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横浜市長林 文子― 共感と信頼の行政をめざして ―

これからの市政の方向について(平成25年9月10日)

最終更新日 2018年8月7日

平成25年9月10日
市会本会議での所信表明

ここに議長のお許しを得て、横浜市会の皆様へのご挨拶、並びに私、林文子の横浜市政に対する考え方を申し上げます。

歴史あるこの議場に再び立つことができ、大変光栄です。4年間、再び市政に邁進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。

私は、横浜に活力を創出するためには女性の社会進出が欠かせないと考え、1期目の任期で、保育所待機児童の解消を掲げました。市会の皆様をはじめ、多くの方々にお力添えをいただき、今年4月、ついに「ゼロ」を達成することができました。あらゆる手法を駆使したこの取組は、国から「横浜方式」として評価され、先ごろ、国の「待機児童解消加速化プラン」に盛り込まれました。待機児童問題が深刻な他都市の取組を後押しする先進事例として広く波及しています。

大都市・横浜の総合力をもって、既成概念を打ち破る、この「横浜方式」を、私は、他の施策にも拡大し、横浜のさらなる発展を実現させます。それこそが、都市に共通する課題への解決モデルの発信、そして我が国の成長を牽引していくことにつながります。

また、選挙期間中には、多くの市民の皆様から、激励の声とともに、「市役所や区役所の対応が良くなった」との言葉をいただきました。私は、経済界出身の市長として、「おもてなしの行政サービス」、「現場主義」、「PDCAサイクルの徹底」など、行政になじみの薄かった考え方を、導入してきました。これらが職員に浸透し、市民の皆様の実感に結び付いていることを感じました。「オール横浜」で目標に向かう礎が築かれていることを、確信しています。

横浜に暮らし、あるいは事業を営む皆様に、安心と希望を実感していただき、先人が築いてきた横浜を、人も企業も輝く都市へと発展させる。この私の使命を全うすべく、力を尽くしてまいります。市会の皆様におかれましては、どうかこれまで以上のご指導とご協力を、お願い申し上げます。

(時代認識と戦略)

現在、国においては、持続可能な社会保障制度の構築に向けて、財源確保も含めた議論が進んでおり、大きな決断が下されようとしています。私も、過日、政府による集中点検会合に招聘され、意見を述べてまいりました。日本は、少子高齢化の進展、人口減少という時代の大きな変化の只中にあります。

先月末、総務省が発表した調査によると、我が国の総人口は、4年連続で減少しています。横浜市の人口は増加を続けていますが、2019年をピークに減少に転じる見込みです。生産年齢人口はすでに減少が始まっており、2025年には65歳以上の高齢者人口が100万人に近づくという予測もあります。今年1月、横浜市の高齢化率は21%を超え、ついに「超高齢社会」に突入しました。全国平均を上回るペースで、高齢化が進んでいます。

市民生活を支える都市インフラの老朽化も、深刻です。早急に長寿命化を進めると同時に、近い将来発生が懸念される、首都直下型地震を想定した、建物の耐震化や不燃化、交通ネットワークの構築など、都市の骨格を強化する必要があります。また、地球温暖化をはじめとする環境・エネルギー問題への対応は、世界的な要請となっています。

こうした数々の課題に果敢に挑戦し、都市の未来を切り開くための、骨太なまちづくりの戦略を描き、新たな中期計画を策定いたします。そして、あらゆる力を結集し、これを確実に実現していきます。

(切れ目ない安心社会の実現)

まず何よりも、市民の皆様に「切れ目ない安心」を実感していただけるよう、力を注いでまいります。

若い世代に、横浜に住み、横浜で働いていただけるよう、切れ目ない子育て支援を行い、教育環境を充実させていきます。保育所待機児童解消を継続させ、保育の質を向上させます。そして、お子さんの小学校入学とともに直面する、いわゆる「小1の壁」をなくすため、放課後児童施策を充実させます。学校司書の配置や、中学校での栄養バランスのとれた昼食の実現など、教育環境を整えていきます。児童虐待やいじめ対策にも、しっかりと取り組みます。

また、急速に進む超高齢社会を先取りし、切れ目ない高齢者ケアの充実にも、重点的に取り組みます。高齢者施設の整備はもちろんのこと、介護予防の一層の充実、在宅医療体制の拡充など、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、支援策を着実に進めます。また、健康ポイント制度の導入などで、あらゆる世代の市民の皆様の健康づくりやスポーツ活動をサポートし、健康寿命日本一を目指していきます。

障害のある方々への移動支援策や、将来も安心して過ごせる住まいや医療などの拡充を進めます。さらに、生活に困難を抱える方々をお支えする就労支援策を、一層充実していきます。

(活力あふれる横浜の実現)

切れ目ない安心社会を構築するためには、横浜経済を活性化させ、「活力あふれる横浜」を実現することが、どうしても必要です。鍵となるのは、「若者」「女性」「シニア」の皆様です。これらの方々の力を引き出し、社会全体の活力につなげます。

