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腸炎ビブリオによる食中毒について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の知見を提供するものではなく、横浜市としての見解を示すものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、ご質問には対応しかねます。また、個別の診断や治療については医療機関へご相談ください。

最終更新日 2019年7月16日

流行は?

腸炎ビブリオは、日本を含めアジアでは、食中毒の原因となる病原体としてよく見られます。アメリカ合衆国では、病原体としてあまり注目されていませんが、これは、この病原体を同定する検査法がアメリカ合衆国ではあまり用いられていないことにもよります。アメリカ合衆国では、毎年、3000人の患者が発生し、40人の患者が入院し、7人の患者が死亡していると推計されています。厚生労働省の「食中毒事件発生状況(平成12年)」によれば、2000年の日本では、腸炎ビブリオにより、食中毒事件422件が発生し、患者3620人、死者0人が発生しています。

腸炎ビブリオによる食中毒の発生は、夏季に多いです。アメリカ合衆国では、腸炎ビブリオによる食中毒の発生の約70%が、5月から10月の間に起こります。あたたかい海水中で腸炎ビブリオはよく増殖し、冬季に比較して、夏季の海水中で、高濃度に見られます。

どんな病気?

腸炎ビブリオを摂取すると、しばしば腹痛・吐き気・嘔吐・発熱・悪寒をともなった水のような下痢が起こります。摂取してから24時間以内に起こるのが通常です。患者が他の人を感染させることは少なく、症状は三日間続きます。重症となることはまれですが、重症となることは免疫の働きが弱まっている人たちで多いです。また、腸炎ビブリオは、海水に傷口がつかったような場合に、傷口に感染することがあります。軟部組織に炎症が広がったり、敗血症を起こすこともあります。

腸炎ビブリオによる食中毒では、軽症で治療を必要としない場合がかなりあります。下痢で失われる水分を充分に補給する必要があります。重症例では、テトラサイクリン、アンピシリン、ciprofloxicinといった抗生物質が使われることがあります。

病原体は?

腸炎ビブリオ( Vibrio parahaemolyticus )は、コレラを起こすコレラ菌と同じビブリオ科に属す細菌です。人食いバクテリアとも呼ばれるビブリオ・バルニフィカスとは、大変近い仲間であり、共通する点が多いです。腸炎ビブリオの予防対策は、ビブリオ・バルニフィカスの予防対策でもあります。

腸炎ビブリオは、海水中で増殖し、好塩菌とも呼ばれます。

予防のためには・・・

海水中に存在した生の海産物の表面には、海水や腸炎ビブリオが存在する可能性があります。生の海産物については、水道水を用いて、海水や腸炎ビブリオを洗い落としましょう。海水が付着していると、腸炎ビブリオが増殖しやすいのです。

暖かいと腸炎ビブリオが増殖しやすいです。生の海産物は、室温で放置しないで冷蔵・冷凍で保管しましょう。

充分に加熱することで、腸炎ビブリオを殺すことができます。海産物は、充分に加熱してから食べましょう。

傷口への腸炎ビブリオの感染をふせぐために、傷口が海水につからないようにしましょう。

ビブリオ・バルニフィカスの予防対策は、腸炎ビブリオの予防対策でもあります。当横浜市衛生研究所ホームページの感染症情報の「ビブリオ・バルニフィカス感染症について」も参照して下さい(下線部をクリックして下さい)。

2001年8月7日掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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