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第31期社会教育委員会議第3回会議録

最終更新日 2019年3月5日

第31期横浜市社会教育委員 第3回会議 会議録
第31期横浜市社会教育委員 第3回会議 会議録
議題

1 開会
2 議事録の確認について
3 議事
(1) 読書活動の新たな取組について
・一般社団法人まちライブラリー 代表理事 礒井純充 氏
(2) 意見交換
4 その他

日時平成27年5月29日(金曜日) 午前10時から正午
開催場所関内駅前第一ビル 302号会議室
出席者秋山委員、奥山委員、笹井委員(議長)、高井委員、竹本委員(副議長)、中村委員、永池委員、依田委員
欠席者佐原委員、溝上委員
開催形態公開(傍聴人4人)
決定事項議事録確認者に竹本副議長、中村委員を指名。
議事

議題
(1)読書活動の新たな取組について
・資料2に基づき、まちライブラリー代表理事礒井純充氏からの報告。
(2)意見交換
笹井議長:
非常に先駆的かつ普遍性を持つような活動だと思って聞いていた。聞きたいことがたくさんあると思うので、ぜひどなたからでも質問してください。
竹本副議長:
自分は図書館・書店に行く人が限られていると感じている。そこには明確な目的を持った人だけしか行かないため、本と出会う機会が限られている。別の目的で行くところで本と出会えればいいと思う。
事例発表の中にあったイベントのパンフレットを見たが、どれも面白そうで、行ってみたい。身近にこれだけ多くのイベントがあれば本当に面白いと思う。企画内容も良い本やベストセラーだけではなく、本との面白い出会いが企画されているところにとても関心を持った。
あと感想カードだが、これは読んだ人全員が書くのか。それとも強制ではなく思いを持った人が書くのか。
礒井氏:
全員は書かない。ただ、自分が置いた本に感想カードへの記入がされているととても喜びを感じる。そのため、まちライブラリーに本を置いた人は1か月くらいすると自分の本の感想カードの状況を見に来るようになっている。
自分の勧めた本に感想が付いて返ってくるというのは普段はあり得ないこと。
中にはもっとあり得ないことが起きている。まちライブラリーを利用している人が、別の会合で会った人たちと話しているうちに、たまたま本の話になり、「最近こんな本を○○の図書館(まちライブラリー)で見つけて面白かった」と言ったところ、目の前に座っていた人が「それは自分が寄贈した本だ」ということがあった。数学的にはあり得ない確率の話だが、実際こういうことがあった。本を寄贈した人にとっては自己表現が受け入れられたということで、とても幸せなこと。必ず起こることではないが、こうしたことが起きると循環していく。
竹本副議長:
都内や横浜でもまちライブラリーがいくつか出来てきているが、このような勢いがあるとうれしいと思う。
永池委員:
深い感動を受けた。六本木ヒルズの取組も誇るべきものだが、まちライブラリーが日本中に広がっていったら、どんなに素晴らしい国になるかと思った。
質問が2つある。1つは、師匠の友廣さんが、礒井さんに深く影響を与えたものとは具体的に何か。
もう1つは、巣箱を使用したまちライブラリーについて聞きたい。この取組はお父さんや、色々な方々に関わってもらいながら、子供も作れるライブラリーであり、ボトムアップ型で、身近にできるものだと思った。
また事例発表を聞き、ただ本の紹介をするのではなく、そこに人がいる、その人の“ストーリー”があるから、出会いとしてつながっていくのではないかと自分では推測をしているが、この巣箱を使用したまちライブラリーから考えて、人と人がつながっていくポイントは何か教えてほしい。
礒井氏:
まず友廣さんについてだが、不思議な人。おそらく“聞く能力(ちから)”が強いのだと思う。企業などではプレゼンテーションやネゴシエーションの能力が無いと、なかなかリーダーにはなれないと言われている。彼は決して人を引っ張っていくタイプではないが、聞く力という、人を受け止める力、人に寄り添う力が強いのだと思う。逆に言うと、自分はこの寄り添う力にコロッといかされたのだと思う。彼は人の話をどの様な内容でも必ず一生懸命聞いてくれる。
