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第31期社会教育委員会議第4回会議録

最終更新日 2019年3月5日

第31期横浜市社会教育委員 第4回会議 会議録
第31期横浜市社会教育委員 第4回会議 会議録
議題

1 開会
2 議事録の確認について
3 議事
(1) 読書活動の新たな取組について
・アーキシップライブラリー&カフェ 建築家 飯田 善彦 氏
・横浜読書会・KURIBOOKS 主催者 佐藤 久理 氏
(2) 意見交換
4 その他

日時平成27年8月7日(金曜日) 午前10時から正午
開催場所アーキシップライブラリー&カフェ
出席者秋山委員、奥山委員、笹井委員(議長)、佐原委員、高井委員、竹本委員(副議長)、永池委員、依田委員
欠席者中村委員、溝上委員
開催形態公開(傍聴人なし)
決定事項議事録確認者に永池委員、依田委員を指名。
議事

議題
(1)読書活動の新たな取組について
・資料2に基づき、アーキシップライブラリー&カフェ飯田善彦氏からの報告。
・資料3に基づき、横浜読書会・KURIBOOKS佐藤久理氏からの報告。
(2)意見交換
笹井議長:
事例発表を聞き、委員からも質問があると思う。どなたからでも結構なので、質問、意見等をお願いしたい。
竹本副議長:
第31期は協議テーマの副題が『「読む」「知る」から「語る」「つながる」へ』となっている。
私自身、読書が好きだが、国語の授業で一斉にみんなで音読することよりは、一人でじっくりと読むのが好きだった。一般的に読書は個の時間・活動であることが多いが、「語ること」、「つながること」になると、まちの活性化にもつながる広がりを持った発展的な活動になる。私はそちらはそちらで別の楽しさがあると思っている。
自分も「おすすめの本」、「卒業する子たちに伝えたい本」など色々なテーマで集まる場を作っている。そういう場、機会が日頃から身近にあることはよいことで、そこで語ること、つながることが出来るのは楽しいことだろう。
今日の会場のようなブックカフェなどがもっとたくさんあればいいなと思っていたところ、この会場に置いてある横浜のブックカフェを紹介する本を見て、横浜にもブックカフェが多くあることを知った。ブックカフェの存在も含めて、様々な場や機会がもっとあるということをみんなが知れるようになればいいと思った。知る人が増えればそれに関わる人も増えてくるのではないか。
依田委員:
自分が代表を務めているよこはまライブラリーフレンドが、横浜市立図書館との打ち合わせ後、団体のみで打ち合わせする場所が必要で、ここでなら落ち着いて打ち合わせが出来そうだと感じた。このブックカフェを打ち合わせ場所として、メニューを注文した上で使用するのは可能か。
飯田氏:
色々な方が利用している。友達同士で来て、少し話をしている人もいる。みんなが静かに利用しているわけではない。他の利用者の迷惑にならない程度であれば問題ない。待ち合わせに利用する人もいる。
高井委員:
普段のこのカフェのレイアウトはどのようになっているのか。
飯田氏:
今の並んでいる机を、この順番でそれぞれ離して設置している。
永池委員:
本町小学校にいた時などに、この吉田町の周辺を廻ることが多かったが、このような本当に素晴らしい場所が生まれたのだなと思った。
飯田さん、佐藤さんの二人とも東日本大震災を機に生き方を見つめ直したという話が自分の生き方と重なり、改めて素敵な働きかけをもらったと思う。
横浜市では学校司書を全校配置するようにしているが、鍵がかかっていた図書室を空間としていかに子どもたちが来たくなるような、開放的な場所にできるか、日常の中で談話が生まれる場所にできるかどうかが重要な大きな取組だと考えている。
12、3年前にスウェーデン、フィンランドの図書館を視察した。いずれの国も図書館にデザイナー、建築家が深く関わり、カーテンや内装がとてもおしゃれで、今日の会場であるカフェのような空間だった。その中で、子どもたちが本を楽しんでいた。それを見て、日本の図書館、読書に関わる感覚も変えていかなければいけないと思った。
