都市基盤が不可欠です。

これまでも、市会の皆様をはじめ多くの方々と議論を重ね、新たな都市の骨格づくりへの布石を打ってきました。横浜港の国際競争力強化と賑わい拠点の形成に向けて、9年ぶりに「横浜港港湾計画」を全面改訂しました。そして、都市の成長エンジンである都心臨海部の機能強化の戦略を描いた「都心臨海部再生マスタープラン」、横浜経済の持続的発展のための「成長分野育成ビジョン」。いずれも横浜の将来像の実現に向けた具体策を盛り込みました。郊外部では、4つの地区で「持続可能な住宅地モデルプロジェクト」を進めています。これらの取組を一気に加速させていきます。

今年は「阪神・淡路大震災」から20年、未曽有の被害をもたらした「東日本大震災」から4年が経とうとしています。昨年末には、「横浜市が今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が78%」という、政府の地震調査委員会の予測が公表されました。「地震防災戦略」のもと、全力で対策を進めていきます。

さらに、豪雨や大雪など、頻発・甚大化する自然災害に備え、がけ対策をはじめあらゆる災害対策に万全を期していきます。防災・減災に重要な役割を果たす、道路網などのインフラ整備を急ぎます。地域防災の担い手である消防団の活動支援も充実しました。

大都市制度

私たちが市民生活の最前線で実効性ある施策を推し進めていくには、ふさわしい権限と税財源を併せ持った大都市制度「特別自治市」の実現が必要です。市会の皆様との議論を経て、25年3月に「横浜特別自治市大綱」をまとめました。そして私自ら、フォーラムやシンポジウムの場で、市民の皆様に必要性を訴えてまいりました。

これまで、私が会長を務める指定都市市長会は、市と県の二重行政の解消を国に強く要望し、今年、「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針」に関する都市計画決定権限など、21事項の事務権限の移譲が実現します。29年度には、県費教職員に関する事務移管と、これに伴う、県民税から市民税への税源移譲も実現する見込みです。今年は、地方分権推進法の施行から20年です。地方創生と地方分権改革を、スピード感を持って進め、「特別自治市」制度の早期実現に一層、力を注いでいきます。

中期4か年計画を加速させる

それでは、27年度予算案の主な施策について、ご説明申し上げます。

まず、「子ども・子育て支援事業計画」のもと、出産前から乳幼児期、学齢期を経て青少年にいたるまで、切れ目のない支援を実現していきます。妊娠・出産の悩みを相談できる窓口を新たに設置します。全ての子育て家庭を支援するために、18区の地域子育て支援拠点の相談機能を充実させ、乳幼児人口の多い区には拠点サテライトを整備します。また、「小1の壁」を打破するため、「放課後キッズクラブ」の設置を加速させます。小児医療費助成の対象を、相対的に医療費負担の大きい「小学3年生まで」に拡充し、子育て家庭の負担を軽減します。

よりよい教育環境も整えます。学校へのカウンセラー派遣を拡充し、いじめや不登校への対応を強化します。学校司書は、28年度の全校配置に向けて、375校に拡充します。中学校での配達弁当の28年度中実施を目指した準備や、学校トイレの洋式化、児童生徒の増加に伴う教室不足の解消などを進めます。

昨年行った調査では、現在仕事に就いていない20代から40代の女性のうち、7割以上の方が結婚や出産、育児をきっかけに退職しており、9割以上の方が、働く意欲をお持ちでした。起業や再就職の支援、女性を支援する企業へのサポートなど、女性の力を引き出し、働きやすい環境づくりを進めます。

シニアの方々を対象とする創業支援メニューを、新たに設けます。昨年スタートした「よこはまウォーキングポイント事業」には、既に8万5,000人を上回る参加申込をいただきました。1,000か所の店舗や施設に、歩数リーダーを設置します。健康ライフスタイルの浸透など、企業と連携した取組も進め、さらなる健康づくりのムーブメントに発展させていきます。

医療や介護が必要になっても、地域で安心して暮らしていただけるように、在宅医療連携拠点を15区に拡充します。障害のある方への後見的支援制度や就労支援センターの体制強化、共同受注窓口の設置に取り組みます。新たな重症心身障害児施設の整備や、なしの木学園の再整備を進めます。

