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ニジェールのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月3日

こどもの定期予防接種のニジェールと日本との違いについて

本稿では、ニジェール共和国(Republic of Niger)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、ニジェールのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のニジェールと日本との違い
実施状況ニジェールで実施ニジェールで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
風疹
日本で未実施B型肝炎、
黄熱
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
水痘
A型肝炎
インフルエンザ
腸チフス
コレラ

*: HPVワクチンについて、日本、ニジェールとも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、ニジェールで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎風疹があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずニジェールで実施されているものとしては、B型肝炎、黄熱ロタウイルスによる感染性胃腸炎があります。

日本国外務省では、日本からのニジェールへの赴任者に対して、黄熱(必須)、A型肝炎、B型肝炎、破傷風狂犬病髄膜炎菌(4価)、腸チフスの免疫の保持を勧めています(参考文献1)。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がニジェールでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。このような三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

ニジェールのこどもの定期予防接種スケジュールについて

ニジェールのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)は、下の表2のとおりです。なお、ワクチンではありませんが、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されることがあります。

表2.
ニジェールのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時結核BCG(1回接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
生後6週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(1回目)
生後10週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(2回目)
生後14週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(4回目)
生後6ヶ月ビタミンAVitamin A(1回目)
生後9ヶ月麻疹Measles(1回目)
黄熱YFV(1回接種)
生後11ヶ月ビタミンAVitamin A(2回目)
生後16ヶ月麻疹Measles(2回目)
(11歳の女子)**ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目:女子のみ。GAVIの援助により、2014年3月からNiamey 2地区とMadarounfa地区とで接種開始)
HPV(2回目:1回目の1-2ヶ月後)
HPV(3回目:1回目の6ヶ月後)
妊婦、15-45歳の女性破傷風トキソイドTT(5回接種。1回目の4週間後に2回目。2回目の半年後に3回目。3回目の1年後に4回目。4回目の1年後に5回目)
*:ニジェールでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます。
**:GAVI(参考文献7)の援助により、2014年3月からNiamey 2地区とMadarounfa地区とで接種開始。

近年のニジェールのこどもの定期予防接種への新しいワクチンの導入については、2014年7月に13価肺炎球菌結合型ワクチンが導入されました。また、2014年7月に1価ロタウイルスワクチンも導入されました。
なお、GAVI(参考文献7)の援助により、Niamey 2地区とMadarounfa地区という地域限定で、2014年3月から、ヒトパピローマウイルスワクチンが接種開始されました。

ヒトパピローマウイルスワクチンは近年開発された高価なワクチンで、発展途上国での導入は経済的に難しいです。しかしながら、GAVI(参考文献7)の援助により、ケニア(Kitui County)、ガーナ(南部のDangme West、及び、北部の Tamale Metro)、マダガスカル(Soavinandriana田園地区、及び、Toamasina 1都市地区)、マラウイ(Zomba, Rumphi)、ニジェール(Niamey II, Madarounfa)、シエラレオネ(南部州のBo)、タンザニア(キリマンジャロ州内のMoshi都市部, Moshi田園部, Hai, Siha, Romboの各県)、ラオス(ビエンチャン市、ビエンチャン県)等の発展途上国でも地域限定で導入されています。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

ニジェールにおけるワクチン等のフランス語表記について

ニジェールは、アフリカの西部に位置し、北西をマリ、北をアルジェリア・リビア、東をチャド、南をナイジェリア、南西をベナン、西をブルキナファソに囲まれた内陸の国です。このニジェールにおける公用語は、フランス語です。ニジェール政府のウェブページは、フランス語表示です。ニジェールにおけるワクチン等のフランス語表記については、下の表3、表4、表5のとおりです。当・横浜市衛生研究所ホームページ内の「フランスのこどもの定期予防接種について」もご参照ください。

表3 ニジェールのこどもの定期予防接種のワクチン等[その1](フランス語・日本語対照表記)


表5 ニジェールのこどもの定期予防接種のワクチン等[その3](フランス語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. 外務省;渡航関連情報(外部サイト)世界の医療事情(外部サイト):「ニジェール」(外部サイト)
    海外安全ホームページ(外部サイト)アフリカ(北側)地域渡航情報(外部サイト)」:(日本語).
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. 世界保健機関(外部サイト)(WHO):予防接種の調査・評価・状況把握(外部サイト)
    ; vaccine-preventable diseases: monitoring system. 2014 global summary
    :全世界の国々の予防接種一覧(外部サイト):(英語)。
  4. 世界保健機関(WHO)ニジェール国事務所(外部サイト)
    記者発表資料(外部サイト):(英語・フランス語).
  5. ユニセフ「ニジェール」(外部サイト): (英語).
  6. 日本ユニセフ協会(外部サイト)(ユニセフ日本委員会) ; 世界のこどもたち(外部サイト)「ニジェール」(外部サイト): (日本語).
  7. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    ニジェール(外部サイト)
    HPVワクチン援助(外部サイト)
    約206,000人以上の少女が GAVI Alliance のHPVワクチン援助によって利益を得る(外部サイト)(2014年2月4日付、プレス リリース): (英語・フランス語).
  8. 予防接種活動提携(外部サイト)(Immunization Action Coalition: IAC)
    言語別米国ワクチン情報(外部サイト)(PDF版): (英語).
  9. ニジェール共和国政府(外部サイト):(フランス語).

2014年9月19日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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