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重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

最終更新日 2018年8月3日

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)は、2011年に中国で初めて特定された、SFTSウイルスに感染することにより引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛など)で、重症化し、死亡することもあります。

日本国内では、2013年1月に山口県で初めての症例が確認された後、愛媛県、宮崎県などでも症例が確認されました。患者に最近の海外渡航歴が無かったため、日本国内でウイルスに感染したと考えられています。今回、初めて国内で患者が診断されましたが、日本の患者血清から検出されたSFTSウイルスは、中国における分離株とは遺伝的に独立しており、ウイルス自体は以前から国内に存在していたと考えられています。

感染経路

中国の報告では、多くの場合、ウイルスを保有しているフタトゲチマダニ等のマダニ類(以下マダニ)に咬まれることにより感染しています。日本では、少なくともフタトゲチマダニとタカサゴキララマダニがSFTSウイルスを媒介すると考えられていますが、これら2種類のマダニ以外にもSFTSウイルスを保有するマダニ(特にチマダニ属)が複数種存在することが分かっています。また、SFTSウイルス保有マダニは、国内に広く分布していると考えられています。マダニは、家屋内に生息するダニとは異なり、主に森林や草地等の屋外に生息しています。中国ではマダニの活動が活発となる春から秋に患者が発生しています。中国における患者の大半(97%)は、森林・丘陵地域に居住する農作業従事者です。また、中国では患者血液との直接接触が原因と考えられる人への感染事例も報告されているので、患者の血液と接触する医療従事者などは、接触予防策の遵守が重要です。飛沫感染や空気感染の報告はありませんので、飛沫予防策や空気予防策は必要ないと考えられています。インフルエンザなどのように容易に人から人へ感染して広がるものではありません。

マダニ類とは

食品等に発生する「コナダニ類」、畳・寝具や室内塵に発生する「ヒョウヒダニ類」や、ネズミに寄生し、まれに人から吸血することがある「イエダニ」など、家屋内で見受けられるダニと、SFTSを媒介すると考えられているフタトゲチマダニ等の「マダニ類」では種類が異なります。マダニ類は、固い外皮に覆われた比較的大型(フタトゲチマダニでは吸血前で3mm前後)のダニで、主に森林や草地等の屋外に生息しており、市街地周辺でも見られます。広くアジアやオセアニアに分布しますが、日本でも全国的に分布しています。

フタトゲチマダニ:背面(画像:145KB)
フタトゲチマダニ:背面(画像をクリックで、拡大表示)

フタトゲチマダニ:腹面(画像:133KB)
フタトゲチマダニ:腹面(画像をクリックで、拡大表示)

フタトゲチマダニ:卵(画像:217KB)
フタトゲチマダニ:卵(画像をクリックで、拡大表示)

フタトゲチマダニ:吸血後(左)と吸血前(右)(画像:115KB)
フタトゲチマダニ:吸血後(左)と吸血前(右)(画像をクリックで、拡大表示)

(写真提供:微生物検査研究課 医動物担当)

症状

マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、主に原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現します。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こします。検査所見では、血小板減少(10万/mm3未満)、白血球減少、血清電解質異常(低Na血症、低Ca血症)、血清酵素異常(AST、ALT、LDH、CK上昇)、尿検査異常(タンパク尿、血尿)などが見られます。

診断

診断には、マダニによる咬傷後の原因不明の発熱、消化器症状、血小板減少、白血球減少、AST・ALT・LDHの上昇を認めた場合、本疾患を疑うことが大事です。確定診断には、ウイルス学的検査が必要となります。なお、患者がマダニに咬まれたことに気がついていなかったり、刺し口が見つからなかったりする場合も多くあるので注意が必要です。確定診断のための検査は、医療機関から保健所や地方衛生研究所を通じて、国立感染症研究所ウイルス第一部に検査を依頼することができます。

届出

感染症法施行令の一部が改正され、平成25年3月4日から、重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る。)が四類感染症に指定されましたので、医師が診断した際には届出が必要です。届出、診断や検査については最寄りの保健所(横浜市の場合は各区の福祉保健センター)にご相談ください。

治療

有効な抗ウイルス薬等の特異的な治療法はなく、対症療法が主体になります。

予防方法

マダニに咬まれないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。これは、重症熱性血小板減少症候群だけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病(外部サイト)日本紅斑熱(外部サイト)など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくすることが大事です。また、マダニに刺されても痛みなどを感じないことが多いため、屋外活動後はマダニに刺されていないか確認して下さい。マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いもので10日間)吸血します。無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血中のマダニに気が付いた際は、できるだけ病院で処置してもらってください。また、マダニに咬まれた後に、発熱等の症状が認められた場合は、病院を受診して下さい。

現在のところSFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。

相談窓口

症状などに関すること

ダニに関する注意点など

関係リンク及び出典

2013年3月7日掲載
2013年3月8日更新
2014年2月28日更新

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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