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アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年8月13日

こどもの定期予防接種のアメリカ合衆国と日本との違いについて

本稿では、アメリカ合衆国(米国)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。なお、本稿では、18歳以下をこどもとします。

日米の両国とも定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のアメリカ合衆国と日本との違い
実施状況アメリカ合衆国で実施アメリカ合衆国で
未実施
日本で実施ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
B型肝炎、
麻疹風疹
水痘
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス(HPV)16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、
肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ
(*)
結核(BCG)、
日本脳炎
日本で未実施A・C・Y・W-135群髄膜炎菌感染症
流行性耳下腺炎(ムンプス)
A型肝炎
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
インフルエンザ
該当なし

*: HPVワクチンについて、アメリカ合衆国では男女とも対象。アメリカ合衆国では2006年に初めて定期予防接種とされたときには女子のみ対象でしたが、2011年からは男女とも対象となりました。日本では女子のみ対象。また、アメリカ合衆国では、9価ワクチン(9vHPV:ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマに対するワクチン)が使用されています。

こどもの定期予防接種として、アメリカ合衆国で実施されず日本で実施されているものとしては、結核(BCG)、日本脳炎(JapEnc)と少数あります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずアメリカ合衆国で実施されているものとしては、A・C・Y・W-135群髄膜炎菌感染症(MenACWY)流行性耳下腺炎(ムンプス)A型肝炎ロタウイルスによる感染性胃腸炎インフルエンザと多数あります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がアメリカ合衆国では見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTaP-IPV/Hib、商品名Pentacel)があります。また、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)を混合したワクチン(DTaP-HepB-IPV、商品名Pediarix)もあります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが見られます。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から新たに使われるようになりました。

アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種スケジュールについて

アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年版)は、下の表2のとおりです。アメリカ合衆国において、18歳以下のこどもたちに対して、米国ACIP(外部サイト)(米国予防接種勧告委員会)・米国小児科学会(外部サイト)(AAP)・米国家庭医学会(外部サイト)(AAFP)・米国産婦人科学会(外部サイト)(American College of Obstetricians and Gynecologists: ACOG)が推奨しているものです。毎年、更新されます。2019年は、2月に更新されました(参考文献13)。以前の2018年版については、当・横浜市衛生研究所ホームページ「アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種(2018年)」をご覧ください。
アメリカ合衆国の19歳以上の大人の定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年版)については、当・横浜市衛生研究所ホームページ「アメリカ合衆国の大人の定期予防接種について」をご覧ください。以前の2018年版については、当・横浜市衛生研究所ホームページ「アメリカ合衆国の大人の定期予防接種(2018年)」をご覧ください。

なお、2018年版のアメリカ合衆国のこどもの定期予防接種スケジュールにおいて、流行性耳下腺炎[ムンプス]ワクチンについて、改定がありました(参考文献14)。流行性耳下腺炎[ムンプス]ワクチンの集団発生時に、以前に流行性耳下腺炎[ムンプス]ウイルスを含むワクチンを0、1、2回受けている人で公衆衛生当局が流行性耳下腺炎[ムンプス]に感染する危険性が高いとみなした人はMMR[麻疹(M)・流行性耳下腺炎(ムンプス)(M)・風疹(R)]ワクチンを1回接種する対象とされます。そのような場合、流行性耳下腺炎[ムンプス]ウイルスを含むワクチンの3回目の接種もありえます(参考文献14)。

また、ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマに対するワクチンである9価ヒトパピローマウイルスワクチン[9vHPV: 商品名Gardasil 9]がアメリカ合衆国において認可され、アメリカ合衆国の定期予防接種で用いられています。2016年末の時点では、アメリカ合衆国内においては、9価ヒトパピローマウイルスワクチン[9vHPV: 商品名Gardasil 9]のみが供給されています。2価ヒトパピローマウイルスワクチン[2vHPV: 商品名Cervarix]あるいは4価ヒトパピローマウイルスワクチン[4vHPV: 商品名Gardasil]でヒトパピローマウイルスワクチン接種スケジュールを完了した人は、9vHPVで接種をやり直したり追加する必要はありません。また、2vHPVまたは4vHPVでHPV接種スケジュールを開始した人が、代わりに9vHPVでHPV接種スケジュールを完了しても構いません(参考文献11)。2価ヒトパピローマウイルスワクチン[2vHPV: 商品名Cervarix]についてはアメリカ合衆国で使用されなくなりました(参考文献12)。
2016年10月、9-14歳でヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)の接種を開始する女子・男子に対して、6-12ヶ月間隔での二回接種スケジュール(0、6-12ヶ月)を米国予防接種勧告委員会が勧告しました。15-26歳でヒトパピローマウイルスワクチン(HPV)の接種を開始する女子・男子については、従来どおり、0、1-2、6ヶ月の三回接種スケジュールのままです。また、免疫抑制がある女子・男子についても、従来どおり、0、1-2、6ヶ月の三回接種スケジュールのままです(参考文献11)。

