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■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。
最終更新日 2019年9月12日
本稿では、ルワンダ共和国(Republic of Rwanda)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、ルワンダのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。
両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。
実施状況 | ルワンダで実施 | ルワンダで未実施 |
---|---|---|
日本で実施 | ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症、 結核(BCG)、 ジフテリア・破傷風・百日咳、 ポリオ、 麻疹、 風疹、 B型肝炎、 肺炎球菌感染症、 ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*) | 日本脳炎、 水痘 |
日本で未実施 | ロタウイルスによる感染性胃腸炎 | 流行性耳下腺炎(ムンプス)、 髄膜炎菌感染症、 A型肝炎、 インフルエンザ、 黄熱 |
*: HPVワクチンについて、日本、ルワンダとも女子のみ対象。
こどもの定期予防接種として、ルワンダで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎、水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずルワンダで実施されているものとしては、ロタウイルスによる感染性胃腸炎があります。
多数のワクチンを混合したワクチン製剤がルワンダでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎のワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTwP-Hib-HepB)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。
日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。
ルワンダのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。
ルワンダは、DTwP-Hib-HepBという5種混合ワクチンを2002年に定期予防接種に導入しました。
肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)については、2009年4月に7価ワクチン(PCV7)を定期予防接種に導入し、2011年に13価ワクチン(PCV13)に変更しました。
ルワンダは、2011年3月に、小学校6年生(11-12歳)の女子を対象に、ヒトパピローマウイルスワクチンを定期予防接種に導入しました。
ルワンダは、ロタウイルスワクチン(RV)を2012年5月に定期予防接種に導入しました。
2013年3月、麻疹・風疹混合ワクチン(MR)をルワンダは定期予防接種に導入しました。
ルワンダは、2016年8月1日にポリオ経口生ワクチン(OPV)を3価ワクチン(3vOPV)から2価ワクチン(2vOPV)に変更しました。2016年11月にポリオ不活化ワクチン(IPV)を定期予防接種に導入しました。
接種時期 | 予防する感染症 | 接種するワクチン(英字略語表記等) |
---|---|---|
出生時 | 結核 | BCG(1回接種) |
2価ポリオ経口生ワクチン | 2vOPV(1回目) | |
生後6週 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTwP(1回目)* |
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) | Hib(1回目)* | |
B型肝炎 | HepB(1回目)* | |
13価肺炎球菌結合型ワクチン | PCV13(1回目) | |
2価ポリオ経口生ワクチン | 2vOPV(2回目) | |
ロタウイルスワクチン | RV5(1回目) | |
生後10週 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTwP(2回目)* |
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) | Hib(2回目)* | |
B型肝炎 | HepB(2回目)* | |
13価肺炎球菌結合型ワクチン | PCV13(2回目) | |
2価ポリオ経口生ワクチン | 2vOPV(3回目) | |
ロタウイルスワクチン | RV5(2回目) | |
生後14週 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTwP(3回目)* |
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) | Hib(3回目)* | |
B型肝炎 | HepB(3回目)* | |
13価肺炎球菌結合型ワクチン | PCV13(3回目) | |
ポリオ不活化ワクチン | IPV(1回接種)** | |
2価ポリオ経口生ワクチン | 2vOPV(4回目) | |
ロタウイルスワクチン | RV5(3回目) | |
生後9ヶ月 | 麻疹・風疹 | MR(1回目) |
生後15ヶ月 | 麻疹・風疹 | MR(2回目) |
12歳女子 | ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ | HPV(1回目:女子のみ) |
HPV(2回目:1回目の2ヶ月後) | ||
HPV(3回目:1回目の6ヶ月後) | ||
妊婦 | 破傷風トキソイド | TT(1回目[妊娠中]) |
TT (2回目:1回目の1ヶ月後[妊娠中]) | ||
TT(3回目:2回目の6ヶ月後) | ||
TT(4回目:3回目の1年後) | ||
TT(5回目:4回目の1年後) |
*:ルワンダでは、DTwP-Hib-HepBという5種混合ワクチンで接種されます。
**:ポリオ不活化ワクチン(IPV)は2016年11月にルワンダで定期予防接種に導入されました。
複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。
ルワンダは、アフリカ大陸中央部において、西をコンゴ民主共和国、北をウガンダ、東をタンザニア、南をブルンジに囲まれた国です。このルワンダにおける公用語は、ルワンダ語、フランス語、英語です。ルワンダ政府の英語表記のホームページがあります。
2017年2月21日初掲載
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