日時 令和7年8月7日(木)10時から12時まで 開催場所 横浜市教育委員会事務局花咲研修室 201研修室 出席者 新垣委員、市川委員、北原委員、齊藤委員、鈴木委員、七澤委員、牧野議長 欠席者 小林委員、野口副議長、米田委員 開催形態 公開(傍聴者0人) 議題 「第5期 横浜市教育振興基本計画」における生涯学習推進の方向性等ついて 資料・特記事項 1 資料 (1)資料第34期社会教育委員会議【第3回】 2 特記事項   なし 【牧野議長】  それでは次第に従いまして、 議事を進めさせていただきます。よろしくお願いします。 まず、第1回、第2回会議で皆様にご議論いただきました、第三次横浜市民読書活動推進計画について、令和7年3月に計画が策定されたということですので、 その内容について事務局からご説明をお願いします。 (事務局から第三次横浜市民読書活動推進計画について説明) 【牧野議長】  ありがとうございます。冊子の表紙はこれ(配付資料から)になりますか。きれいなものを期待しております。ただいま、事務局から第三次読書計画についてご説明がありましたが、委員の皆様から何かご質問やご意見はありますでしょうか。 (質問等なし)  それでは、議事に入ります。本日の議題は、第5期横浜市教育振興基本計画における生涯学習推進の方向性について、これから皆様にご議論いただきたいと思います。まず初めに事務局からご説明をお願いします。 (事務局から第5期横浜市教育振興基本計画の該当箇所について説明) 【事務局】  皆様からご意見をいただきます前に、現在、文部科学省中央教育審議会生涯学習分科会の委員でもある牧野議長から、社会教育に関する国の動向などにつきましてご教授いただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。 【牧野議長】  それでは、国のいろいろな動向等です。又は今私は中央教育審議会生涯学習分科会に関わっていますので、そちらで議論していることを少しご紹介できればと思います。  はじめに、現在少し大きな動きとしまして直近の議論としては、今年がいわゆるコミュニティ・スクール構想が出されて、10周年になります。ただ、コミュニティ・スクールに関しましては、当初の計画とは少し違う実態になってしまっていて、いわゆる学校運営協議会を作ったらコミュニティ・スクールだ、と文部科学省が言い始めてしまいました。学校運営協議会を作ったところであれば、現在、小中学校で8割を超えるぐらい普及をしているのですが、ほとんどが形骸化してしまっていて、作っただけみたいな状況になっています。もともと、どういう構想になっていたかと言いますと、2015年の夏に、中央教育審議会の中にある学習指導要領を毎回作っている教育課程企画特別部会で、教育課程は学校では終えられなくなってしまったという判断をしたということなのです。どういうことかと言いますと、簡単に言えば、社会がどんどん変化してきてしまって、学校で教えることだけで子どもたちが一生、それで生活ができるとか、人生を歩んでいくことができるかというと、完全にそうではない社会になってしまったという認識が示されて、その中で新しい学習指導要領は、子どもたちが自分で社会を作っていく、自分で人生を作っていくための基盤を作るためのものなのだとされたということなのです。もう少し直接的な言い方をしますと、学校教育で教えるべきものとされているものが役に立たなくなってきたという認識が示されたのです。つまり、教育課程というものを学校で終えられなくなったとの判断が示されたというのがちょうど10年前の8月なのです。それを「社会に開かれた教育課程」という丸めた言い方をしたものですから、よくわからなくなってしまったのですが、本当はそういう議論になっていたということです。  それを受けて、150年前に文部省が始まって以来の歴史の中で初めてだと言われましたけれども、同じ年の12月に中央教育審議会から同時に3つの答申が出されました。一つは、学校改革と言うか、先生方の教え方を変えてくださいということで、一般的にはアクティブ・ラーニング答申と言っています。いわゆる知識を注入するというか、教えるというような学校の在り方ではなくて、学び方を学ぶような学校の在り方、又は探求活動を中心に深い学びができるような学校の在り方に組み替えようということです。そして当時言われたのは、対話的で主体的な深い学びということで、探求活動を基本にしたグループワークを基本に据えた授業の在り方に変えてほしいということなのです。先生方の教え方も、子どもに寄り添い、子どもと一緒になって探求をし、一緒になって発見をし、共に喜び合うものに変えて、子どもたちが探求の面白さや喜びというものを実感できるような学校に変えられないか、ということです。この考え方を示したのがいわゆるアクティブ・ラーニング答申と言われているものです。  しかし、今の学校の先生方の状況であると、とてもではないけれども、子どもに向き合う時間が足りない。それで2つ目の答申が出されました。これがチーム学校答申です。簡単に言えば、学校組織の在り方を変えながら、先生方の働き方を変えてくださいという答申です。子どもたちに向き合う時間が十分に取れ、先生方が教材研究や探求活動を展開するための準備時間が取れるような働き方に変えられないか。今のように、いろいろなことを学校が全部引き受けてしまっていて、先生方の負担がとても大きい状態ではよろしくないということになって、校長先生をチームリーダーとするような形で、教員組織の在り方を変えてくださいということです。  つまり、先生方の仕事の在り方を変えましょうというのが、チーム学校答申です。  しかしそうは言っても、学校だけでなんとかなるという議論ではないので、地域の方々にも手伝ってもらいながら、地域の方々が学校を支えるという形で、先生方のいわゆる教育の在り方についても地域が関われるようにしよう。学校に全て任せるわけではなく、むしろ社会総がかりで子どもたちを育てるという形にしようという議論になりました。そこで、子どもたちを地域で引き受けて、探求活動や様々な体験活動ができるような仕組み作りをしてほしいということで、地域学校協働本部というようなものを作ろうという議論から、これが第3答申と呼ばれる地域学校協働答申になりました。  この3つの答申の内容をうまく機能させながら、学校の組織の在り方を変え、学校での教え方・学び方を変え、更に地域と学校の関係の在り方を変えていく中で、学校と地域が車の両輪のようにして子どもを育てるような、当時の表現で言えば社会総がかりで子どもを育てていけるような仕組み作りをしようというのが、実はコミュニティ・スクールという構想でした。そして法改正もしました。例えばその過程で地域と学校の間をつなぐ、いわゆるコーディネーターが必要だろうということで、地域側に地域学校協働活動推進員というものを置きましょうとなり、こちらについては社会教育法が改正になっています。また、学校側にも地域学校協働推進の担当教職員を置きましょうというようにもなったのですが、こちらについては学校教育法の改正には至っておらず、文科者から示すという形に留まってはいますが、そうした方たちを配置している学校も出てきています。  