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第31期社会教育委員会議第6回会議録

最終更新日 2019年3月5日

第31期横浜市社会教育委員 第6回会議 会議録
第31期横浜市社会教育委員 第6回会議 会議録
議題

1 開会
2 議事録の確認について
3 議事
(1) 第31期横浜市教育委員会議の提言作成に向けて
(2) 意見交換
4 その他

日時平成28年3月11日(金曜日) 午前10時から正午まで
開催場所関内駅前第一ビル205E会議室
出席者秋山委員、奥山委員、笹井委員(議長)、高井委員、竹本委員(副議長)、永池委員、依田委員
欠席者佐原委員、中村委員、溝上委員
開催形態公開(傍聴人なし)
決定事項議事録確認者に高井委員、竹本副議長を指名。
議事

議題
(1)第31期横浜市社会教育委員会議の提言作成に向けて
笹井議長:
今期のテーマは、「読書」を介したコミュニティづくりについて、「読む」「知る」から「語る」「つながる」として、そこに焦点を当てて検討をしてきた。また、読書活動の推進を通じて人と人とが語り合い、つながっていくためには、どのような「場」や「仕組み」が必要か、行政としてどのような役割を果たすべきなのかという観点でヒアリングも行ってきた。今後はそれらを踏まえ議論をしてまとめていきたい。
なお、前回は提言そのものについて委員の皆さまからご意見をいただいたと聞いている。意見として、「提言をまとめるにあたっては、その前提として、横浜市の読書に関する状況把握、調査、分析が必要であり、現在何が不足しているのかを考えるところから始める必要がある」、「提言を何に生かしていくのか、例えば教育大綱のような計画等に反映することを考えて作成すべき」という話をいただいたと聞いている。
確かに社会教育委員会議は行政へアドバイスをする審議会という位置付けなので、行政を相手として、このようなことをした方が良いという提言をし、それを何らかの政策・計画に反映するのが基本的な趣旨であるとは思う。
ただ、社会教育、生涯学習について、特に横浜の場合は市民活動、市民力ということが従前より言われており、生涯学習、社会教育の主体は市民と位置付けられてきていると思っている。
例えば、福祉というのは福祉サービスを提供する主体(行政、民間、NPOなど)に着目して、それをもっと充実させていくというのが行政の基本的なスタイルだと思う。
社会教育や生涯学習については、市民が主人公となって、市民自ら意識して、自覚して、実践してもらいたいという思いがあるので、市民向けに実践してほしいことを示していくということが、生涯学習、社会教育分野の特性としてあるのだと思う。
そういう背景もあり、社会教育委員会議の提言の提案先としては、教育委員会であると同時に市民に対してもアピールをする内容になると思う。社会教育に限らず、家庭教育や、子育てに関してなど、市民一人ひとりが主人公である分野については、この様な形の提言もあり得るのではないかと思っている。
今期の提言についても、良い取組を市民にアピールするとともに、それを行政がどのようにサポートしていくのかについてまとめて行ければと考えているので、共通の理解をいただければと思う。
ここまでの話を踏まえて、今期会議の提言のあり方について、委員の方々から意見を伺いたい。
高井委員:
市民が主人公というのは良いフレーズだが、逆に言うと行政が隠れてしまい、きれいごととしてとらえられてしまう場合もあると思う。本を読まない人に主体的に動いてと言っても難しいのではないか。市民が主人公というのはもちろん尊重すべきだが、やはり行政がダイナミックな動きをしないと活性化は絶対できないと思う。行政がどう刺激すれば活性化できるのかにもっと重点を置くべきではないか。
読書条例があるのだから、教育委員会だけでなく市全体としてやらないと、言いっぱなしになってしまう。提言をどのように市民へアピールしていくのかはとても難しいと思う。記者発表を行うなど、それくらいの迫力がなければ提言を作成しても意味がないのではないか。そういった提言を作成した後の仕組みについても考えておかなければ、提言を作っても作りっぱなしになってしまう。
