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横浜市長林 文子― 共感と信頼の行政をめざして ―

平成23年度の市政運営の基本方針と予算案について

最終更新日 2018年8月7日

平成23年2月10日
市会本会議での提案説明

中期4か年計画の本格的スタート・政策実行の年

平成23年度予算案及びこれに関する諸議案の提案にあたり、市政運営の基本方針とともに概要を申し上げます。

市長就任以来、私は市内の様々な現場に伺ってきました。中でも、保育所や幼稚園をはじめ子どもたちが過ごしている場は、そこにいるだけで私たちを元気にしてくれます。遊んだり勉強したり、子どもたちの無心な姿をみると、自然と表情が緩みます。無邪気に駆け寄ってくる子を思わず抱きしめ、その体温を感じると、何があっても、この子たちの明日のため、将来のために頑張ろうと思います。年末年始にかけて、全国で話題になった一連の寄付は横浜でも、施設に、そして行政にも届けられました。家庭環境に事情があって施設で暮らす子どもたちのことを真剣に思い、我がこととして実践する。この横浜には、報道されなくても、善意にあふれる方々がたくさんおられます。寄付の報道を機にそうした人々が増えていくことに、私は深い感銘を覚えます。人は一人では生きていけません。互いに支えあい、泣き、笑い、今この時と時代を共有しながら生きています。

抽象的なスローガンを掲げる前に、今この瞬間にも横浜で暮らし、働き、活動する一人ひとりの姿を思い浮かべ、具体的な政策を実行していく。今の暮らしを今日よりも明日、明日よりもさらに充実したものにしたい、そしてこの横浜で暮らしていてよかったと誰もが思える街になるよう、全力を尽くす。そう決意して、市政運営にあたっています。

市民の皆様の生活をお預かりする市長職に就き、まもなく1年半が経とうとしています。市民の皆様の声を聴き、対話によって解決策を見出してまいりました。

子育て、医療、教育を始め、今必要とされている施策を、市長直轄プロジェクトを立ち上げて検討し、スピード感を持って実現させました。横浜の力強い未来のために、国家プロジェクトの選定に向けては、関係者の皆様と全力を挙げて取り組んできました。

地域課題の解決から国家プロジェクトへの取組まで、様々な場面で「つながり」を大切に創り上げていくことが、大きな相乗効果を生み、横浜をさらなる高みに押し上げます。今後の市政の方向性をまとめあげた横浜市中期4か年計画では、「つながり」の構築によって「安心と活力」を生み出す、と謳いました。その実現に向け、しっかり歩を進めてまいります。

私は、どのように困難な局面にあっても、現場で切磋琢磨し、関係者の皆様と連携し、対話を重ねながら、人、モノ、情報をダイナミックに行き交わせ、社会的課題の解決や新しい価値の創造を促し、「安心と活力」を生み出していきます。

(閉塞感を乗り越え、安心と活力を見出す)

今、私たちの目の前には、社会保障への不安、人口減少がもたらす影響、環境問題やグローバル化への対応、財政赤字の拡大など、その解決が急がれているのに、行政も企業も、容易に策を描ききれない課題が山積しています。日本に限らず、世界中のどの組織も、未だかつて経験したことのない問題をどう乗り越えていくか、日々、真剣勝負を続けています。

とりわけ、そこに暮らす人々の安心・安全な生活を守るべき基礎自治体は、多様な課題を日々、真正面から受けとめて、解決していかなければなりません。私は、横浜市民の皆様の生活をお預かりしています。解決策を見出すための対話を大切に、皆様とともに考え、知恵と工夫を結集していきたい。地域に暮らす皆様、働く皆様、自治会・町内会、NPOなど市民活動団体の皆様、事業を営む皆様と協働し、道を切り開いていきます。

将来を建設的に切り開き、可能性を広げるのは対話からだということを、国との関係においても確信しました。保育所待機児童数最大の都市である横浜の実情について、私は、少子化対策担当大臣をはじめ国の関係者に、直接つぶさに説明し、解決策を提案してきました。「横浜を成功モデルにして、一緒にやっていきましょう。」と言っていただき、政府の待機児童ゼロ特命チームのプロジェクトでは、本市の要望を真摯に受けとめていただきました。そして、本市独自の先駆的取組である横浜保育室に対し、国費を導入していただける道筋をつけることもできました。

