このページの先頭です

リベリアのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2018年8月27日

こどもの定期予防接種のリベリアと日本との違いについて

本稿では、リベリア共和国(Republic of Liberia)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、リベリアのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のリベリアと日本との違い
 リベリアのこどもの定期予防接種
実施実施せず
日本のこどもの定期予防接種実施B型肝炎、
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
風疹
水痘
実施せずロタウイルスによる感染性胃腸炎
黄熱
流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
A型肝炎
インフルエンザ
腸チフス
コレラ
*: HPVワクチンについて、日本、リベリアとも女子のみ対象。リベリアでは地域限定で接種。

こどもの定期予防接種として、リベリアで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎風疹水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずリベリアで実施されているものとしては、ロタウイルスによる感染性胃腸炎黄熱があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がリベリアでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。このような三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

リベリアのこどもの定期予防接種スケジュールについて

リベリアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)は、下の表2のとおりです。なお、ワクチンではありませんが、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されることがあります。また、回虫・十二指腸虫・鞭虫などによる蠕虫症対策として駆虫剤(de-worming drug: mebendazole)も投与されることがあります。

表2. リベリアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時結核BCG(1回接種:できるだけ早く生後11ヶ月未満までに接種)
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(1回目:できるだけ早く生後2週間以内に接種)
生後6週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(2回目)
ロタウイルスワクチンRV(1回目)
生後10週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(3回目)
ロタウイルスワクチンRV(2回目)
生後14週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)
2価ポリオ経口生ワクチン2vOPV(4回目)
(ポリオ不活化ワクチン)IPV(1回接種)**
ロタウイルスワクチンRV(3回目:製剤によっては3回目は不要)
生後6ヶ月ビタミンAVitamin A(1回目:後は6ヶ月間隔で生後60ヶ月[5歳]まで経口投与繰り返し。また、母親にも出産時と出産後1ヶ月に投与)
生後9ヶ月麻疹Measles(1回接種)
黄熱YFV(1回接種)
(10歳の女子)ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目:女子のみ。GAVIの援助により、2016年から中部の内陸[北方]のBong郡とNimba郡で地域限定の接種)
HPV(2回目:1回目の6ヶ月後)
14歳破傷風トキソイドTT(4回接種。1回目の4週間後に2回目。2回目の6ヶ月後に3回目。3回目の1年後に4回目)
妊婦、15-45歳の女性破傷風トキソイドTT(3回接種。1回目の4週間後に2回目。2回目の6ヶ月後に3回目。こども時代に未接種であれば、さらに2回接種[3回目の1年後に4回目。4回目の1年後に5回目])
*:リベリアでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチン(Pentavalent)で接種されます。
**:2018年1月から定期予防接種に導入予定。

近年のリベリアのこどもの定期予防接種への新しいワクチンの導入については、2007年に黄熱ワクチンが導入されました。2008年にDTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンが導入されました。2014年1月に13価肺炎球菌結合型ワクチンが導入されました。
2014-2016年には 、リベリアにおけるエボラ出血熱(エボラウイルス病)の流行があり、新しいワクチンの導入計画に遅れが生じました。2014年10月からロタウイルスワクチンが導入予定でしたが、2016年の導入となりました。2015年1月からポリオ不活化ワクチンが導入予定でしたが、2018年1月の導入予定となりました。
なお、GAVI(参考文献7)の援助により、中部の内陸[北方]のBong郡[county]とNimba郡[county]という地域限定で、2014年10月から、ヒトパピローマウイルスワクチンが接種開始予定でしたが、2016年からBong郡とNimba郡という地域限定で接種開始されました。

ヒトパピローマウイルスワクチンは近年開発された高価なワクチンで、発展途上国での導入は経済的に難しいです。しかしながら、GAVI(参考文献7)の援助により、ケニア(Kitui County)、ガーナ(南部のDangme West、及び、北部の Tamale Metro)、マダガスカル(Soavinandriana田園地区、及び、Toamasina 1都市地区)、マラウイ(Zomba, Rumphi)、ニジェール(Niamey II, Madarounfa)、シエラレオネ(南部州のBo)、タンザニア(キリマンジャロ州内のMoshi都市部, Moshi田園部, Hai, Siha, Romboの各県)、ラオス(ビエンチャン市、ビエンチャン県)等の発展途上国でも地域限定で導入されています。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

リベリアにおけるワクチン等の英語表記について

リベリアは、アフリカの西部に位置し、北をギニア、西をシエラレオネ、東をコートジボアール、南を大西洋に囲まれた国です。このリベリアにおける公用語は、英語です。リベリア政府のウェブページは、英語表示です。リベリアにおけるワクチン等については、後記の参考文献に示すようなホームページ等から、英語表記の情報を得ることができます。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. 外務省;渡航関連情報(外部サイト)世界の医療事情(外部サイト)
    海外安全ホームページ(外部サイト)アフリカ(北側)地域渡航情報(外部サイト)」:(日本語).
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  4. 世界保健機関(WHO)リベリア国事務所(外部サイト)
    記者発表資料(外部サイト)
    WHOがリベリアにおけるエボラ出血熱の終息を宣言(外部サイト)(2016年6月9日)
    リベリアが子宮頸がん予防ワクチンを導入(外部サイト)(2016年5月4日)
    2016年4月22日にリベリアが経口ポリオワクチンを3価から2価へ変更(外部サイト)(2016年4月23日):(英語).
  5. ユニセフ「リベリア」(外部サイト)
    リベリアが小児用の肺炎球菌ワクチン(PCV)を導入(外部サイト)(2014年1月9日): (英語).
  6. 日本ユニセフ協会(外部サイト)(ユニセフ日本委員会) ; 世界のこどもたち(外部サイト)「リベリア」(外部サイト): (日本語).
  7. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    リベリア(外部サイト)
    HPVワクチン援助(外部サイト)
    約206,000人以上の少女が GAVI Alliance のHPVワクチン援助によって利益を得る(外部サイト)(2014年2月4日付、プレス リリース): (英語).
  8. 予防接種活動提携(外部サイト)(Immunization Action Coalition: IAC)
    言語別米国ワクチン情報(外部サイト)(PDF版): (英語).
  9. リベリア国政府(外部サイト) 保健省(外部サイト)(Ministry of Health):(英語).

2014年9月2日初掲載
2017年7月5日改訂増補

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:327-921-509

先頭に戻る