秋山委員:
市民に向けてと言うのは分かるが、役所的な発想だと思う。民間企業で何か動くとなると、どこかにフォーカスを当てて、1つずつ問題を解決していきながらやるのがマーケティングの一般的な手法になる。市民と言った時に子どもから高齢者まで、本当に多様な層を対象とするので、まず働きかけるのであれば、やはりどこかに対象を絞るべき。今のやり方だと対象がぼやけてしまい、何をしようとしているのか分からないものになってしまう。絞り込んだ上で、必ず達成させるという姿勢を見せなければ、やってもらえない。本当にやってほしいことは、具体的に言わなければいけないと思う。
奥山委員:
社会教育委員会議でこれまでも家庭教育などをテーマとして提言を作成し、良い内容で出来上がっていたが、施策で生かすという面が弱い部分があったと思う。今回のテーマは読書条例もできて、社会教育分野だけではなく、各区でも読書を推進していこうという時期で、機は熟していると思う。
だからこそ分析が必要なのではないか。どの年代が本から離れているのかなどをデータで示し、それに基づいて何をすべきなのかという提案があり、その上で各区ではこのような取組が始まっているということ、強化すべき部分はここだということを提言としてまとめていくスタンスが必要かと思う。行政に向けてということも示しつつ、市民の方々が取り組みやすいような、例えば相談窓口はどこにあるのかということなどを示していくことが必要ではないか。とても充実した報告書を出すだけではなく、活用されていくものにしなければいけない。
永池委員:
高井委員の本を読まない人に対して、自主的な取組を呼びかけても具体化しないのではという話や、秋山委員の話にもあったが、どこかにフォーカスを当てて、具体的な事例を示さなければ現場は取り組まないと思う。
ではどうやって具体例を見せていくかと考えた時に、私自身の話でいうと、巣箱ライブラリーを小学校で実践している。子どもを中心としたコミュニティとして、地域の人たちが子どもたちの読書に関してどう寄与していくかという形をとることが考えられるので、非常に学校が持っている役割は大きいと思う。
2月に白幡小学校で巣箱ライブラリー(まちライブラリーから発想を得た取組)を実施した。巣箱型の本棚を作成し、そこに保護者や、地域の人が読んでほしい本を寄贈するという仕組みで、今期会議のテーマである人と人が本を介して「語る」、「つながる」が実践できた。毎年本校では4月23日に保護者、地域の方々が本を寄贈してくれて、語り合う会を必ずやるようになっている。少し強制的かもしれないがそういう場面を作っていくということは重要だと思う。抽象的なことだけ言っていても中々進まないので、こういった取組をきっかけとして実現、継続させていくことが大切である。子ども、学校を介してコミュニティはできていくのではないかと思っている。具体的な例を提言で示せればと思う。
竹本副議長:
提案の相手先として、教育委員会(市)と市民ということについては私も同感だと思う。市民が受け身で、行政から与えられるだけの立場でいる限りはこの活動はやはり広がっていかないと思う。行政では市民が主体的になるための仕組みづくり、仕掛けをしっかりすべき。そのような内容の提言を出して、それに基づいて行政で推進をしてほしい。提言による読書推進をした時に、具体的な動きが目に見えてこないと分かりにくいし、見えた物が大きければ大きいほど話題になる。それにより関心が無かった方にも情報が広がると思う。例えば、横浜市立の学校500校が少しずつのことでも一斉に行えば、この規模は全国一なのだから大きなニュースになると思う。目に見える形で市民、子ども、学校など、どこかが実践できることを提言していきたい。それを支える行政の姿を打ち出していけると良いと思う。
笹井議長:
提言内容は基本的に二段構えで、市民へのアピール的な物と同時に行政の政策はどうあるべきかというものにしていきたいと思う。
行政の部分についてだが、マーケティングという話でも出たが、抽象的なものではなくて、この人たちを対象にして、こういうことを行うと良いということを提言に盛り込みたい。
