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第31期社会教育委員会議第1回会議録

最終更新日 2019年3月5日

第31期横浜市社会教育委員 第1回会議 会議録
第31期横浜市社会教育委員 第1回会議 会議録
議題

1 開会
2 教育長あいさつ
3 委員自己紹介
4 社会教育委員関係法令について
5 正副議長の選出
6 議事
(1) 議事録確認方法について
(2) 神奈川県社会教育委員連絡協議会の会議等への参加について
(3) 協議テーマについて
(4) その他
7 その他

日時平成26年10月31日(金曜日) 午後3時から午後5時
開催場所関内駅前第一ビル 302号会議室
出席者秋山委員、奥山委員、笹井委員、佐原委員、高井委員、竹本委員、中村委員、永池委員、依田委員
欠席者溝上委員
開催形態公開(傍聴人なし)
決定事項

1 議長に笹井委員、副議長に竹本委員を選出。
2 議事録確認者を秋山委員、奥山委員に指名。
3 神奈川県社会教育委員連絡協議会理事に笹井委員、竹本委員を選出。
4 第31期協議テーマを『「読書」を介したコミュニティづくりについて~「読む」「知る」から「語る」「つながる」へ~』とした。

議事

議事
(1)議事録確認方法について
会議運営要領第6条2により、議長が秋山委員、奥山委員を指名。
(2)神奈川県社会教育委員連絡協議会の会議等への参加について
資料3に基づき、事務局から説明。
神奈川県社会教育委員連絡協議会総会、研修会、地区研究会及び理事の選出について説明。
理事に、議長の笹井委員、副議長の竹本委員を選出。
(3)協議テーマについて
協議テーマについて、資料4に基づき提案。テーマの承認。
意見交換
秋山委員:
読書活動に共通することは、誰に対して行うのかということ。例えば、書店に来る人は限られていて、本屋に来て本を探す習慣がある人は、全体の1割位の人に限られると思っている。後の9割の書店や図書館に習慣的に来ない人に対してどうするのか。いきなり「本を読みなさい、本を買いなさい。」と言っても難しい。私が行った取組みで面白かったのは、出版社にお願いをして、本のカバーの印刷不良のものを提供してもらい、「紙袋を作る」という無料の企画を行った。ちょうど夏休み期間中に開催したので、自由研究にするといった子どもたちもたくさん参加した。本を読んだことにはならないが、カバーで袋を作ることで、それを見て本を思い出してもらえるのではないか。書店や図書館に来てもらうには、あまりハードルを上げすぎると来ないのではないか。
奥山委員:
乳幼児の支援をしている立場から申し上げると、赤ちゃんは生まれる家庭を選ぶことはできない。だからこそ、社会全体で子どもを育てる責任がある、生まれたときから社会でちゃんと面倒を見るというのが世界的な流れになっている。読書好きの家庭に生まれた子と、そういった体験がない家庭に生まれた赤ちゃんも、等しく本を通じて最初の一歩を踏み出せる社会ということが大事である。ブックスタートといって、赤ちゃんが生まれた時に無料で何冊か本を家庭に届けるという活動が普及してきた。経済的に関係なく、平等に赤ちゃんという個人に社会が本をあげるという活動。私の子どもが通った保育園では、個人が申し込むのではなく、子どもたち全て同じように絵本を毎月配ってくれた。それがその保育園の方針だった。同じように考えたときに、幼稚園、保育園、小学校と上がっていくときに、親が読み聞かせができる家庭ばかりではない。それに代わるものとして、図書館で本を手に取りやすい事がとても大事。お金をかけなくても本を手にとることができ、本を読むことで社会が広がって自立していけることにつながるのではないか。
親子のつどいの広場や子育て支援拠点ではスタッフが読み聞かせをするだけでなく、保護者の方にも絵本を読んでもらったりしている。敷居を低くすることが大切だと思っている。
佐原委員:
父親が本好きで、小学校から大学生の就職の頃まで、机の上に年齢に合わせたお勧めの本が積んであった。その時は面倒に思っていた。大学生の時に、「なぜ本を読んだほうが良いか」について大学で議論をしたことがあった。その話を父親にした時、「どうしてそんなに本を読むのか」と聞いてみると意外な答えが返ってきた。「友達をたくさんつくりたいと思っているから。生きている間に出会える人は限られているけれども、本と出会うと、無限大にたくさんの人と出会える。すごく昔の人と話ができたり、作者の話が聞けたりと夢のある世界がそこにあるから。」と答えが聞けた時に、そんなロマンチックなことをいうような父親ではなかったので、それに驚いたのと、本との関わりということをその時初めて父から教わった。本を読むことで「知識を得る」とか、「学べる」とは思っていたが、「友達と話をする」という発想はまったくなかった。だからこんなに父親は本を読んでいて楽しそうなのか、「この本はとっても面白いよ。」と話をしたりする父の真意が分かった。
中学の終わり頃、父はその人のことをよく知らなかったが、「どうやらこの人は歌手らしい。書いてある事がおもしろいから。」と矢沢永吉の「成りあがり」という本を渡された。何事にも本をきっかけにしていた父であったが、人との関わり(コミュニケーション)の原点が、実は「本」の中にも存在するのだという「読書」の新たな切り口を父から学んだ。例えば、私の友人の中でも本をよく読んで関われる人もいれば、本をあまり読まない、関わらないという人もいる。その違いは何か、と考えた時、本をどうやって読んでいいかわからないとか、どのような本を読んでいいかわからないとか、本に対する関わり方に「読むもの」という固定概念(無意識な自動思考)しか持てない人に、「読書は一つのコミュニケーションツールにもなり、人とかかわるきっかけ作りにもなる」という事を伝えていけたら、と思う。例えば、小学校に入ったら、家庭でなくても地域の児童館などで、子どもにも本と様々な関わり方を知るきっかけを、いろいろな大人が作っていけば、もっと子供が、本を読むだけにかかわらずそれぞれのかかわり方で本に興味を持つ機会が増えるのではないかと思った。
高井委員:
今回、「横浜市民読書活動推進計画」を読ませていただいたが、気になったことがあった。読書、本との接触ということだが、この計画の中では「本屋」や「新聞社」が書かれていない。子どもは新聞離れしている。紙との接触が減っている中で、やはり書店や新聞の役割があると思うのだが、この中に書かれていない。もう少し幅広く色々な要素、切り口で見て、こういう計画を立てるべきではないかと、私自身の反省も含め指摘したい。
私は金沢区の金沢文庫駅に近い釜利谷に住んでいるが、金沢文庫駅というと京浜急行の快速特急停車駅である。快速特急は横浜、上大岡、金沢文庫、次は横須賀中央に停まる。そのターミナル駅である金沢文庫駅の周辺に本屋は一軒もない。本当に残念だが、隣の金沢八景駅周辺には横浜市立大学、関東学院大学があり、そこには本屋がある。今までは何件か本屋はあったが、ここ数年で全てなくなってしまった。私も昔は神田の古本屋街に住んでいたので、子どもも大人も街を歩いていて、ちょっと本屋に立ち寄って、立ち読みしていた。今は大きい本屋も、「立ち読みをしていいですよ。そしていい本を買ってください。」というように変わってきている。その辺の仕組みづくりのためには、書店の協力が必要だと思った。
学校でも教育しているようだが、新聞離れも気になっている。昔あった話だが、新聞に掲載されている週刊誌の広告が、子どもに悪影響を与えるので、新聞大会の時にある先生がおっしゃったそうです。「皆さん、新聞の下半身(下段)を見てください。これで子どもたちに授業で使えと言えますか。」と。そうすると集まっていた新聞人は、みんな驚いてしまったそうです。そういった経緯があるので、その中で新聞社自身も子どもたちに親しめるように努力しなくてはならないし、色んな立場の人の意見を聞き議論して、我々の提言もまとめていく必要があるのではないかと思う。だから、ヒアリングが2~3回あるなかで、図書館を通じてこのようなことをやっているということを聞くのも大切だが、図書館を利用している人はおそらく人口の1割か2割ぐらいで、残された8割、9割の人にどうするかが大事。きっかけづくりをどうすればよいか、そのためにそれぞれの社会を構成している人たちが何をすべきかを是非考えていきたいと思っている。
また、今朝、中3の孫娘が読書好きなので呼び止めて、何故、本を好きになったのかを聞いたのだが、学校で週1回読書の授業があり、なんでもいいから自由に好きな本を読む。そして順番に「この本は読んで面白かったので、皆さんも読んでください。」という報告をする。そういったことが習慣になって、楽しくなったと言っていた。そういったこともきっかけになるので、そのような個人的な要素も含めながら、提言をまとめていけたら、楽しいかなと思う。