このような形で子どもたちの学び方や育て方を変えていきましょうというのが10年前に始まったことです。現在までの間にどうなったかと言いますと、なかなかうまくはいってはいないようです。学校の業務量はとても多く、先生方が多忙な状況になっているという中で、更に地域が関わるという議論になってしまった面があり、学校側からすると、先生方が拒否感や負担感を抱えてしまったと言われています。更に言えば地域側にしても、学校との付き合い方があまりよく分かっていなくて、学校は敷居が高いということになってしまっています。また更に学校で学校運営協議会を作って地域が関わるようになったとしても、本来この取組の意義としては、子どもたちを地域で引き受けてくださいということだったのですが、実際は学校にあれこれ要求を出すようなことになってしまって、余計に先生方が困ると言いますか、引くと言いますか、そのような面もあり、十分展開できていないという議論にもなりました。  なぜこういう議論になったかと言うと、先ほども申し上げたように、社会は大きく変化してきていて、特に人工知能が引っ張っていくような社会に切り替わってくる中で、予測がつかなくなっているということなのです。それで子どもたち自身が自分の人生を作っていく力をつけてもらわないと、この社会の持続可能性を担保できなくなっていくのではないかという話になったということなのです。当時はまだチャットGPTなど出ていない状態で議論をしていましたが、その時ですら、2030年には大学を卒業した人の約6割が当時ない仕事に就くと言われていたり、アメリカの職業分類で47%の職業が人工知能によって取って変わられてしまい、大量の失業者が出ると言われていたりしたのです。そのため、子どもたちが新しい学び方をきちんと身につけ、自分の人生を作れるようにするという構想で動いてきました。  こうしたことの中でコロナ禍になり、社会教育の在り方を組み替えていこうという議論になってくるのです。そのような動きの中で2020年度から、社会教育主事講習の修了者や、大学で社会教育主事養成課程の修了者に対して「社会教育士」という称号を授与するという制度ができました。「社会教育主事」というのは資格ではなくて専門職のポストの名前なので、社会教育主事の任用資格を取得しているにもかかわらず、そのポストに就かないと講習を受けているかどうかわかりませんし、あるいは、そのポストから外れてしまうと資格の有用性が見えなくなってしまうため、新たに社会教育士という公的な称号を授与し、専門性を持っていることをみえるようにしたのです。  このように、いろいろと改革が進んできてはいます。その中で教育振興基本計画との関わりで言いますと、2023年6月に国は第4期教育振興基本計画を策定しました。教育基本法上は国が作ったものを参酌して各自治体が作ることになっているのですが、国の計画は5年間であり現在第4期計画の途中です。第4期計画には私も関わったのですが、教育の位置付けを変えていこうという議論になりました。  最初に基本コンセプトとして、2040年を見据えた持続可能な社会の創り手を育成するということになりました。今までは担い手と言われてきたのですが、今回は創り手という表現に変わって、次の世代の子どもたちが自分たちで社会を創っていくということにならないと、この社会は底が抜けてしまうのではないかという議論になったのです。  もう一つが日本社会に根差したウェルビーイングの向上です。個人が幸せになるということだけではなくて、その幸せをみんなが実現できるような社会環境を整えましょうということになりました。この2つのウェルビーイング、個人のウェルビーイングと社会のウェルビーイングを実現していくのが教育なのだという認識になった、ということです。そして、個人のウェルビーイングは生涯学習、つまり、一人ひとりのニーズに応じて、生涯にわたっていつでもどこでも学べるようにしていくということを生涯学習で保障する。そしてそれが実現できるような関係性を整えるものとして社会教育をきちんととらえようということになり、この第4期計画では社会教育を改めて規定し直すという、とても大きな改革をしたことになっています。  そして、この計画では教育の役割について、我が国が将来を展望したとき、教育こそが社会を牽引する駆動力の中核を担う営みであるという表現が入っています。経済や文化や政治や法律など社会を引っ張る牽引力や駆動力はたくさんありますが、教育こそがその中核なのだという表現が入ったということなのです。  そして更に社会教育については、こういう規定を入れてあります。今まで社会教育というのは、社会教育法において学校教育以外の社会において行われる、特に青少年や成人に対して行われる組織的な教育活動であると規定されていたことが一般的な理解です。学校教育以外の、です。日本社会は明治維新以降、学校を中心に作られてきたという経緯があります。私たちの日常生活の範囲も学校区が基本です。特に自治会や町内会は校区が基本になっていますし、そこに様々な住民の組織が重ねられてきたということがあります。更に学校の年度と企業の年度、行政関係年度が全部一致するように作られ、人生を考えるときに学校経由の就職をするというようなルートが作られ、それが学歴社会化することによって、全ての人々が学校に行かないときちんと就職ができないという関連を付けられています。学校が中心の社会なのです。  社会教育はそれに対して学校に行けなかった人々や、そこからこぼれ落ちた人たちを、福祉はお金と人をつけて生活の底支えをするのですが、社会教育はそこに教育的な手法を使いながら自立を支援していく作用を及ぼすように作られてきたという面があります。それで法的にも、学校教育以外の社会において行われる、特に青少年や成人に対して行われる組織的な教育活動で、そこには当然、文化やスポーツ活動も入るという、そのようにとらえられてきたのです。  それに対して第4期教育振興基本計画では、こういう言い方にしてあります。社会教育というのは、みんなが学ぶものであって、人々のつながりや関わりを作り出し、協力し合える関係としての土壌を耕しておくものなのだという、少し文学的な表現なのですが、簡単に言えばこの社会の一番の基盤である人々の関わりやつながりを作るための条件を、社会教育がちゃんと整えておかないと、この社会は底が抜け始めたのだという、そういう表現になっているということなのです。この社会は契約社会ですから、法律があり、様々な契約があるのですが、それは自治体から上の話、つまり自治体や国レベルの行政、さらには市場の話です。私たちが日常生活を送るときに、例えば家庭の中で親子の関係を考えるときに、権利義務関係で考えるとか、子どもが悪さしたときにすぐ法律を持ち出して考えるとか、そんなことは絶対ないわけで、ある意味では人間関係の中でそれを処理していくということが基本になっているはずなのです。