今後委員の皆様には対象の絞り込みについて知恵をいただきたい。
(2)意見交換
笹井議長:
次の議論に移りたいと思うが、資料1を見ていただきたい。
資料1として報告書のスケルトンを私の方で用意した。あくまでも議論を円滑に進める為に用意した素案なのでこの内容に引っ張られる必要はないが、これを見ていただき、委員のみなさまから意見をいただければと思う。
この中で「3 読書活動の推進」、「4 読書活動をささえる政策」ということで私自身も二段構えで考えていた。3は市民・NPO向け、4は行政に対してと考えており、今までの委員の皆様のお話をお聞きするに、この4を充実させるべきということだと受け止めている。そこにマーケティングの観点も入れ、具体的な内容を提言していければ良いと考えている。4のところについては今日またご意見、アイディアをいただければと思う。
資料2はこれまでの議論を踏まえ、事務局と議長で調整した内容を、事務局が骨子案として作成した。内容の並び方が若干前後していたり、政策の部分を前に出していたりするところはあるが、基本的に内容は資料1とほとんど同じだと考えている。
資料1と資料2を踏まえていただき今後議論をしていくが、大きな論点としては、2つある。1点目は「市民が本を読むこと、本を読んで語ること、誰かとそれを話題としてコミュニケーションをすること」、これを具体的な事業、イベントとしてどのようにしていくと良いのかということ。2点目はもっと大きな視点で、仕組み、政策レベルでどう考えていくのかということ。市民に動機づけをしていくような取組としてどのようなことが考えられるか、それを支える政策にはどのようなものがあるか皆様から意見をいただければと思う。
これまでヒアリング等をしてきて、現代の横浜の大きな流れがどのようなものか、委員の皆様とは共通認識として持っていると思うので、それを踏まえて特にコミュニティづくりに結びつくような取組のアイディアを思いつくまま出していただければと思う。
永池委員:
自分が教師になりたての頃は、周囲の方、先輩から「教師として参考になるから」と本を勧められる機会が多かったように思う。現在周りを見てみるとそういった本を紹介しあうことがあまりないように感じる。市民ということで考えた時に、MAMEBOOKSの峰尾さんの取組のように自分の好きな本を紹介しあうような風土、考え方が広がってくると良いと思う。
笹井議長:
書評、ビブリオバトルなど、そこまで大げさなものでなくてもいいけれど、良い本があるという情報を他の人に伝えるような機会や場ということか。
永池委員:
そのとおり。
奥山委員:
「読む」から「語る」へ転換していく仕掛けを埋め込んでいくことが必要だと思っている。中学生も今、朝読書ということで、自分が好きな本を読むと思う。それを読むだけではなくて、お互いに紹介し合うことができればいいのではないか。ヒアリングを聞いていても、プライベートからパブリックへ、個人でやっていたものをみんなで開かれた場で共有するという流れがあるように感じた。
また、提言全体についてだが、他の委員の方の発言でもデータを示してほしいとあったが、読書の年齢別の状況をデータとして出すことが必要ではないか。乳幼児期や小学校では読書活動が盛んだが、中学校ではそこまでではない印象を持っている。データとして載せることで、年齢別の状況が見えてくると、関心があるのはここだということで、提言が読みやすくなるのではないか。
笹井議長:
横浜で年代別の読書状況を調べたデータはあるのか。
奥山委員:
よくマスコミなどで読書離れについて取り上げられる時は、20代の人の書籍の購入率などが出されているように思うが、そういったものは横浜市で行っているのか。
事務局:
平成26年の市民意識調査でもそこまで詳細な調査は行っていないと思う。不特定多数の一般の方にどのような読書傾向があるかというデータはどこにもないのではないか。出版物の売り上げ、図書館の貸出、電子書籍の売り上げなど様々な状況があるので、今はそれぞれ総合的にまとめられているデータはないのではないか。