竹本副議長:
私は青葉区で集めた区の読書活動における目標や活動に対する意見内容を全部拝見したが、多岐にはわたっているが、やはり一部の方しかその意見を出してこられていなかった。30万人いる区民の本当にごくわずかで、そういった点にも今まで話が出ていた「敷居を低く」というところ、まず本に触れる、読書の楽しみを知るというところを広げたいなと思っている。
私は色々な読書関係のイベントや講座を開催するが、それは施設の中、館内でやるので、そこを目標に来てくれる人しか来ない。参加自由としてあっても、それが目的の人しか来ない。そうではなく、通りがかりに何かやっているのを見かけて足を止め参加できるようなこともやりたいなと思っている。一度、青葉区のたまプラーザで計画したことがある。駅前の一角で噴水がある広場をお借りして、図書館の協力を得て絵本などを広げて、来ている子どもたちが自由に手にとって本を読もうとか、本のしおり作りをしようとか、そういうことができるようなイベントを計画したことがあったが、たまたま震災直後でやむなく取りやめになった。そういった「本を読もうと思っていない人」にどうこの取り組みや活動がつなげていけるか、というところを考えていけたらと思っている。
また、地元の中学生が、「学校の図書室に行こう」というキャンペーンを昨年行った。図書委員の子どもたちが映像を作っていて、見せてもらった。2本立てになっていて、一つは図書室の使い方の説明、もう一つはドラマ仕立てで、演劇部ではない図書委員の子どもたちが一生懸命演技をしていた。図書室に行ったらこんないいことがあって、こんな風に自分は変わった。「図書室に行くといいよね」ということをアピールする映像だった。それを見て、子どもたちもそういう力を発揮してくれる存在として考えていきたいなと感じた。
中村委員:
先ほどの佐原委員の子どもの頃の本との関わりはすごく素敵だと思った。私も本が好きだったので、昔の人や世界の人と話をしているという感覚はよくわかる。本は人との関わりの原点ということもあるが、本を人と共に読むことで、もっと深く読めるということもあると思う。例えば私は「育児書をみんなで読みましょう」という子育て支援講座の講師に呼ばれたことがある。育児書の内容は本当に端的に書かれているが、実際に子育てをしているお母さんたちと読んでいくと、どんどん内容が深まっていく。本には「地域みんなで子育て」と書いてあるのに、よく考えてみるとその地域には「地域みんなで子育て」という雰囲気が全くないのではないかということ、母親たちが気づいていく。昔だったら地域にいるおじいちゃん、おばあちゃんが声をかけてくれたのに、そういう関係性が最近はなく、創っていかなければならないという課題に気づいていったりする。
本は人や世界と関わる入口でもあるが、人と関わることでもっと深められる。そういうダイナミックな世界であることを捉えられると面白いと思った。
永池委員:
秋山委員からは書店に訪れる方も1割の決まった人々だとか、竹本委員からは本を読もうと思うところが大事だとか、高井委員からはお孫さんの話で、本当に授業で本が好きになって読書好きになったことだとか、皆さんのお話を聞いていてとてもワクワクしている。小さいころからシャワーのように読み聞かせを受けたり、佐原委員のようにお父様の触発する中で素敵な読書環境にいた子どもたちは、きっとその1割の中に入っているのでしょう。しかし、そうではない環境にいる子どもたちに、公立学校の教師としてどんなふうにそこに子どもたちを導いていけるのか。おそらくそれは学校の授業であり、学校の授業を変えていくことだろうなとつくづく思う。
10年前に、PISAの学力一位ということで、フィンランドに視察に行ったことがある。フィンランドは国を挙げて「読書とは学力」という考えがある。本の値段が高いので、若いお母さんたちは、雪の中、バギーで一生懸命赤ちゃんを図書館に連れてくる。本を読むことが学力なのだと思っているので一生懸命連れて来る。先ほど奥山委員の話もあったが、赤ちゃんの生まれた記念として、国を挙げて「読書のしおり」をあげるなんてことをやっている。 自分が教員時代から、本当に子どもたちが主体的に問題解決する中には、一つの教科書ではなく、本や資料、新聞など豊かなメディアをどれだけ活用しながら、関わりながら、問題解決するかというところが鍵だなと思ってやってきたので、校長になってからも「読書は学力」ということで始めた。