次世代を担う若い力が存分に発揮される魅力的な環境を整えることで、生産年齢人口の増加と、活力の維持を図ります。市内に多数立地する大学や専門学校は、横浜の貴重な財産です。その豊かな知的資源と人材を生かして、横浜を学術都市として発展させていきます。知の集積は、地域課題の解決、新産業の創出や既存産業の活性化にもつながります。グローバルな視野を持つ人材を育てるため、海外留学を促す仕組みをつくり、就業機会の開拓や起業支援なども行っていきます。

若者の育成、活躍と同様に、国の成長戦略に挙げられているのが、女性の活躍です。私は、先日インドネシアで開催されたAPEC「女性と経済フォーラム」で、昨年、一昨年に続き基調講演を行ってまいりました。横浜は、待機児童対策や起業支援など、女性の社会進出を後押しする施策を次々に実践する、先進的な都市として、世界に認められています。これらの取組にこれまで以上に力を注ぎ、横浜を、日本一女性が働きやすく、活躍できる都市にしていきます。 そして、超高齢社会の入り口に立った今、重要なのが、シニアパワーです。横浜には、現場の第一線から退いてもなお、その豊かな経験と知識を生かしたいと望むシニアの方が、数多く暮らしています。これは、横浜の大きなポテンシャルです。「再就職」「起業・創業」「NPO・ボランティア活動」など、多様な活躍の場を確保し、地域社会全体の一層の活力につなげていきます。

横浜経済の根幹を支える、企業、事業所の経済活動を、しっかりとサポートいたします。市内企業の大多数を占める中小企業の皆様を、経営面から事業継承やM&A、海外展開にいたるまで、様々な面からご支援し、その高い技術力を新たなビジネスにつなげます。また、Y-PORT事業の推進により、海外での活躍のチャンスを拡大していきます。

国際戦略総合特区をはじめとする国家プロジェクトについても、具体の成果に結実させるため、より強力に推進していきます。「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」では、7分野、18件の「横浜プロジェクト」を進めています。手術シミュレータなど5つのプロジェクトには、国の財政支援もいただき、医工連携の取組が加速しています。先ごろ、横浜市立大学の谷口教授の研究グループが、iPS細胞から人の臓器を創り出すという、世界初の研究成果を発表し、大きな注目を集めました。このような研究開発の成果を新産業創出に結びつけ、広く人々の健康増進に貢献していきます。横浜を、世界に冠たるライフイノベーションの拠点としてまいります。そして、政府が新設する国家戦略特区についても、神奈川県と川崎市とともに、全力で指定を獲得してまいります。

横浜の大きな強みのひとつは、観光・MICEです。これまでの実績が評価され、過日、国から「東アジア文化都市」の国内候補都市、さらに「グローバルMICE戦略都市」に選定されました。この好機をとらえ、素晴らしい都市景観や、MICE、文化芸術、スポーツなどの多様な資源を生かし、シナジー効果を生みだします。そして、多くの人々が繰り返し訪れ、一層賑わう都市を実現していきます。

また、地域経済が担う、コミュニティを活性化させる役割を、忘れてはなりません。地域づくりの重要な担い手でもある、商店街の振興にも力を注ぎます。

横浜は大都市でありながら、農業が大変活発で「浜なし」や「浜ぶどう」といった素晴らしい農作物や、有数の出荷高を誇る「小松菜」の生産地でもあります。実に1,000か所以上もの直売所があり、都市に住みながら新鮮で安心な食材を手に入れることができます。横浜ならではの都市農業を、持続可能で活力あるものにしていきます。

一昨日、2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定しました。7年後、スポーツがもたらす希望と歓喜に、日本中が包まれます。おもてなしの機運を高め、都市の再生、市内スポーツの振興など、あらゆる準備に今から着手する必要があります。東日本大震災からの真の復興と経済成長を遂げた日本の姿をお見せし、世界への感謝を伝えるため、全面的に協力してまいります。この大きな目標を弾みに、横浜の魅力を世界にアピールしていきましょう。

今年度、将来を見据えた経済政策のビジョンを策定します。横浜に培われた、豊富で優れた資源を一層輝かせ、このたびの東京開催決定をフックに、我が国の成長エンジンとなりうる強力な経済を実現していきます。

(未来を支える強固な都市の実現)

切れ目ない安心と、経済の活性化を実現するためにも、横浜を「未来を支える強固な都市」へと再生する必要があります。

今年、みなとみらい21地区は、事業着手から30年を迎えました。公民を挙げたまちづくりにより、今や横浜を代表するエリアとなったこの街は、活気に満ちあふれています。そして現在、エネルギー対策など、新たな要素を取り入れたまちづくり「みなとみらい2050プロジェクト」が、動き始めようとしています。