依田委員:
読書調査ということであれば、日本図書館協会が出している年報や、公共図書館の実態調査、など様々なものがある。どのような基礎資料があるのか調べた方がいいのではないか。横浜市独自にやっているものでないにしても参考にできる資料はあるはず。
オブザーバー(中央図書館):
読書推進協議会の調査で10代、20代の読書傾向を出しているものがあると思う。基本的に毎年同じ内容の質問をしているが、年によっては電子図書について聞いていることもあったと思う。項目の詳細については調べれば分かるかと思う。
依田委員:
他にも親子読書地域文庫全国連絡会が毎年度末に行っている調査などあるはず。
こういうものが知りたいという提案が委員から出れば図書館員に調べてもらえる。継続して調査しているデータもあるので活用すべきではないか。
笹井議長:
ここまでの話の趣旨としては、マーケティングをどう行うかというものだった。横浜市民の中でこの年代は読書活動が盛んでない、この年代は歴史小説がとても読まれているということなどが分かると良いということだと思う。読書をしましょうということは全年代に言えること。ただ画一的に取組をやろうということでは動かなくなってしまうので、もう少し年齢層や属性を絞って取組をした方が興味、関心にあった適切な物になるのではないかというのがここまでの話の趣旨かと思う。
もしそういうようなデータがあれば、事務局でも探してもらえればと思う。
読書離れという点では秋山委員が一番そういったことを感じられているかと思うがいかがか。
秋山委員:
業界の数値で言うと、平成26年度の出版販売額が1兆4,000億円だった。これは10年前の2兆1000億円から7000億円落ち込んでいて、業界が縮小しているということになる。中身を見ていくと雑誌の売り上げが一番落ち込んでいて、10年前は1兆円あったのが、約半分の5,000億円になっている。書籍自身はそこまでではないが減少傾向にはある。業界自身の問題もあるが、そういったこともあり最近は大型書店、出版取次の倒産が相次いでいる。
一方で新しい本が出てこないということもある。読書の議論の基本になっている本について、出版されてくることが当たり前と思われているかもしれないが、コストがかかるため出にくくなっている状況もある。
この間も言ったが、新潮社の社長さんが図書館には1年間新刊本は買わないでほしいと言っている。また最近では作家の有川浩さんも書店の現状と新刊本を買う意味についての提言を出した。貸し出しをされる本というのは何百人、何千人が読んでも1冊分の著作料しか作者、出版社に払われない。これは作家にとっては困る話。以前であれば10万部くらい売れたものが、5万部くらいしか売れない状況になっていて、それが創作活動の足かせになっている。出版業界や書籍業界自身の問題もあるが、一方で声を上げている方々もいる。
今の話とは違うが、最近「保育園落ちた」というような書きこみがあったように、子どもを取り巻く状況が厳しくなっている。日本は失われた20年以降、頭は良いが突破力のない人たちが増えているように感じている。一方で6人に1人が貧困家庭の子どもというデータもある。本の話をこの会議ではしているが、お腹がすいている子供には本を渡されたとしても読む気はしないと思う。そこと結びつけてだが、この間のまちライブラリーのヒアリングで、自宅で最初まちライブラリーをやった時はうまくいかなかったけれど、食べ物を用意したら人が来るようになったという話があった。これは正に至言だと思った。例えばだが巣箱ライブラリーをやる時などにカレーライスを作るなど、併せて炊き出しをする取組はどうだろうか。最近子ども食堂が新聞でも取り上げられてきている。親からちゃんとご飯を食べさせてもらっていない子どももいる。だからこそカレーと巣箱ライブラリーが良いのではないかなと思う。社会的弱者への優しいまなざしを持った具体的な提言を出したいと思っている。
永池委員:
私もそういった取組を考えていた。確かに本だけのものでは十分でないと思う。
奥山委員:
