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横浜市長林 文子― 共感と信頼の行政をめざして ―

平成22年度の市政運営の基本方針と予算案について

最終更新日 2018年8月7日

平成22年2月16日
市会本会議での提案説明

平成22年度予算案及びこれに関する諸議案の提案にあたり、市政運営の基本方針とともに概要を申し上げます。

私は就任以来、市政運営にあたり、市民の皆様、市会の皆様、そして職員と対話を重ね、互いの信頼の絆を結ぶことを大切にしてまいりました。

行政は、今、この横浜に暮らす人々の安心・安全を守るために、誠心誠意日々の業務にあたる。同時に、夢と希望を見出せるよう、将来図を描き、未来に向けての準備を怠りなく進めていかなければなりません。市民の皆様に「このまちで暮らしていてよかった」と実感していただきたい。私は、何よりも、そのことを願い、必ず実現させると決意しています。

しかし、日本経済が停滞する中、横浜も例外ではなく、厳しい財政状況にあります。この、市政運営に立ちはだかる大きな壁を、現実のものとしてしっかりとらえ、現在の安心、将来の活力に必要な施策を、いかに選択と集中を図って実現するか、無駄なく実行していくためにはどうすればよいか。全職員の知恵と力を集め、議論に議論を重ね、予算案としてまとめました。

「すべての答えは、現場にある。」この信念の下、私自身、保育、医療、教育など70か所以上の現場に伺い、仕事に従事されている方々、熱心に地域活動に取り組んでいる方々の意欲や活躍ぶりに接してきました。区役所をはじめ、市民生活に最も近い現場で働く職員とも、対話を重ねました。こうした現場の声や知恵を集めて、緊急的に取り組むべき課題に対応するために、プロジェクトを設置して、大いに議論し、もう一歩踏み込む、さらなる工夫を重ねる取組を行いました。

この間、皆様からいただいたたくさんのご意見や思いは、私の大きな財産となっています。切実なニーズにすばやく応える一手を、将来に向けて打つべき一手を、どんな小さな一手であっても見逃さず、確実に打つことが大切だ、と強く確信しています。

(22年度の市政運営にあたって)

今、この瞬間も、生きていくために必死に頑張っている方々がいます。そうした方々の今をしっかり支え、市民生活の安心を確かなものにするために、すばやく対応します。一方で、都市の活力を維持し、さらに高めていくために、大変な時にあっても時機を逃さず、将来を見通した投資を行っていきます。

市民生活の安心を確保する取組も、活力ある横浜をつくる取組も、20年後、30年後の横浜、さらにはその先の輝ける横浜の源になると確信しています。

さて、横浜を取り巻く昨今の経済情勢をかえりみますと、中国など新興国を中心とした世界経済の回復と、それにともなう輸出の増加など、景気は多少明るい兆しがみられるようになりました。市内企業の景況感も回復基調にあるとの結果が出ています。しかし、回復の水準はいまだ低く、円高懸念やデフレ不安、消費の低迷など、依然として先行きは不透明です。こうした経済情勢に加え、少子高齢社会の進展、家族のあり方の変容、地域のつながりの希薄化、格差の拡大や雇用の不安定化といった社会情勢により、市民生活は、様々な課題に直面しています。

そこで、22年度は、「安心」と「活力」の両輪で、次の4つをポイントに市政を運営してまいります。

緊急的な状況への迅速な取組

まずは、緊急的な状況への迅速な取組です。子どもを安心して生み育てられる横浜を、今すぐにでも実現したい。待機児童がかつてないほど増え、出産場所や万が一のときの受け入れ先がみつからない、不登校や発達障害など、子どもをめぐる多様な課題に十分に対応できない、そうした状況を一刻も早く解決するため、子育て支援の充実に向けて緊急的に取り組みます。また、社会経済情勢が厳しい中で、その影響を直接受け、本当に苦労しながら事業を営む方々、そこで働く方々をしっかり支援するために、緊急経済対策を積極的に実施します。

地域での安心した生活の実現

2つ目は、地域での安心した生活の実現です。高齢になっても、障害があっても地域の中で生き生きと暮らしたい。これは、現場を回った中で、多くの方が願っていることでした。私たちは、その願いに応えていかなければなりません。誰もが、地域でのつながりを大切に、安心して過ごすことのできる横浜を実現します。そのために、これまで着工を先送りしていた施設については、その方針をとりやめ、整備を進めます。踏み出す一歩は小さな一歩でも、これをきっかけにして、明日の生活に安心と希望を見出してほしい、これが率直な思いです。

