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モルドバのこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年9月10日

こどもの定期予防接種のモルドバと日本との違いについて

本稿では、モルドバのこどもの定期予防接種について触れます。まず、モルドバのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1.こどもの定期予防接種のモルドバと日本との違い
実施状況モルドバで実施モルドバで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
B型肝炎、
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
水痘
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
髄膜炎菌感染症
A型肝炎
インフルエンザ

*: HPVワクチンについて、日本・モルドバでは女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、モルドバで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずモルドバで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)ロタウイルスによる感染性胃腸炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がモルドバでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎のワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-Hib-HepB)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

モルドバのこどもの定期予防接種スケジュールについて

モルドバのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016-2020年)は、下の表2-1のとおりです。
なお、以前のスケジュール(表2-2)と比較すると、下の表2-1においては、25,35歳のdTワクチンが廃止になりました。6-7歳(小学1年生)のBCG(ツベルクリン反応検査陰性の者に1回接種)が廃止になりました。13価肺炎球菌結合型ワクチンの3回目が生後6ヶ月から1歳に変更されました。ポリオワクチンについて、OPVが3価ワクチンから2価ワクチンに変更され、15-16歳(小学9年生)のOPV(6回目)が廃止され、生後6ヶ月のIPV(1回接種)が、新たに加わりました。
12歳女子に対するHPVワクチンが推奨されていますが定期予防接種ではありませんでした。しかし、GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)の援助によりHPVワクチンが導入され、2017-18年に、約15000人の10歳の女子が無料で接種できることになりました(参考文献4)。

表2-1.モルドバのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016-2020年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目:誕生から24時間以内に接種)
結核BCG(1回接種:生後2-5日で接種)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
ロタウイルスワクチンRV(1回目)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
ロタウイルスワクチンRV(2回目)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種)
ロタウイルスワクチンRV(3回目:製剤によっては3回目不要)
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
生後22-24ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(4回目)
6-7歳(小学1年生)ジフテリア・破傷風DT(1回接種:春に接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV(5回目:春に接種)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目:秋に接種)
(10-12歳)(女子のみ)(ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ)(HPV)(1回目:女子のみ)
(HPV)(2回目:1回目の6ヶ月後)
15-16歳(小学9年生)ジフテリア・破傷風dT(1回接種)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(3回目)
20,30,40,50,60歳ジフテリア・破傷風dT(1回接種繰り返し)

*:モルドバでは、DTaP-Hib-HepBという5種混合ワクチンで接種されます。

以前のモルドバのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2011-2015年)は、下の表2-2のとおりです。
なお、下の表2-2において、ロタウイルスワクチンは2012年7月2日から、13価肺炎球菌結合型ワクチンは2013年10月1日から、新たに加わりました。

表2-2.モルドバのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2011-2015年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目:誕生から24時間以内に接種)
結核BCG(1回接種:生後2-5日で接種)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
ロタウイルスワクチンRV(1回目)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
ロタウイルスワクチンRV(2回目)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
ロタウイルスワクチンRV(3回目:製剤によっては3回目不要)
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
生後22-24ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(4回目)
6-7歳ジフテリア・破傷風DT(1回接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV(5回目)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
結核BCG(ツベルクリン反応検査陰性の者に1回接種)
15-16歳ジフテリア・破傷風dT(1回接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV(6回目)
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(3回目)
20,25,30,35,40,50,60歳ジフテリア・破傷風dT(1回接種繰り返し)

*:モルドバでは、DTaP-Hib-HepBという5種混合ワクチン(VACCINUL COMBINAT PENTAVALENT)で接種されます(2011年7月1日から)。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

モルドバにおけるモルドバ語によるワクチン等の表記について

モルドバは、東ヨーロッパにおいて、東をウクライナ、西をルーマニアに囲まれた国です。このモルドバにおける公用語は、モルドバ語(ルーマニア語)です。モルドバのこどもの定期予防接種のワクチン等のモルドバ語による表記については、下の表3、表4、表5、表6、表7のとおりです。日本語の表記も併記しました。

表3 モルドバのこどもの定期予防接種のワクチン等(モルドバ語・日本語対照表記)

表4 モルドバのこどもの定期予防接種のワクチン等(モルドバ語・日本語対照表記)

表5 モルドバのこどもの定期予防接種のワクチン等(モルドバ語・日本語対照表記)

表6 モルドバのこどもの定期予防接種のワクチン等(モルドバ語・日本語対照表記)

表7 モルドバのこどもの定期予防接種のワクチン等(モルドバ語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(ECDC)(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. モルドバ-immuno予防接種センター(外部サイト)(CENTRE DE VACCINARE);
    モルドバの国の定期予防接種スケジュール(外部サイト)(2016-2020年):なお、ページ上部の欄に誕生日を入力(選択)しボタンを押すと定期予防接種スケジュールの接種推奨予定日の一覧表のページが表示されます:(モルドバ語).
  4. モルドバ-厚生省(外部サイト):(モルドバ語):
    :モルドバの国の定期予防接種(外部サイト)(2011-2015年):
    :「モルドバの国の定期予防接種」(外部サイト)(2016-2020年)2015年11月11日.
    :GAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)の援助によるHPVワクチンの導入(外部サイト):(モルドバ語).
  5. モルドバ-国立公衆衛生センター(外部サイト)(Centrul Național de Sănătate Publică:CNSP);
    予防接種(外部サイト)
    モルドバの国の定期予防接種スケジュール(外部サイト)(2016-2020年):(モルドバ語).

2014年4月21日初掲載
2016年12月28日増補改訂

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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