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ノルウェーのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月3日

こどもの定期予防接種のノルウェーと日本との違いについて

本稿では、ノルウェー(諾威)王国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、ノルウェーのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日諾両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。
なお、ノルウェーでは2014年10月からロタウイルスワクチンがこどもの定期予防接種に追加されました。また、ノルウェーでは2017年2月からB型肝炎ワクチンがこどもの定期予防接種に追加されます。

表1. こどもの定期予防接種のノルウェーと日本との違い
実施状況ノルウェーで実施ノルウェーで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
B型肝炎、
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
結核(BCG)、
水痘
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
髄膜炎菌感染症
A型肝炎
インフルエンザ

*: HPVワクチンについて、ノルウェー、日本とも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、ノルウェーで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎、結核(BCG)、水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずノルウェーで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)ロタウイルスによる感染性胃腸炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がノルウェーでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎ワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib-HepB: 商品名Hexyon)があります。四つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと4回の接種が必要なところ、四つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。同様の四種混合ワクチン(DTaP/IPV)がノルウェーでも使われています。

ノルウェーのこどもの定期予防接種スケジュールについて

ノルウェーのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年11月1日以後生まれの児)は、下の表2-1のとおりです。
ノルウェーでは、2016年11月1日以後生まれの児に対して、B型肝炎ワクチン(HepB)がこどもの定期予防接種に追加されました。ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎ワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib-HepB: 商品名Hexyon)の形で生後3,5,12か月で接種されます。2016年11月1日生まれの児が生後3か月となる2017年2月から接種が開始されます。

表2-1.
ノルウェーのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年11月1日以後生まれの児)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
生後6週間ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV1(1回目:生後6週間になったらできるだけ早く、生後12週間までに経口投与)
生後3ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
B型肝炎ワクチンHepB(1回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV1(2回目:1回目から4週間以上の間隔で生後12週以後、生後16週間までに経口投与)
生後5ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
B型肝炎ワクチンHepB(2回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
生後12ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV (3回目)*
B型肝炎ワクチンHepB(3回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
生後15ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
7-8歳(小学校2年生)ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)**
ポリオ不活化ワクチンIPV (4回目)**
11-12歳(小学校6年生)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
12-13歳(女子のみ。小学校7年生)ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV4(1回目:女子のみ)
HPV4(2回目:1回目の2ヶ月後)
HPV4(3回目:1回目の6ヶ月後)
15-16歳(小学校10年生)ジフテリア・破傷風百日咳dTap(1回接種)***
ポリオ不活化ワクチンIPV (5回目)***
65歳以上季節性インフルエンザIIV(毎年1回接種)
65歳以上23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチンPPV23(1回接種:過去10年間に接種していない人に接種)
*:ノルウェーでは、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチン(商品名Hexyon)で接種されます。
**:ノルウェーでは、DTaP-IPVという4種混合ワクチン(商品名:Tetravac)で接種されることがあります。
***:ノルウェーでは、dTap-IPVという4種混合ワクチン(商品名:Boostrix polio)で接種されます。

ノルウェーのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年9月1日~2016年10月31日生まれの児)は、下の表2-2のとおりです。
なお、ノルウェーでは2014年10月からロタウイルスワクチン(RV1: 商品名Rotarix)がこどもの定期予防接種に追加されました。2014年9月1日以後に生まれたこどもたちがロタウイルスワクチンの定期予防接種の対象となりました。

表2-2.
ノルウェーのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年9月1日~2016年10月31日生まれの児)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
生後6週間ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV1(1回目:生後6週間になったらできるだけ早く、生後12週間までに経口投与)
生後3ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV1(2回目:1回目から4週間以上の間隔で生後12週以後、生後16週間までに経口投与)
生後5ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
生後12ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV (3回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
生後15ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
7-8歳(小学校2年生)ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)**
ポリオ不活化ワクチンIPV (4回目)**
11-12歳(小学校6年生)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
12-13歳(女子のみ。小学校7年生)ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV4(1回目:女子のみ)
HPV4(2回目:1回目の2ヶ月後)
HPV4(3回目:1回目の6ヶ月後)
15-16歳(小学校10年生)ジフテリア・破傷風百日咳dTap(1回接種)***
ポリオ不活化ワクチンIPV (5回目)***
65歳以上季節性インフルエンザIIV(毎年1回接種)
65歳以上23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチンPPV23(1回接種:過去10年間に接種していない人に接種)
*:ノルウェーでは、DTaP-Hib-IPVという5種混合ワクチン(商品名:Infanrix-Polio+Hib)で接種されます。
**:ノルウェーでは、DTaP-IPVという4種混合ワクチン(商品名:Tetravac)で接種されます。
***:ノルウェーでは、dTap-IPVという4種混合ワクチン(商品名:Boostrix polio)で接種されます。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

ノルウェーにおけるノルウェー語によるワクチン等の表記について

ノルウェーにおける公用語は、ノルウェー語です。ノルウェーのこどもの定期予防接種のワクチン等のノルウェー語による表記については、下の表3、表4、表5のとおりです。日本語の表記も併記しました。

表3 ノルウェーのこどもの定期予防接種のワクチン等(ノルウェー語・日本語対照表記)

表4 ノルウェーのこどもの定期予防接種のワクチン等(ノルウェー語・日本語対照表記)

表5 ノルウェーのこどもの定期予防接種のワクチン等(ノルウェー語・日本語対照表記)

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. ノルウェー公衆衛生研究所[Folkehelseinstituttet(FHI)(外部サイト))]
    予防接種のページ(外部サイト):「Barnevaksinasjons-programmet 」という見出しをクリックすると「ノルウェーのこどもの定期予防接種スケジュール」のページ(外部サイト)を見ることができます(ノルウェー語 ).
  4. ノルウェー公衆衛生研究所[Norwegian Institute of Public Health(NIPH)(外部サイト))]
    ワクチンのページ(外部サイト):「Childhood Immunisation Programme」という見出しをクリックすると「ノルウェーのこどもの定期予防接種スケジュール」のページ(外部サイト)を見ることができます(英語).

2014年2月20日初掲載
2015年1月21日改訂増補
2016年12月21日改訂増補

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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