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重症急性呼吸器症候群の滅菌・消毒

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の知見を提供するものではなく、横浜市としての見解を示すものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、ご質問には対応しかねます。また、個別の診断や治療については医療機関へご相談ください。

最終更新日 2019年7月24日

はじめに

コロナウイルス科の新しい型のウイルスであるSARSコロナウイルスにより発症する。2002年11月に中国広東省で初めての患者が確認され,2003年7月末までに計8,098名の患者が29の国・地域で報告されている。

感染経路

(1)飛沫感染,接触感染によるヒトからヒトへの感染が主。
(2)糞便からの糞口感染,空気感染の可能性なども完全に否定することはできないが,その頻度は低い。

患者への対応

原則として入院。第一種感染症指定医療機関(各都道府県に原則的に1か所)への入院を勧告する。

患者環境および観血的処置時の対策

咳,くしゃみによる飛沫は1.5メートル以内の範囲に拡散するので,患者には通常のマスクを使用する。また,その際に口を覆った手指の洗浄,速乾性擦式アルコール製剤などによる消毒を励行する。
喀痰,血液や体液などに起因する汚染拡散に留意する。そのためにはシングルユース(ディスポーザブル)のシーツ,覆布,滅菌ドレープ類,ガウンその他を利用する。
シングルユースの汚染物はプラスチック袋で二重に密閉し,外袋を消毒した後に運搬し,高温焼却する。再使用器械・器材類は,密閉用容器(回収用コンテナなど)に密閉して,容器の外側を消毒した後に運搬し,適切に消毒または滅菌処理する。
針刺しや切創に注意し,血液飛沫を受けないように防御を行って臨む。

医療従事者への注意

SARSコロナウイルスはエンベロープを持つウイルスであり,本ウイルスの消毒薬抵抗性は高くない。
しかし,SARS感染者の21%は医療従事者が占めること,SARSの致死率は9.6%と高いこと,さらに,本ウイルスに関する詳細についてはいまだ明らかにされていないことなどから厳重な消毒が必要である。
消毒の実施は,マスク,ガウン,手袋,シューカバー,キャップを含む防護服を着用して行う。
消毒後の物品に対しては,可能であれば高圧蒸気滅菌を行う。なお,患者病室から物品を運び出す際には,物品を収めたプラスチック袋などの消毒も必要となる。プラスチック袋の外側を0.05%(500ppm)次亜塩素酸ナトリウムで清拭する。
使用後の防護服はバイオハザードバッグに入れ,高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)後に廃棄とする。
ただし,防護服をやむをえず再使用する場合には,水溶性ランドリーバッグに入れた後にプラスチック袋に密閉して運び出し,80℃・10分間などの熱水洗濯を行う。

汚染物の消毒

患者が使用した物品や病室が消毒対象となる。一方,SARSコロナウイルスに対しては,グルタラール(ステリハイドR,グルトハイドR,サイデックスRなど),フタラール(ディスオーパR),過酢酸(アセサイドR),次亜塩素酸ナトリウム(ミルトンR,ピューラックスR,テキサントR,ハイポライトRなど),アルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)およびポビドンヨード(イソジンR,ポピヨドンR,ネオヨジンRなど)などの消毒薬や,80℃・10分間などの熱水が有効である。
オーバーテーブル,ベッド柵,椅子,ドアノブ,洋式トイレの便座,および水道ノブなどには,アルコール清拭で対応する。また,ベッドマット,毛布,シーツ,および下着などのリネン類に対しては,80℃・10分間の熱水洗濯が適している。ただし,熱水洗濯機の設備がない場合には,0.05~0.1%(500~1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウムへの30分間浸漬で対応する。なお,手指消毒には,消毒用エタノールを主成分とする速乾性手指消毒薬が適している。

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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