表紙 第二次横浜市民読書活動推進計画 横浜市教育委員会(令和元年12月) ※表紙には、5か所写真を掲載しています。 中央 親子で読書に親しんでいる様子 左上 学校司書の学校図書館での活動(峯小学校 保土ケ谷区) 左下 読み聞かせボランティア育成講座(緑図書館) 右上 郷土資料が並ぶ書棚(中央図書館) 右下 ビブリオバトル(都筑図書館) (目次) 第1節 第二次横浜市民読書活動推進計画の策定にあたって ・・・・・・・・・・・・1 第1章 第一次読書計画期間中の諸情勢の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 1 国の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 (1) 学校図書館に関連する法令の改正 (2) 学習指導要領の改訂 (3) 第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画の策定 2 横浜市の動き・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 (1)「学校図書館教育指導計画」の作成と学校司書の配置 (2) 読書活動に関する提言 (3) 横浜市教育ビジョン2030 の策定 (4) 第3期横浜市教育振興基本計画の策定 3 社会情勢の変化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 第2章 第一次読書計画の振り返り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 1 重点項目1 子どもの発達段階に応じた読書活動の推進・・・・・・・・・・・・・・6 (1) 成果指標の達成状況と課題、今後の方向性 (2) 取組の振り返りと成果・課題 ア乳幼児期からの取組 イ学校における取組(小・中学校、高等学校、特別支援学校) 2 重点項目2 成人の読書活動の推進と担い手の拡大・・・・・・・・・・・・・・・17 (1) 成果指標の達成状況と課題、今後の方向性 (2) 取組の振り返りと成果・課題 ア読書の日、読書活動推進月間等を活用した読書活動の拡大 イ高齢者や障害のある方への読書活動支援 ウ活動の担い手自身も楽しめる取組の推進 エ読書活動を支えるボランティアへの支援 3 重点項目3 読書活動の拠点の強化と連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 (1) 成果指標の達成状況と課題、今後の方向性 (2) 取組の振り返りと成果・課題 ア地域の情報拠点としての図書館機能の強化 イ地域のニーズに合わせた図書資料の充実 ウ地域情報の収集・学習支援・情報発信 エ電子書籍など新たな情報への対応 オ関連施設との連携強化 4 重点項目4 区の地域性に応じた読書活動の推進・・・・・・・・・・・・・・31 (1) 成果指標の達成状況と課題、今後の方向性 (2) 取組の振り返りと成果・課題 ア地域状況と活動団体等の把握 イ区の地域性を踏まえた活動目標の策定と計画的な推進 ウ地域の読書活動団体等との連携 エ読書活動団体のネットワーク化の推進 オ地域の団体間の連携による読書活動の推進 第2節 第二次読書計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 第1 章 第二次読書計画の基本的な考え方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 1 第二次読書計画の趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 2 読書活動推進の意義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 3 計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39 4 推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 5 計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 第2章 第二次読書計画で推進する4つの重点項目・・・・・・・・・・・・・・・・・41 1 4つの重点項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 2 目標と成果指標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 第3章 読書活動推進のための方向性と取組・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43 1 全市的な読書活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43 (1) 「横浜市読書活動推進ネットワークフォーラム」の拡大 (2) 民間事業者との連携・協力に向けた取組 2 重点項目1 子どもの発達段階に応じた読書活動の推進・・・・・・・・・・・ 45 (1) 乳幼児期からの取組 ア家庭における読書活動の推進 イ幼稚園・保育所等における取組 (2) 学校における取組 ア小・中学校における取組 イ高等学校における取組 ウ特別支援学校における取組 3 重点項目2 成人の読書活動の推進と担い手の拡大・・・・・・・・・・・・・・・49 (1) 読書の日、読書活動推進月間などさまざまな機会を活用した読書活動の拡大 (2) 高齢者や障害のある方への読書活動支援 (3) 活動の担い手自身も楽しめる取組の推進 (4) 読書活動を支えるボランティアへの支援 4 重点項目3 読書活動の拠点の強化と連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51 (1) 地域の情報拠点としての図書館機能の強化 (2) 地域のニーズに合わせた図書資料の充実 (3) 地域情報の収集・学習支援・情報発信 (4) ICTを活用した取組 (5) 障害がある方等が利用しやすい資料やサービスの拡充 (6) 関連施設との連携強化 5 重点項目4 区の地域性に応じた読書活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・・56 (1) 地域状況と活動団体等の把握 (2) 区の地域性を踏まえた活動目標に基づく計画的な読書活動推進 (3) 地域の読書活動推進団体と市民利用施設等との連携 (4) 読書活動推進団体のネットワーク化の推進 (5) 地域の団体間の連携による読書活動の推進 資料編・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59 子どもの読書活動の推進に関する法律(一部抜粋) 横浜市民の読書活動の推進に関する条例 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(一部抜粋) 学校図書館法(一部抜粋) 学校図書館図書整備等5か年計画(一部抜粋) 学習指導要領(一部抜粋) 第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」(一部抜粋) 読書活動に関する提言(一部抜粋) 横浜教育ビジョン2030(一部抜粋) 第3期横浜市教育振興基本計画(一部抜粋) 第一次期間(平成26 年度〜30 年度)における各区の取組・・・・・・・・・・・・・75 第二次横浜市民読書活動推進計画(素案)の市民意見募集の実施結果・・・・・・・・95 1頁 第1節 第二次横浜市民読書活動推進計画の策定にあたって 本市は乳幼児から高齢者まですべての横浜市民の読書活動を総合的に推進するため、 「子どもの読書活動の推進に関する法律」第4条に位置づけられた「子どもの読書活動の推進に関する施策」と「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」第3条に位置づけられ た「市民の読書活動の推進に関する施策」を合わせ、一体の計画として平成26年3月に「横浜市民読書活動推進計画」(以下、「第一次読書計画」)を定めました。 これにより、第一次読書計画策定から平成30 年度までの概ね5年間に渡り、市内各所で、様々な読書活動が活発に推進されました。 令和元年6月28日には、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(以下、「読書バリアフリー法」)が施行され、 視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進し、もって障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる 社会の実現に寄与するとの基本理念が定められるとともに、地方公共団体の責務として、地域の実情を踏まえた視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する施策の策定、及び実施が定められました。 「第二次横浜市民読書活動推進計画」(以下、「第二次読書計画」)は、すべての横浜市民の読書活動を引き続き推進していくため、 第一次読書計画期間中の5年間の諸情勢の変化、取組状況と成果や課題等の検証、読書バリアフリー法の基本理念等を踏まえ、今後の施策の方向性と取組を示すものとして策定します。 2頁 第1章 第一次読書計画期間中の諸情勢の変化 1 国の動き (1) 学校図書館に関連する法令の改正 平成26 年に学校図書館法が改正され、学校司書が法制化されました。 これにより、学校に司書教諭と学校司書を置くこと、学校司書の資質の向上を図る研修の実施、その他必要な措置を講ずることが、自治体の務めとされました。 また文部科学省において策定された、第5次「学校図書館図書整備等5か年計画」(計画期間/平成29 年度から令和3年度)では、学校図書館の役割として、 従来からある「学習センター」「情報センター」「読書センター」としての機能に加え、 主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニングの視点からの学び)を効果的に進める基盤としての機能が期待される旨追加されました。 「学校司書」とは、学校図書館法第6条で定められた専ら学校図書館の職務に従事する職員。 「司書教諭」とは、学校図書館法第5条で定められた、学校図書館の専門的職務をつかさどる教諭。 「学習センター」とは、児童生徒の学習活動を支援し、授業の内容を豊かにしてその理解を深める場。 「情報センター」とは、児童生徒や教職員の情報ニーズに対応し、児童生徒の情報の収集・選択・活用能力を育成する場。 「読書センター」とは、児童生徒の読書活動や児童生徒への読書指導の場。 (2) 学習指導要領の改訂 学習指導要領が改訂され(小学校、中学校(平成29年3月公示)及び高等学校(平成30 年3月公示))、総則に国語科を要としつつ、各教科等の特質に応じて児童の言語活動(記録、説明、批評、論述、討論等の学習)を充実すること、 学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、児童生徒の自主的、自発的な学習活動や読書活動を充実すること等が規定されました。 「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準。 およそ10年に1度、改訂している。 3頁 (3) 第四次子供の読書活動の推進に関する基本的な計画の策定 国では、第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」(以下、「第四次基本計画」)が、平成30 年4月に策定されました。 