この、みなとみらい21地区をはじめ、“国際都市・横浜”の顔である都心臨海部を、それぞれの地区の魅力や潜在力を最大限に生かし、賑わいと活力の拠点へと生まれ変わらせます。関内・関外地区では、さらなる活性化に向けた検討を進める中で、市民の皆様に丁寧にご説明しながら、災害対策など多様な機能を持つ新市庁舎の早期整備も目指していきます。

横浜経済の中心である港については、引き続き、国際コンテナ戦略港湾として、最先端のふ頭の建設も含め、着実に整備を進め、国際競争力を高めていきます。そして、都心部が港に面しているという優位性を最大限に発揮し、世界に誇るウォーターフロントを実現します。

少子高齢化により大きく様変わりしている郊外住宅地では、鉄道事業者や開発事業者などの民間企業、大学、そして住民の皆様の力を集め、街の再生を図っていきます。たまプラーザ駅北側や磯子区洋光台周辺地区などでモデルプロジェクトを進め、誰もが安心して生活でき、若い世代をも引きつけ、呼びこむ街を創り上げます。

また、未来に躍動する都市の動脈として、横浜環状道路や神奈川東部方面線などの整備を推し進めます。さらに、大都市・横浜にふさわしく、市民の生活と産業を支え、誰もが快適に利用できる交通ネットワークを検討し、その実現に向けて一歩踏み出します。

未来へのまちづくりを進めていくうえでは、エネルギー・環境問題への対応も不可欠です。 「横浜スマートシティプロジェクト」では、今年度、市内の約1,900世帯を対象に、HEMSを活用した国内最大規模の実証実験をスタートさせています。集合住宅やビル、工場などを対象に、エネルギーを広域で最適に制御するための20の民間プロジェクトも本格的に動き始めています。

引き続き、環境未来都市のトップランナーとして、公民を挙げて、環境・資源・エネルギー問題などに先駆的に取り組みます。人や環境にやさしい都市像を、世界へ発信していきます。

大都市でありながら、豊かで良質な緑が残り、市民の皆様が誇れる美しい公園があることは、横浜の大きな魅力となります。緑あふれる都市づくりに向けて、安定的な財源を確保しながら、「横浜みどりアップ計画」を発展させていきます。

市民の皆様の命を守り、被害を最小限に留める防災・減災対策も、着実に進めます。新たな「防災計画」「地震防災戦略」「地震防災市民憲章」の三本の柱、そして市会の先生方からご提案いただき、今年6月に施行された「災害時における自助及び共助の推進に関する条例」のもと、都市の防災機能を強化していきます。木造住宅密集市街地での防災対策に取り組むとともに、近年多発するゲリラ豪雨などについても、対策を講じていきます。

さらに、次々に更新の時期を迎える、橋りょうや公共施設などの都市インフラについて、人命の安全を最優先に、計画的な保全・老朽化対策を進めます。

未来を見据え、信念をもって取り組むのが、まちづくりです。都市の力を結集して、制度と意識の壁を乗り越え、新しい都市の姿を創り上げていきます。

(さらなる行財政改革の推進と特別自治市の実現)

これらの施策を進めていくうえで、堅実な行財政運営は欠かせません。

徹底した市役所内部経費の削減などに不断に取り組むとともに、外郭団体改革など、さらに一歩踏み込んだ行財政改革を進め、選択と集中で、未来への投資を大胆に行います。

市役所の力を最大限に引き出すため、現場を重視し、チーム力の発揮につながる人材の育成に、一層努めていきます。適材適所の人員配置を行い、より効率的・効果的な執行体制を構築します。

持続可能な財政運営を進めるため、中期的な財政見通しを作成し、財政状況に関する認識を市民の皆様と共有します。一般会計が負担する借入金残高については、企業会計・特別会計・外郭団体分も含め、着実に縮減するとともに、中期的な視点から、将来負担を考慮した計画的な市債活用を行うなど、財政の健全性と施策の推進を両立していきます。

さらに、未来に向け、横浜が力強く成長を遂げるためには、大都市にふさわしい権限と財源を備えることが必要不可欠です。市と県の二重行政を解消し、きめ細かいサービスを一層充実させるとともに、我が国の経済の成長エンジンとなっていくために、「特別自治市」の実現に向けた取組を、強力に進めます。

私はこれまで、すべての答えは現場にあるという信念のもと、市政運営を進めてきました。引き続き、現場主義を徹底し、あらゆる方々と対話を重ねるとともに、これまで以上にスピード感を重視して決断してまいります。

市民の皆様がどれほど横浜に愛着をもっていらっしゃるか、そして市会議員の皆様が、日々いかに地域に寄り添い、献身的に活動なさっているかを、この4年間で、実感いたしました。皆様の熱意と力が、オール横浜として発揮されれば、どんな困難でも乗り越えられると、確信しています。

困難な課題に果敢に挑み、既成概念を打ち破った取組で解決していきます。そして、同様の課題を抱える内外の諸都市の発展にも貢献してまいります。世界と共に成長する横浜を築いてまいりましょう。

改めて、市会の皆様の変わらぬご指導・ご協力をお願いしまして、私の所信とさせていただきます。

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