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パナマのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月11日

こどもの定期予防接種のパナマと日本との違いについて

本稿では、パナマ(巴奈馬)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、パナマのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日巴両国とも定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のパナマと日本との違い
実施状況パナマで実施パナマで未実施
日本で実施結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
B型肝炎、
インフルエンザ
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
A型肝炎
黄熱
水痘
髄膜炎菌感染症

*: HPVワクチンについては、パナマ・日本とも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、パナマで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎(JapEnc)があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずパナマで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)インフルエンザ、B型肝炎、ロタウイルスによる感染性胃腸炎A型肝炎黄熱水痘があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がパナマでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎のワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTwP-Hib-HepB:[スペイン語:西語]DPT-Hib-HepB)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが見られます。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から新たに使われるようになりました。

パナマのこどもの定期予防接種スケジュールについて

パナマのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2013年)は、下の表2のとおりです。

表2.
パナマのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2013年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目)
BCGワクチンBCG(1回接種)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目:免疫抑制のある者に対しては生ワクチンでなく不活化ワクチン[IPV]。2回目以降も同様)
肺炎球菌感染症PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン、1回目)
生後2-8ヶ月ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV1(4-8週間間隔で2回接種)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
肺炎球菌感染症PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン、2回目)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
生後6-11ヶ月インフルエンザIIV(4週間間隔で2回接種)
生後12ヶ月肺炎球菌感染症PCV13(肺炎球菌結合型ワクチン、3回目)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
黄熱YFV(1回目)
A型肝炎HepA(1回目)
生後12-59ヶ月インフルエンザIIV(1回接種)
生後15ヶ月水痘Var(1回目。また6-12ヶ月後に2回目を接種)
黄熱YFV(1回接種)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(4回目)**
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(4回目)**
ポリオ経口生ワクチンOPV (4回目)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
A型肝炎HepA(2回目)
4歳ポリオ経口生ワクチンOPV (5回目)
ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(5回目)
10歳ジフテリア・破傷風百日咳Tdap(1回接種)
10歳[女子のみ]ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目)
HPV(2回目:1回目の1ヶ月後)
HPV(3回目:1回目の6ヶ月後)
11歳(小学6年生)黄熱YFV(2回目。1回目から10年後の接種)
60歳以上インフルエンザIIV(毎年1回接種)
60歳肺炎球菌感染症PPSV23(23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン、1回接種。また5年後に追加接種1回。)
*:パナマでは、DTwP-Hib-HepB([西語]DPT-Hib-HepB)という5種混合ワクチンで接種されます。
**:パナマでは、DTwP-Hib([西語]DPT-Hib)という4種混合ワクチンで接種されます。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

パナマにおけるスペイン語のワクチンの略語表記について

スペイン語はパナマの公用語です。パナマにおけるスペイン語のワクチンの略語表記については、下の表3のとおりです。英語のワクチンの略語表記と一致するものもあれば一致しないものもあり、スペイン語(西語)の接種の記録を見るときなどには注意が必要です。

表3.
パナマにおけるスペイン語のワクチンの略語表記
西語略称西語表記(vacuna contra ---)日本語表記英語略称
Dvacuna difteria tipo infantilジフテリアワクチン(乳幼児用)D
dvacuna difteria tipo adultoジフテリアワクチン(思春期・成人用)d
DTvacuna de difteria, tetanos tipo infantil二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風;乳幼児用)DT
DPTvacuna de difteria, pertussis(tos ferina) y tetanos三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳[全菌体]・破傷風;乳幼児用)DTwP
TdapVacuna de tetano, difteria y tos ferina (Bordetella pertusis ) acelular三種混合ワクチン(破傷風・ジフテリア・百日咳[無菌体];思春期・成人用)Tdap
VIP, VPI, IPV(Salk)またはPolio IMvacuna anti-poliomielitica parenteral (Salk)またはvacuna de polio inactivada (intramuscular)ポリオワクチン(不活化、筋肉内注射;ソーク-ワクチン)IPV
VOP, VPO, OPV(Sabin)またはPolio Oralvacuna anti-poliomielitica oral (Sabin)またはvacuna oral contra la poliomielitisポリオワクチン(経口、弱毒・生;セービン-ワクチン)OPV
HibVacuna contra Haemophilus influenzae tipo bヘモフィルス-インフルエンザb型菌Hib
Hep BまたはHB, HvbVacuna contra la Hepatitis viral BB型肝炎(リコンビナント)ワクチンHep B
Hep AまたはHA, HvaVacuna contra la Hepatitis viral AA型肝炎ワクチン[2007年から]Hep A
Neumococo ConjugadoVACUNA DE NEUMOCOCCO CONJUGADO 13 VALENTE13価肺炎球菌結合型ワクチン[2009年から]PCV13
Neumococo PolisacaridoVACUNA DE NEUMOCOCCO POLISACARIDO 23 SEROTIPOS23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン[2008年から]PPSV23またはPPV23
VPHVacuna contra el virus del papiloma humano, tipos 16 y 182価ヒト-パピローマウイルスワクチン[2008年から]HPV2
MMRまたはSPR(triple viralまたはtriple virica)vacuna triple viral, contra sarampion, parotiditis(paperas) y rubeola麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)・風疹(ウイルス三種混合ワクチン)MMR
MRまたはSR(doble viralまたはdoble virica)vacuna doble viral, contra sarampion y rubeola麻疹風疹(ウイルス二種混合ワクチン)MR
FAまたはAMAvacuna contra la Fiebre Amarilla(vacuna antiamarilica)黄熱[1974年から]YFV
ROTAVacuna contra el rotavirus(Vacuna monovalente de rotavirus vivos atenuados humanos)ロタウイルスワクチン[2006年から]RV1
B.C.GVacuna B.C.G(Bacilo de Calmette-Guerin)[TBC: tuberculosis]BCGワクチン[結核][1953年から]BCG
Influenza(Gripe)vacuna contra la influenzaインフルエンザワクチンIV
Pentavalente(DPT-Hib-HepB)vacuna pentavalente (de celulas completas)五種混合ワクチン(全菌体)[2001年から]DTwP-Hib-HepB
DPT-Hib(Tetravalente)Vacuna tetravalente contra difteria, tos convulsa, tetanos, Haemophilus influenzae tipo b四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳破傷風ヘモフィルス-インフルエンザb型菌)[2003年から]DTwP-Hib

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine Preventable Diseases Monitoring System: Immunization schedules by antigen.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO) : 英語。
  2. パナマ厚生省(外部サイト)(MINSAまたはSalud: Ministerio de Salud)、Programa Ampliado de Inmunizacion(外部サイト)(PAI) (予防接種のページ) : (スペイン語).
  3. パナマ厚生省(外部サイト)(MINSAまたはSalud: Ministerio de Salud), MANUAL DE NORMAS Y PROCEDIMIENTOS DEL PROGRAMA AMPLIADO DE INMUNIZACIONES, ABRIL 2012, p. 1-210. : (スペイン語).

2014年1月9日初掲載

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電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

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