10年前、本町小学校で副校長だった時に、本町小は中央図書館のおひざ元なので、「マイ図書館」といって、中央図書館からたくさん来てもらい、30パーセントが外国人の子どもたちの中で、本の活動をたくさんやってもらい、非常に子どもたちが変わっていった経験もあり、7年前白幡小に着任した。「くるみの会」という読み聞かせボランティアの方にも学校に来てもらっている。図書館も図書館でやってくれる。保護者も保護者でやってくれるが、教師は旧態依然と教科書教材単一で授業をやっている。それでは子どもたちは本が好きにならない。読み方を学べない。そこを「本が面白いなぁ、こんな本を読んでみたいなぁ」と子どもたちが思えるように授業を変えていくことが一番大事なことだと考え、授業改善を国語科を中心に始めた。 その中で教師がいわゆる教科書教材を単一でやるだけではなく、シリーズだったり、民話だったり、昔話だったり、そんな本を大量に地域の図書館から借りてきてやっているので、当然図書館とのネットワークも広がってくるし、子どもたちも好きで本を求めて図書館に行く。その中で地域の図書館から力を借りたり、読み聞かせに来てもらったり、「くるみの会」との関わりにおいても、「今度シリーズをやるので、シリーズで読んでくれませんか」と伝える中で、授業を変えていく中で、一つひとつのネットワークとか様々なつながりが生まれたということがある。高井委員のお孫さんはきっとそういう授業を展開している学校に行っておられて、またすごく良い家庭環境をお持ちなのだろうと思う。一方、そうではない、恵まれない子どもたちも公立学校としてどんな風に、国を挙げて、横浜市を挙げて、あるいは一つの学校を挙げてやることができるかが重要なことかなと思っている。
もう一つ、子どもたちはブックボックスというのをすぐ机の横に置いている。これは運動会の景品としてPTAから子どもたちに贈られた。すぐに手に取りたい本が2,3冊絶えずあるという環境をつくっている。
秋山委員から先ほど表紙を活用して紙袋を作成するという魅力的な話をお聞きした。実は学校でも「表紙を読む、見出しを読む」ということを盛んに言っており、表紙から子どもたちがお話を想像していったりする授業が盛んに展開されている。是非書店にあるPOPや本の帯、表紙など、とても良い教材になるので、そのあたりを書店と連携してやれると、また授業が、カリキュラムが変わってくる可能性があるので、是非今後お力添え等お願いしたいと思っている。
依田委員:
「多文化共生交流」と、「図書館での活動をもっと自由に」というお話をしたいと思う。
「多文化共生交流」というのは、先ほど関ブロ大会があーすぷらざであるというお話があったが、私はあーすぷらざの地元に住んでおり、あーすぷらざが出来る時に、オープニングフェスティバルに地元の人の協力をということで、実行委員になった。あーすぷらざは「地球市民かながわプラザ」が本来の名で、「子ども時代から、色々な世界の文化に触れて、地球市民を育てよう」という目標に沿って活動をしている。オープニングフェスティバルに関わった関係で、色々な経緯があり、1998年に「かながわこどもひろば」という団体を発足し、今まで毎週一回「おはなし会」を開催している。その活動の中で、もう少しイベント的なこともやってほしいという依頼があり、2000年から、この横浜読書百貨展のチラシの裏にある「子どもの本で知る世界の国々」というテーマで、世界を8地域に分け、毎年夏1地域毎その国の本を集め、展示をしてブックトークをするという企画をしている。はじめは、「絵本で知る世界の国々」というタイトルだったが、それが展開していき、2008年からの図書館との協働事業の名前にもなっている。日本の場合は、世界中の本が絵本を中心に日本語に訳されており、その件数は世界でもまれなほど多い。これを活用しない手はないということでスタートした。2000年から始まり、2008年に2巡目に入り、来年、2巡目が終わることになる。協働事業で心がけているのは、横浜の場合は、特に外国籍市民の方が大勢いるので、そういう方と日本のボランティアが組んで、2言語の読み聞かせを日頃からしている。サービスを受ける側でいるだけよりも、自分が何らかの形で皆さんにサービスを提供し、役に立つということが日本に暮らす人たちにとって生きがい・やりがいになっているということを感じている。身近にいらっしゃる韓国・中国・台湾・タイ出身の人などに協力していただいて、一緒に活動をしていくということを続けている。