ハローワークと連携した、生活保護受給者の就労支援窓口「ジョブスポット」は、25年度の就労者が568人、就職率は、ハローワークの一般職業紹介の二倍以上となる48%という、大きな効果をあげました。27年度、設置を全区に広げ、また、生活に困窮する方への包括的な相談窓口も全区に展開し、きめ細かな支援を進めます。

地域の中で知識や経験を出し合い、課題解決について学び合う「地域づくり大学校」の拡充など、協働による地域づくりを進めます。今年は、5年に一度の人権に関する市民意識調査を行う年です。互いに人権を尊重し合い、ともに生きる社会を実現してまいります。

横浜経済を支える中小企業の皆様に対して、経営・技術両面からの支援を充実させ、新たな融資メニューも創設します。商店街で行われる「ガチ!シリーズ」、「第二創業」等の取組や、新たな活性化策を支援し、地域経済を元気にしていきます。なお、今回、国の緊急経済対策に盛り込まれた「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用し、商店街振興にも寄与する、横浜ならではの消費喚起策を展開します。

成長・発展分野の強化に向け、新たな技術開発に取り組む企業への助成を行うとともに、特区制度を活用し、ライフイノベーション分野における研究開発を支援します。

街に新たな活力を創出する観光・MICE、文化芸術創造都市の取組を加速させます。市民参加・次世代育成・賑わいづくりに重点を置き、オリジナリティあふれるダンスプログラムや音楽イベントを展開します。

市民生活の安全と安心を守る防災・減災対策を拡充しました。自助・共助の中核施設として市民防災センターを再整備し、あわせて、まちの不燃化に向けた取組を充実させます。子どもたちを災害から守るため、学校の防災設備や備蓄品を充実させ、校舎の耐震対策を27年度中に完了させます。土砂災害警戒区域内のがけ地調査を行い、しっかりと改善を進めるとともに、台風・大雨に備え、浸水対策を強化します。

災害に強く、経済活動の土台となるインフラ整備にも取り組みます。横浜環状北線・北西線等の整備を進め、環状道路ネットワークの構築を急ぎます。

東京都心部と直結する神奈川東部方面線は、31年開業を目指し、整備を進めます。7月には、地下鉄ブルーラインの快速運転を開始し、利便性を向上させます。また、国際コンテナ戦略港湾である横浜港の国際競争力の強化や、外国客船の誘致・受入機能の強化を図りました。

都市環境の変化をふまえ、戦略的なまちづくりを推し進めます。都心臨海部では、新たな賑わい拠点の形成に向けて山下ふ頭の再開発を進め、新たな交通システムの導入検討など回遊性の向上にも取り組みます。新市庁舎整備を着実に進め、横浜文化体育館の再整備とも連携した、関内・関外地区の活性化を推進します。

コンパクトで活力ある郊外部のまちづくりに向けて、十日市場など4つのモデル地区でのプロジェクトを加速させるとともに、新綱島駅周辺など新たな市街地開発に着手し、拠点機能の強化と、防災性の向上を図ります。市民の皆様の貴重な財産である、旧深谷通信所と上瀬谷通信施設の米軍施設跡地について、利用の具体化に取り組みます。

29年春の「全国都市緑化よこはまフェア」開催に向けた準備を進め、樹林地など緑の保全・創出に取り組みます。4月に施行される「都市農業における地産地消の推進等に関する条例」もふまえ、活力ある農業経営につながる取組を展開します。

水素エネルギーの利活用の推進に向けた、燃料電池自動車の普及やバイオガスの活用など、先進的なエネルギー施策を進めていきます。

そして、中期4か年計画を一層推進するための体制強化を図ります。「国際局」を新設し、姉妹都市提携50周年を迎えるムンバイ、マニラ、オデッサ、バンクーバーをはじめ海外諸都市との連携をさらに深め、国際協力や多文化共生の取組を通じ、国際平和に貢献していきます。医療部門を「医療局」と「医療局病院経営本部」に再編し、時代の変化に応じた最適な医療政策の展開を担います。