さらに、アメリカ合衆国では、A(H1N1)pdm09型インフルエンザが優勢で流行した2013-14年冬季・2015-16年冬季においてインフルエンザ生ワクチンのA(H1N1)pdm09型インフルエンザに対する効果が乏しかったことから、2016-17年冬季においてインフルエンザ生ワクチン(LAIV4)を推奨しない暫定的勧告を米国予防接種勧告委員会が2016年6月に出しています。しかしながら、一方で、米国において、2016-17年冬季でも、インフルエンザ生ワクチン(LAIV4)は、認可ワクチンであり、入手可能で、接種可能でした(参考文献10)。2017年版のアメリカ合衆国のこどもの定期予防接種スケジュールでは、2016-17年冬季において、インフルエンザ生ワクチン(LAIV4)は、接種するべきでないとされました(参考文献12)。2018年版のアメリカ合衆国のこどもの定期予防接種スケジュールでも、2017-18年冬季において、インフルエンザ生ワクチン(LAIV4)は、接種するべきでないとされました(参考文献13)。
なお、米国では、インフルエンザ生ワクチンにおいて、A(H1N1)pdm09型インフルエンザウイルスのHA抗原として、ワクチン株のA/California(カリフォルニア)/7/2009(H1N1)pdm09のHA抗原が用いられていましたが、2015-16年冬季からは、このワクチン株のHA抗原の安定性が疑問視され、代わりにこのワクチン株の近似株のA/Bolivia/559/2013(H1N1)のHA抗原が用いられるようになりました。さらに、2017-18年冬季からは、A/Bolivia/559/2013(H1N1)のHA抗原を用いた生ワクチン株よりも鼻腔粘膜における増殖性が高く、免疫効果も高いことが期待できるとして、A/Slovenia/2903/2015(H1N1)のHA抗原が用いられるようになりました。2018-19年冬季において、米国予防接種勧告委員会(ACIP)は、A/Slovenia/2903/2015(H1N1)のHA抗原を用いたインフルエンザ生ワクチンを選択肢の一つとして推奨しました(参考文献15)。