私のことを友廣さんは、最初「会社でそれなりに成果を出した人が、会社にも行かずにどうしていきなり自分と一緒に行動しているのだろう」と不思議に思い、しばらく観察していようと思っていたと、後で本人から聞いた。
人に寄り添う力を彼は色々なところで発揮していて、若者、シニアの人たちなど色々な人をつなぐ力が強いのかなと思う。
彼は今、宮城県石巻市の牡鹿半島で鹿の角や漁網を素材にしたアクセサリーを漁師の奥さんたちと一緒に作り、それを都心で販売して、収益を石巻へ戻す活動を数年続けている。
2番目の質問については、まさにマイストーリーが大切と考えている。たいていの人にはマイストーリーがあるが、それを言うチャンスが無いのではないか。
一般的な読書会のイメージでは“いかにその本を読みこんで来たか”という目線になるが、まちライブラリーの本紹介で一番大事なのは、“本は読んでいなくても良いが、どうしてこの本を選んで持ってきたのか”ということを大切にするところ。例えば、「たまたまこの『食』の本を持って来たのは、アトピーの息子がいて、食について調べるため」など普段、初対面の人に話ができないような個人的なことを話すことができる。
本があることによって、さっと自分の心の中を言えるようになる。心の中をすっと言い合える関係を作っておくことが、これから生きていく中で大切なのではないか。子ども同士でも言えない関係性が今どんどんできているのではないかと思う。言い合える関係性をどうやって作っていくのかというのが相当鍵になってきていると思う。
本紹介の面白いところは、今まで100人くらいでやったこともあるが、1冊として同じ本が紹介されなかった。またどうしたことかベストセラーなどの本がこういう場では中々出てこない。ウソじゃないかなと思うくらい出てこない。おそらく多くの人が、自分が紹介したい本はそういう中にないのだと思う。人の心の中は100人いたら100通り違って、多様性が元々ある。本は誰の目にもどこか留まるインデックスを持っていて、ひょっとしたらこれは缶詰でも良かったのかもしれないが、缶詰だと頑張っても種類が何十種類で止まってしまう。本はすごいデバイスで何千何万どころか何十万、何百万になったって、重ならないという多様性を持っている。それが発信する方もそうだが、レセプターの方もそれだけある。まちライブラリーの場で参加者の持ってくる本があまりに違うことで、本がそのようなすごい力を持っているということに、ある意味で感心させられている。こんな本が世の中にあったのかという本を持ってきてくれる。そういったことを子供のうちからやっていくことが大切だと思う。ついつい我々はモノポリーにこういう考え方が良い、これにはこういう発想が良いとなってしまうが、押しつけの概念を逆転させるということがないと息苦しくなってしまう。
依田委員:
よこはまライブラリーフレンドを1995年に発足し、2008年から横浜市立図書館と協働事業をしていて、今後どのように動いていくかを検討している。この事例発表を図書館の職員と一緒に聞いているということで、今後協働していくうえでのヒントがたくさんあった。
活動の自由度をもっと上げて何かをしたいと思っていて、それが今年度の目標でもあり、そのヒントにもなった。
さっき100人集まっても本が重ならないという話があったが、私も児童サービス論を昨年まで大学で教えていた。120人くらいの学生に自分が選んだ本を紹介しあう講義を行ったことがある。そこでもやはりほとんど重ならなかった。学生同士で相談しあったのかと思うくらいだった。紹介される本は多様性に富んでいて、自分が絶対知らないような本を見ることもあった。それがとても面白く、それぞれの本に親との関係などいろいろなストーリーがあった。
今日の事例発表を図書館の方と聞けたことで、また次の一歩が進めると思うのでとても良かった。
奥山委員:
子育て支援のNPO法人を運営している。15年位前に商店街の空き店舗で親子の居場所を作った。お金はないが、乳幼児期に良い絵本を提供したいということで、図書館の団体貸し出しを利用して提供をしてきた。絵本は買うとなると中々高価であるし、図書館を利用しようとしても近くにないエリアもあるので、身近な商店街で子ども連れでも気軽に利用できるよう取組をしてきた。