次に、図書館の活動の自由度をあげるようなことはできないか、というのは、世界図書館連盟の委員というのを8年しており、色々な国に行くことがある。北欧、アメリカ、フランス等では、図書館の中でパーティーをすることがある。普通、図書館利用者は図書館員とあまり話すことはないが、そのパーティーには館長も出席し、飲んだり食べたりしながら交流するというものに何度も参加した。こういうことがもしできるのであれば、自然な形で利用者やまだ利用者ではない方の声も聞けるのではないかと思う。ニューヨークパブリックライブラリーは、ホールでコンサートをしている。今は横浜市の図書館でもコンサートはやっているんですか。
オブザーバー(坪内課長):
横浜市の図書館では、磯子図書館でロビーコンサートをやっている。
依田委員:
11月8日、栄図書館で、「わらべ歌で遊ぼう」という活動を企画している。図書館の庭で参加者と一緒にわらべ歌で遊ぼうということをする。こういった、もう少し自由度を上げてできることを取り入れていただけたらと思う。
笹井議長:
皆さん、それぞれ日頃考えていることをおっしゃっていただいた。私も仕事の関係で外国に行くことが多く、いつも本屋や図書館に行くと、その国の雰囲気がわかるので、本屋や図書館に行くようにしている。英語ぐらいしか読めないが、何か面白い本はないかと探したりしている。ヨーロッパに行くとだいたい本屋にコーヒーショップが付随している。エストニアに行った時も本屋に行ったら、カフェが一緒になっている。海外のカフェというのは、「語る」場なので、ある種の休む場とか、思索する場、語る場として、カフェが使われている。そのネタが本だった。個人と社会との接点、社会参加の場に本屋がなっている、その機能を担っているというのを痛感してきた。日本でも今、徐々にそういうところが増えてきているが、単純に今までの固定観念で本屋や図書館、あるいは読書を考えてはいけないわけで、それをもう少し柔軟に広げて考えていくことで、個人の「本を読む」という行為を膨らませることもできるし、地域にとってもプラスになるのではないかと思う。
もう一つ、インドネシアの例で、ジャカルタにアーケードのモールがあり、その中に「学習ラウンジ」というのがある。モールの中の一区画がそうなっており、ソファーが置いてあり、雑誌が置いてある。買い物した親子連れや女性が立ち寄り、雑誌を読んでいる。そこには大学生のボランティアがおり、説明をしたり、サポートをするようになっている。疲れたから休むということもあるが、雑誌をネタに色々な知らない人が話をし、一休みする。またジュースが無償で提供されており、飲みながら話ができる場がある。これは誰がつくったかというと、教育庁が作った。イニシャルコストは国が作った。運営は民間や大学生が中心のボランティアの団体等に委託している。ある種の交流の場とか、語り合う場として存在している。そこは飲み物とか雑誌がネタになっている。そういう取り組みは面白いなと思う。読書や図書館の使い方はまだまだ可能性を秘めている。そういうこともあり今回のこの会議の議論は楽しみにしている。
何人かの委員の方から、「ハードルを下げる」とか「本に馴染みのない人が、本屋や図書館に来るようにしていくのが大事だ」と言っていた。その辺をもう少し掘り下げて話をしてみたいと思う。図書館にしても本屋にしても、リピーターという、本をいつも使う人も来るわけで、リピーターに対する本屋や図書館の役割と、初心者というか、全く本に興味関心のない人に対してのアプローチというのは違う。民間の本屋の場合は、どうしても採算ということがあるので、広げるという方向が中心になると思うが、図書館の場合は専門家も来るわけだし、過去売れなかった本を読みたいという人もいるかもしれない。そういう人も来るので、興味関心のない人に対する本屋や図書館の果たす役割と、専門家やリピーターに対する役割とは違う。その辺はどう考えているか伺いたい。
秋山委員:
もちろん専門家の方は書店へは来ない。研究室の方たちが買う本は書店では限られたスペースでは置ききれないので、検索したり、調べたりしてそのまま取り寄せたりはできるが、常に在庫をもって対応することはなかなか難しい。
