第33期横浜市社会教育委員会議 第5回会議録 日時:令和4年11月15日(火)午後2時00分~午後4時00分 開催場所:横浜開港資料館 講堂 出席者:牧野議長、安藤委員、野口委員、中西委員、副島委員、長尾委員、高木委員、大橋委員、齋木委員、松島委員 開催形態:公開(傍聴人0名) 議事:第33期横浜市社会教育委員会議 提言案について 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」に基づく取組の方向性について 資料:【配布資料】 資料1「第33期横浜市社会教育委員会議 提言案」 資料2「第33期横浜市社会教育委員会議 第4回会議録」 ■議事 【牧野議長】 今回の会議は、第33期社会教育委員会議の最終回です。提言の内容を固めたいと思いますので、ご協力をお願いします。 事務局から示された提言案は、これまでの協議の内容をうまく盛り込んでくださっていると思います。提言案について、何かお気づきの点などご発言いただけたらと思います。 【齋木委員】 「1 はじめに」で、「言葉を学び、感性を磨き、表現力、創造力等を高め、又は豊かにし、 人生をより深く生きる力」とありますが、読書の捉え方が、情緒的すぎるような気がしますので、「知識や情報を獲得し」という言葉を加えると良いと思います。 【事務局】 ご指摘を踏まえ修正をします。 【齋木委員】 どのように入れるかについては、お任せします。例えば「大切なものです。」の後に一文を加える。または、「読書の果たす大切な役割です。」の後に入れるということが考えられると思います。当事者の方が情報を獲得するという視点は必要だと思いますので、今の文章では、その点が含まれていないように思います。何らかの形で追加していただきたいと思います。     【松島委員】 「1 はじめに」について、気になったところは、読書は学ぶと同時にもともと楽しいものだと思いますので、これだけだと堅苦しいと思います。読書は学ぶと同時に楽しいものであってほしいと思います。 【牧野議長】 ありがとうございます。「1 はじめに」のところでは、2つご意見がありました。一つ目が情緒的なことだけではなくて、知識を学び、社会で生きていくための基礎を作っていくという観点を入れること、学ぶという少し堅いことだけではなく、読書はいろいろな世界を知ることを通じて楽しむことができるということがあります。そのことを上手く盛り込んでいただけるとありがたいです。 それでは、次の「2 横浜市の現状」についてですが、「視覚障害者等の読書環境の整備状況」と「読書バリアフリー法『基本理念』の関連取組」に分けて整理されています。また、コラムが4つ追加されましたが、何かご意見はありますでしょうか。 【野口委員】 細かな表現のところですが、5ページ「イ 合理的配慮につながる取組」で、「ユニバーサルデザインやピクトグラムを使用した表示を掲示している事例があります」とありますが、具体的にどの部分がユニバーサルデザインなのかということを示していただけたらと思います。例えば、文字のフォント、書体、色使いなど、例示をあげると良いと思います。 また、5ページのコラム「市立図書館の障害がある人へのサービス」の、「配送貸出サービス」は、郵送で行っているのでしょうか。それとも宅配で行っているのでしょうか。 【中央図書館サービス課】 実際には郵送で行っていますが、サービスの事業名が「配送貸出サービス」としているため、このように記載しました。 【野口委員】 わかりました。ありがとうございます。 【齋木委員】 いわゆる通常の電子書籍で、読み上げや拡大が可能なもの、あるいはそれを提供する電子図書館サービスについて、提言に出てこないことについては、どうなのだろうと思います。読み上げ可能な電子書籍が載っていないと、特別な書籍しか載っていないように見えますし、重点取組4では、読書バリアフリーについての市民理解の促進や障害の有無に関わらずという観点も入っていますので、読み上げ可能な電子書籍について、オーディオブックと同じ並びに記載していただきたいと思います。読み上げ対応の電子書籍を入れることで、視覚障害者等の人たちが、読める点数が増えるという意味合いもあると思います。 