事例発表の中で「利用者主体で、利用者の人たちが元気が出ることが大事」という話があった。その話と同じような事例でいうと(自分が実施している事業の中では)利用者がボランティアで本のリサイクルを行っている。「くるくる絵本」と言って、本をリサイクルするときに本にエピソードタグを付けるという取組をしている。エピソードタグには元の持ち主が「その本の好きなところ」、「誰々からもらった本」などのエピソードを記入する。そのエピソードタグがあることで、ただ本が回っていくだけでなくて、物語が続くようになる。この取組は活動団体のお母さんが発案した。同じような取組を服のリサイクルでもしている。
みんなで参画できる面白さ、費用がかからないところがとても良いと思っている。
事例発表にあったような巣箱型の本棚はこれからの活動にも活かしていきたい。本を読むことが特定の人、経済的に恵まれた人だけではなく、子供たちが誰でも本、漫画などを手に取って読めるように、街のいたるところに巣箱型の本棚があったらとても面白いと思った。
1つ聞きたいのは、関西の方がまちライブラリーが多いとのことだが、やりやすい、仕掛けやすいポイントはあるのか。
礒井氏:
これは自分の研究課題でもある。大阪府立大学のような事例があったのも大きい。ポイントとして1つは組織依存度の低さが考えられる。まちライブラリーの取組を紹介した際の反応は関西の中でも一律ではなく、大阪では特に違う。大阪は「面白い!今日からやりたいがどうやってやるのか?」という反応が返ってくる。他の場所でいうと東京は「良い活動ですね、頑張ってください!」という人が多い。典型的な反応はこの2つに分かれる。「個人が自分でやろうという意識が持てるかどうか」がポイントだと思う。
また、大阪人はもう一つ違う反応をする。それは「おもろいかどうか」。この反応に飛びつく。この基準が実は大事な軸線を持っている。
例えば、4歳の子どもが朝から晩まで砂場でトンネル堀りをしていたとして、その子に対して「それを1日することに費用対効果を考えたことはあるのか」とは言う人はいないはず。けれど、4歳の子にそう言わない私たちは、大人になり仕事をし始めた後には「大人の時間は常に有益でないといけない」という強迫観念に駆られていると思う。自分が没頭できる時間というのをどこかで忘れてしまっている。
そのことを関西、特に大阪の人はまだどこかに多少残しているのではないかと思う。勘で「これはおもろい」と思ったら実行する考え方の人が多い。これは関西と関東で差異が出た瞬間だと思う。だいたい東京の人は「頑張ってください」か「持ち帰って考えます」と言う人が多い。
奥山委員:
面白いから自分も入れて入れてと広がっていく雰囲気になるということ。
礒井氏:
その通り。この気持ちをもう一回取り戻すことが大事だと思う。子供時代に砂遊び、人形遊びをしたことのない人はいないはず。子ども時代に没頭した経験はみんなあるはずだが、私たちはどこかにそれを捨ててきてしまった。それを少しだけでも取り戻すことで人生の軸線が変わると思う。
ただ、地域特性はどうしてもあると思う。
高井委員:
礒井氏の素敵なキャラクターによって活動が広がっているということもあると思う。今までの話と似ているが2点質問がある。
まず「人を乗せる(その気にさせる)」ツボが大事だと思うが、そのためにはどうしたら良いのか。
次に大阪のフェスタ(まちライブラリー大阪ブックフェスタ+2015)は、色々な団体と一緒に開催をしたので調整は大変だったのではないか。どう苦労されたのか聞きたい。また、行政はそういったイベントにどのように関わっていったら良いのか伺いたい。
礒井氏:
自分に人を引き込む力があるかどうかはあまり分からないが、人から「いつも面白そうにしているね」とは言われる。あまり理論では説明していない。楽しそうなオーラは伝播して、楽しそうなことはみんな真似るのではないか。
この間良いことを関西のクリエイターから聞いた。「物事が広がっていくには“面白い”、楽しいオーラが出ていないとだめ。もう一つ広がるには“社会にとって少し役に立つ”(社会的に自分の存在価値が持てる)という要素が必要。この2つが揃うと急速に広まる場合が多い。」とその人は言っていた。たまたまそういうツボに自分もはまった。義務としてこの活動を行わず、面白がっている。
