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アメリカ合衆国の大人の定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。  ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年8月8日

大人の定期予防接種のアメリカ合衆国と日本との違いについて

本稿では、アメリカ合衆国(米国)の大人の定期予防接種について触れます。まず、アメリカ合衆国の大人の定期予防接種と日本の大人の定期予防接種との違いを見てみましょう。なお、本稿では、19歳以上を大人とします。

日米の両国とも定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1.大人(19歳以上)の定期予防接種のアメリカ合衆国と日本との違い
実施状況アメリカ合衆国で実施アメリカ合衆国で未実施
日本で
実施
肺炎球菌感染症(PPSV23)(*)、
インフルエンザ
該当なし
日本で
未実施
ジフテリア・破傷風百日咳
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹
ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(**)、
水痘
帯状疱疹
該当なし

*:米国ではPPSV23だけでなくPCV13も定期予防接種とされています。
**:米国ではHPVについて男女とも定期予防接種の対象となっています。

大人(19歳以上)の定期予防接種として、アメリカ合衆国で実施されず日本で実施されているものは、ありません。反対に、大人(19歳以上)の定期予防接種として、日本で実施されずアメリカ合衆国で実施されているものとしては、ジフテリア・破傷風百日咳麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ水痘帯状疱疹と多数あります。
アメリカ合衆国でも日本でも、インフルエンザワクチンが定期予防接種とされていますが、接種対象者に違いがあります。アメリカ合衆国では、生後6ヶ月以上、日本では、65歳以上(一定の条件を満たす場合には60歳以上)が対象とされています。さらに詳しくは、当・横浜市衛生研究所ホームページ「インフルエンザワクチンについて」及び「アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種について」をご覧ください。

アメリカ合衆国の大人の定期予防接種スケジュールについて

アメリカ合衆国の大人の定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年版)は、下の表2のとおりです。アメリカ合衆国において、19歳以上の大人たちに対して、アメリカ合衆国のACIP(外部サイト)(予防接種勧告委員会)・内科学会(外部サイト)(the American College of Physicians: ACP)・家庭医学会(外部サイト)(the American Academy of Family Physicians: AAFP)・産科婦人科学会(外部サイト)(the American College of Obstetricians and Gynecologists: ACOG)・助産師学会(外部サイト)(the American College of Nurse-Midwives: ACNM)が推奨しているものです。 毎年、年初めに更新されます。2019年は、2月に更新されました(参考文献15)。以前の2018年版のアメリカ合衆国の大人の定期予防接種の標準的なスケジュールは、当・横浜市衛生研究所ホームページ「アメリカ合衆国の大人の定期予防接種(2018年)」をご覧ください。アメリカ合衆国のこども(18歳以下)の定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年版)については、当・横浜市衛生研究所ホームページ「アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種について」をご覧ください。以前の2018年版のアメリカ合衆国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュールは、当・横浜市衛生研究所ホームページ「アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種(2018年)」をご覧ください。

なお、2018年版のアメリカ合衆国の大人の定期予防接種スケジュールにおいて、帯状疱疹ワクチンについて、改定がありました(参考文献12)。2017年10月20日、抗原性補強剤(adjuvant: アジュバント)添加の遺伝子組み換え(recombinant: リコンビナント)の帯状疱疹ワクチンが50歳以上の帯状疱疹及びその合併症の予防の適応でアメリカ合衆国FDA(食品医薬品局)により認可されました(参考文献11)。抗原性補強剤(adjuvant: アジュバント)は、AS01B、抗原はgE(glycoprotein E:糖蛋白質E)です。このRZV(recombinant zoster vaccine: 遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン: 商品名Shingrix)が50歳以上の定期予防接種に導入されました。2-6か月の間隔での2回接種です。以前に帯状疱疹に罹患したことがある場合でも接種します。以前から60歳以上の定期予防接種であった帯状疱疹生ワクチン(ZVL: zoster vaccine live: 商品名Zostavax)を接種済みの人も接種対象になります(ZVL接種後、2か月以上経ってからRZVを2回接種します)。帯状疱疹生ワクチン(ZVL: zoster vaccine live: 商品名Zostavax)は、RZV(recombinant zoster vaccine: 遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン)にアレルギーのある場合や、RZV(recombinant zoster vaccine: 遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン)を接種したくない場合に60歳以上の定期予防接種として接種できます。帯状疱疹生ワクチン(ZVL: zoster vaccine live)の定期予防接種は、1回接種です。RZV(recombinant zoster vaccine: 遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン: 商品名Shingrix)は、冷蔵庫で保存し筋肉内注射で投与します。ZVL(zoster vaccine live:帯状疱疹生ワクチン: 商品名Zostavax)は、冷凍庫で保存し、皮下注射で投与します。ZVLとRZVとを混同しないように注意が必要です。
帯状疱疹は、アメリカ合衆国では毎年、約100万人の人が罹患しています。罹患率は年齢とともに上昇し、50-59歳では1000人あたり5人ですが、80歳以上では1000人あたり11人です。帯状疱疹後の神経痛は、帯状疱疹消失後90日以上持続する痛みで、50歳を超える帯状疱疹患者の10-13%で見られます。帯状疱疹後の神経痛が見られる率は、年齢とともに上昇します。

