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都市の暑さ対策

最終更新日 2021年5月21日

環境科学研究所では、市内の温暖化・ヒートアイランド現象の状況把握のため、夏季に気温観測を実施しています。
過去の気温観測結果については、「環境測定データ」のページに掲載しています。

また市民の快適空間創造のための熱環境調査を行っているほか、庁内外に向けた技術支援も実施しています。

ヒートアイランド現象とは

ヒートアイランド現象とは、都市部の気温が郊外に比べ高くなる現象です。
等温線を描くと温度の高いところが「島」のように見えることから、
ヒートアイランド(熱の島)と呼ばれています。

※引用:ヒートアイランド監視報告(気象庁,2017)

ヒートアイランド現象の主な要因

ヒートアイランド現象の主な要因としては、
①地表面被覆の人工化、②都市形態の高密度化、③人工排熱の増加
の3つが挙げられます。

地表面被覆の人工化

アスファルトやコンクリート等の舗装面や建物の屋根面は、夏季の日中に日射を受けると熱を溜めて、大気を暖めます。
また、日中に舗装面に蓄えられた熱は夜間に放出されるため、夜間の気温低下を妨げます。

地表面被覆の人工化による影響のイメージ図
地表面被覆の人工化による影響のイメージ※

※引用:ヒートアイランド対策ガイドライン(環境省,2012)

都市形態の高密度化

周辺建物が高密度化すると、地上近くの風が弱まり、熱の拡散を低下させることがあります。
また天空率が小さくなるため、夜間の放射冷却が妨げられ、熱が溜まりやすくなります。

都市形態の高密度化による影響のイメージ図
都市形態の高密度化による影響のイメージ※

※引用:ヒートアイランド対策ガイドライン(環境省,2012)

人工排熱の増加

建物や自動車、工場などから発生する人工排熱は直接大気を暖めるため、
気温上昇の原因の1つとなります。

人工排熱の増加による影響のイメージ図
人工排熱の増加による影響のイメージ※

※引用:ヒートアイランド対策ガイドライン(環境省,2012)

横浜市内の気温観測

環境科学研究所では、市内の温暖化・ヒートアイランド現象の状況把握のため、夏季(7・8月)に気温観測を実施しています。

令和2年(2020年)夏の気温観測結果

今年の市内平均気温は過去10年間で7月は過去最低に迫り、8月は過去最高を観測しました

環境科学研究所では市内43地点で夏季(7・8月)の気温観測を実施しています。
令和2年の全地点の7月の平均気温は24.5℃、8月の平均気温は29.4℃でした。過去10年間(平成22年~令和元年)の各年の月別平均気温と比較すると、7月は過去最低に0.1℃差と迫る一方で、8月は過去最高を観測しました。令和2年は、7月と8月の気温差が最も大きくなった年でした。


市内の平均気温の推移(平成22年~令和2年)

7~8月の地点別の結果

  • 平均気温は、市内東部(横浜港周辺)で高温となり、市内西部では、市内東部と比べて高温となりにくい傾向でした。
  • 真夏日日数は、市内北東部で多い傾向でした。
  • 熱帯夜日数は、市内東部(横浜港周辺)で多い傾向でした。

いずれも、過去10年間の調査結果と同様の傾向が続いています。


7~8月の気温観測結果分布図(市内43地点の測定値をもとに作成)

過去の観測結果

過去の気温観測結果については環境測定データに掲載しています。

熱環境調査

暑さ対策の手法は方向別に「うえ」方向、「した」方向、「よこ」方向、「まんなか」の4つに分けることができます。

暑さ対策の方向別の分類と具体例のイメージ図
暑さ対策の方向別の分類と具体例のイメージ※

※まちなかの暑さ対策ガイドライン(環境省,2018)を加工して作成

環境省の「まちなかの暑さ対策ガイドライン」などで紹介されている各種暑さ対策技術について、効果の検証や
普及啓発の支援をするため、環境科学研究所では実測調査を行っています。
環境科学研究所で行った実測調査の一例をご紹介します。

樹木による緑陰

「うえ」方向からの日射を低減する昔からの方法として、樹木による緑陰があります。
休憩スペースや歩行空間に樹幹の大きな樹木を植栽することで、緑陰が形成され、
日射を遮るため、体感温度を下げる効果があります。