中学校や高校の図書委員の子どもが、お店に本を買いに来ることがある。図書委員の子はみんな賢そうで、ちょっと背伸びした感じの本を選んで買っていく。かごを見ると、小学生が選んだとは思えないというような本を選んでいる。私は逆に、先ほどの話からすると、そういう子どもたちではなく、普段図書室に来ないような子たちを連れてきて、本を読まない9割の子たちに興味ある本を選ぶのが良いのではないかと思う。図書委員の子どもが選ぶのは他の子はなかなか読まないという感じもするので、ハードルを下げるという意味でも、そういったことをすると面白いことができるのかなと思う。
笹井議長:
要するに興味関心のない人たちに対して、モチベーションを上げるために、行政だけでなく、本屋やNPO、学校などが、どういうアプローチをするかが重要だと思う。そのあたりはどう考えているか伺いたい。
奥山委員:
先ほどお話した「ブックスタート」も、10冊ぐらいの絵本リストがあり、赤ちゃんが生まれたら、そこから選んで地元の本屋で買うというサービス。そこが最初の絵本とのふれあいの一歩になっている。生まれてから学校に入るまでの間に、保護者の方と子どもたちがどれだけ本に触れられるかが、とても大事だとずっと思いつづけている。横浜は文庫活動や団体貸出しがすごく盛ん。私たちもそれが原動力となった。最初から子育て広場に絵本を揃えるとお金がかかるが、文庫活動という仕組みがあったので、図書館から100冊本を借りて、そこからさらに本の貸出しもできて、有難い制度だなと思った。やろうと思えば自宅でもできる。もっと色々なところで、カフェや市民団体が団体貸出しの申込みで使っていただくのを普及するなど、ステップアップできたら良いのではと思う。ブックスタートが難しいのであれば、赤ちゃんの本セットなどを色々なところに貸出すという取組を、ショッピングセンターや調剤薬局など、乳幼児が出入りするところに置いて、管理してもらうなど、そういうところからのスタートでも良いのではないかと思う。
依田委員:
「横浜の文庫いまとこれから」という冊子を1986年以来数年ごとに発行しており、残部があるので今度お配りする。私が、関わり始めた1980年代初めは横浜に文庫が330以上あった。現在は200位文庫があり、団体貸出しをしている図書館は6館ある。私は自治会館で友人たちと文庫を始めたが、例えば自宅を開放したりするよりも、コミュニティハウスなど公的な施設の一角を借りて行っている方が多かった。家庭だとなかなか難しいので、スタートはだいたいそういうところだった。先ほどの話で、乳幼児サービスとリンクさせたらいいのではないかと感じた。
奥山委員:
横浜に乳幼児の広場(地域子育て支援拠点)は100か所以上ある。団体貸し出しをどのくらい活用されているかはわからないが、公的な乳幼児の広場だけでなく、民間と連携し、保護者の方々が行きそうな場所にももっとたくさんあると良い。そこでも文庫活動のミニ版のようなものがあると、目にふれてくるかなという感じがする。
笹井議長:
本に興味のない人たちに対して、どのようにアプローチしたらよいか、他の皆さんはどうですか。
竹本副議長:
リピーターと初心者に対するアプローチの違いについて。私自身はリピーターだと思うが、例えば時間がなくても電車の乗り継ぎのところで少し時間があるときに本屋に入って平置きになっている本をざっと眺め面白い本はないかとみていく。もっと時間のある時は古本屋さんに入り、どんな本がどこに眠っているかというように見ていく。つまりいかにそこに面白い本があるかという部分が重要だと思う。そして、初心者はいかにそういう機会に接するか、いかにそういう場に足を運ぶか、そこがアプローチの違いだと思う。今国内にコーヒーを飲みながら本が読めるところができたり、横浜市にこのテーマで会議が始まったりしていて変化するチャンスだと思う。何か新しい発想で考えていければ面白いという期待がある。
佐原委員:
私は、以前クルマ用品のメーカーに勤務していた。その時本屋さんを一番身近に感じたのは新製品の発売に合わせてキャッチコピーを考える時だった。本当によく、本屋さんに通った。新製品のプロモーション企画のアイディアに詰まった時、今のネット社会とは異なり、「鮮度の高い情報の宝庫」である本屋さんに出かけては、「短冊」と言われる店内の広告コピーや各種雑誌の表紙を飾るデザインとタイトルなどを見て周った。