予算規模

この度提案する27年度各会計予算は、

一般会計 1兆4,955億円
特別会計 1兆3,947億円
公営企業会計 5,918億円
全会計総計では、 3兆4,820億円

です。

一般会計は、前年度と比べ5.4%の増となり、全会計の総計においても、地方公営企業会計基準の見直しに伴う影響額を除いたベースで、3.5%の増となりました。

一般会計予算では、歳入の中心を占める市税収入について、税制改正に伴う法人市民税の一部国税化などにより、26年度当初実収見込額と比較して1.4%減となる7,095億円と見込みました。このうち20億円を年度途中の補正予算の財源として留保し、当初予算では7,075億円を計上しています。

歳出では、防災・減災対策や、市民生活に密着したインフラや施設の整備・修繕に必要な予算を積極的に確保したことなどから、施設等整備費について、対前年度28.6%増となる2,360億円を計上しました。また、扶助費は、「子ども・子育て支援新制度」や障害者支援施設等自立支援にかかる給付費の増などにより、対前年度5.2%増となる4,377億円とし、人件費は、退職手当の引き下げや、住居手当の見直しを行う一方、人事委員会勧告に基づく給与改定や国勢調査実施などのため、41億円増の2,079億円としました。

財政の健全性の維持・市債発行

また、「施策の推進」と「財政の健全性の維持」の両立にもしっかり取り組みました。

昨年6月に制定された「将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例」に基づき、「中期4か年計画」で掲げた財政運営の目標の実現に向けた取組を、着実に進めます。

将来世代に過度な負担を先送りしないために、計画的な市債活用を図りながら、「一般会計が対応する借入金残高」を、着実に縮減していきます。27年度末の借入金残高は、対前年度345億円の減となる3兆2,451億円を見込んでいます。

27年度予算での市債活用額は、国が定める健全化判断比率等をもとに「中期4か年計画」で掲げた「4か年6,000億円の範囲で活用」という枠組みの中で、1,608億円としました。横浜方式のプライマリーバランスは、これまでお示ししてきたように27年度はマイナスになりますが、29年度には概ね均衡としていきます。

また、保有資産の戦略的な活用や、未収債権の回収整理についても、取組を強化していきます。新地方公会計制度への対応は、国からの要請もふまえ、しっかりと準備を進めます。

行財政改革

行財政改革については、徹底した行政内部経費の削減はもとより、例外を設けず事業の効果等を検証し、事業手法の見直しなどに取り組みました。

主な取組として、退職手当の引き下げや民営化・委託化の推進のほか、外郭団体への財政支援等を見直し、合わせて1,092件の事業で、102億円の効果額を生み出しました。

今後も、不断の行財政改革に、全力で取り組んでいきます。

むすび

今年は戦後70年の節目の年です。私たちの街・横浜も、大空襲により壊滅的な被害を受けました。また、その後の接収は、復興の歩みを鈍らせました。私たちの先人は、荒廃の中を生き抜き、一歩一歩、横浜の街を再生させていきました。

そして、高度成長期には、人口急増による無秩序な市街地形成が進み、様々な都市課題が噴出しました。手立てを打とうにも、財源が圧倒的に不足する状況で、先人たちは、横浜を自立した都市にするための重点投資を決断し、「6大事業構想」を打ち出したのです。50年前の「決断」と、公・民を挙げての「実行」がなければ、現在の横浜はありませんでした。

私たちには、横浜の歴史を引き継ぎ、未来を創り出していく使命があります。人口減少や超高齢化など、これまで直面したことのない都市的課題を乗り越え、未来を切り拓いていくためには、大きな「決断」と「実行」が必要です。

横浜には、誇るべき市民・企業の皆様のお力があります。そして、活力ある市会の皆様がいらっしゃいます。伝統ある横浜市会の議員の皆様と、ときには厳しく向き合い、真摯に議論を重ね、ともに横浜の将来を築いていけることを、心から誇りに思います。

横浜の発展に向けて、これまで築き上げてきた信頼関係を土台に、オール横浜で邁進してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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