更に近隣との関係でも現在いろいろあるとはいえ、基本は草の根のコミュニティを作るとき、関わりやつながりといったことを基本にしながら私たちは日常生活を送っていて、そこがしっかりしていないと、その上の契約社会や市場社会が機能しないという作りになっています。  今、そこのところが壊れてきてしまっている中で、貧困や格差がとても広がっているということが起きている。特に子どもたちの相対的貧困率は、日本はOECD諸国の中で最低、率としては最高なのです。それぐらい貧困が広がっているということも含めて、とにかく社会の基盤を何とかしなければいけないという議論になりました。そして、社会教育は学校教育以外の社会においてということではなく、学校教育も含めて社会の基盤を改めて作り直すためのものであるという規定になりました。  そして更に、社会教育は住民が共に学ぶものなので、地域コミュニティを形成するものだという意味合いがあると規定されました。そう考えていくと、これは一般行政がやっているような、例えば防災や福祉、産業振興や文化交流の基盤形成をすることにもなるので、社会教育は実は学校教育と同等の教育委員会の中のマターではなくて、教育という用語を使うので教育委員会の中に置かれるのだけれども、実は一般行政と連携を取りながら、人々の生活を支えるような形で機能しなければいけないのだという、そういう表現が入ったのです。  つまり、社会教育というのは、日常生活の基盤を作っていく。それを教育的に作っていって、人々が自律的に、お互いに良い関係を作って、草の根の社会を作っていくという、そのための基盤形成をするものであるので、学校教育に先んじて、更には一般行政に先んじて、社会教育がそういう社会の基盤を作っておかないと、この社会は底が抜けてしまうのではないか。そういう認識が示されたということになります。  それを受けて現在、例えば社会教育士の活躍の在り方や、更には社会教育士の育成をどう拡充するかなどの議論になってきています。社会教育主事は本来、各都道府県と市町村には必置で、全部置かれなければいけないことになっており、しかもそのための予算もついているのですが、実はその予算が今、地方交付税の一般財源化される中で、特に市町村での配置率がどんどん下がってきていて、置かれなくなってきてしまっています。そこで、改めてこれは必置で、置いてもらった上で社会教育主事は教育委員会の中にいて、一般行政とも連携を取りながら、人々の生活の底支えをするような措置を取るようなコーディネーターになってほしいと。そして社会教育士は、現場で人々の学びを組織していきながら、関わりやつながりの基盤形成を進めるという役割分担をし、社会教育の展開をしていこうという議論になってきています。  更に今、中央省庁では、例えば総務省の地域運営組織、自治会や町内会が壊れてきているので、それに対して新しい住民組織を作っていこうという時に、社会教育や公民館を活用できないかという議論が出てきています。厚生労働省では、今の医療の状態だと、2060年には認知症患者が総人口の13%になる、8人に1人が認知症になるという社会がやってくることが予測されているので、それをあらかじめ受け止めるためのコミュニティを作らなければいけないということで、地域共生社会づくりという言い方で現在政策を作り直しています。そこでも、社会教育や公民館の活用ということが明記されてきています。  また更に農林水産省でも、農村が疲弊をしてきている現在、これまでは農業の議論をずっとしてきたのですが、今は環境の話をし始めているのです。日本は生態系が多様であることは世界的にも有名なのですが、これは人間が手を入れてきて多様になったということが分かっていて、今後農山村を放棄されると生態系が壊れていってしまうことも分かっているのです。生態系を維持するためにどのように農山村を維持するかという議論をしている中で、社会教育や公民館の活用という議論が出てきています。  更にはこども家庭庁の地域づくりですとか、孤立の防止ですとか、そのようなことも含めて今、実は社会教育や公民館といったものが、一般行政からもとても注目されてくる動きになっています。  こうした動きの中で改めて、社会教育や公民館を中心とした様々な社会教育実践の在り方をどうするのかといったことが、現在国で議論になっているという、そのような状況です。  そういうことの中で、今回の第5期横浜市教育振興基本計画をどうするのかということを、本日ご議論いただきたいということになります。おおよその方向性としては、今申し上げたような形で、単に教育行政の中の問題ではなくて、むしろ社会基盤作りとして社会教育をとらえ直そう、そして関係省庁もそれを重視し始めているという動きになってきている。そこを少しご理解いただいた上で、更に学校との関係で社会教育をどうとらえ返すのかなど、そのようなことが問われてきている。全体としては次の世代をどう育成をしながら、彼らがきっちりとこの社会で生きていかれるような条件を整えるのかといったことが課題になっている。そういうことだとご理解ください。以上です。  その上で皆様いかがでしょうか。先ほど事務局からご説明いただいた第5期の横浜市教育振興基本計画ですけれども、資料の18ページ以降、第4期の見直し・振り返りをしていきながら、課題として出されているものがいくつかある。それを受けて第5期の方向性として、「多様な学びの機会の充実」と「人材育成」が大事なのだというようにとらえた。そして、19ページ、20ページで主な取組として「多様な学びの機会の充実」として4つ、それから「人材育成」として2つが今日は提示されていますけれども、そのあたりについて皆様から何かご意見やご質問がありましたらお出しいただければと思います。 【齊藤委員】  まず1つ目として、第4期の計画内に出されていた第32期横浜市社会教育委員会議の提言で、「社会参加のすそ野の見える化」と「人材育成の活用」がありましたが、これは大変わかりやすく図表もありました。そして、いい取組ではあったのですが、提言が出された時期とコロナがちょうど重なったということがありましたし、この提言というのが本当に浸透したのかどうかということも含め、この考え方を踏襲してもよいのではないかというのがあります。この考え方というのは、今、議長からご説明いただいた内容に精通するものに当たるのではないかと思います。私も専門領域からこの考え方に基づいて、社会参加のすそ野を広げるという取組は懸命に行っているところです。これをもっと継続するということが1つ目の考えです。  2つ目は、先ほどのお話の中で、コミュニティ・スクール構想が10年間行われてきたという点についてです。横浜市は実はコミュニティ・スクールの発信基地でもありましたが、実はいくつか突出したところがあっただけで、それが必ずしも広がったものではない、といった状況だと思います。10年前に私が横浜に戻ってきた時、ちょうどコミュニティ・スクールの構想が盛り上がっていて、地域協働推進という盛り上がりと同時に、先生方の働き方改革といったところが同時に行われていました。これらは相反する考え方なので、やはり学校からの批判が大きかったのではないかと思っています。  