人を思いやるあたたかい気持ち、自分たちの暮らし、地域を良くしていきたいという市民の皆様の発意は、地域の暮らしの課題解決への何より大きな原動力です。例えば、「かちだ地区おもいやりネットワーク」の地域の見守り活動では、地域ケアプラザがコーディネーター役となり、地域、区社会福祉協議会、区役所が連携し、定期的な自宅の訪問や運動教室の開催など、自宅に閉じこもりがちだった高齢者の方々の交流の機会を増やし、孤立しない、させない地域づくりを進めています。

横浜が積み重ねてきた先進的な取組や技術は、国内外の課題解決に貢献する高いレベルのものです。昨年、私は、OECD本部で開催された、首長と閣僚のための都市に関するラウンド・テーブルや、シンガポールでの世界都市サミット、APEC女性起業家サミットなどの国際会議で、横浜の環境政策や男女共同参画の取組を発表しました。これらの取組には、常に大きな関心が寄せられ、大都市横浜の力を改めて実感しました。施策を参考にしたい、都市づくりに力を貸して欲しいと、海外からのお客様を市役所にお迎えする機会も着実に増えています。今後とも、国際都市横浜の市長として、国内外との架け橋となり、国際貢献に、そして、ビジネスに、横浜の力を大いに生かしていく決意です。

昨年は、羽田空港国際化、APEC横浜開催という、横浜の飛躍につながる大きなチャンスをつかみ、関係者の皆様と力を合わせ、成功へと導き、新たな足跡を刻むことができました。さらなる飛躍に向けて横浜に吹き渡っている良い風に乗り、誰もが切に願う幸福な暮らしを実現するために、今やるべきことをやり遂げていきます。

(23年度の市政運営の基本方針)

23年度は、「横浜市中期4か年計画」を本格的にスタートさせる政策実行の年です。私はこの計画に、市民の皆様とお約束した政策、現場を歩いて必ず実現すると決意した施策・事業の全てを盛り込みました。引き続き厳しい財政状況でありますが、日々の暮らしを守り抜き、安心を実感していただくこと、そして、閉塞感を打ち破り、将来に向けての投資を積極的に行うこと、この2点を重視し、市政を展開します。

緊急的な課題への取組~安心を実感していただくために~

まずは、緊急の課題に速やかに応え、市民生活の安心を確保していきます。必要性は理解されたはずなのに、いつまでたっても変わらない。そういうことがないように「安心してください」と自信をもって答えられる取組を進めます。

社会全体が子育てをあたたかく見守り、子どもも大人も夢と希望にあふれ、生き生きと、幸せに暮らす横浜を実現することは、市民の皆様の願いであり、横浜全体の元気につながります。そのために、保育所待機児童解消に取り組み、25年4月の実現を目指します。市長直轄のプロジェクトチームが現場の知恵を集めて練り上げた提案を中心に、ありとあらゆる手段を講じていきます。産科・小児医療、救急医療体制の充実、きめ細かな教育の推進に引き続き取り組むとともに、教育環境も改善します。昨年の猛暑では、学校の厳しい学習環境が問題になりました。できるだけ早い環境改善に向け、市立学校への空調設備については、25年度までの3年で全校整備していきます。

児童虐待の痛ましい事件には胸がつぶれる思いです。何としても子どもの命を守りたい。そのため、児童虐待対策プロジェクトを立ち上げ、虐待に至ってしまった家庭と地域や関係機関とのかかわり方、連携のあり方などの検証を行いました。そして、予防、早期発見、早期対応、再発防止に向けて、実効性ある対策をまとめ、速やかに取り組むことといたしました。

また、社会経済情勢の厳しさをまともに受けて、本当にご苦労を重ね事業を営んでいる皆様、就業機会を得ることが困難な皆様への緊急経済対策を引き続き実施します。

将来に向けたプロジェクトへの積極的な対応~横浜を一層元気にするために~

中期的な視点に立った都市づくり、人づくり、仕組みづくりに重点的に投資し、活力ある横浜経済を実現します。中でも、新成長戦略として国が打ち出している環境、港湾、MICEは、横浜の力を大きく生かす分野です。この国の動きを横浜の取組へと引きつけ、市内経済の活性化につなげていきます。国際コンテナ戦略港湾や横浜スマートシティプロジェクト、この国家プロジェクト指定を必ず勝ち取る、その意気込みで、市長就任早々、関係者の皆様とともに、全力で取り組み、いずれも国の選定を受けることができました。23年度も、それぞれのプロジェクトの具体化を加速させるために、重点分野と位置付け、取り組んでいきます。