私は、学生時代に出版社のアルバイトで「本の装丁」つまり、本のデザイン・タイトルには作者の「想い」が詰まっているということを学んだ。そして、単行本の装丁デザインというのは、グラフィックデザイナーにとって最高峰の世界と言われていることを知る。このことから、本を読書とは「別な捉え方」をしてみるのはどうだろう。
本を「読書」とは違う視点で子どもたちの授業に何か活かせる方法があるのではないだろうか。例えば、書店で子どもたちに気になる表紙をピックアップしてもらい、なぜその本の表紙が気になったのかを話し合うなど、工夫すれば「本」を題材に何か面白いゲームを作れるのではないか、と思う。選んだ本の表紙のデザインやタイトルなど、お互いにどのような視点で何を捉え、感じたのかを話し合うことでお互いを知るきっかけに繋がるのではないかと思う。
私は、新製品のキャッチコピーを考える時、本という媒体をいろいろと表現する仕事に有意義に使わせて頂いた。これからの社会と地域コミュニティという話があったが、社会と関わる中で私達は、情報をどのように伝えていき、どのように異なる価値観を受けとめたらよいのか。一人ひとり、いろいろなアプローチや発想があっても面白いのではないかなと思った。
中村委員:
「専門性」や「ハードルを下げる」という話が出ていたが、ハードルを下げれば本を読める環境になるということか。例えば学校であれば図書館があるので、本をあまり好きではない子でも読もうと思えば読める環境にある。子どもは親を選べないということを考えると、学校教育の外にもセーフティネットが必要で、セーフティネットはコミュニティがないと難しいのではないか。この会議のサブテーマも「『読む』『知る』から『語る』『つながる』へ」となっているが、「から」ではなく、つながるからこそ、「読む」「知る」ができるのかなと思う。双方向の流れがあるのかなと思った。
永池委員:
皆さんがおっしゃっているように、学校の図書館をどう変えていくかが重要。本校の場合は、子どもたちが授業で扱ったら、例えば「がまくんかえるくん」だったらすぐ「がまくんかえるくん」のグッズがあって、それを持ち出して「がまくんかえるくん」になって授業をやるとか。なかなかまだ読むことができない、書くことができない子どもたちが、表紙だけを見て、表紙に込められているグラフィックデザインから、タイトルから、何から、先人たちの知恵が込められていて、そこを子どもたちが豊かに触れることによって学校の図書館が素敵な書店のように、平積みはどこにするかでもめたり、色々なポップが置いてあったりとか、本当に子どもたちの生活の中にあるように、興味をもてるようにすぐ手に取れるような環境にどうつくっていくか、ということがまず学校の中ではじめることができたら、書店ともつながるだろうし、社会とのつながりも生まれてくるだろうし、読書への夢はいっぱい広がっていくなと感じた。
笹井議長:
次回以降、何回か外部の方を招いて、お話を聞きたいと思っているので、今回の会議テーマに相応しい人、取組事例があったらアイディアなどを事務局に連絡してほしい。
■ その他
(1)今後の進め方について
次回以降の日程については、改めて日程調整させていただく。
(2)事務局あいさつ
教育政策推進等担当部長が事務局を代表してあいさつを行った。

資料
  • 第31期横浜市社会教育委員名簿 <資料1>
  • 横浜市社会教育委員 関係法令等 <資料2>
  • 神奈川県社会教育委員連絡協議会の会議等への参加について <資料3>
  • 第31期横浜市社会教育委員会議協議事項 <資料4>
  • 横浜市民の読書活動の推進に関する条例 <資料4-1>
  • 横浜市民読書活動推進計画(全体版) <資料4-2>
  • 横浜市民読書活動推進計画(概要版) <資料4-3>
  • 市民の読書活動推進月間の取組「横浜読書百貨展」チラシ <資料4-4>
  • 横浜市社会教育委員会議提言一覧(第11期~) <参考資料1>
  • 横浜市中期4か年計画(素案)2014~2017(抜粋) <参考資料2>
  • 第2期横浜市教育振興基本計画(素案)(抜粋) <参考資料3>

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