そこで、2つ目は少し難しい点もあるかもしれませんが、コミュニティ・スクールを再起させるというか、チーム学校やコミュニティの基盤づくりといったところを再起させるためにも、やはり職員の中での(社会教育の)充実ということもあるかなと思います。横浜市の先生方は、子どもの数がとても多く、とても忙しいのは承知していますが、社会教育を学ぶ機会は実はほぼないということのようです。私の大学に横浜市教育委員会の先生方がたくさんいらっしゃるのですが、学校教育の生活の中では子どもたちをどう育てるかということがほとんどであって、神奈川県のように研修の一環として青少年センターに行くなど、学校教育以外のところに触れる機会がほとんどないということのようで、これは切り込めるかわかりませんが、学校の先生方が研修として、社会とかコミュニティの場で学ぶような、そういったところの配置というか、そういった人事交流みたいなものがあると良いと結構前から思っていました。  3つ目が、現在隣の研究室の先生が横浜市の学校事務として長くお勤めされた方で、その中で伺ったお話として、学校事務の人たちが横浜市は結構充実していると。その人たちが実はコミュニティ・スクールを担っていく重要なキーマンになる可能性があるのではないかと。だからこそその人たちに社会教育をしっかり指導するような取組をしてもらえるようにしてほしいというような話がありました。これが3つ目ということになります。以上です。 【牧野議長】  はい、ありがとうございました。第32期の提言は私も関わったのですが、社会参加のすそ野の拡大と見える化ということや人材育成について、それをもう少し引き継いでもいいのではないか。社会参加を広げていく中で、この社会の基盤を作ろうという議論をしてきましたし、途中コロナもありましたので、これをもう一度引き継いでいってもいいのではないかというご意見です。そしてコミュニティ・スクールをベースに、学校と地域社会がなかなかうまく連携を取れていない。これは先生方の働き方の問題もあるでしょうし、従来から学校教育と社会教育の一つの溝のようなものがあって、そこはまだ十分埋まっていないといったこともあるかもしれませんので、そのあたりの連携の取り方をどう考えるか。更にはコミュニティ・スクールの担い手というか、またもっと言えば、社会教育と学校教育を結んでいくものとして、学校事務の方々の在り方についてのご意見がありました。  いかがでしょうか。もし事務局から何かお考えがありましたら、まず出していただけますでしょうか。 【事務局】  ご意見ありがとうございます。まずすそ野の拡大につきましては、委員の皆様のおっしゃる通りかと思っております。私どもとしても当然、踏襲をしていかなければいけないと考えていますが、事務局として少し刷新感を出したいということも踏まえ、少々具体的な内容に踏み込んで書いていったところがあります。委員の皆様のご意見も含め、社会参加のすそ野の拡大というのはまだまだやっていかなければいけない認識は当然ありますので、そのあたりも次期計画に踏襲できるように表現を記載していきたいと考えております。コミュニティ・スクールや、学校事務の活用につきましては、私どもの部署とは違う部署が担当しておりますので、委員の方からこのようなご意見があったことはお伝えさせていただきます。  また、今回の議論とは別となりますが、本市で新たな教育センター構想が立ち上がっております。その中に現段階では仮称ですが、社会教育センターが入り、社会教育機能を担っていく予定となっております。センターの機能については、現在私どもでもいろいろ精査をしておりますが、いずれこの会議において皆様からご意見をいただきたいと考えております。その際、学校と地域の連携に関して社会教育センターが担う機能などの議論も少し深めていけたらと考えております。 【鈴木委員】  私は校長ですので、学校として発言いたします。今、地域との関係についていろいろご意見等出てきました。学校運営協議会は確かに、ここ何年かの間に全国で作られてきていますが、地域と一緒になって、というようなところは少ないと思っています。本校にもありますし、前任者も努力してくれましたが、やはり形だけという感じだったというのがあります。今年から学校運営協議会と地域学校協働本部をきっちり分け、学校からの発信をしっかりして、ご意見いただくというようなところはあったのですが、ただ対しているという感じがどうしても強いと思います。本校は地域がすごく活発なので、子どもたちの活動する場所などたくさん設けてくださっていますので、私としてはありがたくて、その中で一緒にやっていこうと思うのですが、職員の温度差はあります。忙しくなるという感覚なのか、働き方改革は働かない改革になってきているというのが、どうしても否めない。地域と関わることを避けるというか、忙しくなるからやめておこうという発想にどうしてもなっているので、管理職が地域と一緒にやっているということをアピールしながら、一緒にやっていこうとしたいのですが、なかなか難しいと思っています。  働き方改革については、教育課程自体がギュウギュウ詰めの中で働き方を変えるというようになった当初、私の発想としては教員が担わなくていい部分を少しずつ外していこうと思っていたのです。授業時数も標準時数のギリギリまで落としていいと言われ、ありがたいことではあったのですが、実は落とすことによって、教員の自主性や主体的な、プラスアルファ的なところがきつくなってしまい、できなくなっていく。かつては地域との関わりに時間を取れていたものが取れなくなってしまった。そして指導することを少し減らしていこうというような発想になってしまっているという感じは否めません。こういうところは指導が大変だから減らしていこうという発言はどうしても出てくるので、そうではないのだと私は言うのですが、時間数がギリギリで、前回から今回の学習指導要領の改訂で、授業時数が増え、更に英語も増え、その指導のための教材研究や時間が増えたということもある中で、急に働き方が悪いと言われたりしています。時間数など根本的なところを直していただかないと難しいということが現場にはあります。  私は地域と結構関わる学校で勤務したこともあるのですが、地域の方と関わるためには、子どもも私たちも学校から飛び出し、授業時間中に地域に入っていって、お話しを伺ったりとか、一緒に活動したりとかすることがすごく大事でした。それによりお互い知り合うこともできるし、地域の方もよく来たと歓迎してくださり、そういうことによって子どもたちも地域に入るのです。そういう意味では、この働き方改革というのは少し難しかった。要するに根本的なところは直っていない中での改革なので、教師はより多くの負担感だけを感じてしまったと思っています。そんな話をしている間に今度はコロナになり、更には人が足りないという状況が生じています。本校も今二人足りない。正規職員がいない分、非常勤二人でまかなっている。秋からまた一人いなくなって、もうどうしようかなと。手一杯でやっている中で人がどんどん減っていく。年度が始まると人がどんどん減っていくのです。春も人が足りないのだけれど、秋、冬になるにつれて人がどんどん減っていく。