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シンガポールのこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年8月21日

こどもの定期予防接種のシンガポールと日本との違いについて

本稿では、シンガポール共和国(Republic of Singapore)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、シンガポール(新加坡、星加坡:[略称]星)のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日星両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のシンガポールと日本との違い
実施状況シンガポールで実施シンガポールで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、
肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
水痘
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
B型肝炎
髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる
感染性胃腸炎

A型肝炎
インフルエンザ

*: HPVワクチンについては、シンガポール・日本とも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、シンガポールで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずシンガポールで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)、B型肝炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がシンガポールでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib : 5 in 1)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

シンガポールのこどもの定期予防接種スケジュールについて

シンガポールのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。

表2.シンガポールのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン
(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目)
結核BCG(1回接種)
生後1ヶ月B型肝炎HepB(2回目)
生後3ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
生後5ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(3回目)*
肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
生後5-6ヶ月B型肝炎HepB(3回目)
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
生後15-18ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(4回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(4回目)*
10-11歳
(小学校5年生)
ジフテリア・破傷風百日咳(減量)Tdap(1回接種)
ポリオ経口・生ワクチンOPV(1回接種)
9-26歳
(女子のみ)
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目:女子のみ)**
HPV(2回目:1回目の1-2ヶ月後)**
HPV(3回目:1回目の6ヶ月後)**

*:シンガポールでは、DTaP-Hib-IPVという5種混合ワクチン(5-in-1)で接種されます。5種混合ワクチン(5-in-1)は無料で接種されますが、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチン(6-in-1)は有料での接種となります。
**:シンガポールでは、HPVワクチンについて、Gardasil(HPV4: 通常0-2-6か月の3回接種)は9-13歳女子であれば、Cervarix(HPV2: 通常0-1-6か月の3回接種)は9-14歳女子であれば、6か月間隔での2回接種も可能です。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

なお、シンガポールはイギリス連邦加盟国の一つであり、シンガポールにおける公用語は、英語、マレー語、標準中国語(北京語)、タミル語です。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. Global summary.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. シンガポール健康増進局(外部サイト)(Health Promotion Board)
    ; 予防接種登録所(NIR: National Immunisation Registry)ホームページ(外部サイト)
    : シンガポールのこどもの定期予防接種スケジュール(外部サイト):(英語).
  4. Kita Y, Tiong WW, Ooi PL, and Cutter J, Communicable Disease Division, Ministry of Health; Replacement of oral polio vaccine with inactivated polio vaccine and inclusion of Haemophilus influenzae type b vaccine in the national childhood immunisation schedule; Epidemiological News Bulletin(外部サイト), THE MINISTRY OF HEALTH, SINGAPORE(外部サイト), APRIL - JUNE 2013 VOL. 39 NO. 2, p. 27-33.

2014年1月16日初掲載
2016年5月20日改訂増補

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健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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