人は空間の影響で色々なものに触れると思う。建築に関する本を私は書店では手に取らないと思うが、ここに来ると建築の本を覗いてみたくなる。それから佐藤さんも言っていたように人と人との様々な交流が生まれる効果がこのような場所にはあると思う。横浜市も中々財政が厳しく、空間を変えるための資金があまりない。そこを変えるには工夫、知恵が必要だと思う。
飯田さんに聞きたいことが2点ある。1つ目はこの場所を作ったことで、街の人がカフェに入ってきて、そのことで飯田さんの街に対する感覚が変わるなど色々なことがあったと思う。実際反応はどういうものがあったのか聞きたい。
2つ目はプロの建築家が入らないと空間は変えられないのか、それともちょっとした知恵、アイデアで変えられるのかについて聞きたい。
飯田氏:
1点目についてだが、この場所に事務所を移転させる前、街の世話役に構想を話し、意見を聞いた。そうしたところ、ぜひやってほしいと言われたこともあり、すぐに移転を決めた。この事務所兼カフェがこの場所に入る前にコンビニが入りたいという話もあったそうだが断ったとのことだった。この街の方たちの、街づくりに対する意識というのがあったため、この場所ができた時は、とても喜ばれた。
こういった場所というのは外から見えることが大事だと考えている。中で何をやっているのかがよく見えた方が良いと思い、こうしている。
2点目については、建築家が入ってやることによって良くなる場合は非常に多い。ただ、建築家が入らないとできないかと言われればそうでもない。
例えば、自分も小学校や、地区センターを設計しているが、必ず図書室がその中にある。さっき議長の話の中で紹介されたまちライブラリーのような場所は、あちこちにある。地区センターを設計した時に、そこの方の話で印象的だったのは、不登校の子どもが地区センターに来て、本を読みながら遊んでいたりするという話。学校には行けないが、そういう所なら行ける子もいる。そういう受け皿になっているというのが非常に良いと思う。
小学校の設計をプレゼンテーションする時に、できれば図書室は1階にしてほしいと言っているが、なかなかそうはならない。図書館というのは、TSUTAYAやカフェが併設されていく流れが時勢としてある。この間、設計を手掛けた大学図書館ではかなりのところまで飲み物を持って入れるようにし、他にも飲食可能な場所、学生同士が自分の好きな本を紹介するコーナーなどを作った。図書館に関して、色々なことが起きている。図書館があって、そこに行かないと本が読めないという状況では全くない。佐藤さんが実践されているように、インターネットで申込みをすれば、コミュニティへの参加が可能だ。やっぱり楽しく本を読める場所が必要だと思う。
横浜市にある小学校の図書室が全て地域開放されたらすごく良いと思うが、中々そういうことは実現されない。図書館は学校の1階、学校のエントランスのような場所としてあるのが良いと思う。
色々な温度差はあると思うが、やってみたら良いのではないか。やってみなければわからない。実践することで色々なことが起きるし、うまく行かなかったら変えていけば良い。規則を作ってやっている限りは何も起きないので、規則を突破してやってほしい。色々な役割があるとしても、さっきの不登校の子が来て、時間を過ごせる場所というのはなかなか他にはないと思う。
永池委員:
北欧の図書館には図書館の入口前に勉強がちょっとわからない時に行き勉強を教えてもらうスペースがあり、二人用のベンチがいっぱい置いてあったりする。そういったものも工夫次第で取り入れられるのでないかと思う。
飯田氏:
お金はそんなにかけなくてもできることはある。
ここにある本棚もほとんど以前から使っていたものを、ここに合わせて置いた。この机も30年近く使っている。大工さんに作ってもらった脚に板を乗せているだけで、外して収納が出来る。そうすることで、イベントスペースも作れる。
ここで新しく準備したのは、お手洗いを男女1つずつ、カフェ用の厨房、新しい本棚を少し、あとは空調くらい。空間をどうやって使うかは、私たちはずっとそれについて考えているので、いかに安くするか、常にそういう意図を持っている。
ヨーロッパに行くと、図書館は子どもたちが勉強をする場所として利用されている。パリの図書館に行くと、ずっと学生が並んで待っている。そういう意味で教育環境が全然違う。やはり場所というのは非常に重要だと思う。
