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最終更新日 2019年3月12日
「毒性等量」( TEQ = Toxicity Equivalency Quantity 又は Toxic Equivalents )とは、「ダイオキシン類」の濃度(毒性の強さ)を表示する際に用いられる記号で、ダイオキシン類の異性体ごとの毒性強度と存在量を考慮して算出した濃度であることを明示します。
ダイオキシン類は、塩素を含む物質の燃焼などに伴い非意図的に生成されてしまう有機塩素化合物の一種で、本来は次表の2に示す「ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン」(PCDDs)のことでした。
このPCDDsと化学的に類似した構造をもち、毒性も類似している物質として、次表の1に示す「ポリ塩化ジベンゾフラン」(PCDFs)と、次表の3に示す「ポリ塩化ビフェニル」(PCB)中に含まれている「コプラナーポリ塩化ビフェニル」(Co-PCBs)とがあります。
このため、ダイオキシン類対策特別措置法 第3条では、化学構造や毒性が類似しているこれら3つのグループに含まれる物質を総称して、「ダイオキシン類」と定義しています。
ダイオキシン類の種類 | 略称 | 分子中の 酸素原子数 | 同族体の数 | 異性体の数 | 異性体の中で 毒性を有する 物質の数 |
---|---|---|---|---|---|
1 ポリ塩化ジベンゾフラン | PCDFs | 1 | 8種類 | 135種類 | 10種類 |
2 ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン | PCDDs | 2 | 8種類 | 75種類 | 7種類 |
3 コプラナーポリ塩化ビフェニル | Co-PCBs | 0 | 10種類 | 十数種類 | 12種類 |
合計 | 約230種類 | 29種類 |
ダイオキシン類は、ベンゼン環に結合している塩素原子の数と、結合している位置の違いにより、約230種類の異性体があり、それらの毒性の強さは、異性体の種類によってそれぞれ異なります。
大気や河川など環境中に存在するダイオキシン類は、一般的には複数の異性体からなる混合物として存在しています。
したがって、毒性の異なる異性体の混合物であるダイオキシン類全体の毒性の強さは、ダイオキシン類に含まれている個々の異性体の存在比率に依存することとなり、単純に各異性体の量を合計してもダイオキシン類全体としての毒性の強さを正しく表現したことにはなりません。
例えば、別々に採取された2つのダイオキシン類のサンプルの量(各異性体の量の合計値)が同一の ○○pg という場合であっても、2つのサンプルで各異性体の存在比率が異なると、それらの毒性の強さは大きく異なることがあります。
つまり、同じ量(重さ)のダイオキシン類のサンプルであっても、毒性の強い異性体がより多く含まれている方が、それだけダイオキシン類全体としての毒性も強くなります。
このため、混合物であるダイオキシン類全体としての毒性の強さ(濃度)を表す場合は、次の手順によります。
(1) ダイオキシン類の中で最も毒性の強い 2,3,7,8- 四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)の毒性の強さを基準〔1〕として、他の異性体の毒性の強さを相対的に表した換算係数(毒性等価係数:TEF)を決めておき、
(2) 個々の異性体ごとに、その存在量(重量)に毒性等価係数を乗じて、毒性換算した毒性量を算出し、
(3) すべての異性体について毒性量の総和を算出する。
TEQは、上記の手順により、異性体ごとの毒性強度を考慮して算出した濃度であることを明示するための記号で、「毒性等量」といいます。
なお、毒性等量の算出にあたっては、1999年度から2007年度までは、世界保健機構の毒性等価係数 WHO-TEF(1998)を使用していました。2008年度からは、世界保健機構の毒性等価係数 WHO-TEF(2006)を使用しています。
毒性等量(TEQ)は次式で定義されます。
TEQ : 毒性等量(濃度)
fi : 第 i 番目の異性体の毒性等価係数 (TEF≦1.0)
gi : 第 i 番目の異性体の存在量
n : 異性体の種類の総数
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