緑区の事例の中に赤ちゃん絵本のセットを貸し出す取組があった。赤ちゃんにおすすめの絵本6冊がセットになっていて、それを借りられる。読書推進に力を入れようとしている自治体では、ブックスタートという取組をしている所がある。ブックスタートの仕組みとしては赤ちゃんが生まれたら、無料で絵本のセットがもらえる、もしくは絵本を買うお金が行政から補助されるというものになっている。それによりどんな家庭でも最初に絵本と出会うことができる。
ブックスタート事業を横浜市など、赤ちゃんの人口が増えている自治体で行うのは難しいと思うが、工夫次第で、この絵本セットの貸し出しなら横浜市でも実施できるので発想の転換だと思った。書店にとっては難しい部分もあると思うが、図書館が無料で利用できるというのは、やり方次第でどのような家庭にも対応できるという良さがあると思う。
笹井議長:
マーケティングには2種類あると思う。マーケットに入っていない人を入れるためのもの、初心者を取り入れるものと、リピーターを作り、発展して広げていくためのものがある。
今までの話はあまり読書に興味のない人たち、特に子どもたちに、どうやってマーケットに入ってもらうかというもので、読書推進の第一歩の部分だったと思う。
もう一方で、語り合いやイメージの共有、思い出話をするなどして語り合って、それによりつながりを作るような取組に持っていくためには、どうしたらいいか委員の皆さんにご意見をいただきたい。
永池委員:
今はアニメーションや映画など様々なエンターテイメントが展開されるようになったと思う。例えば、「星の王子様」の関連の映画が昨年の11~12月頃に公開されたが、アニメーションのブームは子どもたちが非常にタイムリーに反応する。その時に「星の王子様」の絵本から原本まで色々な関連する本や、映像なども取り込みながら提供するなどした。最終的にはおもしろがると活字の方へ入っていくと思う。また「星の王子様」は幅広い世代が知っているので、世代間の交流も生むきっかけにもなった。
タイミングをとらえてどう働きかけるかがとても難しいところではあるが、また面白いところであると思う。もちろん秋山委員をはじめ、書店などでは実践されていることだと思うが、ブームに乗って本に誘うような取組は市民に対してもできるのではないか。機会をとらえながら、楽しくやれる方法があればと思う。
笹井議長:
例えば芥川賞や直木賞を取った本、人気が出ている作家の本や、映画化された本をみんなで読んで語り合いましょうというように広げていっても良いかと思う。
高井委員:
いつも思っているが、市民の多くは、本との接触がない状況があると思う。例えば、前にも話したが私が住んでいる金沢文庫には書店が1軒もなくなった。図書館も各区に1館ずつしかない。このような状況の中で港北区や他の区でも読書マップが作られているが、これがあると、こういうところにも図書があるということが分かり少しでも市民が本に近づける。
要するに、普段本に縁がない人が縁を持つには、最初に本ありきではなく、事例紹介にもあったように他の要素が最初に何かあって、それをきっかけに本に結びつく流れができれば良いと思う。横浜市全体では毎日のように各局区でイベントをやっているので、そこで読書条例を根拠として必ず読書と関連付けた取組を1つ入れるなどの工夫が必要ではないか。そうすれば新たにお金をかけることもなく推進できる。教育委員会だけで推進するのではなく、各局区を巻き込んで市役所全体で取り組むべきだと思う。
依田委員:
私が所属しているよこはまライブラリーフレンドでは、3月20日に20周年記念フォーラムを開催する。これまで活動に際しては常に図書館と一緒に何かをしようということで行ってきた。今後どうしたら良いかということで、図書館を利用する人だけでなく、どのように本と人とをつなげていくか、そのために市民は何ができるかということについて話し合いをしようという内容になっている。ライブラリーフレンドの今までの歩みを紹介した後、講演会形式ではなく、提案という形で国際子ども図書館館長や、以前図書館にいたことのある市職員に話をしてもらい、最後には会場の方の意見も聞くような会にしたいと考えている。