また、「視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等」は、法律上の文言を準用して使っていると思いますが、著作権法37条の特別書籍・特定電子書籍等とされているものとの区別が分かりにくく、この会議でも度々混乱を招いてきたと思いますので、どこかに補う形で文言を盛り込んでいただけたらと思います。 【野口委員】 混乱を避けるために、あえて特定電子書籍という言葉を避けて包含した表現を使っているのだと思います。書かないのは、むしろ分かりやすくするための工夫だと思います。確認をさせていただきたいのですが、横浜市の図書館では電子書籍サービスは実施しているのでしょうか。 【中央図書館調査資料課】 実施しています。 【野口委員】 横浜市では、斎木委員のおっしゃった読み上げ対応の電子書籍もあるのでしたら、通常の電子書籍の中に読み上げ対応の電子書籍があることを盛り込んでも良いかもしれません。特定電子書籍といったような用語は、市民の方向けにはかえって分かりづらいので書かなくても良いかと思います。 【齋木委員】 野口委員がおっしゃった通りで良いと思います。音声デイジーやオーディオブックというと大変なものという風に受け取られてしまうと思います。読み上げ可能な電子書籍があることについては、コラムの「視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等」に多少解説を入れても良いと思います。 【牧野議長】 一般の電子書籍には、読み上げ可能なものがありその活用が望まれる。あるいは晴眼者の使う電子書籍の中にも、視覚障害者等の方も読書をしやすい書籍があるという表現になりますか。 【齋木委員】 そのような表現で良いと思います。例えば学校の先生にこちらの文章を読んでもらうと、学校にデイジー図書がない場合、デイジー図書を使う方向に向かえば良いですが、ハードルが高いように受け取られ、諦められたらもったいないと思うのです。まずは市立図書館の読み上げ可能な電子書籍をうちの生徒に使わせてみようかというような流れになってほしいと思います。 【牧野議長】 それでは、事務局で文言の検討をいただいてもよろしいでしょうか。 【長尾委員】 「2 横浜市の現状」のところで、盲特別支援学校に関する記述に「幼児・児童生徒」と記載されていますが、法律上の引用などでないのであれば、「・」を取り、「幼児児童生徒」にしていただきたいです。 【牧野議長】 法律上そのような表記になっているのですか。 【事務局】 特にそうなっていませんので、「幼児児童生徒」に修正します。 【牧野議長】 「幼児児童生徒」という表記で、よろしいでしょうか。皆さま何かありますか。 【野口委員】 学校図書館法では、「児童又は生徒」です。学校図書館法では、幼児は入っていないのですが、幼児を入れて頂ければ良いのではないでしょうか。 【副島委員】 「児童生徒」に「・」が入っていませんが、そこは「児童生徒」という熟語があるわけではないので、幼児と児童と生徒について並列の書き方で良いと思います。「児童生徒」という表記は、横浜市で義務教育という観点で、使われている表現に過ぎないと思います。 【齋木委員】 「幼児児童生徒」として、「・」を入れるかについては事務局にお任せしてよいのではないでしょうか。 【事務局】 事務局で整理します。 【牧野議長】 「児童生徒」は、「子ども」ではだめなのでしょうか。 【長尾委員】 盲特別支援学校では、高等部専攻科があり、大人もいます。大人の方に対しては、生徒と呼んでいます。 【牧野議長】 それでは「幼児児童生徒」の方が良いですね。 【野口委員】 「幼児児童生徒」については、「・」を入れない方が、すっきりするかと思います。 【牧野議長】 表記については事務局でご検討をお願いします。 【高木委員】 本文中の用語解説のある言葉については、ホームページに載せるときに、クリックするとリンクで用語解説に移動できるようにした方が読みやすいと思います。 【事務局】  承知しました。 【高木委員】 「幼児児童生徒」の呼称については、もう少し平たくした方が読みやすいと思いますが、いかがでしょうか。 【牧野議長】 学校では「児童生徒」、大学では「学生」と一般的に表現されると思いますが、呼称について検討しますか? 