表2.アメリカ合衆国の18歳以下のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年版)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
誕生時B型肝炎HepB(1回目:生後24時間以内に接種。HBs抗原陽性の母親から生まれた児にはHepB接種に加え抗HBウイルス免疫グロブリンも生後12時間以内に投与)
生後1-2ヶ月B型肝炎HepB(2回目:1回目の4週間以上後)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目:生後6週から)
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(1回目:生後6週から)
ポリオIPV(1回目:生後6週から)
肺炎球菌感染症PCV13(13価結合型肺炎球菌ワクチン、商品名Prevnar 13、
1回目:生後6週から)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV(1回目:生後6週から生後14週6日まで。生後15週0日以上になったらRV接種を開始してはならない)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(2回目)
ポリオIPV(2回目)
肺炎球菌感染症PCV13(13価結合型肺炎球菌ワクチン、2回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV(2回目:RV1[商品名Rotarix]は生後8か月0日まで投与可能)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(3回目:PRP-OMP[商品名PedvaxHIB]では不要。他のHibワクチン[商品名ActHIB、Hiberix、Pentacel]では必要)
肺炎球菌感染症PCV13(13価結合型肺炎球菌ワクチン、3回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV(3回目:RV5[商品名Rota Teq]のみ。RV1[商品名Rotarix]では不要。RV5[商品名Rota Teq]は生後8か月0日まで投与可能)
生後6-18ヶ月B型肝炎HepB(3回目:2回目の8週間以上後。1回目の16週間以上後)
ポリオIPV(3回目)
生後6ヶ月以上
(毎冬)
インフルエンザIIVあるいはLAIV(1回目:LAIVは2歳以上49歳まで)*
IIVあるいはLAIV(2回目:1回目の4週間以上後。9歳以上は不要。生後6ヶ月から8歳まででは、初めてインフルエンザ予防接種を受けるインフルエンザシーズンで必要。詳細に関しては、米国ACIP(外部サイト)から毎冬出されるインフルエンザワクチンの勧告を参照して下さい)*
12-15ヶ月ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(4回目)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目:生後12ヶ月から)**、****
水痘VAR(1回目:生後12ヶ月から)****
肺炎球菌感染症PCV13(13価結合型肺炎球菌ワクチン、4回目)
12-23ヶ月A型肝炎HepA(1回目:生後12ヶ月から。商品名Havrix、Vaqta。A型肝炎の蔓延国に旅行する生後6-11ヶ月児に1回接種することがあるが、その場合でも生後12-23ヶ月に6-18ヶ月間隔での2回接種が必要)
15-18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目:3回目から6ヶ月以上の間隔で生後12ヶ月以後早めに接種します)
18ヶ月以上A型肝炎HepA(2回目:1回目の6-18ヶ月後。Havrix[商品名]は6-12ヶ月間隔、Vaqta[商品名]は6-18ヶ月間隔。2歳未満で接種完了が望ましい)
4-6歳ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(5回目:4回目が4歳以上の接種であれば5回目は不要)*****
ポリオIPV(4回目:3回目が2回目から6か月以上の間隔での4歳以上の接種であれば4回目は不要。4歳未満で4回以上接種済みの場合、前回から6か月以上の間隔での4歳以上の接種が1回必要。IPVとOPVとを接種してきた場合、両方の合計が4回となればポリオ予防接種は完了とする)*****
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)****
水痘VAR(2回目:1回目とは3か月以上の間隔で接種)****
11-12歳破傷風・ジフテリア・百日咳Tdap(1回接種:この他にも、思春期の妊婦に対しても妊娠の度に妊娠27-36週でTdapを1回接種。商品名Adacel、Boostrix)
ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ9vHPV(9価ヒトパピローマウイルスワクチン、1回目:9歳から。商品名Gardasil 9。定期接種は11-12歳の男女だが、11-12歳で接種を受けなかった場合には男性は13-21歳、女性は13-26歳でも接種できます)
9vHPV(2回目:1回目の6-12ヶ月後)
A・C・Y・W-135群髄膜炎菌感染症MenACWY(1回目:MenACWY-D[商品名Menactra]またはMenACWY-CRM[商品名Menveo])
16歳A・C・Y・W-135群髄膜炎菌感染症MenACWY(2回目:1回目の8週間以上後)
16-18歳
(16-23歳)
(B群髄膜炎菌感染症)***MenB(MenB-FHbp[商品名Trumenba]の場合6か月以上の間隔での2回接種。MenB-4C[商品名Bexsero]の場合1か月以上の間隔での2回接種)

*:IIVは不活化インフルエンザワクチン(inactivated influenza vaccine)。3価のものはIIV3あるいはTIV(trivalent inactivated influenza vaccine. : 3価不活化インフルエンザワクチン)、4価のものはIIV4あるいはQIV(quadrivalent inactivated influenza vaccine. : 4価不活化インフルエンザワクチン)と表記します。アメリカ合衆国では、2013-2014年冬季からIIV4も使用可能となりました。生ワクチン(LAIV)については、2016-17年冬季、2017-18年冬季において推奨されていませんでしたが、2018-19年冬季において推奨されました。詳しくは、当・横浜市衛生研究所ホームページ「インフルエンザワクチンについて」をご参照ください。
**:海外に旅行あるいは居住する場合に、出国前に生後6-11か月でMMRを1回接種することがありますが、その場合でも、通常どおり生後12か月以後にMMRの2回の接種が必要です。
***:必須ではありませんが個別の臨床判断により接種される場合があります(参考文献8,9)。アメリカ合衆国では、米国FDA(食品医薬品局)が、MenB(B群髄膜炎菌ワクチン)について、10-25歳の人を対象としてMenB-FHbp[商品名Trumenba]とMenB-4C[商品名Bexsero]との二つのワクチンを認可しています。集団発生時や無脾症などリスクが高い場合、MenB-FHbp[商品名Trumenba]では0,1-2,6か月の3回接種となります。なお、英国ではMenB-4C(4CMenB)[商品名Bexsero]がこどもの定期予防接種に入っています。MenB-FHbp[商品名Trumenba]とMenB-4C[商品名Bexsero]とでは互換性はありません。
****:四種混合ワクチン(MMRV: 商品名ProQuad)で接種されることもあります。
*****:四種混合ワクチン(DTaP-IPV: 商品名Kinrix、Quadracel)で接種されることもあります。