去年の冬も本当に大変でした。人がいない状況で、学年学級が崩れ、入れ代わり立ち代わり違う先生が入ってくるような状況があるので、苦しい感じがしています。そういうこともあり、今のところ教員に心持ちのゆとりがない。以前、私が教員のときはもっと忙しかったし、朝7時から出て、夜は10時まで学校にいても全然平気、だったかどうか分かりませんけど、楽しかったというのはありました。今は時間外勤務も確かにすごく減ってきていて、教員は早く帰るようになったし、朝もゆっくり寝てくるし、だけど、じゃあ心にゆとりがあるのかとか、やりがいを感じているのかというと、そうでもないと思います。  (第5期の)主な取組の中に、「学校と地域資源の連携支援」をより強化すると書かれていますが、これについて私は実感がありません。今までもコーディネートしていただけたのか、あるいは教員の方からニーズを感じて相談に行ったということがどのくらいあったのかと感じざるを得ないのですが、これを強化するというのはどういう強化なのかということを少し考えさせられます。  事務職員の社会教育への参加というのは、ある意味面白い発想だと思うのですが、果たして今の事務職員にゆとりがあると言えるのかと思いますし、事務職員が教育にあまり関わってきていないということも感じます。教育的な発想を持って取り組んでいる方がどのくらいいるのかというのは難しいかと思います。  更に社会教育についての教員の研修をもっと実施したらどうかというご意見がありましたが、小中高全部で500校ある自治体で、それをどう実施するかということについても、何つけても自治体が大きすぎるというところに行きつきますが、その中からどのくらいの人間が研修を受けると、社会教育が学校現場の方に認識として入ってくるのか。確かに(現在でも社会教育の認識は)薄いですね。全くと言っていいくらい認識がないので、まずはそこから、そういう発想で持っていった方がいいと思います。人数が多すぎるというところがネックだと思います。 【牧野議長】  ありがとうございます。学校の実情をお話くださったと思います。私は学習指導要領を作っている側ではないので、なかなかうまく言えないのですが、いろいろ聞いていくと、現在の学習指導要領も量が多くて、鈴木さんがおっしゃったようにギュウギュウだというようです。基本的には減らすと思っていたのですが減らせなかったと言われていて、そこに加えて探究が入り、また英語も入っていく中で、どの学校も余裕がなくなっているというのを聞いています。ただ言い訳的には聞こえるかもしれませんが、終わらないように作ってある、全部やらなくてもいいのだという議論になってきて、今さらに次の学習指導要領の策定作業に入ろうとしているのです。先生方は多忙である、先ほどは働かない改革になってきているというお話でしたが、先生方は学校で子どもたちを教える専門職として、そこに一番注力できる時間の在り方にしたいと、先ほど言った2015年のチーム学校答申が作られているはずなのです。しかしどうもやはり、教える内容が多いままになっていると言うことも含め、先生方の在り方について今は時間数を減らすことになってしまっていて、逆に負担感だけが増えるようなことになっていると思います。もう少し言うと、子どもたちを学校から帰したら、先生方や学校は責任を負わないという、そういう措置を取れないかという議論もしたのです。今、学校は全部、24時間子どものことに関わっている。社会で事件を起こすと、あるいは事故が起こったりすると、学校が連絡を受け、先生方が出ていかなければならないということになっていますが、本来は学校の役割ではないだろうという議論になっています。更に今、部活を社会化する話も出てきていますけれども、そういう意味では、学校を捉える社会の在り方や、先生方の責任の分限の問題も、やはりどこかで議論しなければいけないだろうと思います。社会教育ではない議論になってきているかもしれませんが、本当はそこを社会教育がどう捉えるかですとか、そういう議論をしなければいけないだろうと思っています。すみません、どこまでいけるか分かりませんが、そうしたことも少し念頭に置きながら議論できればと思います。他にご意見ありますか。市川さんお願いします。 【市川委員】  齊藤さんのお話を引き継ぐ形ですが、社会参加のすそ野の拡大と見える化というところで、見える化について意見します。一言で情報発信と書いてあるのですが、具体的にどうするのか、好事例の収集と情報発信が新しい取組に含まれていますが、それらを求めている人たちにどのように伝えるのか、届けるのかという取組、ないしは広報活動の強化、このあたりをきちんと具体的に、何をしていく、誰がやっていくというのを体系化していく必要があると思います。横浜市は人口多いですし、様々な活動をしている方もたくさんいらっしゃいますが、市のホームページも非常に階層が深く、なかなか生涯学習のページが出てこないです。そういうICTの活用も含めて、あるいは地域連携も含めて、情報の届け方、見せ方、この辺をもう少し考えたほうがよいかなと思います。  そこで指標のひとつにご提案したかったのは、アウトプットとアウトカム指標を提示されていますけれども、インプット指標を挙げたらどうかと思っています。インプット指標と言いますのは、具体的には情報発信する成果です。私自身は広報職でプレスリリースなどの情報発信活動をしており、受け取り側に対しての情報発信のことを、私たちからするとアウトプットとなりますが、これは受け取り側からとらえるとインプットとなりますので、指標としてはインプット指標と呼んでいるのです。例えば生涯学習に関する取組の記者発表をどれくらいしたのかとか、あるいはフォーラムを開催したのか、SNSの活用も含めどのくらいの人数にリーチしたのか、インプレッション数とか、どのくらい情報が届いたのか、伝わったのかという取組に対しての指標を含めたら、総合的に判断ができると思いました。 【牧野議長】  ありがとうございます。第32期の提言の中の社会参加の見える化というか、そういったことも含めて、広報を少し重視したらどうかということと、さらには評価指標についてはインプット指標、出す側ではなく、受け止め側がどのように受け止めてきたかということも含めて、評価に入れたらどうかというご意見でした。他にいかがでしょうか。新垣さんお願いします。 【新垣委員】  牧野さんの中央教育審議会のお話は非常に勉強になりました。第5期の取組については、私の専攻は教育というよりは地域ですので、そのあたりのお話をしたほうがいいと思っているところです。  新規の取組として、地域課題の解決につながる先駆的な事例とか、あるいは学校と地域資源との連携支援というお話がありますが、最近の地方自治では、昨年の地方自治法の改正にもつながっていますが、やはり公共私連携というのが一つのトレンドになっています。そして皆様もご存知のように、地域社会、地域コミュニティも衰退の一途をたどっており、その衰退しているコミュニティ、地域を「公」が支えるというトレンドが今強くなっています。