【齋木委員】 「青少年」でしょうか。 【大橋委員】 盲特別支援学校は、幼児から40代、50代くらいの大人まで、幅広くいるので、まとめるのは難しいと思います。 【齋木委員】 年齢でくくるのはかえって難しいということですね。 【牧野議長】 盲特別支援学校では全員「生徒」なのですか。 【長尾委員】 盲特別支援学校では、「幼児児童生徒」と表現しています。 【牧野議長】 普通の学校という観点で「児童生徒」と呼んでいるのだと思いますが、特別支援学校では幼児から大人まで年齢の幅広いなど、想定していなかったかもしれませんので、もしかしたら新しい文言を作らなければならないかもしれませんが、事務局で検討していただければと思います。 【安藤委員】 5ページの「ユニバーサルデザインやピクトグラムを使用した表示を掲示している事例があります」という記述については、合理的配慮を表す事例としては限定的だと感じます。また、6ページのコラム「学校司書の配置」に子供の読書活動優秀実践校の実践例が載ると良いと思います。私が見た実践例は、学校司書がテーマを設け、そのテーマに関連した本を平積みにして子供達に分かりやすく紹介するというような取組がありました。そうしたことを積極的に行っている事例を載せたほうがより適切ではないかと思います。コラムの受賞一覧は合理的配慮を示すものとしては違和感があります。絵でも良いと思いますので今の学校図書館が昔の学校図書館のイメージと違うということを示すものが必要だと思います。 【牧野議長】  「イ 合理的配慮につながる取組」に、具体的な取組を追加できないかというご意見をいただきました。 【副島委員】 「イ 合理的配慮につながる取組」の「ユニバーサルデザインやピクトグラムを使用した表示を掲示している事例があります」とありますが、このユニバーサルデザインは何を指しているのか少し分かりにくいと思います。また、ピクトグラムはユニバーサルデザインに包含されると思います。 学校で読書活動が広がったのは、学校司書のマンパワーが大きいと思います。どの子供に対しても学校司書が関わってくれるので、読書活動が広がりました。普通学校でも対面朗読は普通に行っていますし、緑園東小学校では、学校司書が個別支援級に出張し、子供に本を読んであげる際に補足して話をしたり、パネルシアターをするなど、ただ読み聞かせをするということではなく工夫をしていました。子供の状況に応じて、より読書を楽しめるような工夫を講じられるようになったのが、学校司書配置の効果であり、良くなったところだと思うのです。子供によってアプローチを変えることができるようになったことは、学校司書の配置の大きなメリットなので、貸出冊数等が増えた裏には、そういった取組があるということが書かれると良いと思います。 【牧野議長】 「2 横浜市の現状」の図書館人材の育成のところに、学校司書が配置されたことで、子供の状況に応じた取組が可能になっていることを書いておくと良いと思います。それを入れた上で、特別支援教育に関する取組を進めていくと記載すると良いと思います。 【野口委員】 6ページの「図書館人材の育成」のは、「イ 合理的配慮につながる取組」の中に入れるのではなく、ウの項目として別立てした方がすっきりすると思います。 【事務局】 この項目は、「読書バリアフリー法『基本理念』の関連取組」として、基本理念の2つの要素の「視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実」と、「視覚障害者等の障害の種類、程度に応じた配慮」に基づき、「ア 視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実に向けた取組」と「イ 合理的配慮につながる取組」に分け整理をしました。読書バリアフリー法の基本理念の関連取組としなければ、ウを追加することもできると思います。 【野口委員】 人材育成は、「ア 視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実に向けた取組」にも関わってくる話ですよね。 【牧野議長】  人材育成については、市として力を入れていると捉えてよろしいでしょうか。 