元気な横浜であるための取組

3つ目は、元気な横浜であるための取組です。足元の地域経済が活性化してこそ、都市横浜の骨格は強いものになっていきます。商店街の活性化やものづくりへの支援はもちろんのこと、羽田空港の国際化、APEC横浜開催を絶好の機会として、横浜の魅力をタイムリーにアピールし、新たなビジネスや雇用のチャンスがあふれるまちにします。将来の横浜を元気にするための投資も行います。中長期的な視点に立った都市づくりを進め、成長戦略を描き、横浜経済の飛躍へとつなげていきます。また、環境に負荷をかけないまちづくりや、個性を生かした地域づくりに取り組みます。

財政健全性の維持

4つ目は財政健全性の維持です。財政状況が厳しくても、必要な市民サービスはしっかり提供していく、これは行政の責任です。そして、私たちには、将来の横浜を担う子どもたちに過度の負担を残さない、着実な財政運営を行う責任もあります。そこで、日々の暮らしに軸足をおいた行政サービスの充実と、財政健全性の維持の両立を図るため、大幅な税収減という非常事態に直面した22年度予算では、徹底したしごとの見直しと緊急避難的な財源の確保を行いました。

(22年度予算案)

このたび提案する22年度各会計予算案は、市民生活の安心と、地域の元気と活力を生み出すことを施策の両輪として編成しました。緊急的な取組が必要な子育て支援と、緊急経済対策に財源を集中させ、さらに、昨年9月の所信表明で申し上げた市政運営の5つの方向性に沿った施策事業に重点的に取り組みます。

その結果、予算規模は、

一般会計 1兆3,604億円
特別会計 1兆1,639億円
公営企業会計 5,755億円
全会計総計では、 3兆 998億円

となりました。

一般会計は、前年度に比べて0.8%減と5年ぶりのマイナス予算です。特別会計や公営企業会計を合わせた総計は、3兆998億円で、前年度に比べ4.9%減と3年連続のマイナス予算となっています。

このうち一般会計予算について、歳入では、その中心を占める市税収入が、前年度に比べて385億円の大幅な減収になると見込んでいます。この減収にともない、普通交付税を100億円見込みました。市債は、前年度と比べ、11.1%増の1,274億円を計上しました。また、市内事業者の皆様の仕事につながる事業量確保や、子育て支援に取り組む経費の一部を賄うため、財政調整基金を27億円活用します。

歳出は、国の公共事業削減の影響で、施設等整備費が大幅に減少していますが、市単独事業は苦しい財政状況の中でも最大限、予算計上するよう努めました。一方で、扶助費は、景気悪化にともない増加している生活保護費や、22年度から支給が始まる子ども手当の影響などで、前年度に比べ27.5%と大幅に増加しました。このため、扶助費、人件費、公債費をあわせた義務的経費は、一般会計予算全体に対して54.2%を占め、はじめて50%を超えました。今後も高齢化の進展などにより扶助費の増加が見込まれますので、一層の財源確保、改善・改革を進め、この厳しさを乗り越えていきます。

今回の予算編成は、約530億円の収支不足を抱えてのスタートでした。この非常事態とも言うべき状況をいかに乗り切っていくか、真剣に議論を重ねてきました。

歳出抑制では、前年度までの、所管部署が自ら取り組む事業見直しに加え、全庁的な視点から個別事業の課題を指摘し、検討を促す「しごと改革」に徹底して取り組みました。合計で950件、122億円と、例年以上の成果を出しました。また、市債発行額の増や、財政調整基金の活用という緊急避難的対応や、年間補正財源の留保はしないことを決断し、財源を確保しました。

将来にわたって持続可能な市政を実現するには、財政規律を守り、市の借金である市債は、できる限り増やさないことが必要なことは言うまでもありません。しかし、税収の落ち込みがこれほど大きい時に、市債を減らすことだけにこだわってしまうと、今の市民生活や非常に厳しい状況にある市内経済に、深刻な影響が出るほど事業を減らさなければなりません。そのため、22年度予算では、一定の財政規律を守りながら市債の発行額を増やし、市民生活や市内経済を守るために活用することにしました。

具体的には中期計画の目標を達成することができる市債の発行上限額1,074億円より200億円多い、1,274億円を活用することにしました。この200億円という額は、本来であれば、国が、地方自治体の収支不足を補てんするために、普通交付税として交付すべき金額です。この交付税の代わりに、臨時財政対策債の発行枠が増える分だけを活用するもので、税収が大幅に減収となる中では必要最低限の増額と考えています。市債発行額は中期計画の目標を超えた額となりますが、横浜方式のプライマリーバランスの黒字を堅持し、財政健全化に向けた取組は継続していきます。