また、2018年版のアメリカ合衆国の大人の定期予防接種スケジュールにおいて、流行性耳下腺炎[ムンプス]ワクチンについて、改定がありました(参考文献12)。流行性耳下腺炎[ムンプス]ワクチンの集団発生時に、以前に流行性耳下腺炎[ムンプス]ウイルスを含むワクチンを0、1、2回受けている人で公衆衛生当局が流行性耳下腺炎[ムンプス]に感染する危険性が高いとみなした人はMMR[麻疹(M)・流行性耳下腺炎(ムンプス)(M)・風疹(R)]ワクチンを1回接種する対象とされます。そのような場合、流行性耳下腺炎[ムンプス]ウイルスを含むワクチンの3回目の接種もありえます(参考文献13)。

ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマに対するワクチンである9価ヒトパピローマウイルスワクチン[9vHPV: 商品名Gardasil 9]がアメリカ合衆国において認可され、アメリカ合衆国の定期予防接種で使用されています。2016年末の時点では、ヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)としては、9価ヒトパピローマウイルスワクチン[9vHPV: 商品名Gardasil 9]のみが、アメリカ合衆国国内において供給されています(参考文献10)。他の2価ヒトパピローマウイルスワクチン(2vHPV[商品名Cervarix])及び4価ヒトパピローマウイルスワクチン(4vHPV[商品名Gardasil])はアメリカ合衆国の定期予防接種で使用されません。

さらに、アメリカ合衆国では、A(H1N1)pdm09型インフルエンザが優勢で流行した2013-14年冬季・2015-16年冬季においてインフルエンザ生ワクチンのA(H1N1)pdm09型インフルエンザに対する効果が乏しかったことから、2016-17年冬季においてインフルエンザ生ワクチン(LAIV4)を推奨しない暫定的勧告を米国予防接種勧告委員会が2016年6月に出しました。しかしながら、一方で、米国において、2016-17年冬季でも、インフルエンザ生ワクチン(LAIV4)は、認可ワクチンであり、入手可能で、接種可能でした(参考文献8)。2017年版のアメリカ合衆国の大人の定期予防接種スケジュールでは、2016-17年冬季において、インフルエンザ生ワクチン(LAIV4)は、接種するべきでないとしていました(参考文献9)。2018年版のアメリカ合衆国の大人の定期予防接種スケジュールでも、2017-18年冬季において、インフルエンザ生ワクチン(LAIV4)は、接種するべきでないとしていました。
なお、米国では、インフルエンザ生ワクチンにおいて、A(H1N1)pdm09 型インフルエンザウイルスのHA抗原として、ワクチン株のA/California(カリフォルニア)/7/2009(H1N1)pdm09のHA抗原が用いられていましたが、2015-16年冬季からは、このワクチン株のHA抗原の安定性が疑問視され、代わりにこのワクチン株の近似株のA/Bolivia/559/2013(H1N1)のHA抗原が用いられるようになりました。さらに、2017-18年冬季からは、A/Bolivia/559/2013(H1N1)のHA抗原を用いた生ワクチン株よりも鼻腔粘膜における増殖性が高く、免疫効果も高いことが期待できるとして、A/Slovenia/2903/2015(H1N1)のHA抗原が用いられるようになりました。2018-19年冬季において、米国予防接種勧告委員会(ACIP)は、A/Slovenia/2903/2015(H1N1)のHA抗原を用いたインフルエンザ生ワクチンを選択肢の一つとして推奨しました(参考文献14)。