但し、インフルエンザ生ワクチン(LAIV)は、インフルエンザワクチンの選択肢の一つとして、2歳以上のこどもに推奨されるものの、次の者は接種できません。

  1. 免疫抑制状態(HIV感染を含む)の者
  2. 解剖学的あるいは機能的な無脾症の者
  3. 妊婦
  4. 防護された環境下にいる重度の免疫抑制状態の人の濃厚接触者や介護者
  5. 直前の48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬の投与を受けている者
  6. 脳脊髄液の漏れがある者
  7. 内耳の移植を受けた者
  8. 喘息の診断を受けているか、直前の12か月間に喘鳴があった2-4歳の者
  9. アスピリンあるいはサリチル酸を含む薬を投与されている者
  10. ワクチンの成分のいずれか(卵を除く)に重度のアレルギー反応を起こしたことがある者
  11. 種類を問わずインフルエンザワクチン接種後に重度のアレルギー反応を起こしたことがある者

 次の者については、インフルエンザ生ワクチン(LAIV)接種の可否について慎重な検討を要します。

  1. 5歳以上の喘息患者
  2. 次のような医学的状態にある者。慢性呼吸器疾患、心血管疾患、腎疾患、肝疾患、神経疾患、血液疾患、代謝性疾患(糖尿病を含む)。

 A型肝炎ワクチンは、アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種であり、標準的には生後12-23ヶ月で6-18ヶ月間隔で2回接種されます。A型肝炎の蔓延国への旅行の場合には、6-11ヶ月児や1歳以上のA型肝炎ワクチン未接種者にもA型肝炎ワクチン接種が推奨されます。また、1歳以上のホームレスにもA型肝炎ワクチン接種が推奨されます(参考文献17)。

 B型肝炎ワクチンは、アメリカ合衆国のこどもの定期予防接種であり、標準的には、出生時、生後1-2ヶ月、生後6-18ヶ月で3回接種されます。この接種の機会を逃した18歳までのこどもは、0、1-2、6ヶ月の3回接種が行われます。アメリカ合衆国において、遺伝子組み換え技術によるリコンビナントワクチンであるB型肝炎ワクチン(商品名Recombivax HB)は、19歳までのこどもは小児用量0.5mlで、20歳以上の大人は成人用量1.0mlで、0、1、6ヶ月の3回接種となりますが、11-15歳のこどもについては、成人用量1.0mlで、0、4-6ヶ月の2回接種も可能です。また、18歳以上であれば、4週間以上の間隔での2回接種で完了するB型肝炎ワクチン(商品名Heplisav-B)もあります(参考文献18、19)。

ジフテリア・破傷風百日咳の混合ワクチンについて、DTaPは7歳未満まで、dTap(Tdap)は7歳以上の使用となります。

アメリカ合衆国において、結合型肺炎球菌ワクチン(PCV)について、現在は13価(PCV13)ですが、以前は7価(PCV7)でした。7価のワクチン(PCV7)でスケジュールを完了した14-59ヶ月児は、13価のワクチン(PCV13)を一回追加接種します。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

アメリカ合衆国においては、一つのワクチンを複数回接種するにあたって最短の接種間隔が定められているのに、その接種間隔に達する前に早く接種してしまった場合、その早く接種してしまったワクチンの扱いについての原則が決まっています。早く接種したのが4日以内では、そのワクチンは有効とされます。5日以上早く接種してしまったときには、そのワクチンは無効とされ、無効とされたワクチン接種から定められた接種間隔を守って再度のワクチン接種を行います。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

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2010年1月12日初掲載
2010年2月2日増補
2012年2月22日改訂増補
2012年10月15日改訂
2013年2月15日改訂
2013年4月11日改訂
2014年11月26日改訂
2015年3月5日改訂
2016年2月12日改訂
2016年11月18日改訂増補
2016年12月26日改訂増補
2017年4月5日改訂増補
2018年2月16日改訂増補
2019年3月8日改訂増補

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