23年度以降も、大幅な税収の回復は見込めません。23年度は22年度と同様、市債や基金も活用した緊急避難的な財政運営をしなければ、市民生活や市内企業に深刻な影響が及ぶおそれがあると考えています。しかし、将来を踏まえ、横浜方式のプライマリーバランスの黒字維持は、当然の前提条件とします。そして、市税をはじめとする一般財源収入の回復が見込まれる24年度からは、市債発行額を前年度より抑制することを基本に、財政運営を行っていきます。これまで以上に改善・改革を当たり前のこととし、新たな歳入確保や事務事業の抜本的な見直しも進め、財政健全性の維持に取り組みます。

本市に限らず地方の財政運営は、国制度との関係で、収入・支出の両面で様々な制約を受けています。現在、国においては、地域主権の推進をはじめ、国と地方のあり方を見直す議論が活発化しています。この機に半世紀以上も暫定的な位置付けでしかなかった指定都市制度を抜本的に改革することが極めて重要です。そこで、税財源の移譲や地方交付税制度の改善はもとより、大都市にふさわしい権限と財源を備え、行政の非効率をなくした新たな大都市制度の創設を国に求めていきます。

運営面において重要な組織体制の強化にも、取り組みます。景気悪化により増加している生活保護への対応、保育所待機児童の解消、市立病院の救急医療体制強化など、区役所をはじめとした、生活の安心につながる部門を強化します。また、市民の皆様にわかりやすい組織とするために、組織機構の見直しに取り組み、今年4月から、行政運営調整局をはじめとする4局の名称を変更します。

次に、22年度における政策展開について、新規拡充を図る主要事業を中心にご説明いたします。

市民の暮らしの充実

まずは、市民の暮らしの充実です。

最優先の課題である保育所待機児童の解消に向け、引き続き保育所整備による定員増を図り、新たに1,367人分の定員を確保します。待機児童が多い0歳から2歳の低年齢児を預けやすくなるよう、横浜保育室利用の経済的負担を軽減します。助成額は、従来の一律月1万円から、所得に応じ最高で月4万円へと増額します。さらに、低年齢児の受入枠を増やすため、複数の保育者がグループで保育を行う共同型や、NPO等への委託を導入し、家庭的保育を充実させます。また、企業の皆様に事業所内保育への取組意欲をもっていただけるよう、これまでの整備費に加え、新たに運営費に対する助成も開始します。パートやアルバイトで働く方が子どもを預けやすくなるよう、一時預かりを充実させるとともに、預かり保育に取り組んでいただく幼稚園を増やします。保育所の空き定員を活用するために、送迎保育ステーションの設置や通園バス購入助成も行います。

産科・小児医療、救急医療体制では、安心して出産するための環境整備として、産科病床の設置に対する整備助成や、周産期救急病院の受入体制を強化します。新たに産科あんしん電話相談を開設するほか、小児救急電話相談の受付時間を朝まで延長し、いつでも相談できる体制を確保します。

教育現場では、不登校や発達障害、日本語指導が必要な児童・生徒など、子どもをめぐる多様な課題に対し、迅速で丁寧な対応が求められています。そこで、こうした課題対応への校内の中心的役割を果たし、地域連携を進める窓口となる児童支援専任教諭を、小学校全校への配置を目指し、まず70校に新たに配置します。また、円滑な学級運営やきめ細かな学習指導を進めるためのスクールサポート事業について、非常勤講師を新たに中学校にも50名派遣し、教員志望の学生などのボランティアの小中学校への派遣も50名増やし、200名へと拡大します。4月には、より学校現場に近いところで支援を行う、方面別学校教育事務所を4か所に開設し、教育の質を向上させます。

現場目線でぬくもりのある行政サービスの充実

次に、現場目線でぬくもりのある行政サービスの充実です。

高齢者の皆様が、地域の中でつながりをもちながら、毎日を安心して暮らせるように、見守り活動などによる一人暮らし世帯の方々の生活支援や、日常の買い物サポートを新たに行います。

高齢化が進むにつれ、よりニーズが高まる介護サービスを着実に提供していくため、引き続き、福祉人材の育成・確保に取り組むとともに、特別養護老人ホームや小規模多機能型居宅介護事業所などの整備を進めます。

「将来にわたるあんしん施策」は、在宅心身障害者手当を質的に転換し、「親亡き後も安心して地域生活が送れる仕組みの構築」「障害者の高齢化・重度化への対応」「地域生活のためのきめ細かな対応」の3つの柱に基づいた各施策を積極的に実現します。

地域ケアプラザやコミュニティハウスは、これまで着工を先送りしていた施設について、その方針をとりやめ、整備を進めます。地域療育センターの基本設計、重症心身障害児施設の整備に向けた調査、衛生研究所再整備にも着手します。

