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マレーシアのこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年9月9日

こどもの定期予防接種のマレーシアと日本との違いについて

本稿では、マレーシア(Malaysia)のこどもの定期予防接種について触れます。マレーシアは、東南アジアで、マレー半島南部(西マレーシア)とボルネオ島北部(東マレーシア)とから成ります。マレー半島(Malay Peninsula)では、北方でタイと国境を接し、南方は半島先端部でジョホール海峡を隔ててシンガポールと近いです。ボルネオ島(カリマンタン島)では、ブルネイ及びインドネシアと国境を接します。
まず、マレーシア(馬来西亜:馬)のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日馬両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のマレーシアと日本との違い
実施状況マレーシアで実施マレーシアで未実施
日本で実施日本脳炎
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、
肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ
(*)
肺炎球菌感染症
水痘
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
B型肝炎
髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる
感染性胃腸炎

A型肝炎
インフルエンザ

*: HPVワクチンについては、マレーシア・日本とも女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、マレーシアで実施されず日本で実施されているものとしては、肺炎球菌感染症水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずマレーシアで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)、B型肝炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がマレーシアでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib : 5-in-1)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

マレーシアのこどもの定期予防接種スケジュールについて

マレーシアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。

表2.マレーシアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン
(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目)
結核BCG(1回接種)
生後1ヶ月B型肝炎HepB(2回目)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
生後3ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
生後5ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(3回目)*
生後6ヶ月B型肝炎HepB(3回目)
生後6ヶ月(ボルネオ島のSabah[サバ]州のみ)(麻疹)Measles(1回接種)
生後9ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
生後9ヶ月(ボルネオ島のSarawak[サラワク]州のみ)(日本脳炎弱毒生ワクチン)LAJEV(1回目)**
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(4回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(4回目)*
生後21ヶ月(ボルネオ島のSarawak[サラワク]州のみ)(日本脳炎弱毒生ワクチン)LAJEV(2回目)**
6-7歳(小学校1年)ジフテリア・破傷風DT(1回接種)
麻疹風疹MR(1回接種)
(結核)BCG(1回接種:BCG接種痕がない場合に接種)
13歳(女子のみ)ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目:女子のみ)
HPV
(2回目:1回目の6ヶ月後)
15歳破傷風トキソイドTT(1回接種)

*:マレーシアでは、DTaP-Hib-IPVという5種混合ワクチン(5-in-1)で接種されます。
**:マレーシアでは、日本脳炎ワクチンについて、2014年4月から弱毒生ワクチンを導入しました。2014年4月より前は、不活化ワクチンが使用され、生後9,10,18ヶ月,4歳の接種スケジュールでした。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

なお、マレーシアはイギリス連邦加盟国の一つです。マレーシアにおける公用語は、マレー語ですが、英語も使われていて、マレーシア政府のホームページには英語の表記もあります。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. 外務省;渡航関連情報(外部サイト)在外公館医務官情報(外部サイト)
    ; 「マレーシア(クアラルンプール,ジョホールバル,ペナン)(外部サイト)
    ; 「マレーシア(コタキナバル周辺)(外部サイト)」:(日本語).
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. Global summary.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  4. マレーシア保健省(外部サイト)(Ministry of Health Malaysia)
    ; マレーシアのこどもの定期予防接種スケジュール(外部サイト):(英語).
  5. Immunise4Life(外部サイト)(IFL: マレーシアの予防接種推進機関)ホームページ
    ; マレーシアのこどもの定期予防接種スケジュール(外部サイト)(National Immunisation Programme: NIP):(英語).

2016年5月2日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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