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横浜市長林 文子― 共感と信頼の行政をめざして ―

市長定例記者会見(令和2年3月9日)

最終更新日 2020年3月18日

令和2年3月9日(月曜日)14:00~市庁舎2階応接室

※市長記者会見における質疑内容の要旨を政策局報道担当でとりまとめの上掲載しています。

テーマ資料

質疑要旨

1 テーマ
横浜市立大学が新型コロナウイルスの患者血清中に含まれる抗ウイルス抗体の検出に成功

記者:

この抗体の検出の成功による期待感を改めてお聞かせください。

市長:

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大している状況なので、お二人の研究をできるだけ早期に実用化していただきたいと非常に期待していますし、感染症の不安を少しでも軽減していただけるのではないかと思います。こうした多様な研究成果が出てくることは、本当にありがたいです。新型コロナウイルス感染症の診断が、2次感染のリスクを抑えながら簡便かつ迅速にできるということは、より多くの人に適切な医療を提供できるということなので、本当にありがたく思っています。患者様はもちろん、医療従事者の皆様にとっても、大変望まれていることだと思います。横浜市立大学は、「附属病院」と「市民総合医療センター」の2つの病院が高度な専門医療を提供し、市民の命と健康を支えてくださっています。また「先端医科学研究センター」では、医療と健康の未来を切り開こうと、臨床を元に先進的な研究を進めています。協力しながら研究成果が迅速に報告できることが期待できるので、改めてお礼を申し上げたいし、是非研究を進めていただければと思います。市としても色々と支援したいと思います。実用化されれば、例えば、衛生研究所に持ち込むことなく医療機関で診断が可能になることもあり得ます。

横浜市立大学 竹内教授:

ベッドサイドで患者の血液を採り、血液を(試験管に入れて)回してから垂らすことによって、少なくとも抗体があるかどうかは現場で分かると思います。臨床現場としては、時間が短縮されることを非常に期待しています。

記者:

実用化の目途はいつ頃ですか。

横浜市立大学 梁教授:

今は患者の血清中の抗体を測定できる技術が確立できたところです。今後は、もっと多くの臨床検体を用いて、どのように使うとよりメリットがあるか、有用性があるかをしっかり検証する必要があります。方法自体ができたばかりなので、もっと精度を管理して、例えば感度や特異性をあげたりすることも可能ですし、そうしたことも併せて取り組んでいこうと思っています。実用化については、今のところは研究試薬としてはすぐに実用できる段階ですが、今後、病院で体外診断薬として使うには、もう少し様々な検討が必要です。こちらは、感染研(国立感染症研究所)の先生や厚生労働省の皆様のご協力のもと、できるだけ速やかに実用化できるよう努力していきます。

記者:

できるだけ速やかにということは、年内など目途は出せますか。

横浜市立大学 梁教授:

技術的には、ほぼ確立できています。あとは、できるだけ大量に生産することと精度が私たちの担当になります。

横浜市立大学 竹内教授:

臨床現場で使うには、例えば何日目であればはっきり出るかというようなことは追加で(検証が)必要だと思います。そのためには患者のご協力が必要です。横浜市立大学としても非常に厳しい倫理規定があり、その倫理委員会に申請して、審査してもらって許可を得たところで、次のステップとして患者の血液を使うことになります。その倫理申請、審査は迅速にやってもらっているので、そうしたステップをきちんと踏みながら進めていく必要があるだろうと思います。もっと短い間隔、例えば6日目でもはっきり(反応が)出るのか、患者ごとにどのぐらい違いがあるのか、先ほどスライドで6例の患者の血清を使った際は全体で(反応が)出ていますが、時間的なものなど各ケースを細かく確認する必要があると考えています。

記者:

実用化がいつ頃になるかは言えないということですか。

横浜市立大学 竹内教授:

(断言するのは難しく、)ステップを踏んで、できるだけ早く進める必要があると考えています。

記者:

抗体を発見して検出しましたが、そこからワクチンにつなげていくことはできますか。

横浜市立大学 梁教授:

ワクチンというのは、おそらく新型コロナウイルスの場合は、スパイクタンパク質という抗原に対するワクチンということだと思います。ウイルスの突起に結合するような抗体ができると、ウイルスが細胞に侵入することを防ぐことになります。知財の関係で、どのタンパク質に対する抗体を測定しているかは詳細に伝えられないのですが、そのスパイクタンパク質に対する抗体を測定できるようなシステムができれば、ワクチンの効果の判定ができるようになると思います。

記者:

抗体の検出に成功したのは世界で初めてですか。

横浜市立大学 梁教授:

海外では、ELISA法ですでに抗体が検出できるという情報がありますが、このイムノクロマト法という簡便な方法で抗体が検出できるという報告は、おそらく初めてだと思います。

市長:

今回の研究は、日本医療研究開発機構(AMED(エイメド))の研究事業の支援を受け、関東化学株式会社様と横浜市立大学の共同研究によって実施されています。また、市からの運営交付金の一部を活用した大学独自の研究支援事業の一つとして梁教授の研究が位置付けられていて、今回の研究にもその研究費が活用されました。これからも、市では厚くご支援していきたいと考えています。

記者:

ELISA法はこれまでもあって、イムノクロマト法は初めてという話がありましたが、両者に技術的な難しさなどの違いはあるのですか。

横浜市立大学 梁教授:

両方とも抗原タンパク質は、コムギの無細胞タンパク質合成系というシステムで合成しました。こうしたウイルスタンパク質を作ることは、まず一般的に非常に難しいことです。大腸菌、人や昆虫の細胞などを用いる一般的に使われるような方法だと、ウイルスタンパク質の毒性が非常に強く、作ることが難しい場合が多いです。私たちは以前より、このコムギ無細胞タンパク質合成系を用いて、様々な新興・再興感染症のタンパク質を作ってきました。私たちは、MARSコロナウイルスの簡易キットも過去に開発しました。そのようなノウハウがあったので、おそらく他の研究機関よりも早く、こうした非常に性能の良いタンパク質を作ることができました。それを用いて抗体検出を行ったということです。ELISA法やイムノクロマト法の構築においては、様々な条件検討が幾通りもある中で、それを短縮して、非常に優れた条件を見つけることができました。特に、イムノクロマト法については、共同研究を行っている関東化学株式会社様の基盤技術を活用させていただいた結果、非常に高性能なイムノクロマト法(による検査)キットを作成することができました。

記者:

ELISA法とイムノクロマト法では、イムノクロマト法の方が使うタンパク質の精度というところに難しさがあるのですか。

横浜市立大学 梁教授:

両方ともです。両方とも、例えば雑物が混ざることもありますし、新型コロナウイルスの持っているタンパク質のうち、どのタンパク質のどの部分を使うかは非常に重要で、それを間違うと新型コロナウイルスではない他のウイルスも検出してしまうのですが、そこにかなりノウハウがあります。

記者:

そこのところは知財の関係であまり明かせないのですか。

横浜市立大学 梁教授:

いずれ発表したいと思っています。

記者:

そのウイルスに含まれるタンパク質のうち、抗体測定に適したタンパク質を見つけて、それを作ることができたので、今回できたということですか。

横浜市立大学 梁教授:

実際の患者血清を用いると、非常に非特異的な反応が起こったり、偽陽性や偽陰性が普通は起こりやすいものですが、それらをできるだけなくすような条件検討をこの短期間でしっかり行ったということです。

記者:

MARSの診断キットはイムノクロマト法ですか。

横浜市立大学 梁教授:

今回は抗体を検出するキットですが、MARSの場合は、抗原を検出するキットで、イムノクロマト法で作りました。

記者:

その成果を応用した感じですか。

横浜市立大学 梁教授:

私たちはもともとコロナウイルスに対する知見を十分に持っていたので、新型コロナウイルスが出現し、遺伝子が公開されたすぐ後に、バイオインフォマティクスなどを使って、どのようなタンパク質を選定して、どのようにタンパク質を作成すればこうした診断キットができそうかということを、迅速に突きつめていくことができました。

記者:

偽陰性と偽陽性の話がありましたが、偽陰性と偽陽性はそれぞれ何パーセントほどあるか教えてください。

横浜市立大学 梁教授:

先ほどのデータが今のところお示しできるデータです。竹内先生と共同で、実際に新型コロナウイルスに感染して発症して10日以上経っている患者の血清を用いました。その結果、まだ予備段階ですが、偽陰性、偽陽性は、今は出ていません。出ないような条件を設定しているところです。さらに症例数、検体数を増やしたところで、どのような問題が発生するか、偽陰性、偽陽性がどの程度出てくるか、すなわち精度がどの程度のものか、今後検証していきたいと考えています。

記者:

実用化について、もし患者に使えることになったら、院内だけなのか、他の医療指定機関も広く使えるようにするのかなど、今どのように考えていますか。

横浜市立大学 竹内教授:

イメージとしてはインフルエンザの診断キットに非常に似ていると思います。(インフルエンザの検査は)喉や鼻の奥から採取して(診断キットに)垂らすだけで、これは血清を使っている点で大きく違いますが、抗体を持っていると線が出てくるという点では、決して大きな病院の集中治療室だけではなく、市中病院など、開業医の先生でも使いやすいものだろうと思います。問題は、(感染してから)すぐに(反応が)出るものではないので、感染してから何日経てば出るのか、出ないからといってすぐにかかってないとはならないということは解釈として非常に注意が必要です。

記者:

検査キットを作った場合、薬機法上の医療機器にあたるのか、それとも人に侵襲しないので、実用化すれば簡単に普及できるものかどちらになりますか。

横浜市立大学 竹内教授:

(確認が必要なため)今すぐには答えられません。

記者:

血清を採ったというのは、基本的に附属病院とセンター病院の入院している患者からとったということですか。

横浜市立大学 竹内教授:

倫理委員会の審査を経た上で、患者のご協力を得て使っているということです。

記者:

いずれも血清を使うということですが、採血したものを血清と分けているのですか。

横浜市立大学 竹内教授:

血液を一度3,000回転ぐらいさせて成分を分けて、そのうちの上澄みにあたる血清を取り出して新型コロナウイルス検査に使います。

記者:

開業医でもそうした作業は簡単にできるのですか。

横浜市立大学 竹内教授:

システムとしては、採決した血液を試験管に入れて3,000回転させる器具があればできるので、それほど技術としては難しくないと思います。

記者:

ELISA法とイムノクロマト法の臨床現場での使い道を、もう一度具体例を挙げて説明してください。

横浜市立大学 竹内教授:

イムノクロマト法は、15分から30分までの間に、血液を垂らすことで、患者に抗体があるかどうかが分かります。今の段階では、「かかったことがあるかどうか」が正しい言い方になるのですが、コロナウイルスの今までになかった新しいウイルスなので、今この抗体を持っているということは、この患者はかかっていると言っていいと思います。病院に運ばれてきた患者が、CT像や肺炎像などの所見があるということで、今だと保健所や検疫所に持っていっていただいて、そこでPCR法で検査して、翌日あるいはその日の夕方に返ってくるものが、ベッドサイドで簡便に15分で分かるという点で、非常に効果があると思います。ELISA法については、例えば継時的に同じ患者が、今日と一週間後で値が大きく違っている、ということで感染したということになりますし、抵抗力が増えてきたと言えます。イムノクロマト法はプラスかマイナス、イエスかノーかだけなのですが、ELISA法は定量的なので、抗体の量がどれぐらいあるのか、他の患者さんからしても、どれぐらい抗体、抵抗力があるのかを判定できるという点で、定性と定量という点で、この二つの検査は大きく違うと思います。

記者:

後者は、量が増えてくれば回復に向かっているということですか。

横浜市立大学 竹内教授:

そうです。


2 その他

記者:

新型コロナ関連の特別措置法が13日に成立する見通しです。私権の制限、自治体の動きにも縛りがかかってくると思いますが、どのようにお考えですか。

市長:

新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正については、市民や企業の皆様が不安を感じないよう、所得補償や金融支援なども含めた法制度となることを大変期待しています。現在取り組んでいる感染拡大の防止策において、市民の皆様の不安に寄り添いながら引き続き全力を尽くして対応していきます。

記者:

市、自治体の動きにはある程度縛りがかかっていると思いますが、止むを得ない措置だということですか。

市長:

内容については、9日から11日に改正案の審議が行われて13日に成立するということなので、しっかりと決まった段階でお聞きしたいと考えています。

記者:

本日午前中の対策会議で、図書館や学校などを31日まで閉鎖するということが決まりましたが、来年度以降のイメージをどのように持っていますか。今のところ終息する見通しが全く立っていなく、さらに今までの判断基準を当てはめていくと、その中では4月1日以降も学校閉鎖、公共施設閉鎖ということもあり得るかと思いますが、どのような基準で判断していくのですか。

市長:

横浜市の市立学校が休校になって1週間が経ちますが、この間、全国の患者発生の状況や国の動向などを注意深く見守り、学校現場の意見や保健所の知見も交えて、慎重に検討を重ねてきた結果、大きく改善されたとは言えないため、臨時休業中に市の児童生徒の感染は確認されていませんが、残念ながら学校を再開できる状況にはないと判断したわけです。4月以降のことは申し上げられる段階ではありません。全国の状況、国の動向を注視しながら、学校の安全な再開に向けて慎重に検討しているところです。再開したいと思っていますが、今の状況では見通しがつかないので、今はともかく現在の状況の中で、国に協力しながら発生を抑えていくことに注力していきたいと考えています。