昨年、市会議員の皆様のご提案により全会一致で、中小企業振興基本条例が制定されました。この条例には、市内中小企業の皆様からの切実な思いが込められています。条例の趣旨を踏まえ、取組を強化します。市内中小製造業の全事業所を対象とした技術実態調査の結果を基に、企業の強みを伸ばし、課題を解決するための取組を具現化していきます。「他社に負けない製品開発をしたが、その後の販路開拓がなかなか進まない。」という声を私自身も聞きました。横浜発の素晴らしい製品を広めていくために、研究開発段階から販路開拓までの一貫した支援を進めます。

(23年度予算案)

このたび予算案として提案する23年度各会計予算は、

一般会計 1兆3,899億円
特別会計 1兆2,388億円
公営企業会計 6,094億円
全会計総計では、 3兆2,380億円

となりました。

一般会計は、前年度に比べて2.2%の増で2年ぶりのプラス予算、全会計では4.5%の増で4年ぶりのプラス予算となりました。

このうち一般会計予算について、歳入面では、市税の実収見込額を、企業収益の回復などにより、前年度と比べ129億円の増収としました。また、この増収額のうち30億円を、年度途中の補正予算のための財源として、3年ぶりに留保しました。このほか、地方交付税では、22年度の実績を踏まえ、普通交付税について前年度当初予算より40億円多く見込んだものの、県税交付金は、エコカー購入助成制度打ち切りなどの影響もあり、約47億円の減収、国からの地方特例交付金の減収が約15億円見込まれ、当初予算の一般財源の増は、約66億円にとどまっています。一方、保育所待機児童の解消、教育環境の整備など緊急的な課題や、生活保護費の増加などの影響で急速に増大する扶助費に対応するために必要不可欠な財源は、一般財源の増収額を超えて増加する傾向にあります。本市の財政状況は、引き続き厳しいと言わざるをえません。そのため、23年度も、市債や財政調整基金などを適切に活用し、財源を確保することにしました。市債については、保育所待機児童解消など緊急的に取り組む課題や国際コンテナ戦略港湾の推進など、今必要とされる施策と財政規律のバランスを考えながら、中期4か年計画でお示ししたとおり、22年度と同額の1,274億円を発行額としました。横浜方式のプライマリーバランスについては黒字を維持し、その結果、一般会計の実質的な借入金残高は、前年度に比べて減少しています。

歳出面では、義務的経費は前年度より6.3%増の7,838億円となり、一般会計予算全体に対し56.4%と、非常に高い割合を占めることになりました。このうち、人件費は、ほぼ前年度並みの2,032億円となりましたが、扶助費については、生活保護費、子ども手当の増のほか、子宮頸がんワクチンの予防接種の無料化などで、前年度より13.6%増の3,947億円となりました。なお、子ども手当は満額支給することとしましたが、全額国費で行うべきとの観点から、地方負担分については国費で計上しています。施設等整備費は、ほぼ前年度並みの1,667億円を計上し、市内経済対策のために22年度2月補正で追加・前倒しを行う施設等整備費約50億円を加えると、前年度当初予算に比べ2.8%の増となります。

緊急的な課題への対応や将来を見据えた取組に重点的に配分しながら、持続可能な財政運営を確立していくために、23年度も徹底した、しごと改革に取り組みます。職員福利厚生事業の縮減など内部経費を見直すとともに、外郭団体等への補助金を見直し、団体保有資産の活用などを新たに行うことにしました。全体で655件、80億円の経費を縮減しました。

さらに、昨年8月の横浜市事業評価会議でのご指摘を踏まえ、旧余熱利用施設及び公園プール、野外活動施設等のあり方も検討していきます。外部有識者による横浜市公共施設のあり方検討委員会を来月中に開催し、今後の方向性を23年中に検討します。その他の既存公共施設でも、施設の有効活用や、アセットマネジメントの視点を生かした保全の推進に取り組みます。