市民の皆様に最も身近な区役所のサービス向上を実感していただける取組も実施します。

環境問題への更なる取組

3つ目は、環境問題への更なる取組です。

地球に優しい再生可能エネルギーの利用がもっと広がっていくよう、個人住宅における太陽光・太陽熱利用システムの助成件数を増やします。また、電気自動車やプラグインハイブリッド車へと更新するための補助を行います。あわせて、充電設備を増やし、安心して利用できる環境を整えます。自治会・町内会との協働の取組として、町内会館への太陽光発電設備の設置や、LED防犯灯を新たに3,500本設置します。1区1ゼロカーボンプロジェクトなど身近なところから脱温暖化行動に取り組みます。あらゆる施策に脱温暖化の視点を取り入れ、環境モデル都市横浜にふさわしい施策を展開していきます。

実施2年目となる横浜みどりアップ計画では、横浜みどり税を活用して、樹林地を守る施策、農地を守る施策、緑をつくる施策を着実に進めていきます。また、横浜みどりアップ計画市民推進会議を開催し、評価・提案をいただくなど、市民の皆様がより一層成果を実感できるよう、事業を推進します。水・緑豊かな美しい横浜の環境を、将来を担う子どもたちにしっかり引き継いでいきます。

国際都市化の一層の推進と経済の活性化

4つ目として、国際都市化の一層の推進と経済の活性化です。

緊急経済対策として、中小企業の経営安定に向けた過去最大規模の融資枠の確保や保証料助成の拡充などによって、資金繰りを支援します。また、雇用の創造や自立に向けた支援として、約1,300名の雇用創出、住宅手当の支給などを行います。さらに、市内中小企業の事業量確保につながる道路や学校の修繕、公園再整備といった社会資本の長寿命化を行います。

10月の羽田空港の国際化、11月のAPEC横浜開催、この絶好の機会を最大限活用して、国際化と経済の活性化をさらに進めます。私たち横浜市には、APEC開催都市として、快適で安全な場を提供し、会議を成功させるという使命があります。関係機関と十分協力し合い、サポート体制を整え、おもてなしの心を持って参加される皆様をお迎えし、横浜の素晴らしさを国内外にアピールしていきます。世界との距離をひときわ縮める羽田空港の国際化を契機に、中国をはじめとするアジアなどからの誘客はもちろん、国際コンベンションや企業の誘致を強力に進めます。市内経済の活性化に向け、トップセールスやセミナー開催など、戦略的な企業誘致も行います。新技術・新製品開発に取り組む中小企業の支援や、町の元気を生み出す商店街を盛り上げるため、「150円商店街」とプロスポーツチームが連携して行う新たなキャンペーンを支援します。

将来にわたって元気な横浜をつくっていくためには、中長期的な視野に立った取組を進めます。横浜港のハブポート化に向け、先進的な港湾施設の整備を進めるほか、港や産業活動、そして市民生活を支える横浜環状道路などを整備します。また、横浜駅周辺の大改造を行う「エキサイトよこはま22」など将来に向けた都市づくりや、文化芸術創造都市としての取組など多様なまちづくりを、関係者の皆様と一緒に進めていきます。

以上、22年度の市政運営の基本方針とともに、予算ならびに関連諸議案の概要について、ご説明申し上げました。

22年度には、年内を目途に、新たな中期的計画を策定していきます。この計画の中で、市政運営の5つの方向性の実現に向けた今後の工程や具体的な施策、そして中期的な財政計画について策定していきます。策定過程はオープンにし、様々な機会を通じて市民の皆様からご意見をいただき、計画をまとめていきます。

市民の皆様の期待をしっかり受けとめ、必ず実現させる、その思いで、予算案をとりまとめました。

大変厳しい状況での予算編成となりましたが、このプロセスを通じて、横浜に存在する「人の力」に大きな可能性を感じました。「横浜のために」「横浜市民のために」、こうした思いを持つ多くの方々の力が結集して、明日の横浜は輝きます。

今日の成果は、過去の努力の結果であり、未来はこれからの努力で決まります。先人たちの努力が、魅力あふれる現在の横浜をつくり上げてきました。今を生きる私たちは、自らの知恵と努力によって未来を切り拓いていく責任があります。私は、先頭に立って、その重責を担ってまいります。

これからも、市民の皆様との対話を重ね、輝ける横浜で、誰もが、生き生きと充実した生活を送れるよう、市民生活の安心を確保し、活力ある横浜をつくることに邁進していきます。

市民の皆様、市会の皆様のご理解、ご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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