子どもや読書を取り巻く環境の変化についての話が先ほどあったが、本に関わる人たちがどのように協力し合えばWin-Winの関係になるか、共同で何かできないかを一緒に考えていかなければ、平行線になってしまい問題は解決しない。全く立場の違う人たちが話せる場を、色々な形で定期的に行い、それが5年10年と続く活動につなげられれば良いのではないか。
笹井議長:
NPOが中心になっているようなイベントが継続的に開催され、その場で様々な人が読書推進につながるような内容を話し合うこと、またそれを行政が支えていくのが良いということか。
依田委員:
そのとおり。アイディアを結集させれば、そのようなイベントはいくつか出てくると思う。それが続いていくためには信頼関係が必要。関係を築くのに5年、それを定着させるのにはさらに5年かかる。
竹本副議長:
依田委員が紹介されたようなフォーラムには、色々な知識や経験のある方が集まるので、ここで知恵を出し合うことや情報交換は大切だと思う。
ただこういった場に参加するのは、ある程度読書について関心がある方のみだと思う。このような取組をやりながら、もう一方で読書にあまり接していない方が参加できるものも併せて打ち出していければと思う。
具体的な取組として何があるかということだったが、今回ヒアリング事例はどれもが具体例として示せると思う。ただ、それも読書に関心のある人だけが参加するものであるとすれば、先ほど出た巣箱ライブラリーとカレーのような仕掛けが効果的なのではないか。
私も似たような仕組みの実践を提案している。各区では多くの個人宅、商店に協力してもらい、子ども110番の家をやっている。子供たちにはその場所がどこにあるのかを知ってほしいので、PTAなどがマップを作って配っているが、きちんと確認がされていないということがある。そこで親子でマップを見ながら子ども110番の家を巡るオリエンテーリングを行い、最終目的地を学校として、お昼ごろに着いたら豚汁が食べられるというような仕掛けにすると、親子の参加が多くある。子供たちはいくつ見つけたか競うようなこともして、より高い効果も得られる。子供たちのねらいは豚汁やポイント探しゲームだったかもしれないが、最終的にはそれに「子ども110番の家の場所の確認」という結果が付いてきた。同じことが読書でもできるのではないか。本がどこかで関わりのあるイベントが良いのではないかと思う。
依田委員:
先日神奈川県教育委員会主催の真鶴での研究会に行った。中学校を卒業したら町の外に出る子どもが多い状況の中で、どうしたら真鶴を盛り上げられるかを図書館だけでなく博物館や行政全体が知恵を出し合い取り組んでいた。市民全員が色々な形で関わっていてとても良いと思った。
横浜は人口が370万人なので難しいところもあると思うが、大きいことを利用すると良いのではないか。色々なところで多様なタイプの方たちが参加できるような場づくりをすると良いと思う。委員の方々もせっかく2年間の任期で会議に出ているのだから、それぞれで取り組まれていることを提言で出していくと、またそれが広まっていき、良いのではないか。
笹井議長:
読書以外で動機付けを行うということなのかと思う。本の中には壮大な世界があり、多くのコンテンツがある。そのコンテンツを共有することがとても大事で、それを共有できるような機会や場が作れないかと思っている。
例えば先ほどの話でも出たが、テレビドラマになった本を読むということもコンテンツの共有に当たるのではないかと思う。そういうようなアプローチの仕方があるのではないか。読書、本の本質的な魅力をとらえて共有できるようになると良いと思う。
秋山委員:
今の協議の流れからすると、具体的な提言としては、マニュアルを作って一つは巣箱ライブラリーの始め方・作り方、後ろにカレーと豚汁の作り方を載せて、食品会社に協賛をしてもらう方法が一番費用はかからないのではないか。
永池委員:
カレーではなくても、何か食べ物を提供しながらイベントをすることは可能だと思う。今は様々なイベントに地域を取り込んでやってきているので、その中に本を絡めてやっていくことは工夫の余地があると思う。