【副島委員】 学校司書の育成には、力を入れていると思いますが、学校司書の特別支援に関する研修についてはもっと取り組まなければならないというところだと思います。 【齋木委員】 学校司書の配置による人的な支援が行われていることを記述し、その後に特別支援教育に関する研修をしているという流れで書いた方が良いと思います。 【副島委員】 3ページの一番下の段の前に、齋木委員がおっしゃった人的支援が行われていることを入れたらいかがでしょうか。 【野口委員】  3ページの項目は、「ア 視覚障害者等が利用しやすい書籍等の充実に向けた取組」なので、なじまないように思えます。 【安藤委員】 関連して6ページの「学校では学校司書を対象に、特別支援教育に関する研修を実施しています。」とありますが、こちらの研修は学校が行っているという意味ですか。それとも教育委員会が行っているという意味ですか。 【副島委員】 学校では学校司書を対象に、特別支援教育に関する研修は行っていません。 【安藤委員】 特別支援教育という用語は、もっと広い概念を示しています。本当にこういったことを行っているのでしょうか。 【副島委員】 行っていないと思います。学校によっては、特別支援教育に関する研修に、学校司書が参加する例はあると思います。参加する場合もあるくらいの話ではないかと思います。 【安藤委員】 特別支援教育は、小、中、高、特別支援学校に在籍する全ての子供を対象としています。各学校では、教職員を対象に年に1回程度の特別支援教育に関する研修が行われていますが、「学校司書を対象に、特別支援教育に関する研修を実施している」という趣旨とは異なるものと思います。 【小中学校企画課】 研修は、事務局として年1回はやっています。 【安藤委員】 各学校単位で行っている特別支援教育に関する研修は、「学校司書を対象とする特別支援教育に関する研修」という意味合いではありませんね。 【牧野議長】 それでは、この文章については、ご検討いただいてよろしいでしょうか。次に「3 提言」について検討していきたいと思います。何かご意見はありますでしょうか。 【野口委員】 9ページについて、ICT支援員にも注釈があったほうが良いと思います。また、ICT支援員が読書バリアフリーに寄与する視点も大切だと思いますので、9ページの「司書教諭、学校司書などへの研修等」に「ICT支援員」を加えていただけたらと思います。 また、10ページの「司書教諭をはじめとした教職員及び学校司書」とありますが、学校司書は教職員ではないのですか。市の位置づけがあるのかもしれませんが、直接市が雇用している会計年度任用職員だと思いますので、教職員に入るのではないかと思いますがいかがでしょうか。 【牧野議長】 ITC支援員についての記述については、事務局で検討いただけたらと思いますが、学校司書の位置づけについてはいかがでしょうか。 【小中学校企画課】  確認をします。 【牧野議長】  基本的な取組について何かご意見ありますでしょうか。基本的な取組についてご意見がないようですので、重点取組についてはいかがでしょうか。 【中西委員】 点字図書館を設置している他の市では、点字図書館が音頭を取り、選挙公報のデイジー版の制作をしています。横浜市にあるライトセンターは県立の施設なので、県議員の選挙については音頭を取って行っても、横浜市議や市長の選挙に関しては行わないのです。そのため、市の選挙の場合は、大橋委員がいらっしゃる横浜市視覚障害者福祉協会が、市の選挙管理委員会と連絡を取り、選挙広報のデイジー版の制作に関して音頭を取ってくださっています。各区の社会福祉協議会には、西区以外には、音訳ボランティア団体があり、その方々が手弁当で音訳作業をしています。2~3日で行わなければならないのです。横浜市がバックアップしていただけないものかといつも思っています。読書バリアフリーとは離れてしまいますが、一言お伝えしたいと思います。最近候補者の判断で、選挙公報にQRコードを載せて、詳しい情報を記載するという例がありますが、QRコードの先も音訳しなければならないのです。選挙権は国民の権利ですから、もう少し親切な対応をと思います。横浜市視覚障害者福祉協会には、いつも音頭を取っていただいて感謝しています。 