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ルーマニアのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月12日

こどもの定期予防接種のルーマニアと日本との違いについて

本稿では、ルーマニア(羅馬尼亜:羅)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、ルーマニアのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日羅両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のルーマニアと日本との違い
実施状況ルーマニアで実施ルーマニアで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
B型肝炎、
肺炎球菌感染症(**)
日本脳炎
水痘
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
A型肝炎
インフルエンザ

*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。
**: ルーマニアにおいて、 肺炎球菌結合型ワクチンは、利用可能な資金があれば、国の予防接種スケジュールに含められます。

こどもの定期予防接種として、ルーマニアで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎水痘ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずルーマニアで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がルーマニアでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎のワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib-HepB)があります。四つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと4回の接種が必要なところ、四つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。同様の四種混合ワクチン(DTaP/IPV)がルーマニアでも2015年から6歳時に使われています。

ルーマニアのこどもの定期予防接種スケジュールについて

ルーマニアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年4月1日から)は、下の表2のとおりです。
DTaPを含むワクチンについて、生後12ヶ月までのスケジュールは、以前(2014年)は、生後2、4、6、12ヶ月でしたが、2015年からDTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチンを生後2、4、11ヶ月に接種するスケジュールになりました。

表2.
ルーマニアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2015年4月1日から)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目:誕生から24時間以内に産科で接種。商品名Euvax B)
結核BCG(1回接種:生後2-7日で産科で接種)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
肺炎球菌結合型ワクチンPCV(1回目)**
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
肺炎球菌結合型ワクチンPCV(2回目)**
生後11ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV (3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
肺炎球菌結合型ワクチンPCV(3回目)**
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目。商品名M-M-RVAXPRO)
5歳-7歳(小学校1年生)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目。商品名M-M-RVAXPRO)
6歳(2014年12月から実施)ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)***
ポリオ不活化ワクチンIPV (4回目)***
8歳ポリオ不活化ワクチンIPV (4回目)****
14歳(小学校8年生)ジフテリア・破傷風百日咳dTap(1回接種:商品名ADACEL。以後、経済的支援なしで24歳から10年毎にdTを1回接種繰り返し)
65歳以上インフルエンザIIV(毎年1回接種)
*:ルーマニアでは、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチン(商品名Hexacima, Hexyon, infanrix Hexa)で接種されます。
**:肺炎球菌結合型ワクチンについては、利用可能な資金があれば、国の予防接種スケジュールに含めます。
***:ルーマニアでは、2014年12月からDTaP-IPVという4種混合ワクチン(商品名Tetraxim)で接種されます。但し、4歳時にDTaPを接種済みの児の場合には、IPV(4回目)のみ接種します。
****:4歳時にDTaPを接種済みの児に、IPV(4回目)を接種します。

上の表2中のワクチンの他にも、推奨されているものの、自費扱いとなるワクチンがあります。妊婦に対するdTワクチン接種。11-14歳女子に対するHPVワクチン接種。WHOがリスク・グループとする人に対するインフルエンザワクチン接種。流行時における、人々に対する麻疹・風疹・流行性耳下腺炎ワクチン、インフルエンザワクチン接種です。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

ルーマニアにおけるルーマニア語によるワクチン等の表記について

ルーマニアにおける公用語は、ルーマニア語です。ルーマニアのこどもの定期予防接種のワクチン等のルーマニア語による表記については、下の表3、表4、表5のとおりです。日本語の表記も併記しました。

表3 ルーマニアのこどもの定期予防接種のワクチン等(ルーマニア語・日本語対照表記)

表4 ルーマニアのこどもの定期予防接種のワクチン等(ルーマニア語・日本語対照表記)

表5 ルーマニアのこどもの定期予防接種のワクチン等(ルーマニア語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(ECDC)(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. ルーマニア衛生省(外部サイト)(Ministerul Sanatatii);「予防接種について」サイト(外部サイト)("Despre vaccinare")
    ルーマニアのこどもの定期予防接種スケジュール(外部サイト):(ルーマニア語).
  4. Centrului European de Control al Bolilor (ECDC); Ghid practic pentru furnizorii de servicii de ingrijire medicala pentru cresterea acceptarii programelor de vaccinare la copii(子供のワクチン接種プログラムの受け入れを高めるための保健医療従事者用実践ガイド), INSP(外部サイト)(Institutul National de Sanatate Publica: ルーマニア国立公衆衛生研究所), August 2013, p. 1-175. :(ルーマニア語):
    CNSCBT(外部サイト)(Centrul National de Supraveghere si Control al Bolilor Transmisibile: ルーマニア国立感染症監視・管理センター) のウェブヘージ(外部サイト)からダウンロードできます。:(ルーマニア語).

2014年2月13日初掲載
2015年12月7日改訂増補
2017年1月5日改訂増補

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健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

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