ただ、秋山委員がおっしゃるように、どこかにフォーカスして、必ず成功するというアイディア提供をしないと現場は動かないと思う。また行政側からある程度、読書推進の取組を行うように提案や仕組みづくりをしないと、多忙化の中で埋没してしまい進まない部分もあるのではないか。この両方が必要かと思う。
竹本副議長:
話が戻ってしまうが、統計のデータについては改めて確認したい。読書離れが世間では言われているし、自分としてもその認識でいたが、たまたまある書物から、統計のデータを読み解くと世間一般で認識されていることと事実は異なっていたという様々なケースを知ったところであり、読書に関するデータについても正しく押さえておきたい。
奥山委員:
将来ということを考えた時、アーキシップライブラリー&カフェのように専門書を多く持っている場合や、家に大量にある本を所有者が亡くなった後どうするかという話もあると思う。一人暮らしの方が増えている状況もあるので、プライベートを開いていくこと、それを将来的にどう活用するかという仕組みについても具体的に見えてくると良いのではないか。そのようなシェアする所が増えれば、ポイントラリーのようなものができる。また、そこからコミュニケーションも生まれると思う。
高井委員:
黄金町でのまちづくりの事例のように、空き家などを活用して、そこに本を置いてもらうなどの方法もあるのではないか。やはり教育委員会だけでなく、まちづくりの関連部署にも関わってもらい、それぞれの部署が読書に絡めてどういった取組をできるのか考えてもらえるようにするのが大切だと思う。そのきっかけとして提言を使ってもらえるようになれば良い。
ヒアリングをした団体は独立して自主的に活動を行っていた。それは形として理想的だが、最初からそのようにできる場合は多くないと思う。そのような活動のきっかけ作りや、活動のサポートができるのはやはり行政ではないか。
依田委員:
図書館があるということを知っていても、図書館の活用方法を十分に知らない人が多いと思う。例えば県内の図書館の本も市立図書館を経由して借りられるだとか、今日いただいた資料にのっているような金沢区が行っている図書館ツアーなど紹介されないと分からないことも多い。知っているということと実際活用できるということの間には隔たりがあると思う。子どもについても同様で、知っている大人が一緒に図書館に来てくれることで活用の幅が広がると思う。
また中学生では読書活動が盛んでないという話があったが、図書館の現場を見てもらえば仕事のひとつとして興味を持ってもらえるのではないか。
奥山委員:
依田委員の話に関連してだが、保護者が図書館に一緒に行かないと子供たちは利用カードを作れないのか。
オブザーバー(中央図書館):
小学生が一人で来ても作れるが、住所を書いてもらうことが必要なため、あまり小さいお子さんでは難しいかもしれない。
奥山委員:
そうすると、やはり保護者が同行しないとカード作成が難しい場合があるかと思うので、そこがネックになる。図書館が無料で利用できるということも知らない保護者もいる。そういう時に周りの大人が子どもを連れて行って図書館の仕組みや登録方法などを教えてあげられると良いのではないかと思う。
依田委員:
子どもが図書館を活用できるようになるためには、子どもが信頼できるまわりの大人の助力が必要であろう。
永池委員:
フィンランドは20kmに1つ図書館があるが、そこに学校の授業中に先生たちが連れて行くようになっている。また、本校では週に1回必ず図書室で授業をするようにして、子どもが本に触れられるようにしている。そういった仕組み作りをすることで子どもや、市民が本に触れる機会を広げることができると思う。
笹井議長:
今日は読書に興味がない人をどうやって読書へ引き込むかについて議論していただいている。
最後に、コミュニティを元気にしていくためには、本に対する興味・関心や読書活動そのものを生かしていけるのかについてもアイディアをお聞きしたい。人が集まってきて読書をすると同時に、それを話題にしてつながるということは当然あると思う。さっき出たカレーライスの話のように、そこで飲食という要素を絡めることによってさらに効果的になることもあると思う。その辺についてのご意見もいただきたい。