指定地域共同活動団体制度というのが法制化されまして、具体的には特定の自治会町内会のような活発な自治会町内会みたいなものを一つ指定して、そこにいろいろお金をつけるというような話。あるいは元々、地域担当職員というのがありますが、最近だとボランティア休暇を派生させる形で、地域貢献活動の休暇を作ってもいいよというのが総務省で発信をしているわけです。神戸など事例もあります。あるいは公務員の兼業、副業の拡充というのもあります。それは要するに地域に貢献するようなものであればいいよと。そういう意味では、底が抜けてきているわけではありますけれども、教育行政ではなくて一般行政の部門の職員を地域に入れさせようということは総務省の筋としては確実だと思うので、学校と地域資源の連携支援みたいなところに一般行政の流れ、まずは地域貢献休暇とか、こういう取組の頭になるところではないと思うんですけれども、実際の取組として一般行政の人たちだって忙しいと言いながらも、そういう指定地域共同活動団体制度、あるいは休暇制度みたいなものを活用することを前提として、市民局、市民協働の話かもしれませんが、そこの人たちとのコラボレーションを計画の中で入れておくといいのかなと思いましたので、ご検討いただければと思います。以上で終わります。 【牧野議長】  ありがとうございます。地方自治制度の改革の中で、そうしたものを絡めて社会教育の展開を考えてはどうかというご意見でした。他にいかがでしょうか。では北原さんお願いします。 【北原委員】  (資料の)15、16ページにあります市民ライター養成講座について取り上げてくださりありがとうございます。私は事業として何区かに関わっておりまして、市民ライター養成講座を通じた市民が、実際地域の現場を取材していくことにより、その方々が地域の担い手になっていったり、その後の地域活動につながっていくという効果を非常に感じていたところです。そしてこうした効果がより定着していくためには、重要な要素がいくつかあると考えております。第5期計画について言えば、職員の相談・コーディネート能力の向上が必要であるという点において、そのコーディネート能力の中には地域とのつなぎの前提として、例えばどれだけの地域資源があり、地域活動や生涯学習団体があり、という把握はもちろんのことですが、私自身が感じていたこととして、実は区役所内の、庁内での連携がどれだけできるかということにより、かなり事例の成功につながりやすいのでは、ということがあります。私自身も区レベルでいうと、例えば地域振興課の生涯学習とか、地域デビュー講座のようなものに関わり、更に区政推進課で言うとまちづくり、こども家庭支援課では子育て支援なのですが、子育て支援というのは、子育てを初めてする方々の層が地域に初めて出ていって、地域資源とつながっていく最大のチャンスであるという見方をしています。更に高齢の方々ですと、高齢・障害支援課でシニアのセカンドキャリアなど、本当に様々な生涯学習や社会教育のチャンスというものを、実は庁内において多様なコンテンツをかなり持っていらっしゃる。それらのコンテンツが横につながっていたり、お互いに応援し合っていたり、情報発信の機能においても、例えば区民活動支援センターのようなところで集約をしていくなど考えることができます。  事業の内容が被ることもかなりある中、行政側の職員さんの多忙化もそうですが、地域側としても毎年複数の部署から様々な話が来たりしていながら、実際に支援を担える方がかなり薄いという課題もあるかと思いますので、コーディネート能力という点においてはぜひ庁内と地域という両方の側面で、そして特に庁内の部分では、コーディネーターがどこをどうカバーして、何の情報を把握しながらどうつないでいくのかというような組織図的なスキームが見えてくると、より実効性のあるものになっていくのではないかと感じました。 【牧野議長】  ありがとうございます。特にこのコーディネート能力は庁内、役所の中ですが、役所の中の職員の方々のそういう力をどう育成するかといったことと、地域側のコーディネート能力も高めていって、どうある種の相乗効果をもっと作り出していくのか、そのあたりも少しご検討いただけないかという話だと思います。では、七澤さんお願いします。 【七澤委員】  今北原さんからのお話にもありましたけど、(資料)16ページの第4期の振り返りの中で、担い手育成講座が一過性になっているとか、コーディネート能力が必要であるというようなことがあります。私たちの青少年活動の人材育成の課題でもあるのですが、入口の支援は充実ができても、出口、学んだ先に活躍する場を持っている人はいいのですが、そうではない人に出口である活躍の場を新しく作っていくことが難しい。今回のアウトプット指標のところでも、どうしても充実とかきっかけとかいう、入口部分のアウトカム、アウトプットになっています。出口として学んだ先に活躍できる場があるのか、コーディネート能力の向上という点においても、コーディネートできる先がどれだけ充実しているのかなど、これは本当に難しいと思います。私どももこの指標を立てるということがなかなか難しい。  一方で、自由に学びたいことを学べるというのが生涯学習であるとも思うので、そこの部分は難しいと思いつつ、出口の充実をどれだけできるかということが、今後の生涯学習の充実の鍵になっていくのではと思っていました。  もう一つは、これは先ほどの牧野さんのお話を伺ってということもありますが、23年前、ちょうど横浜市の大型の青少年センターが立ち上がり、私は立ち上げの職員になったのです。開いた当時思ったこととして、私は横浜出身ではないのですが、横浜の子どもたち、若者たちは公共施設を利用することに慣れていないというのを感じました。横浜市は大きな自治体にもかかわらず児童館がなく、子どもが主役の施設で遊んだ経験がないからだと思いました。横浜市は児童館だけでなく公民館もありません。当時、上司から聞いた話では、地区センターが児童館と公民館の機能を併せ持つ施設として、開設当時は先駆的な取り組みであったと聞きました。確かに地区センターには、現在も小学生がたくさん遊んでいます。しかし中学生になると、なんとなく居づらい、行きづらい。つまり大人の施設の中に子どもが間借りしているような状態になってしまっています。  私はこども青少年局の外郭団体の職員のため、ちょうど先々週、子ども・若者支援協議会に参加しました。こども家庭庁が子どもの居場所づくりを推進している中で、横浜は新たな居場所を作ることは難しいが、既存の地域資源、地区センター、地域ケアプラザがあるから、その中に子どもや若者が気軽に行ける機能を足していくということが現実的で、そのためには庁内横断して目指していかないといけないですよね、という意見が委員さんから出ました。地区センターが子どもの居場所だけでなく、生涯学習の資源としてある中で、既存の施設として出口の支援にいかにつなげていくかだと考えます。計画に盛り込むことは(施設の所管は)教育委員会だけではないので難しいと思いつつ、学校の先生と一般行政との連携という点においては、縦割りでは難しいと私も感じていましたので、先ほどの牧野さんのお話をなるほどと思いながら伺っていました。 