もう一つの質問だが、あまりフェスタの実施に関しては苦労していない。大阪府の中央図書館長、大阪市立図書館の担当に会う機会があり、断られるだろうと思いながらフェスタの話をした。そうしたところ知らない間にどんどん話が広まっていた。最初はパンフレットも3,000部ほどしか刷らないつもりでいた。正直あまりコミュニケーションしないでパーッと広まった印象がある。
高井委員:
病院なども参加しているが、声をかけたりしていないのか。
礒井氏:
病院などは説得しにいったところは1つもない。向こうからやりたいと言う人しか受け付けないことにしている。基本的にはこの活動は無料でやっているので、営業に労力を増やすことはしない。大概は人づてに聞いたというのが情報源。病院も同じで、病院に勤める人があるまちライブラリーに行って「これは自分の病院でもできるのではないか」と思ったことがきっかけで作った例もある。その時は病院の改修に合わせてライブラリーを作るようになった。自分もあまりお金をかけないでやれるようなアドバイスを院長にした。
高井委員:
お金をかけずにやるということに魅力を感じているように思えるが。
礒井氏:
費用をかけるのであれば、そういったやり方もあると思うが、基本的には自分の敷居が低いところでやるというのが大事。他の人にも言っているが、「誰かを説得してやらなければいけないので持ち帰る」というような時はやめた方が良い。大概そういった話があったものは続いていない。
自分のやれる範囲内でスタートしたい、例えば会社の自分の机の上だけで始めた人などは、逆に会社の中でもできたりしている。
人間は不思議なもので、ある目標達成値に届かないと自分の中でやる意味がないと思う。
自分のテリトリーから始めて、それが面白そうなものだった場合、周りに広がりやすく、規模も大きくなりやすい。自分の権限のテリトリーははっきりここまでとわかってやり始めるのが大切。
高井委員:
事例紹介の中で、自分の感想を書いた本に他の人が感想を書いてくれるのが感動したとあったが、発信することによって反応があり自分の感動が広がってゆくフェイスブックと同じ様に思う。
礒井氏:
そう思う。誰も反応してくれないと寂しい。
最初の質問の答えだが、正直言ってこのフェスタについてあまり苦労はしていない。強いて言うなら参加団体が多くなりすぎてパンフレットの一定のページ数にこの予算でまとめるのが大変だった。
高井委員:
大阪の人はのりやすいと言っていたが、自分も含め横浜の人は果たしてどうなのかなとも思うが。
礒井氏:
どこかで人間はやはり遊びたいという気持ちはあるはず。“あくまでも遊び”だというのを強調していく。多くの人にどこかそういう(遊びたいという)素質があるのではないかと思う。
笹井議長:
今の質問の関連で大阪人の文化性が背景にあること、礒井氏の持つリーダーシップや人柄が寄与しているということがよく分かった。本そのものが持つパワー、特に我々が気づいていないようなもので、どういうものがあると考えているか。
礒井氏:
本は人の心の窓みたいなものだと思う。だからこそ今までは、自分の推薦本を人前で発表するようなことに対し、デリケートな扱いをしてきたのだと思う。それをアンオフィシャルな場で行うことで、胸襟を開くための媒介物になると考えている。本に関心がある方の前で恐縮だが、自分は本を単なる道具だと思う。例えるなら大阪のおばちゃんのアメのようなものと自分は言っている。おばちゃんがバッグからアメをだして咳き込んでいる人にあげる時、そのアメはあげることが目的なのではなく、おそらくその人と会話をすることが目的になっているのだと思う。
本があることで「今自分はこんな本を読んでいる。それは○○だからです」と声に出して言う、自分の気持ちをちょっと外に出せる、それに対して「そうなんですか、面白いですね」とリアクション、同意してもらうということができる。そういう意味で本は心の窓になっていることには間違いないと思う。
本はある意味で想いをずっとペイフォワードしている道具。ある段階では商売という形で出版社や書店に、公共サービスという形で図書館にいる。もちろんどうやって本を誰かに届けるのかという問いについて、それぞれの立ち位置で何をすべきなのかを考えなければいけない。けれどもただカテゴリ内だけの話を延々とすると煮詰まってしまう。そこで、少しフレームアウトして考えるのが、本には良かったのではないかと思う。
本が電子媒体になっても「本が人の心の窓」だと言えるのかどうかはわからないし、逆にアナログだからこそ伝達性が高いのか、これに関してはこれから自分も考えていきたい。