記者:

コロナウイルスの感染拡大防止の観点で、時差出勤やテレワーク、子連れ出勤が、県や企業で広がっていますが、市としてそうした取組をする予定はありますか。

市長:

市職員への対応は、休校のために職員が子どもの世話を行う必要がある場合は、職務専念義務の免除ということが、有給で認められるようにしました。市全体の休暇等の取得状況については、システムへの入力状況などを踏まえて集計するまでに一定の期間を要するため、まだ把握できていませんが、各職場において、例えば休みになるのであれば、応援体制を組むなど対応して、市民サービスに影響がないように取り組んでいます。現在では、業務に影響が出ているとの報告はありません。テレワークについては、今回の特別措置として、利用対象者の要件を持病等配慮の必要な職員にも拡大しました。テレワーク用の専用端末の台数も増やし、今後の利用状況に応じて台数の増加も考えています。フレックスタイム制度については、月5回という利用回数の上限を3月の末まで撤廃することにしました。できるだけ協力体制で、県と同じように万全を期していきたいと思います。それから、市全体の休暇等の取得状況については、休校に伴う子どもの世話で使えるようにした制度の3月2日から6日までの限定ですが、申請者は現時点で延べ183人です。そのうち、(取得の単位は一日と半日がありますが)一日単位の取得が58人でした。あとは、市庁舎及び周辺民間ビルについては、ビルオーナーの協力も得ながら、建物の入り口に消毒液を設置しています。また、各区庁舎でも同様に入口に消毒液を設置しています。

記者:

市の場合、まず13日まで休校ということにして、その後の対応は本日9日に判断するという、二段階の形での発表になりました。取材の中で、お子さんたちから13日以降に学校が再開されることを期待するなどの声を聞いたのですが、改めて二段階の決定をしたことについてどのように考えていますか。

市長:

まずは二段階にして状況を見守りたいということで行いました。臨時休業中に児童の感染は確認されていませんが、現時点において状況が大きく改善されていないので、学校を再開できる状況にないと判断しました。子どもたちは期待していたと思いますが、保護者の皆様や現場の意見を取り入れ、子どもたちの健康と安全を第一に考えた結果なので、子どもたちにも理解してほしいと思っています。

記者:

休校に伴って学童保育の前倒しの開所を要請されたかと思います。今回、休校を延長したことで、学童についてもまた負担が重くのしかかるのではないかと思います。トイレットペーパーがなくなったり、日用品が買占めなどで十分に整わなかったりするようなこともあると聞いていますが、学童保育に対して市としてどのような支援を行っていくかお聞かせください。

市長:

「放課後キッズクラブ」と「はまっこふれあいスクール」でも受け入れを行っていて、学童クラブについてはもともと相当数の子どもたちが集まってきています。

事務局:

学校で緊急受け入れもしていますが、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育)にもできるだけ朝から開けてほしいという要請をしています。学校に来られるお子さんもいれば、放課後児童クラブを使う子もいるという状況で、皆様にはかなり頑張って午前中から対応していただいているところです。前倒しで開けるということで、一番の心配事項は経費の点、人件費が増えることのご心配がありますが、そこは国の支援もいただきながら、市としても追加の補助をしていきます。利用している子どもの数はそれほど多くはないということで、当初は現場はかなりご心配されたようですが、今は落ち着いているということです。

市長:

(開所時間を繰り上げた放課後児童クラブには)一定額の全額国庫負担で財政措置することが示されているので、市としてはこれに上乗せして、追加(補助)を行います。

記者:

港北区のスポーツジムで陽性の人が見つかって、濃厚接触者は広めにとって1,400人とのことでした。この人たちへの郵送は今日ぐらいに着くということですが、今までに健康状態に不安があるような相談、実際に体調を崩している報告などがあるかどうかと、区役所の保健師を増員すると言っていましたが、何人から何人にするのか教えてください。

事務局:

スポーツジムに通われていた人の相談は、何件かあります。そのうち、鼻水が出ているなど軽い症状での相談がいくつかありますが、とりあえず該当しているということでの相談が多くなっています。保健師の応援体制は、(区役所で)接触者の健康管理を担当するのは(福祉保健課)健康づくり係で、(まずは区役所内の)他の部署から2名程度の応援を入れて対応していきます。

記者:

相談の規模感と、その中で鼻水が出ている人、軽い症状の人は何件など分かりますか。

事務局:

市全体の集計をしているわけではないですが、100件程度の相談のうち3割ほどが少し症状のあるような相談で、重たい(症状の)ような相談があったとは聞いていません。

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