【牧野議長】  ありがとうございました。出口ですよね、出口をどうするか。やはり入口は広くあるのですが、例えば学んだ先どうなるのか、また称号や資格を取った先どうなるのか、そうしたことも含めやはり出口については少し議論が必要ではないかということと、もう一つは地域資源の活用という中で、子どもたちや若者たちの社会参加と言いますか、施設の利用といったことも含め子どもたちの行き先をどう考えていくのか、これも出口の問題であろうということですので、その辺りも少しまたご検討いただければと思います。更にいかがでしょうか、まだ少し時間があります。今後のいわゆる評価指標について、先ほどインプット指標を入れたらどうかというご発言もありましたが、もう少し何かお考え等ありますでしょうか。社会教育においては、参加者数など数での判断は、とあれこれ言われたり、ちょっと違うのではないかという議論がよく出たりするのですが、何かお考えありませんでしょうか。齊藤さんお願いします。 【齊藤委員】  参考資料の7ページに、横浜市18区の生涯学習の場というのがあるのですが、生涯学習の場として地区センターがあります。地区センターは公民館的な役割として非常に重要な役割を果たしていると思うのですが、どの区もとは言いませんが、どうしても貸館に重きが置かれ、ほとんどの部屋が何か月も前から、サークル活動で埋まってしまうというのが現状としてあります。大学と連携した持ち込み企画の実施も難しいです。企画のために1日とか3時間を確保するだけでもすごく大変で、それを交渉するのにどれだけ時間を割くかというぐらい、要は途中からでは参入が難しいのです。若者が重要だとか、地域での居場所が必要だと言いながら、地区センターとしては部屋を埋めなければならない、実績を作りたいというのがどうしても上位になってしまっています。  先ほどのアウトプットの指標にも該当するのかと思うのですが、利用者の数はもちろんあるかもしれませんが、それだけではなく、第5期計画で重視していきたい主体的な活動を促すとか、地域課題の解決を促すというのであれば、例えば地区センターが、課題解決につながるような講座や自主事業をいくつ設けたかとか、地域住民が自分たちでエントリーする講座の入る余地があるかとか、地域課題を主体的に解決するのを促す講座やプロジェクトとか講座などを積極的にやっているかどうかという、調査というよりそれを促進するような要素がどのぐらい地区センターにあるかとか。単発でもいいと思うのです、それまでの準備するプロセスこそが課題解決につながるところもありますので。そういった視点もあると思います。  もう一つは、今すごく重視しているのですが、ミドル世代、中年世代の居場所機能的なものが今後重要になってくると思っています。こうした社会教育を考える場というのは、どうしても既婚者や子育て世代など階層に着眼しているというのが長年続いているのですが、3分の1ぐらいの層は未婚ですし、また、子どもがいないということもありますので、そういう人たちにとっても地域活動や地域貢献というのが心地いい楽しみになるような、そうした講座の作り方というのがきっとあると思います。例えば環境について、コミュニティセンターを飛び出して講座に一緒に参加するなど、そういう可能性も含め、第5期計画に新しさを出したいということであればそこに着目し、新しいキーワードしてみるなど、横浜市は子育てのまちと売り出してはいますが、子どもがいない人たちにとっても楽しいまちになる必要があるわけなので、そういったところを売り出していくのがいいと思っています。 【牧野議長】  ありがとうございます。一つは課題解決といいますか、趣味のような活動を促すようなプロジェクトベースの、または講座のようなものを作っていくような議論ができないかということと、もう一つは、いわゆる対象者ですよね。未婚である方々や、またはミドル世代の方々の社会参加を促すような、何かそういうような企画ですとか、そういったものも盛り込めないかということでした。他にご意見等ありますでしょうか。  やはり、評価指標というのはどこも苦しんでいます。私は他の自治体の総合計画や教育振興基本計画にも関わっておりますが、評価するときの指標作りで皆さん悩まれて、多くのところが、目標値を決めて達成したかどうかではなくて、動態指標といって例えば始めたときから比べてみてどれくらい増えているかとか、向上していればよしとするという取り方をしているのですが、そうしたことももういいんじゃないかとは思うのですが、このように次の計画を作るときには、やはり評価がいるということなので、なかなか難しいのです。新垣さんいかがでしょうか、地方自治体で評価はどうしたらいいのか、のようなものは。 【新垣委員】  政策評価に関して言うと、2000年くらいから始まっているところですが、私が授業で話したりするのは、やはり現場の評価疲れです。指標を作るために仕事が増えるというところで、今のところ効果的な指標がどう作れるかという議論はあまりないというよりむしろ、PSM、パブリックサービスモチベーション研究みたいなところで、いい指標を作るためにはどういうインセンティブが必要か、みたいな話ぐらいに留まっていると思います。あまりご参考にはならないですが。 【牧野議長】  政策や行政のほうも苦しんでいるということなのです。その意味では模索をしながら、ということになるかもしれませんが、当面はこういう形でよろしいでしょうか。先ほど齊藤さんがおっしゃったような形も少し検討していただくということで、何か数値化していくということではなくて、むしろ何か市民の活動を促すような事業ができたかできないか、あるかないかですとか、少し質的な話にしていくということもあるのではないかというご指摘だと思いますので、少しお考えいただければと思います。ただこれもいわゆる計画であるし羅針盤ですので、資料のはじめのほうに図がありましたけれども、教育ビジョンがあり、教育振興基本計画があり、年度単位の行政計画、これらを作られていくと思いますので、それのベースになるのかなと思います。いかがでしょうか。そういう形で少し方向性を示していけるような評価指標というか、そういうものもあるかなと思いますので、ご検討いただければと思います。  他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。私の方から一つお願いといいますか確認です。横浜市の教育振興基本計画として、生涯学習や社会教育がどう位置付けられているのかと思うのです。そのあたりについてお分かりになる範囲で少しご説明いただきたいのですが、事務局いかがでしょうか。 【事務局】  現在、第5期の計画全体についても検討中でございますので、今後随時委員の皆様には情報共有させていただければと考えております。よろしくお願いいたします。 【牧野議長】  国の方もそうですが、どうしても学校教育中心になってしまいますので、それは仕方がないと思うのですが、やはり先ほど申し上げたように、大きな流れとしては学校教育だけではなく、もう少し幅広く社会全体で、学校教育も含め、社会全体の学びをどうするかというようなことも議論になってきているので、もし可能であれば、横浜市には少し先導的な役割を担っていただけるといいなと思いましたので、一言申し上げました。  