とにかくこのまちライブラリーの4年間の実践を通して、本にはこういった一面があったのだと思った。
中村委員:
発想の転換をしなければいけないことや、楽しいことが人を動かすのかということを色々考えさせられた。人はやはり楽しいと動くだろうし、小さいことから始めていつのまにか大きくなっていくというやり方をしていると思うが、一方で大きいことをしている時は、市民団体、グループに声をかけると言っていたが、どういうところに声をかけるのか。また楽しいというきっかけを作って参加した人たちをその後どうやって組織化していくのか。そこに関する苦労、ノウハウを教えてほしい。
礒井氏:
まず第1に、基本的には団体には声をかけない。市民団体、グループに声をかける時は一つ一つ、一本釣りをする。組織的判断をするところには絶対にお願いしない。その代わり会社、団体の人でも、個人が個人判断でできる範囲でやってもらうような形でしかやらない。そうすると苦労はという話がさっきも出たが、苦労が苦労でなくなっていく。個人にお願いをして受け入れてもらえなかった場合は、それはそれで問題ない。仮にその交渉が30分かかったとしたら、自分の時間はたった30分で済んだだけと思えば苦労でもなんでもない。逆に賛成してもらえたらとてもうれしいし、後のことはその人がやってくれるからとても良い。
企業が地域連携をしようとして市民グループや商工会議所などいろいろな団体に声をかけるが、それは地域連携ではなく、単なる団体との連携。それらの団体に属している地域の人は少数。大阪でも東京でも横浜でも、個人個人は粒子としてたくさん地域にいる。粒子の人たちは個々に誰にも声をかけられない状況でいたからずっと無反応だった。だからこそ、その層へ個別に声掛けを、「これが面白いよ」と口コミをして次々続けていくことはできる。
その反対に今までの事例で団体と組んで成功した例はない。まちライブラリーをやりたいという団体があったとしても、まず団体中の個人個人に呼びかけて始めてほしい。団体としてのやるやらないの判断は結構ですと伝えている。
後は、まちライブラリーをほとんど組織化しないこと。できる限り一本釣りをして、ボランティアに近い状態でもやれる人だけ一緒に活動を行う。組織化すると管理コストだけがあがっていき、今の様な費用ではできなくなる。今年やってくれた人が来年もやってくれるかはわからないが、やってもらえない場合も、違う人にやるチャンスが来たと考えていった方が良いと思っている。この2つが目に見えない鍵になっている。
秋山委員:
さっき話に出たフェスタの中に“永遠にゼロ”というイベントがあったが、とても面白いプロジェクトだと思う。書店でも以前“ほんのまくら”という取組を行った。文庫本の通常のカバーの作品名、著者名を見えなくして、書き出し(まくら)の文だけを書いたカバーを付けて販売する試みで、とても反響があった。知らない本との出会いの場をどうプロデュースするかが、どれだけ作れるかが大切だと感じた。
今は書店に来てもらうことに集中しているが、まちライブラリーのように人がいるところに本を持っていくのがキーになっていくのかと思った。図書館も来館者数でなく何か違う物差しで動いていけないのかと思う。
本はコミュニケーションの道具と言われてしまうと辛いものがあるが、そうでありながらも本も作者の想いが入っているものでもあるので、読者にそれが伝わっていくような本屋作りができればと思う。今日の発表はそのヒントも得られた。
あとは関西人と関東人の話だが、自分は、関西人の人も東京に来ると反応が変わると思うが、どう思うか。
礒井氏:
確かに東京の方に合わせるようになると思う。関西人だけでなく、東京は色々な地域から人が来ているが、東京や横浜の様な規模が大きいエリアに住むとそうなりがちだと思う。
そういった地域では、文化として組織的なやり方が街全体に良い意味でも悪い意味でも覆いかぶさっていると思う。反対に大阪などでは組織的なやり方があまり浸透しないために、合わせるのではなく個々の動きが活発になる。
短期マネジメントでは、右向け右に従う組織的なものの方が管理しやすい。しかし長期的にみると個々が動いている方が中身が強い。ちょうど花壇と自然植栽のようなもので、花壇に咲かせる花よりも、咲きたい所に咲く花の方が強い。