表2.アメリカ合衆国の19歳以上の大人の定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年版)
接種対象年齢予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
及び接種回数
19歳以上
(毎冬)
インフルエンザIIV(* ; 不活化ワクチン)あるいは、LAIV(生ワクチン:[商品名FluMist Quadrivalent])、遺伝子組み替え技術を用いたリコンビナント(recombinant: R)HA(hemagglutinin)ワクチン(RIV)を毎年1回接種。但し、LAIVは2歳から49歳まで。なお、18歳以上の卵アレルギーの人は卵タンパクを含まない遺伝子組み換えワクチン(recombinant influenza vaccine: RIV)を使用できます(但し、軽度の蕁麻疹[じんましん]程度の卵アレルギーの人であれば、アレルギー反応への対応策を準備の上での卵タンパク含有量の少ないIIVの使用も考慮されます)。抗原量が少ない皮内接種用(intradermal)IIVは、18-64歳で接種できます。高用量(high-dose: 抗原量が多い)IIVは、65歳以上で接種できます。詳しくは、当・横浜市衛生研究所ホームページ「インフルエンザワクチンについて」をご覧ください。
19歳以上破傷風(T)・
ジフテリア(d)・
百日咳(ap)
Tdによる十年毎の追加接種。但し、Tdapを一回も接種したことがない11歳以上の人は、Tdapをまず接種してから、Tdによる十年毎の追加接種を行います。
妊婦については、妊娠毎に妊娠27-36週でTdapを接種します(前回のTdapあるいはTdとの間隔について考慮は不要です)。
19-26歳(女性)、
19-21歳(男性:但し、男性と性交渉のある男性の場合は26歳まで)
ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ9vHPV(1回目:定期接種は11-12歳の男女ですが、11-12歳で接種を受けなかった場合には男性は13-21歳[但し、男性と性交渉のある男性の場合は26歳まで]、女性は13-26歳でも接種できます)
9vHPV(2回目:1回目の1-2ヶ月後)
9vHPV(3回目:1回目の6ヶ月後)
19歳以上(麻疹流行性耳下腺炎[ムンプス]または風疹について予防接種や免疫の証明がない、1957年[**]以後の出生の人、及び、妊娠中でない風疹に免疫がない子どもを生む年代の女性)麻疹(M)・
流行性耳下腺炎(ムンプス)(M)・
風疹(R)
MMRを1-2回接種(高等教育機関学生・医療従事者・海外旅行予定者について28日以上の接種間隔で2回接種、その他について1回接種。妊娠中でない風疹に免疫がない子どもを生む年代の女性は1回接種。妊婦の場合には、出産後、産科施設から退院前に1回接種)。
なお、流行性耳下腺炎[ムンプス]ワクチンの集団発生時に、以前に流行性耳下腺炎[ムンプス]ウイルスを含むワクチンを0、1、2回受けている人で公衆衛生当局が流行性耳下腺炎[ムンプス]に感染する危険性が高いとみなした人はMMR[麻疹(M)・流行性耳下腺炎(ムンプス)(M)・風疹(R)]ワクチンを1回接種する対象とされます。
19歳以上
(予防接種や免疫の証明がない人)
水痘VAR(水痘ワクチン)を2回接種(4-8週間の接種間隔で)。既に一回接種済みであれば、前回より4週間以上の接種間隔で一回接種追加。1980年より前に米国で生まれた人は、水痘に免疫があるとみなします。なお、妊婦や医療従事者については、1980年より前に米国で生まれたことのみでは免疫があるとみなしません。妊婦で免疫がない場合には、出産後、産科施設から退院前に1回目接種、4-8週間後に2回目接種。
50歳以上帯状疱疹RZV(recombinant zoster vaccine: 遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン: 商品名Shingrix)を2-6か月の間隔で2回接種。以前に帯状疱疹に罹患したことがある場合でも接種します。以前から60歳以上の定期予防接種であった帯状疱疹生ワクチン(ZVL: zoster vaccine live: 商品名Zostavax)を接種済みの人も接種対象になります(ZVL接種後、2か月以上経ってからRZVを2回接種します)。なお、帯状疱疹生ワクチン(ZVL: zoster vaccine live: 商品名Zostavax)は、RZV(recombinant zoster vaccine: 遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン)にアレルギーのある場合や、RZV(recombinant zoster vaccine: 遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチン)を接種したくない場合に60歳以上の定期予防接種として接種できます。帯状疱疹生ワクチン(ZVL: zoster vaccine live)の定期予防接種は、1回接種です。
65歳以上肺炎球菌感染症まず、PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン)を1回接種し、その1年以上後にPPSV23(肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)を1回接種。
なお、既に定期予防接種として65歳以上でPPSV23(肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)を1回接種済みであれば、その接種から1年以上経ってからPCV13(肺炎球菌結合型ワクチン)を1回接種。