引き続き、事業見直しやコスト縮減など不断に改革・改善を進め、効果的・効率的な行財政運営を実現し、市民の皆様のためにしっかり政策を実行していきます。同時に、横浜の力を最大限に引き出し、活力あふれるまちづくりを実現できるよう、地方自治制度の構造上の課題解決に向け、力を注いでいきます。現行の指定都市制度では、一定の権限が与えられていても、それに見合う財源は措置されておらず、力を十分に発揮できる状態にあるとは言えません。大都市の能力にふさわしい権限と財源を備え、日本全体の活力につながる取組を率先して生み出すとともに、市民サービスを向上させていく大都市制度を必ず実現したい。そうした都市に人々は集い、そのエネルギーが活力を引き出し、ひいては日本を牽引していく、私はそう確信しています。新たな制度の創設に向け、市役所の取組体制を強化するとともに、市民の皆様、市会の皆様をはじめ、指定都市市長会など関係者の皆様と連携して、国への働きかけを強力に進めていきます。

23年度における政策展開について、中期4か年計画でまとめた4つの基本政策ごとに、新規拡充を図る主要事業を中心に、ご説明いたします。基本政策の中には、中長期的な視点での8つの横浜版成長戦略の取組も織り込んでいます。

基本政策1 子育て安心社会の実現

まず、基本政策の第一に掲げた「子育て安心社会の実現」です。待機児童解消策を加速させます。保育所受入枠を4千人へと倍増、各区への保育コンシェルジュの配置、送迎保育ステーションの整備のほか、横浜保育室の整備促進のため、特定地域での家賃補助基準額の倍増、預かり保育に取り組む幼稚園の拡充、認可外保育所一時預かり利用料金の引き下げなど、あらゆる手段を講じることにしました。

放課後児童育成事業では、放課後キッズクラブをはじめ3事業全てで、障害児加算を増額させ、放課後児童クラブの家賃補助も増額します。

きめ細かな教育を推進するために、児童支援専任教諭の配置を70校増やし、児童支援体制を強化します。25年度までの市立学校の空調整備に向けては、24年度実施140校分の設計と、PFIも含めた整備手法の検討を行います。夏に間に合わせるため、22年度2月補正予算で前倒しして工事を行い、まず、58校に設置します。

児童虐待対策関連経費については、倍増させました。乳幼児健診未受診者への対応を強化するほか、家庭訪問の充実、区の相談体制の強化に加え、保育所や学校での迅速かつ適切な対応を支援するため、児童虐待対応保育士やスクールソーシャルワーカーを配置します。虐待を受けた子どもを速やかに保護できるよう、北部児童相談所一時保護所を整備します。また、先天性代謝異常症等検査については、市民の皆様のお声を直接伺い、23年度下半期から、従来の方法に比べ、多くの疾患が発見できるタンデムマス法とします。

基本政策2 市民生活の安心・充実

次に、基本政策の第二に掲げた「市民生活の安心・充実」です。産科・小児科の医師が不足するなど医療を取り巻く環境が未だに厳しい状況であること、子どもが急病の際に、不安を抱えている保護者の方が多いことを踏まえ、二次救急拠点病院の強化、産科拠点病院の整備に向けた検討を開始するとともに、適切な救急医療受診に向け、小児救急電話相談サービスと医療機関の案内などを一つの電話番号でご案内する救急医療情報・相談センターを整備します。

市民の皆様の積極的な健康づくりに結びつく「よこはま市民健康ポイント制度」の検討を始めます。働く世代の大腸がん検診の支援、子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンの無料接種をスタートさせ、健康を守る取組も充実させます。

住み慣れた地域で安心して暮らし続けていただくため、ごみ出し支援などの身近なサービスから施設整備まで様々な取組を進めます。介護を必要とする高齢の方の地域生活を24時間365日支える小規模多機能型居宅介護事業所の積極的な整備、市内福祉施設で働く福祉人材確保策の継続実施のほか、特別養護老人ホームについては、引き続き整備を進めるとともに、良質な居住環境を確保していきます。障害福祉の分野では、将来にわたるあんしん施策を着実に実施していきます。医療的ケアが必要な障害のある方の、地域生活を支える多機能型拠点の整備を進めるほか、利用者本位で移動支援に係る地域の情報を収集、提供する仕組みを3区でスタートさせます。重症心身障害児施設の基本設計にも着手します。

