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スリランカのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2018年8月27日

こどもの定期予防接種のスリランカと日本との違いについて

本稿では、スリランカのこどもの定期予防接種について触れます。まず、スリランカのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のスリランカと日本との違い
 スリランカのこどもの定期予防接種
実施実施せず
日本のこどもの定期予防接種実施日本脳炎
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)、
肺炎球菌感染症
水痘
実施せず流行性耳下腺炎(ムンプス)
B型肝炎
髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
A型肝炎
インフルエンザ
*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、スリランカで実施されず日本で実施されているものとしては、肺炎球菌感染症水痘ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずスリランカで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)、B型肝炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がスリランカでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

スリランカのこどもの定期予防接種スケジュールについて

スリランカのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年7月1日)は、下の表2のとおりです。2015年7月から、生後4ヶ月において、ポリオ不活化ワクチンが導入されました。また、日本脳炎ワクチンについては、以前は不活化ワクチンが使用されていましたが、2009年7月から弱毒生ワクチン(LJEV SA14-14-2)に変更されました。弱毒生ワクチン(LJEV SA14-14-2)については、生後8か月以上での接種が有効とされ、スリランカのこどもの定期予防接種では生後9か月で接種されます。
なお、ワクチンではなく、下の表2にも含まれていませんが、この他、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて生後6-36ヶ月の乳幼児に投与されます。生後6, 12, 18, 24, 30, 36ヶ月で経口投与されます。

表2. スリランカのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年7月1日)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
生後0-4週結核BCG(1回接種:出生した病院から退院する前に、できれば出生から24時間以内に接種。接種痕が残らなかった場合には、生後6ヶ月から5歳までの間に1回追加接種できます)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
生後9ヶ月日本脳炎弱毒生ワクチンLAJEV(1回接種)
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(4回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV (4回目)
3歳麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
5歳ジフテリア・破傷風DT(1回接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV (5回目)
12歳ジフテリア・破傷風dT(1回接種)
15-44歳(風疹を含むワクチンを受けたことがない女性のみ)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回接種)
*:スリランカでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます。

上の表2には、破傷風トキソイドを含んだワクチンは6回含まれますが、上記のスケジュールどおりに6回の破傷風トキソイドを接種済みで、最終の破傷風トキソイドを含んだワクチンの接種から10年以上経っている妊婦に対して、破傷風トキソイドの一回の追加接種が妊娠12週より後に行われることがあります。
なお、破傷風トキソイドの接種歴がはっきりしないか不十分な妊婦に対しては、妊娠12週より後に破傷風トキソイドを6-8週間間隔で二回接種します。次回(2回目)の妊娠から4回目の妊娠においては、妊婦に対して妊娠12週より後に破傷風トキソイドを一回ずつ接種します。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

スリランカにおけるワクチンのシンハラ語表記について

スリランカにおける公用語は、シンハラ語とタミル語で、両言語ではシンハラ語を母語とする人が多いです。しかし、スリランカでは英語も使われていて、例えば、スリランカ政府のホームページは、シンハラ語・タミル語・英語の三言語で表記されています。スリランカのこどもの定期予防接種のワクチン等についてシンハラ語による表記は、下の表3、表4のとおりです。日本語の表記も対照して併記しました。

表3 スリランカのこどもの定期予防接種のワクチン[その1](シンハラ語・日本語対照表記)

表4 スリランカのこどもの定期予防接種のワクチン[その2](シンハラ語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine Preventable Diseases Monitoring System: Immunization schedules by antigen.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. スリランカ健康・栄養・伝統医療省(外部サイト)(Ministry of Health, Nutrition and Indigenous Medicine)
    ポリオ不活化ワクチン導入(外部サイト)
    ポリオ不活化ワクチン導入ガイドライン改訂版(外部サイト) [pdf:4.99MB] (2015年5月22日)(PDF版)
    疫学部ホームページ (外部サイト)
    定期予防接種(外部サイト)
    定期予防接種スケジュール(外部サイト)(2011年6月3日)
    定期予防接種スケジュール(外部サイト) [pdf:470KB] (PDF版)
    予防接種ハンドブック(外部サイト):(英語).

2014年1月22日初掲載
2016年4月8日改訂増補

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健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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