奥山委員:
私は今、国土交通省の委員会で、空き家活用の検討をしているので、空き家だったこの場所をカフェにしたことを聞き、街々にこういった場所が欲しいと思った。今は核家族化、少子化の関係で空き家がとても多く、古民家、都市のマンション、UR等団地の1階をどう活用するかが課題になっている。
このカフェにある飯田さんの蔵書が今までどこに置いていたのかと思うくらい多いが、大学の先生方は皆さんこれくらい持っているのではないかと思う。その先生方がそれぞれ街の中で公開してくれたら、専門ブックカフェがいくつもできるのではないかと思った。個人の所有物を公に開くという感覚だと思う。
書店等では、一般の人が今欲しいというような話題の本を扱っているが、専門分野で何十年も蓄積してきた個人の蔵書を街々に見られるこのカフェのような場所があれば素敵だと思う。そこでは色々な出会いがあるだろうし、専門家だけでなく高齢者個人の興味ごとに集まれたら、非常に面白い。これからの日本の高齢化に向けて求められている機能だと思う。
知的好奇心を満たすということを一か所で大々的にやるのではなく、テーマに関心のある人が集まる空間として実施することが魅力的だと感じた。ぜひこういった場所を増やしていくといいのではないかと思った。
佐藤さんは既存の読書会からバリエーションを増やし、それぞれ参加者の関心にターゲットを絞り込み読書会を実施していると思うが、実践する中でもっと図書館、学校などがそれぞれの垣根を越えてやった方が良いと見えてきたことはあるか。例えば若い人たちに対しての働きかけで感じた点はあるか。
佐藤氏:
朝の読書会は20代の方の参加が多く、不思議に思っている。朝の読書会は横浜のベイクォーターで行っていて、特別20代限定としているわけではない。このカフェで行っている横浜読書会は小学生から退職後の高齢者まで年齢層は幅広い。
奥山委員:
若い方が参加するというのは狙いとしては、とても大きいと思う。小学校では読書が盛り上がっているが、中学生~大学生はどうしても全体の熱が冷めている印象を持っている。若い方が参加されるのはどうしてなのか、本当に不思議だ。
永池委員:
事例発表の中で若い男性が読書会に参加してファシリテーターをつとめたと聞いたが、個人的には男性で本を読む人は、少数派だと感じている。小学校でも男の子に本を読んでもらうのは課題になっている。どのようなきっかけでその男性は読書会に参加するようになったのか、どのような働きかけをしたのか聞きたい。
佐藤氏:
その方は、一般募集で応募してきた。話を聞いたところ、母親がよく本を読んでいたことがきっかけで自然に自分も読むようになったとのことだった。家庭で本が読まれていることが影響しているようだ。周囲に本を読む知人がいないため、この会に参加したとのことだった。
奥山委員:
はいはいができる赤ちゃんとお母さん専用のマンガカフェのような施設がある。そこは、はいはいの段階の子専用で、歩き始めたらそこは利用できない。お母さんが家に閉じこもらないで、とにかく子供と一緒にそこの場所に来て、ひたすら漫画を読んでストレス解消をする場になっている。練馬区でNPOがそういった場所を運営している。とにかくお母さんに出てきてもらって、孤立しないということが重要。
ターゲットをしぼって行うことも面白い、朝の読書会に若い人が来るというのも大切だ。
飯田氏:
先ほども出たが、空き家を活用するのはとても大事な話だと思う。JIA(日本建築家協会)という建築家の団体で自分は神奈川の代表を務めているが、その団体内で郊外居住について研究会を作っている。その会で扱う問題はほとんど空き家についてで、特に戸建居住地の空き家をどうするかが大きな課題になっている。このカフェの様な場所がうまく作れればすごく良いのだが。
奥山委員:
先ほどの飯田さんの話の中でアート系の事業には予算がおりるとあったが、横浜市の制度で他にもまち普請事業など、補助費用が出る制度がある。空き家を使う仕組みが色々なところで活性化して、うまくこのカフェのような場所や、居場所づくりに結びついていくと良い。そこに建築の皆さんが入るともっと良くなるのでは。
笹井議長:
今の事に関連してだが、図書館の問題にしても空き家の問題にしても、ある種の居場所として機能させているところがポイントである。その居場所になるための条件がハードウェア、ソフトウェアそれぞれにあると思う。このカフェで言えば、ハードウェア的には、通りに面しているところを全面ガラス張りにして、公共空間とこのスペースに連続性を持たせること、天井を高くすること、一番重要なのはソフトウェアの条件で、飲食をさせること、そうすることにより社会がつながるのだと思う。
物理的なスペースを場として機能させるための条件というのは、まとめていうとどういうことだと考えているのか飯田さんに聞きたい。
飯田氏:
こうでなければいけないという話ではないと思うが、私は内側がよく見えることが大切と考えている。何かイベントをカフェでしている時にも、通りに面する窓のブラインドを上げるか下げるかというのが重要。例えば、コンサートをやった時に外からその様子が見えるようにしていると、皆さんが結構見ていることがある。隣の運動具店の方から「昨日は何かやっていたね」と言われることもある。何か活動が街につながっていくというのは、ただあるソフトのものだけでなくハードの問題が非常に大きい。かといってハードだけでの問題でもない。何がやりたいかということがうまく形になっていくときの条件はあると思う。
私たちも普段このカフェにもっと人が入ったらいいなと思うが、どのような宣伝をしていったらいいのかがあまりよく分からない。少なくともホームページでの紹介、看板を出すくらいはしている。それでも好きな人はどこかで見つけて来てくれているということはある。
また、居場所についてだが、建築の世界の認識でもそうだが、家族の形がずいぶん変わってしまっている。自分の居場所が家の中だけに限定されず、街の色々なところに点在しているのが現在の状態かと思う。そういう街の中の自分の居場所がたくさんあることにより豊かな社会になるかと思う。このカフェのような場所だけではなく漫画喫茶や色々なものがあって、それらがネットワークされていく状況にあるのかと思う。
本に関わる場所で言うと、図書館も変わってきているし、書店も本を売るだけでなく、出版をしたり、色々なイベントをしたりするようになってきている。やはり本をきっかけにして、色々なことがつながっていくということも考えられる。
場所の在り方というのは大事だと思う。ここもカフェだけやるわけではなく、こういう場所を作ろうとして運営している。本だけの場所でもない。ただきっかけとして本は非常に強かった。
高井委員:
佐藤さんの読書会のホームページを見ると、気軽に様子を見に来てください、参加して下さいと書いてあった。先ほどの事例発表で、読書会が活字中毒の仲間と出会えると紹介されていた、もちろんそれは良いことだと思うが、私は読書会というと身構えてしまって、行くと発言を求められるかもしれないから、覗くのも嫌だなと思って尻込みしてしまう。そういう人も参加してもらうためにどう対応を工夫しているのか聞きたい。
また、飯田さんの話を聞いて思ったのは、総合芸術家でもある建築家はとても頼りがいがあるなということ。私の知り合いの画家で、一級建築士がいる。ずっと建築でやってきたが、画家に転向した。ボランティア精神が旺盛で心身障害者の支援、震災時の支援も行っている。また、伊豆にある、長年使われていなかった旅館を購入し、誰でも集い交流出来る“伊豆の国アートビレッジ”という場所に変えたりすることも行っている。そこは色々な創造的な創作活動の場所で、宿泊費を取らずに泊まったり、遊んだり、キャンプファイヤーもしたりできるような施設になっている。応援する人も彼の周りに大勢いて、うまく運営され始め、地元の市役所とも連携し、イベントも行って近隣の人も集まってきている。今日の飯田さんの話を聞いて、そんなことを思い出した。
さっき奥山委員の話にもあったが、空き家を活用できると良いと思う。やはり大学の先生は退職した後、本の取り扱いに困る方が多いようだ。膨大な書籍をどこかに部屋を借りて収納したままにするか、或いは売却するかしか方法がない。ただ売っても大した金額にならないし、愛着があったものをそうやって処分するのも寂しいだろう。その有効活用について、飯田さんのこの部屋の活用方法はヒントを与えてくれる。
佐藤氏:
先ずは読書会に少しでも興味を持たれた方が気軽に問い合わせてもらえるようにホームページなど環境を整えている。実際、問い合わせも様々な方からたくさん来ている。また、参加に勇気が必要な方には見学だけでも可にしているので、そこが開かれた窓になっている。さらに参加者には参加した後に、直接感想を聞いてアンケートではなく生の声を参考に読書会に反映するよう努力している。会の様子はホームページで公開し、常に最新の実施内容を情報提供している。もちろん個人情報は考慮した上で、伝えるようにしている。
笹井議長:
横浜読書会ではどのようなテーマのコンテンツ、本をクローズアップしているのか。
佐藤氏:
色々あるが、「映画化された本」をテーマにした場合は、小説でもドキュメンタリーでも良い。そういった形でテーマを設定すると映画好きの人、映像関係の方が参加したりする。
笹井議長:
全体としては小説が多いのか。
佐藤氏:
ノンフィクション、歴史本、ビジネス書など様々になっている。例えば「猫」という課題を設けた場合、小説に出てくる猫でも、ビジネス本の中に出てくる猫でも、その本に1文でも猫がでてくればそれはテーマに合った本ということで広く枠を設けている。
笹井議長:
女子の横浜読書会ではどのような本が取り上げられるのか。
佐藤氏:
第1回目は恋愛に関する本ということで、女性だけで恋愛の話を深く語ろうというコンセプトだった。募集をかけたところすぐに満員御礼になった。持ち寄られた本は、哲学書、ビジネス書、小説などで、1つの恋愛という課題を設けても色々な本が出てきた。
竹本副議長:
持ち寄り方式だと参加に対するハードルが低くなると思う。決められた本についての読書会は、他人と自分の意見を比較されることもあるので、慣れない人は気後れしてしまって中々行きにくいだろうなと思う。
たとえばテーマが「猫」なら小説でも、写真集でも良いとなると、気持ちを楽にして選ぶことを楽しめる。また、見学可能なのも様子を見てから次は自分も、となる人もいると思うので、良いやり方だと思う。
佐藤氏:
実は、見学といっても参加者の受け止めかたは様々で、プレゼンの準備を用意周到にしてくる人もいれば、こういう場に参加するのが初めてで聞くだけの希望者もいるので、それぞれの方の状況を汲み取って会を進めている。
読書会の鉄則として皆様にお願いしているのは「本をけなさない」ということ。違った意見があってもそれは新たな素晴らしい発見、というということで受け入れてほしいと参加者へ伝えている。
秋山委員:
カフェの書棚を見て、かなり建築関連の貴重な本が多く並んでおりさすがだと感じた。
二人とも東日本大震災がこの活動のポイントになっていると聞いた。今、私たちのコミュニティづくりの根本にあるのも震災の記憶や関連する出来事だと思う。その流れで、紀伊國屋書店も今年11月には神奈川新聞社125周年記念ということで、横浜市中央図書館で、佐々涼子さんの講演会を行う。佐々さんは横浜市在住の方で、宮城県石巻市の日本製紙石巻工場の東日本大震災被災から復興までを取材したノンフィクションを書いている。ぜひ、その講演会に参加してもらいたいし、シンポジウムなどがあれば、その場で話もしてもらいたいと思う。
話は戻るが、読書会の中で、今後重いテーマについても触れていってほしい、そういうきっかけ作りがあればと思った。
佐藤氏:
11月14日に考える読書会ということで、ホロコーストの体験を基に書かれた「夜と霧」をテーマにしたものを行う。横浜読書会は色々な人が参加するので、深く読み進める読書会として、これは別に枠を設けた方が良いと考え設定した。福祉士の方も2人読書会に呼ぶ予定。
「夜と霧」に関しては最近映画化も予定されており旧訳、新訳が2つ書店に並んでいるということもあり、購入しやすさもある名著なので選んだ。
様々な本の見方があると思うので、ニーズに合わせて読書会を設定していきたい。
秋山委員:
東日本大震災についての読書会は行うのか。
佐藤氏:
やろうとは思っているが、今はまだ予定していない。
秋山委員:
個人的には東北と直接的なつながりはなかったが、震災後、時間が経つに連れて、佐々さんのような色々な本が出版されてきて、事の重大さが当時より今の方が強くなってきている印象を持っている。そういう人たちは自分だけではないと思うので、風化していくのではなく理解度を深めていくのが、コミュニティづくりのきっかけにもなるのではないかと思う。