グランモール公園での熱環境調査

公園の再整備が行われた横浜市みなとみらい地区にあるグランモール公園にて、
再整備前の2014年夏と再整備後の2018年夏で比較調査をしました。
再整備前と比べ、緑が増えて大きな緑陰が形成された効果により
気温や表面温度などが下がり、夏の暑熱環境が緩和していることを確認しました。

公園の再整備前後での赤外画像

人工日除け

「うえ」方向からの日射を低減する方法の1つとして、ひさしやテントなどの人工日除けがあります。
人工日除けの中の1つに「フラクタル日除け」というものがあり、これは樹木の葉の形状を模して放熱
特性を高めることで日除け部分が熱くなるのを防ぐ日除けです。

横浜赤レンガ倉庫での熱環境調査

従来の人工日除けよりも暑さ対策効果が高いと言われているフラクタル日除けについて、
その効果について検証するため、2016年夏に横浜赤レンガ倉庫で実測調査を行いました。
調査の結果、日なたと比べると日除けの下では、日射量、気温、表面温度などが下がっている
ことを確認しました。

フラクタル日除けの可視画像と赤外画像

窓面等の再帰反射化

「うえ」方向からの日射には、直接降り注ぐ日射だけでなく、周囲のビルから反射して
地表面に達する日射もあります。反射して地面に達する日射を抑制する方法として、
窓面などの再帰反射化というものがあります。
再帰反射化の方法を取り入れた「熱線再帰フィルム」は、建物の窓に特殊なフィルムを貼ることで、
窓に当たる日射の一部を上空に反射させて、歩行者の暑熱環境の悪化を抑制するものです。

小学校での熱環境調査

環境科学研究所では、2017年夏に公共施設を活用した実証実験を行い、
再帰反射化のフィルムは室内の暑熱環境を緩和する効果に加え、屋外の暑熱環境を
悪化させないことを確認しました。

環境科学研究所で行った「フラクタル日除け」と「熱線再帰フィルム」の調査の取組は、
国立環境研究所のA-PLAT(気候変動適応情報プラットフォーム)(外部サイト)でも紹介されました。

地表面等の遮熱化

「した」方向での暑さ対策として、地表面等の高温化を抑制する遮熱化があります。
地表面の遮熱化の一例として、「遮熱性舗装」があります。
遮熱性舗装は、舗装表面に日射を反射させる遮熱性材料を塗布することで、
日射の一部を反射し、路面に吸収させる熱を減らすことで、路面温度の上昇を
抑制するものです。

遮熱性舗装上での熱環境調査

環境科学研究所では、2016年夏に市内の道路に施行された遮熱性舗装上と
通常舗装上で調査を行いました。
調査の結果、日中は通常舗装と比較して遮熱性舗装の表面温度がおよそ10℃低いなど、
日中の歩行者の暑熱環境を緩和する効果が生じていることを確認しました。

通常舗装と遮熱性舗装の赤外画像

微細ミストによる冷却

「まんなか」での暑さ対策として、人の周りの空気を冷却することで身体に熱が
溜まるのを防ぐ対策があり、一例として「微細ミスト」があります。
微細ミストは、ノズルから霧状の水滴を空気中に噴霧し、その直後に水滴が蒸発
する際の気化熱を利用して、局所的に温度を下げる方法です。

ミストの冷却に関する熱環境調査

2019年夏に、磯子区役所前の歩道沿いにある藤棚に導入されたミストの冷却効果について、調査をしました。
日なたと比較するとミスト単体でも、熱中症の危険性を示すWBGTなどの体感温度の改善が見られました。
さらにミストと藤棚の日陰を組み合わせた場所では、WBGTなどの体感温度が最も改善されており、
日陰と効率良く組み合わせることで、より一段と暑熱環境を緩和する効果が期待できます。

ミストの冷却効果のまとめのイメージ図
ミストの冷却効果のまとめ

調査結果の詳細は、「横浜市環境科学研究所報第45号」の50~57ページをご覧ください。

参考リンク

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このページへのお問合せ

環境創造局政策調整部環境科学研究所

電話:045-453-2550

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ファクス:045-453-2560

メールアドレス:ks-kanken@city.yokohama.jp

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