この計画は、「すべての子供があらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行うことができるよう、 環境の整備を積極的に推進すること」を基本理念とする、最初の基本計画(平成14年8月)の流れを汲んだものとなっています。 改正により「読書習慣の形成に向けて発達段階ごとの効果的な取組を推進すること」「友人同士で本を薦めあうなど読書への関心を高める取組を充実すること」等が追加されました。 2 横浜市の動き (1) 「学校図書館教育指導計画」の作成と学校司書の配置 市立学校では、それぞれの学校の特性並びに児童生徒の発達段階に応じた「学校図書館教育指導計画」を作成し、学校図書館を中核とした児童生徒の読書活動の推進に努めました。 本市は、学校図書館の環境整備や活性化を図るため、司書教諭に加え、平成25年度から市立小・中・義務教育・特別支援学校への学校司書の配置を開始し、 平成28年度に全校配置を達成しています。 「学校図書館教育指導計画」とは、「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」第5条で定められている、 学校図書館教育を教育課程に位置付け、学校全体で総合的・組織的に推進するための指導計画。 (2) 読書活動に関する提言 第31 期横浜市社会教育委員会議(任期/平成26年10月15日〜平成28年10月14日)は、読書活動の推進に向けた取組の一層の充実を求める内容の提言を、平成28年10月にまとめました。 この提言は、横浜市民の読書活動の推進に関する条例及び第一次読書計画を受け、読書活動を通じて人と人とがつながることを促すために必要な「場」や「仕組み」について、 先進事例のヒアリング及び協議を踏まえたものとなっており、提言では、本市が充実すべき読書活動推進の取組を次のように挙げています。 ・身近な地域における市民力を生かした読書活動の充実 ・学校と地域が連携した身近な読書活動の「場」づくり ・本を介して人と人とがつながるきっかけとなる事業の推進 ・様々な施策における読書の活用 4頁 (3) 横浜教育ビジョン2030の策定 本市では、平成30年2月に2030年頃の社会のあり方を見据え、新学習指導要領の考え方を踏まえながら、概ね10年を展望した新たなビジョンとして「横浜教育ビジョン2030」を策定しました。 横浜教育ビジョン2030は、未来の社会の姿や新学習指導要領の考え方を踏まえ、「横浜教育ビジョン」をもとに新たなビジョンとして策定されました。 教育ビジョンでは、生涯にわたって主体的に学び、心豊かな生活につながるよう、教育委員会が市民の学びの環境を整える方法のひとつとして、読書活動の推進を挙げています。 (4) 第3期横浜市教育振興基本計画の策定 本市はさらに、横浜教育ビジョン2030の具現化に向けたアクションプランとして「第3期横浜市教育振興基本計画」(以下、「第3期教育振興基本計画」)を平成30年12月に策定しました。 第3期教育振興基本計画では、「読書活動の推進」を生涯学習の推進の項目としてとらえ、第二次読書計画の策定及び市民の読書活動推進月間等を活用した普及啓発事業を行うとしています。 また、図書館は、読書活動の拠点としてサービスの充実に取り組むこと、学校は、子どもたちの情報社会を生きる能力の育成に向け て、学校図書館の充実を図ること、学校司書が教員と連携し、子どもの読書習慣の定着や資料準備などの授業支援を通じて、子どもの主体的な学びをサポートすること等を挙げています。 「市民の読書活動推進月間(11月)」とは、読書活動に関する市民の関心及び理解を深めるため、「横浜市民の読書活動の推進に関する条例」第8条において制定された月間。 5頁 3 社会情勢の変化 国の第四次基本計画では、子どもの読書環境を取り巻く情勢の変化として「スマートフォンの普及や、それを活用したSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などのコミュニケーションツールの多様化など、 子どもを取り巻く情報環境が大きな変化を見せており、これらが子どもの読書活動にも大きな影響を与えている可能性がある」と指摘しています。 さらに「あらゆる分野の多様な情報に触れることがますます容易になる一方で、視覚的な情報と言葉の結びつきが希薄になり、知覚した情報の意味を吟味したり、文章の構造や内容を的確に捉えたりしながら読み解くことが少なくなっているのではないか」、 子どもにとって「読書活動は精査した情報を基に自分の考えを形成し表現する等の新しい時代に必要となる資質・能力を育むことに資するという点からも、その重要性が高まっている」と指摘しています。 なお、本市の学力・学習状況調査の結果から、本市においてもスマートフォン等を操作しインターネット等をしている小中学生が5割を超えていることや、 平成26年度から30年度にかけて増加していることが見て取れます。 ◎1日に携帯電話やスマートフォンを操作して、インターネット等をどのくらいしていますかという問いに対して、 「ほとんどしていない」と回答した小学生の割合、「まったく、またはほとんどしない」と回答した中学生の割合(ゲームをする時間は除く)は下記のとおり。 平成26年の小学校3年生は43.9%、平成30年の小学校3年生は42.3% 平成26年の小学校4年生は40.7%、平成30年の小学校4年生は37.2% 平成26年の小学校5年生は33.8%、平成30年の小学校5年生は29.0% 平成26年の小学校6年生は28.8%、平成30年の小学校6年生は22.4% 平成26年の中学校1年生は17%、平成30年の中学校1年生は10.9% 平成26年の中学校2年生は12%、平成30年の中学校2年生は7.4% 平成26年の中学校3年生は12%、平成30年の中学校3年生は7.4%