飯田氏:
昨年一箱ブックフェアをするために石巻市に出張で行った。やはり本は人が集まるきっかけにはなると感じた。
書店だけではなく、本に関わる場所という面で見ていくと日本全体が東日本大震災の前と後でやはり大きく変わっていると思う。私もたまたま東日本大震災をきっかけにこの活動を始めたが、やはり何らかの危機感がみんなあるのではないか。
高井委員:
横浜市中央図書館にいた時に新潟県中越地震が起き、とっさに図書館から被災者へ子ども向けの本を送ろうとした。子どもたちの心を鎮めるために良いと思ってしようとしたが、様々な事情により送ることが出来なかった。被災者には生活物資が第一なのは当然だが、心のケア、心の豊かさを保つことも大事だということをその時もっと強く主張すべきだったと後悔している。
東日本大震災の時は、今所属している大倉精神文化研究所の附属図書館で利用者からも本を集め港北図書館を通じ被災地に送った。
依田委員:
被災地のニーズもどんどん変わってくる。私も支援を行い、被災地へも何回か行った。昨年も秋に被災地に行き、そこに住む方が自分たちでどのように自立的に活動していけるか、また、そのサポートをするには、その人たちと話していかなければニーズ、答えは出てこないと感じた。
話してニーズを発見したら、やってみて、試行錯誤することが大切だと思う。話し合いもあまり時間をかけすぎてもしようがないので、ここで決めるというポイントの見極めをしなければいけないのが難しい。そういったところが大震災の時には大変なのだと思った。
竹本委員:
震災をきっかけに支援をどうしたら良いかということももちろんあるけれど、まず自分のところのコミュニティができていないといけないのだということに、多くの人が気づくようになった。コミュニティづくりには、今がちょうど良い時期だと思う。
震災直後は支援に意識がいくが、少し落ち着いてきたときに自分たちの場所がどうかと考えると、やはりもっと対応が必要だと感じている人が多いと思う。
奥山委員:
今、住宅も自分たちだけで住むのではなく、住み開きではないが、開いて繋がっていくことがとても大切だと思う。世帯数も減ってくる中で、部屋が余るのを考えると、それを街に開いていけば地域の人が来てつながることができる。
住宅の作り方も生垣で囲われたものから、オープンガーデンという形で、お庭拝見という時代になってきているのではないか。港北区でもオープンガーデンが盛んになってきている。一般の住宅に限らず公共施設、学校なども参加することが出来る。普段気になっていても入れない所に入ることが出来る。
それを本に置き換えて考えると、まちライブラリーの様なところが街の各所にあって、回ることができれば、今の課題である“つながり”という部分に大きく関係するのではないかと思う。
竹本副議長:
横浜のライブラリーマップがあってそれを手に皆が回るようなイメージ。
奥山委員:
その通り。それが出来れば良いと思う。そんなに無理をしなくても情報を集めるだけでできる。
依田委員:
いつも言っているが、横浜市の図書館に自由度を上げてほしいと思う。もちろん20年前と比べると自由度は上がってきているので、これから市民と公共がどれだけ協力していけるかが街を活性化するために必要だと思う。
飯田氏:
さっき蔦屋書店の話をしたが、代官山の蔦屋書店に行くと人がとても多くいる。九州の武雄市の図書館も蔦屋書店が併設されている。一般の図書館で本を売っても良いのではないかと思うくらい。公共図書館だからこうでなければいけないということをどんどん変えてほしいと思う。
依田委員:
ニューヨークの公共図書館にはライブラリーショップというものがある。それをライブラリーフレンドが運営している。それを見て自分も文庫仲間と一緒に横浜でその活動をしようと思った。中々売る方までは達成できていないが。
飯田氏:
絶対に本を売った方が良いと思う。民業を圧迫するとかではなく、企業と協力をしてやったら良いのではないか。横浜市中央図書館に紀伊國屋書店が入っても全然かまわないと思う。とにかくそういうことをやってみたらいいと思う。
