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南アフリカ共和国のこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年9月9日

こどもの定期予防接種の南アフリカ共和国と日本との違いについて

本稿では、南アフリカ共和国(Republic of South Africa)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、南アフリカ共和国のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種の南アフリカ共和国と日本との違い
実施状況南アフリカ共和国で実施南アフリカ共和国で未実施
日本で実施B型肝炎、
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、
肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ
(*)
日本脳炎
水痘
風疹
日本で未実施ロタウイルスによる感染性胃腸炎流行性耳下腺炎
(ムンプス)

髄膜炎菌感染症
A型肝炎
インフルエンザ
腸チフス
コレラ

*: HPVワクチンについて、日本、南アフリカ共和国とも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、南アフリカ共和国で実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎水痘風疹があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されず南アフリカ共和国で実施されているものとしては、ロタウイルスによる感染性胃腸炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤が南アフリカ共和国では見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)を混合したワクチン(DTaP-HepB-Hib-IPV)があります。このような四つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと4回の接種が必要なところ、四つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

南アフリカ共和国のこどもの定期予防接種スケジュールについて

南アフリカ共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。
ヒトパピローマウイルスワクチンについては、2014年に、小学校4年生(9-10歳)の女子に対して導入されました。
なお、ワクチンではありませんが、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されることがあります。また、回虫・十二指腸虫・鞭虫などによる蠕虫症対策として駆虫剤(de-worming drug)も投与されることがあります。

表2.南アフリカ共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時結核BCG(1回接種:右腕に接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
生後6週ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
肺炎球菌結合型ワクチンPCV(1回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(1回目)**
生後10週ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
生後14週ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
肺炎球菌結合型ワクチンPCV(2回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(2回目)**
生後9ヶ月麻疹Measles(1回目)
肺炎球菌結合型ワクチンPCV(3回目)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(4回目)*
麻疹Measles(2回目)
6歳ジフテリア・破傷風dT(商品名Diftavax)
小学校4年生(9-10歳)の女子ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目:女子のみ)
HPV(2回目:1回目の6ヶ月後)
12歳ジフテリア・破傷風dT(商品名Diftavax)
妊婦破傷風トキソイドTT(5回接種。1回目の4週間後に2回目。2回目の6ヶ月後に3回目。さらに2回接種[3回目の1年以上後に4回目。4回目の1年以上後に5回目]で完了。3回目は出産後、4回目は次回以後の妊娠時の接種)
医療従事者B型肝炎HepB(1回目)
HepB(2回目:1回目の1ヶ月後)
HepB(3回目:1回目の6ヶ月後)

*:南アフリカ共和国では、DTaP-IPV-Hibという5種混合ワクチン(商品名Pentaxim)、または、DTaP-IPV-Hib-HepBという6種混合ワクチンで接種されます。
**:ロタウイルスワクチン(RV)は、生後24週(6か月)以後に接種してはいけません。
***:HIVに感染しているこどもには、BCG、ロタウイルスワクチン、麻疹ワクチンは接種しないのが原則ですが、可否については主治医に相談して下さい。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

南アフリカ共和国におけるワクチン等の英語表記について

南アフリカ共和国は、アフリカ大陸の最南端に位置して、北方でナミビア、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、スワジランドと国境を接し、レソトを内部に囲んでいます。この南アフリカ共和国における公用語は、アフリカーンス語及び英語等です。なお、南アフリカ共和国政府のウェブページには、英語表示のページがあります。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. 外務省;渡航関連情報(外部サイト)世界の医療事情(外部サイト)南アフリカ共和国(外部サイト)」:(日本語).
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. 2016 global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  4. 世界保健機関(WHO)南アフリカ共和国事務所(外部サイト)
    予防接種(外部サイト)
    ; *「HPVワクチン導入(外部サイト)」2014年
    ; *「2013年インフルエンザ予防接種キャンペーン(外部サイト)」2013年:(英語).
  5. ユニセフ「南アフリカ共和国」(外部サイト)
    母子保健(外部サイト)
    ; こどもとAIDS(外部サイト): (英語).
  6. 予防接種活動提携(外部サイト)(Immunization Action Coalition: IAC)
    言語別米国ワクチン情報(外部サイト)(PDF版): (英語).
  7. 南アフリカ共和国保健省(外部サイト)(Ministry of Health)
    : HIVに立ち向かう(外部サイト)
    : HPVワクチン接種キャンペーン(外部サイト):(英語).
  8. 南アフリカ共和国保健省「こどもの健康(Road to Health)(外部サイト)」ホームページ
    : クリニックで(外部サイト):クリニックでの予防接種等を紹介
    : 発達指標(外部サイト)
    : こども健康手帳("Road to Health")について(外部サイト):(英語).

2017年2月16日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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