*:IIVは不活化インフルエンザワクチン(inactivated influenza vaccine)。3価のものはIIV3あるいはTIV(trivalent inactivated influenza vaccine. : 3価不活化インフルエンザワクチン)、4価のものはIIV4あるいはQIV(quadrivalent inactivated influenza vaccine. : 4価不活化インフルエンザワクチン)と表記します。アメリカ合衆国では、従来からのIIV3に加え、2013-2014年冬季からIIV4も使用可能となりました。生ワクチン(LAIV)については、2016-17年冬季、2017-18年冬季において推奨されていませんでしたが、2018-19年冬季において推奨されました。アメリカ合衆国におけるインフルエンザワクチンについては、当・横浜市衛生研究所ホームページ「 インフルエンザワクチンについて」もご参照ください(米国・ 英国・日本の対比表も掲載しています)。
**:アメリカ合衆国では、1957年より前に生まれた人は、 麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹について、以前の流行時に罹患したことがあり、免疫を持っていると考えられています。


ヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)については、15歳未満で1回目の接種をして、5か月以上の間隔で2回目の接種をした人は、計2回の接種で免疫を獲得したとみなします。15歳未満で1回目の接種をして、5か月未満の間隔で2回目の接種をした人は、計2回の接種では免疫を獲得したとみなせず、1回の接種を追加して、計3回の接種で免疫を獲得したとみなします。

なお、アメリカ合衆国におけるインフルエンザワクチンでは、卵の成分を含まないものとして、遺伝子組み替え技術を用いたリコンビナント(recombinant: R)HA(hemagglutinin)ワクチン(RIV3: 商品名FluBlok)があります。2014年版では、重度の卵アレルギーがある18-49歳の大人がこのRIV(リコンビナントインフルエンザワクチン)の接種対象とされていましたが、2014年10月に米国FDA(食品医薬品局)が推奨年齢を拡大したことから、2015年版では、重度の卵アレルギーがある18歳以上の大人が接種対象とされました。2016-17年冬季には、4価のリコンビナントHAワクチン(RIV4: 商品名Flublok Quadrivalent)が認可されました。

A型肝炎ワクチンは、アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種であり、標準的には生後12-23ヶ月で6-18ヶ月間隔で2回接種されます。A型肝炎の蔓延国への旅行の場合には、6-11ヶ月児や1歳以上のA型肝炎ワクチン未接種者にもA型肝炎ワクチン接種が推奨されます。また、1歳以上のホームレスにもA型肝炎ワクチン接種が推奨されます(参考文献16)。
なお、アメリカ合衆国には、A型肝炎・B型肝炎混合ワクチン(HepA-HepB: 商品名Twinrix)があり、標準的には0、1、6ヶ月の3回接種(Standard Dosing)で、18歳以上で接種されます。また、このHepA-HepBについては、より早く強力に免疫を付与するために、0、7、21、30日及び12ヶ月の5回接種(Accelerated Dosing)が行われることもあります。3回接種(Standard Dosing)による免疫は、最初の接種から少なくとも4年間は持続するとされています。

B型肝炎ワクチンは、アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種であり、標準的には出生時、及び、生後1-2、6-18ヶ月で3回接種されます。19歳以上の大人については、性交渉の相手がHBs抗原陽性である者・不特定の相手と性交渉のある性的に活発な者・男性と性交渉のある男性(MSM: Men who have sex with men)など性的接触による感染のリスクがある者、現在または最近に麻薬注射をしている者、血液への経皮的または粘膜接触による感染のリスクがある人、HBV感染が蔓延している国への海外旅行者、C型肝炎ウイルスの感染者、肝硬変・脂肪肝・アルコール性肝疾患・自己免疫性肝炎・ALTやASTが正常値上限の2倍以上の者などの慢性肝疾患患者、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者、収監されている人などにB型肝炎ワクチン接種が推奨されています(参考文献17、18)。アメリカ合衆国の大人用のB型肝炎ワクチンには、2回接種のものと3回接種のものとがあります。2回接種のもの(商品名: Heplisav-B)は、18歳以上で認可されていて、4週間(1ヶ月)以上の間隔での2回接種です(参考文献17)。3回接種のもの(商品名: Engerix-B, Recombivax HB)は、0、1、6ヶ月の3回接種です。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

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2013年2月15日初掲載
2014年11月26日改訂
2015年3月5日改訂
2016年2月10日改訂増補
2016年11月18日改訂増補
2017年4月5日改訂増補
2018年2月14日改訂増補
2019年3月8日改訂増補
2019(令和元)年5月24日改訂

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