紀伊國屋書店は昔よく新宿の店舗に行ったが、ホールなど色々文化的な素晴らしい施設が併設されていたり、持っていたりする。そういう意味では音楽、演劇、図書は同じ敷居の上にあると思う。こういうカフェでも演劇をやりたいという人がいるくらいなのだから、図書館で芝居をやったら良いと思う。
永池委員:
ここの街の人が、コンビニではなくこのカフェを応援する考え方を持っていたということが、色々なアイデアと工夫を生んでいくのではないかと思う。
逆にそうではないところもある。高齢者の方と子どもが交流できるような文教地区にしたいと考えていても地価が高くできない場合もある。地域の人の考え方ひとつでずいぶん違うのかなと思う。
飯田氏:
こういう仕事をしていると横浜らしさをデザインにしてほしいと依頼を受けることもある。しかし“横浜らしさ”が何かというのがとても難しい。例えば図書館が全く違う試みを始めるなどもまさしく横浜らしいと思うし、ぜひ色々な試みをやったら良いと思う。
佐原委員:
この春から東北芸術工科大学の芸術学部に着任した。この会で聞いた話全てが教えている学生たちの環境と実態に関わっていると感じた。
大学に行って驚いたことは、学生が非常によく図書館に行っていること。研究室に来る学生もいるし、その他、準備室など学生がたむろできる場所は色々あるが、それとは別に図書館という場所が彼らにとって大切な場所になっているように感じる。
また、担当しているゼミで自分の好きな映画を語り合う時間を設け、レポートを作成しプレゼンしあった。すごく良かったのは、学生が映画の主人公に自分を投影していたこと。置き換えれば本の紹介と同じではないかなと思う。自分でも読書会は地元の杉並や、夫の実家の方などで持ち寄り方式にて何回も開催している。
もう一つ、震災の話で言うと、当校の4年生が震災の年に入学した学生になる。1か月ほど前から就職活動のピークを迎えていて、面談やエントリーシートなどを書く上で否応なしにどうしても自分と向き合わなければならなくなる。学生をカウンセリングしていくと、家族で、親せきで、友人でなど色々な形はあるが、最終的には震災と関わっている。そこを避けて通れないことを私自身着任して感じている。
震災についてだけ話すことに限らず、今の学生たちは本音で語ることを避ける、それが苦手な人が多いように感じている。個人個人の本音を語り合っていくと、やはりどこかで自分と向き合うことが発生するので、それを怖がっているのではないかと思っている。それは、今回就活に際してのカウンセリングで感じたことだった。
今日の話を聞いて点と点がつながった。図書館に学生が多く行っている事、他方では映画を語り合う回も盛り上がったこと、これは置き換えれば本の紹介でも同じことができる。お互いの本音は直接言えなくても、本を通して語り合える場づくりとして有意義だと飯田さん、佐藤さんの話を聞いて感じた。
先ほど朝の読書会に若い参加者が多いと聞いて、やはり若い人にはもってこいの場なのかもしれないと思った。
また、教えている学生は芸術系だが実は論理的思考能力に飢えている。表現は知っている風だけれど、これで本当に良いのか非常に迷いながら、葛藤しながら表現していることが最近分かってきた。授業でも非常に反応が良いのは、論理的思考プロセスに対して、解説をするもの。デザインをする手前の、ターゲットに合わせたデザインを設計する際にはどういうロジックが必要で、どういう設計プロセスを経るのかについて学生はとても食いついてくる。今日聞いた話を自分もぜひ参考にしていきたい。
笹井議長:
素晴らしい空間で示唆に富む話を聞けた。読書を通して街をつくっていこうという試みは、具体的に進めていくのはあまり経験がない。そういう意味で我々も試行錯誤して、色々個性的な活動をしている方の話を聞きながら、横浜のプランニング、方向を作っていきたいと思う。
その他
(1)次回会議について
10月中旬から12月を予定。

資料
  • 第31期横浜市社会教育委員会議名簿 <資料1>
  • ヒアリング団体概要「アーキシップライブラリー&カフェ」 <資料2>
  • ヒアリング団体概要「横浜読書会・KURIBOOKS」 <資料3>

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