それから私は組織が必要ないと言っているわけではない。公私混同をしましょうと言っている。もちろん組織人の枠の中でやるべきことはやらなければいけないが、その枠が全てにならないようにする。組織としての自分、個人としての自分、その両輪がないと安定的に走っていけない。
本を人に届けるという部分では、発想を変えていくことが大切だと思う。例えば会社の職場に置き薬ならぬ置き本をしてみたら良いのではないか。
笹井議長:
私が今日一番印象に残ったのは仕事と遊びの関係性。子どもの遊びは勉強で、成長にプラスになる認識がされているが、大人の遊びは遊びのままで、仕事より下の物に固定化されて考えられているのではないか。結局本は仕事と遊びをつなげるツールになるのではないかと思いながら話を聞いていた。
小説なども含めて、言語芸術は非日常的な感動が本質にあると思う。小説を読んで感動をすることがあるが、それは日常とイコールではない。本当はその非日常的な感動を日常につなげることが望ましい。そうすることで自分が解放されるという効果がある。自分が解放されることによって社会や他人とつながることができるのではないかと思って話を聞いていた。
中々非日常的な感動は日常化されない。今の時代で例えるなら、アナと雪の女王という映画が日常化の例になる。その時流行ったのが、上映中に作中の歌をそれが流れるシーンでみんな一緒に歌うというものだった。これは歌が日常と非日常をつなぐ鍵になっているのだと思う。
本も同じようなもので、本は心の窓という話があったが、自分の体験が外の世界に本で繋がれることで自分が解放され、人と繋がれるのではないかなと思う。新しい本の魅力の発見だと思った。
竹本副議長:
事例発表を聞きながら、自分もそうだが、他の委員もまず自分の分野で何ができるか、これをしていこうと考えていると思う。ただ、この会議の場からも事例発表を聞けて良かったということだけでなく、発信をしていければ良いなと思った。
高井委員:
この会議では、このような活動に横浜市としてどう盛り立てられるのかを考えていかなければならない。そこを議論してゆきたい。
奥山委員:
今の話を聞いていて思ったのは、オープンガーデンがいくつかの区で今行われているが、年々個人の庭を含め実施会場数が多くなっていて、市民が駅で開催のチラシを配る様にもなっている。これも最初は個人から自分のやれる範囲で始まっている。公共も後から参入してやれてきている。上から増やします、ではなく、個人でも手が上げやすいような仕組みでやれればすごく面白いのではないか。
礒井氏:
オープンガーデンはイギリスのNGS(ナショナル・ガーデン・スキーム)を参考にしているのではないだろうか。元々はイギリスの荒廃した土地を3世紀くらいかかって個人で変えてきたもの。
まちライブラリーに関しても、最初は図書館などで講座を開き、それに参加した人たちが小さな活動をしていく。そしてそういう人たちが横浜中に何十と出てきたタイミングで後から支えるような一歩引いた行政の立ち位置をしながら温かく見守ると良いのではないか。そうするとどこかで種火になって大きくなり、その時は書店を始め色々な機関に協力を得て活動をしていけばいいのではないか。そうすると自分たちのやってきたことが横浜のためになったのだなあと見えてくる。最初は小さい図書館の会議室やこういう会議室から始まることかもしれない。自分のまちライブラリーの活動もまだ4年しかやっていないし、フランクに1つずつ入ってこられるような空気感を最初に持ってやっていけば、2~3年するとそこそこのものになるのではと今感じている。
依田委員:
ライブラリーフレンドと図書館の協働はどんどん進化してきている。今日の様に他の活動の話を聞くと刺激になりとても良かった。
笹井議長:
今日の話は色々な意味でとても示唆に富んでいた。ぜひまたこれまでの礒井氏の経験、知恵を横浜で何らかの形で活かしていきたいので引き続き教えていただきたい。
■その他
(1)人事異動について
4月に人事異動があったため新任の職員より挨拶を行った。
(2)次回会議について
7月から8月を予定。

資料
  • 第31期横浜市社会教育委員会議名簿 <資料1>
  • ヒアリング団体概要「まちライブラリー」 <資料2>

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