竹本副議長:
食べたり飲んだりしながらの方が、話も弾むし、つながりも深まると思う。先ほどの話で学校の先生が子どもたちを一斉に図書館へ連れて行く事例もあったが、大人にはそれができないので、行きたくなる仕掛けが必要だと思う。反対に子どもたちに対しては可能であれば先生が図書館に連れて行くなどして機会を作ることが必要ではないか。一回本を借りると返すために再び足を運ぶことが必要になるので、そこからリピーターもできると思う。
永池委員:
コミュニティという中で、高齢化の話がある。高齢者の中には本を読む方が多いので、そういった方々に学校の中で読み聞かせなどをしてもらい、交流をしていくことが良いのではないか。学校がいかにオープンマインドでやっていけるかが重要だと思う。また、この外部の人を取り込んでいくということがコミュニティ形成になるのではないかと思う。その題材として読書は適している。
依田委員:
海外の図書館では1年に1回館長と語る会をしているところもある。飲食をしながら、時にはワインなど出て、一般の方も参加できるようになっている。
横浜市の図書館では1館に対しての人口規模が大きいこともあり、市民と館長や図書館員との距離が近くないように思う。図書館の活用法などを知ってもらうためにも、年に1回ほど、図書館を知ってもらうような会を食べ物、飲み物付きで行えればいいのではないか。
秋山委員:
学校や図書館を中心にという話に今なっているが、横浜市では自治会、子ども会の状況はどのような状況になっているのか。さっきから話が出ている巣箱ライブラリーとカレーライスの取組も実施するとなれば場所が必要になる。その時に使用できるのは自治会館など近所の施設になるのではないか。コミュニティでの実施を考えた時に小さな集まりなので、自治会館が適しているのではなないかと思う。
奥山委員:
横浜でも自治会館はあるが、日常的には開いていないところもある。そう考えるとケアプラザの方が調理室もあり、最近は地域の中心的な場所になりつつあるので、適しているのではないかと思う。ケアプラザは中学校区に1つはあるので、子どもから高齢者まで集まりやすい。
事務局:
自治会館では調理施設がついていないところもある。
依田委員:
自治会ではふだんから公園でのイベントなどをやるノウハウを持っていると思う。
秋山委員:
そういうことであれば、そのイベントの中に巣箱ライブラリーなどの取組を持ち込むのが良いのではないか。提言はそのために使えるマニュアルを作るという方向性で良いのではないか
永池委員:
巣箱ライブラリーという可能性のある具体的な物を提言で提示していきたい。
笹井議長:
今日は読書へ関わりを持ってもらう方法について協議し、良いアイディアをいただいた。もう一方の論点である読書をコミュニティ作りにどうつなげるかの部分については次回また協議をし、掘り下げたいと思う。
提言の方向性としては、今日協議したように委員全員が同じ方向で考えられていると思うので、後は具体的に何をやるか、行政に何をしてもらうのが良いかということについてまた今後もアイディアを出してもらい、事務局に伝えてもらえればと思う。本日協議した内容、今後いただくアイディアなどを基に提言案を作成し、次回会議では今回より詳細なものを示したい。
その他
(1)次回会議について
5月から6月にかけての開催を予定。
(2)委員からの質問・要望

  • 市会からの質問が出ているかとのことについては、事務局から、まちライブラリーについての質問などがあった旨回答した。
  • 図書館概要や、学校図書館概要の資料提供要望については、次回会議にて各所管課で準備し、事務局より資料提供を行う。
資料

第31期横浜市社会教育委員会議の提言スケルトン案<資料1>
第31期横浜市社会教育委員会議の提言作成に向けて(骨子案)<資料2>
今後のスケジュール<資料3>
会議資料一式ダウンロード(PDF:253KB)PDF

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