【大橋委員】 選挙公報の制作に当たりましては、デイジー横浜をはじめとするボランティア団体の皆様には、ご負担をおかけしていますし、感謝をしております。市には点字図書館の機能をあわせもつ情報センター的な施設を設置するよう要望していますが、神奈川県にはライトセンターがあるので、市立の点字図書館に当たる施設を作ると二重行政になるということでいつも断られています。中西委員がおっしゃったように、点字図書館は、本を制作し、本を収集するだけでなく、選挙公報なども制作をする、そういった情報ステーション的な意味合いもあります。市はその辺の理解が不十分だと感じております。 また、読書は、本来、学校教育、社会教育、生涯教育の一環として行われるべきもので、福祉政策の中で担うべきものではないと私は考えています。けれども、これまでの教育委員会は、障害者に関する問題は福祉の領域ということで、どこか傍観しているようなところがありました。読書バリアフリー法の施行に伴い、教育委員会には大いに反省していただきたいものです。 重点取組4のウェブサイトを活用した横断的な庁内支援体制については、PDFファイルのほかにワードやテキストファイルも公開するよう配慮が必要です。最近視覚障害者の間で問題になった事例は、健康福祉局が発行している「障害福祉のあんない」について、ウェブサイトに載せていますが、点字やデイジー図書は貸出のみで配布はしていないのです。点訳したデータをホームページにあげたとしても、個人で高価な点字プリンターを持っている人は少ないのです。ホームページに上げれば良いということではありませんので、第3次横浜市民読書活動推進計画を策定する際には、どれだけ具体的なことを盛り込んで、現実的にどこまでできるかを明確にし、実際にやるかどうかの問題だと思います。絵に描いた餅になっては意味がないと思いますので、この提言を、横浜市として、どれだけ実践しようとする気概をもっていらっしゃるのか聞きたいところです。 【牧野議長】 社会教育委員会議は教育委員会の附属機関で、今回は読書バリアフリーに関するテーマで行っていますが、提言の結果を、第三次横浜市民読書活動推進計画に盛り込むということは、素晴らしいことだと思います。また、社会教育は福祉との境界領域に入ってきていると言われています。ぜひとも提言の内容を体現していただきたいと思います。 先ほどの選挙公報については、読書バリアフリーとは離れているので、書くのは難しいかと思いますが、もし可能であれば、視覚障害者等が利用しやすい書籍等は等がついていますので、ご検討いただければと思います。 【中西委員】 8ページについて、「視覚障害者等が利用しやすい書籍等の製作工程の分担など、出版社や大学等へ連携の働きかけを行うこと」とありますが、こちらについては、事務局から、取組の実施に向けて相談をいただきました。これまで市からそのようなことを言われたことがありませんでしたので、前向きに考えてくださっているということを知ることができとてもうれしかったです。 【牧野議長】 いまAIなど人工知能ができていますので、そういったものを取り入れていくことも良いかと思います。 【中西委員】 大学の時にアナウンス部にいて、そういったことに携わっていた方が、何年か経ってから音訳者として活躍してくださっている例があります。そのため、種まきをすることは大切だと思います。高齢化が進む中、若くてボランティア精神のある方に、少しでも種をまいてくだされば、すぐには芽が開かなくても、何年か経った時にやってみようと思うきっかけにもなるかもしれませんので、ぜひ間口を広げていただいて、いろんな方に宣伝いただければと思います。 【齋木委員】 重点取組1は、出版社として何が求められているのかが分かりにくいとは思いますが、求められているのは、書籍のテキストデータの提供になるかと思います。 記述はそのままであえて具体的に盛り込まずに、どう受け止めるかは出版社に任せて良いと思います。多少なりともアクセシビリティのある電子書籍を提供していくことが第一と思っています。 【中西委員】 出版社にとって、テキストデイジーの提供というのは大変なことだと理解しています。 