横浜にお住まいの外国人の皆様も安心して暮らせるよう、国際交流ラウンジにコーディネーターを配置し、日本語学習支援を充実させます。

地域を支える皆様の力を最大限に発揮していただけるよう、福祉保健活動の拠点である地域ケアプラザ、身近な地域活動拠点であるコミュニティハウスの整備を進めるとともに、地域運営補助金を創設し、元気な地域づくりを後押しします。いざというときに地域を守る消防団の方々は、大変心強い存在であり、年額報酬の引き上げなどを実施してまいります。生活困窮や周囲から孤立した方々を支えるセーフティネットの確保は行政の責務です。生活保護を受けている方の就労支援を充実させるとともに、若者サポートステーションの機能を強化し、複合的課題を持つ若者への伴走的支援を国のモデル事業として実施します。

いつ発生してもおかしくないと言われている大地震に備え、木造住宅耐震改修の促進など建築物の耐震性向上に取り組みます。

基本政策3 横浜経済の活性化

私は、経済の活性化が、生活の安心の確保につながると考えており、基本政策3に掲げた「横浜経済の活性化」に向け、全力を尽くしてまいります。

市内企業の皆様に強みを十分に発揮していただくため、重点産業分野に取り組む中小・中堅企業を対象に、産業振興特別資金融資事業を始めるほか、成長分野を中心とした研究開発や経営革新のための設備投資の促進、海外販路開拓支援を進めます。

将来への投資を大胆に進めるとともに、横浜の骨格整備に向けた取組も着実に進めます。横浜港のハブポート化に向け、南本牧ふ頭高規格コンテナターミナルなど先進的な港湾施設や横浜環状道路の整備を進めるとともに、国際競争力強化に向け、コンテナ貨物集荷策や横浜港埠頭公社の民営化も進めます。横浜駅周辺のまちづくり、関内・関外地区の活性化など、民間事業者の皆様とともに、拠点的な市街地整備を進めます。将来を見据え、次世代の総合的な交通体系についての調査・検討を行います。

国際都市横浜の蓄積と強みを、ビジネスに生かしていきます。市民の皆様、市会の皆様のご協力により、成功裡に終えることができたAPECの開催実績、そして豊かな地域資源を生かして、コンベンション誘致に邁進いたします。観光面でも、新たに、産業集積や先進的な環境への取組を活用する横浜版ニューツーリズムを進めます。海外集客プロモーションではアジアに焦点をあて、魅力あふれるMICE都市を実現します。また、横浜が培ってきた技術を活用し、公民連携による国際技術協力も推進します。横浜ウォーター株式会社と連携し、海外の水ビジネス関連のコンサルティングやセールスを推進します。

トップセールスによる企業誘致を積極的に進める一方、身近な地域の商店街のさらなる活性化、そして、働く女性のネットワークづくりやキャリアアップ支援、女性起業家支援なども進め、多角的に経済の活性化を図ります。

文化芸術やスポーツは、自ら楽しむことで、そして一流の技に触れることで、人生を豊かにし、生きる喜びと感動を与えます。そのパワーは都市の活力を生み出します。文化芸術をもっと身近なものとするための、横浜芸術アクションの本格始動に向け、プレ事業を実施するとともに、親しみやすく、質の高い横浜トリエンナーレ2011を実現します。また、市民の皆様と身近な市民スポーツを育み、プロスポーツも盛り上げていきます。

緊急経済対策では、まず、円高やデフレによる売上減少などに対応して、低利な緊急支援特別資金を設けました。全体としては、資金ニーズに対応し、1,800億円の融資枠を確保しました。財政調整基金の一部も活用し、市内中小企業の仕事の確保につながる道路の修繕や公園の再整備・改良などの事業量を22年度並みに確保しました。また、離職を余儀なくされた非正規労働者や中高年齢者の皆様への雇用・就業機会を提供し、約1,100人の新規雇用につなげていきます。本市独自の無料職業紹介の充実や合同就職面接会の回数を増やすことで、求人・求職者のマッチングの機会を拡充します。ひとり親家庭、離職者の方たちへの職業訓練や就労支援も実施します。