実は人口減の社会に入っていく中で、定住外国人が毎年30万人ずつ増えているので、日本全体の総人口は減り方が少し緩やかになってきているのですが、多様な、そういった方々とどう共生社会を作るかといったことも議論になってきています。外国人のことは今、生涯学習分科会が担うことに国ではなってきていて、日本語教育も生涯学習分科会で検討しており、いわゆる共生社会をどう作るかという議論と重なってきているだろうと思います。  それからもう一つは、私は愛知県にもいろいろ関わっているのですが、先日、人口学を研究している人たちが、名古屋圏はもう大都市圏とは呼ばないと言ったので、人口は横浜と同じくらいじゃないですかと返したら、横浜は大都市圏だが名古屋はもう大都市とは呼ばないのだと言われたのです。そこで、どういうことなのかと尋ねたところ、愛知には名古屋市や豊田市がありますが、名古屋市は滋賀とか三重とか岐阜から毎年一万数千名を呼び込んでいるにもかかわらず、それ以上の人間を首都圏に出してしまっていると。そして社会減が始まっている。豊田市は、男性を呼び込んではいるけれど、未婚の女性を首都圏や近隣の少しお洒落な街に出してしまっている。ですが、今の時点で合計特殊出生率を取ると高いのです。なぜかというと、女性の母数が減っているので、既婚者がいて子どもを持っている方が多いと合計特殊出生率は上がるのですが、いやそんなもの見ても意味がないと言われて、人口に対する出生数を見ないととダメだと言われたのです。例えば、産める方が減っている社会を作ってしまい、男性ばかり呼び込んでも産んでくれません。豊田や名古屋は工業力があるので若い男性は入ってくるのですが、若い女性は出て行って首都圏に、横浜に行っちゃってると言っていました。そうしたこともどう受けとめるのか問われて、皆さん黙ってしまったのです。そのようなことがありました。  ですから逆に横浜は、ある意味では、言い方は悪いですが、東京も含め全国から若者を奪っているところなので、そういう方々がどういう社会を作るのかといったことも、もしかしたらこれから問われるのではないかと思います。一説では、2050年に残っているのは、東京と福岡、首都圏と福岡という議論がありますし、福岡は外国人が増えるから人口増加が見込まれるとか、そういう議論になってきています。また、経済をやっている連中から言われたのですが、人口減が始まる名古屋圏はどうするのと話をしていた時に、そのうち東京の近郊になるから大丈夫だよと言われたのです。リニアが通ると、名古屋も1時間圏内ですから、完全に近郊化してしまう。もういわゆるグレーター東京という議論で、千葉から名古屋までが一つの首都圏であるみたいな議論ができるようになるから大丈夫だと言われたのです。それはまあどうでもいいのかも知れませんが、やはりそういう、ある意味では人口構造や国土構造が変わっていくといったことの中で、横浜市の位置付けをどうするかといったことも、もしかしたらこれから議論が必要になってくるのかな、そこに生涯学習や教育の在り方をどう考えればといったことも今後検討しなければいけないのではないかという気もしています。すみません余談でした。  いかがでしょうか、そろそろ時間ですけども、他に皆様の方で何かご指摘ですとかご質問、ご意見等ありますでしょうか。齊藤さんお願いします。 【齊藤委員】  先ほどの働き方という意味ではすごく真逆なのですが、今後、余暇の充実ということがやはりあるかなと思います。横浜市はいろいろなビジョンを打ち出して、すごく素敵なポスターもたくさんあるのですが、横浜において働いている時間も楽しいけれど余暇の時間も楽しい。そしてその時間の中での生涯学習という取組、学び直しとか生き直しということにおいても、もっと機能させ、発信していくことがすごく重要だと思っています。 【牧野議長】  生涯学習、もともと生涯教育が、OECDやユネスコから日本に入ってくるときに言われたのが、今の余暇の話です。前の万博の頃に障害教育という概念が入ってきたのですが、その頃にどう言われていたかというと、これからは人間には有り余る余暇がやってくると。例えば、経済発展についても今後は全部オートメーション化されていって、週15時間労働で今ぐらいの生産性が上がるようになってくるので、有り余る余暇がやってくる、それをどう使うかが人間の価値を決めるのだと言われ、当時生涯学習、生涯教育だと言われたのです。そうはなりませんでしたけれど。かえって忙しくなって、今みんな大変なことになっていますが、ただやはり、どう人間らしく生きるかといったことも大きな課題だと思いますし、その中で余暇というか、余暇という言い方についても「余った暇」ではなくて、仕事も含め生活をどうするか、ワークライフバランスではなく、ワークがライフになっているとか、そういうことも含め、やはり生活の在り方をどうするかという議論になってきていますから、そこで生涯学習をどうするかといったこともやっぱり議論するべきだろうと思います。他にいかがでしょう。市川さんお願いします。 【市川委員】  最後に2点、細かいところですが、19ページの第5期計画における主な取組の中で、新規のオンライン学習サイトの作成と、継続の子どもアドベンチャーカレッジの実施について、意見を述べさせていただきます。  まず1つ目のオンライン学習サイトの作成、これについてはオリジナルで横浜市が新たにプラットフォーム的なものを作成するということだと思うのですが、1つお願いとしましては、ぜひ読書バリアフリーの議論のように、白黒判定や音声読み上げなど、バリアフリーにも配慮されたサイトの構築をお願いしたいと思います。オンライン学習サイトの比較をするような方々の意見を拝見しますと、オンラインでの受講者イコール健常者と想定されたサイトの仕組みになっているのがほとんどであるという指摘をしている意見が見受けられましたので、新しく作成される際には、ぜひそういった方々を含めた受講者のことも考えていただけると嬉しいと思います。  もう1点は、子どもアドベンチャーカレッジについてです。弊社にも参加のお声掛けをいただいたのですが、プログラムの募集時期が実施の半年前とかなり早く、企業としましては、半年先のイベント計画を決めるというのはなかなか難しい状況がございまして、参加したいという思いはありながらかないませんでした。弊社でも独自で来週から学び・知育をテーマに親子向けのイベントを開催しますが、例えば小分けに年数回開催していただくなど、多様な企業や企画が参加できるように、余裕があれば検討をお願いしたいと思いました。 【牧野議長】  オンライン学習サイトを新規で作られる際は、障害を持った方々にも対応をしてくださいということと、子どもアドベンチャーカレッジの実施の方法については、ご検討いただけないかという話だと思います。  他によろしでしょうか。それではもうそろそろ時間となりますので、ここまでにさせていただきたいと思います。それでは議事を事務局にお返しいたします。 (議事終了)