【牧野議長】 出版社との連携を模索していくということで、記述についてはよろしいでしょうか。 【高木委員】 書籍等の製作に関連して、発達障害の一人ひとりのお困りごとについては、学校の先生への問い合わせが多いのだと思いますが、どこに相談すれば良いのかが分かりにくいと思います。ニーズを拾い上げるルートが周知されていないと思います。例えば市立図書館に行けば良いなど、現場の困り感が伝わるようなルートも、市が作り周知をすれば、多様性が広がると思います。せっかく作った書籍が現場に流れていくようにしていくことが大切なのではないかと思います。 【中西委員】 発達障害にも様々な症状がありますよね。背景の色が変えられることや、困ったときの連絡先を情報提供してほしいです。ここで注文したら作ってくれますということを広報する必要があると思います。デイジー横浜でも、オーダーに合わせて作りますということは、ホームページで発信していますが、区の社会福祉協議会の音訳グループに連絡すれば個人のニーズに合う方法を見つけてもらえるはずなので、例えば市のホームページで区の社会福祉協議会の音訳ボランティアの情報を載せるということも一つだと思います。 【大橋委員】 エンドユーザーの立場で言いますと、中途失明で、視覚障害者になった方が、リハビリテーションの施設にたどりつくまでに、4年近くかかるというデータもあります。病院など経由してようやくたどりつくのです。重点取組4の情報一元化というのはとても大事なことですので、そういったニュアンスをどこかに入れてほしいなと思います。 【牧野議長】 重点取組4の背景に追加していただけたらと思います。また、ウェブサイトには、相談対応の場所なども掲載していただけたらと思いますがいかがでしょうか。 【中西委員】  区の社会福祉協議会の音訳ボランティアが集まって会合しておりますので、依頼を受けた音訳ボランティアが対応できなければ、別の区の音訳ボランティアに頼むなどできますので、ぜひ音訳ボランティアをご紹介いただけたらと思います。 【野口委員】 ウェブサイトができたことをどう周知するかということが課題だと思います。障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の観点も、施策の中に生かしていけたら良いと思います。  今回の提言は、市の図書館、学校図書館にフォーカスして議論をしてまとめていますが、読書バリアフリーが必要な方は、生涯学習としての読書という観点で言うと、大人も子供も、保育園、幼稚園、こども園と広がると思います。読書バリアフリー環境の視点をどう考えていくのか、横浜市立大学は法人化されているので、ここでは扱わないということを合意したわけですが、やはり大学図書館の読書バリアフリーという視点も重要なので、この提言の末尾あたりに、なお書きで、可能であれば入れてほしいという思いがあります。 【牧野議長】 検討させていただくということでよろしいでしょうか。 【事務局】 検討させていただきます。 【牧野議長】 現在、国の教育振興基本計画を作っており、ウェルビーイング、教育におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)という大きな柱があります。教育におけるDXについては、デジタル技術を使うことができていない人を取り残さないように環境を整えていくということが重要だと思います。例えばQRコードをうまく使えない人本人が、使いこなせるようにするということではなくて、使うことができていない人が使えるように整えていくということが大切だと思うのです。そういったことも検討ができれば、より良いと思います。  本日いただいたご意見を踏まえて、私と事務局とで提言内容を確定させ、概要版を作成したいと思いますが、今後の提言の扱いについては、議長に一任いただいてもよろしいでしょうか。ありがとうございます。本日のご審議の内容を踏まえて提言を完成させ、今後の施策展開に生かしていただくよう、教育委員会に提出させていただきます。以上をもちまして、本日の会議を終了させていただくとともに、第33期横浜市社会教育委員会議を閉会とさせていただきます。1年間にわたり議論いただき、大変お疲れ様でございました。皆様、ありがとうございました。 【終わり】