基本政策4 環境行動の推進

最後に、基本政策4「環境行動の推進」です。環境未来都市を目指して、市民・事業者・市役所一丸となり、率先して低炭素都市づくりを進め、二酸化炭素の排出量が少なく、かつ、生活の質が向上するようなライフスタイルを実現させていきます。横浜スマートシティプロジェクトでは、みなとみらい21エリアなど3地区で、地域全体でエネルギーを徹底的に有効に活用できる仕組みをつくっていきます。電気自動車、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入した次世代型住宅普及に向け、23年度は、太陽光発電システムとHEMSの千戸分の導入助成を実施します。金沢区をモデル地区として、環境を切り口とした産業の育成と環境教育の充実、資源やエネルギーの利活用に取り組む横浜グリーンバレーを進めます。個人、事業者、地域、それぞれの脱温暖化の取組が進むよう、個人向けには、住宅用太陽光・太陽熱利用システムの設置、電気自動車等の購入や充電設備整備に対する補助を行います。市内事業者の皆様には、脱温暖化モデル住宅の建設でご協力をいただきます。地域での取組が進むよう、ヨコハマ・エコ・スクールや1区1ゼロカーボンプロジェクトに取り組みます。

生物多様性横浜行動計画「ヨコハマbプラン」に基づく取組については、市民の皆様、企業の皆様と連携し、全国の大都市に先駆けて推進します。円海山周辺地区を「つながりの森」と位置づけ、横浜の美しい自然環境を将来にしっかりと引き継ぐための検討を始めます。山下公園前の浅瀬や自然の砂浜である野島海岸などで、きれいな海づくりに向けた取組も進めます。3年目となる横浜みどりアップ計画では、樹林地を守る施策、農地を守る施策、緑をつくる施策を進めていきます。

ごみ減量・リサイクルの先進都市としての成果を十分生かし、横浜G30プランに続く新たな一般廃棄物処理基本計画である「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン」を強力に推進します。

これらの基本政策ならびに横浜版成長戦略を推進するために庁内の体制も整えます。横浜の魅力を高め、活力やにぎわいのある都市づくりを進める文化観光局を新設します。地球温暖化対策を強力に進めるために、温暖化対策統括本部を新設して機能強化を図ります。また、医療環境の充実を図るために医療政策室を健康福祉局に、25年4月の待機児童解消に向け、緊急保育対策室をこども青少年局に、新たな大都市制度創設に向け、庁内外の総合調整機能を強化する大都市制度推進室を政策局に、さらに、歳入確保・資産活用の推進による積極的な財政運営と適正な財務事務を確立するため、財政局を新設します。私は、今回の組織機構編成に、縦割りを排すとの強い思いも込めています。もちろん、組織を見直しただけで縦割りがなくなるわけではありません。職員一人ひとりが専門性を発揮しながらも、視野を広げ、自ら一歩踏み出す、そういう意識改革・行動改革は、私自ら進め、職員にも強く求め、厳しくチェックしながら市政運営にあたりたいと思います。

以上、23年度の市政運営の基本方針とともに、予算ならびに関連諸議案の概要について、ご説明申し上げました。

厳しい社会経済情勢を視野に、経営者の経験を生かし、厳しく、そして合理的、効果的に市政運営を進めていくのはもちろんのことですが、困難を成功に導く原動力は「人」であり、「感動すること」であることも、経営者の経験から学んだ重要な事実です。

幸いなことに、例えば、つながりの薄くなった地域の中で、不安を抱えながら子育てをしているご家族を、やさしく、あたたかく支える子育て経験者や地域の方々。障害のあるお子さんとご家族を、社会という大きな「つながり」の中で支え、励ましてきた周囲の方々。その力をもっと発揮していただけるよう、対話と協働で事業を進めていきます。

行政の仕事は、市民の皆様の暮らしに日々向き合うことです。日々の仕事の成果は感動に結びつきにくいかもしれません。しかし、最近は、「おもてなし」の心で市役所にお迎えしたお客様から、感動したとの言葉が、区役所の窓口応対にも、感動やお礼の言葉が多く寄せられるようになりました。そうした「感動」は、私たちに勇気を与え、協力しよう、一緒にやってみようという次へのステップにつながります。

先人たちが知恵を絞り、絶えず新たな取組に挑戦し、守り、育み、大きく成長させてきた横浜の一層の飛躍に向け、日々の生活の中の小さな感動を力に、精一杯の努力を重ねていきます。

ともに市民の皆様から思いを託された市会の皆様、地域を支える市民の皆様、横浜に深い愛着をお持ちの皆様方と、真摯に議論を重ね、横浜の将来を築いていけることは、本当にありがたく、大切にしてまいります。

引き続き、皆様のご理解、ご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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電話:045-671-2075

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