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ラオスのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月11日

こどもの定期予防接種のラオスと日本との違いについて

本稿では、ラオス人民民主共和国(Lao People's Democratic Republic[Lao PDR])のこどもの定期予防接種について触れます。ラオス(羅宇、寮國: [略称]寮)は、東南アジアの内陸の国で、北方で中華人民共和国、東方でベトナム、南方でカンボジア、南西方面でタイ、北西方面でミャンマー(ビルマ)と国境を接します。まず、ラオスのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日寮両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のラオスと日本との違い
実施状況ラオスで実施ラオスで未実施
日本で実施ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)、
日本脳炎
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹
風疹
肺炎球菌感染症
水痘
日本で未実施B型肝炎流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
A型肝炎
インフルエンザ
腸チフス
コレラ

*: HPVワクチンについて、日本・ラオスとも女子のみ対象であり、また、ラオスでは指定地域(ビエンチャン首都市及びビエンチャン県)の女子のみ対象です。

こどもの定期予防接種として、ラオスで実施されず日本で実施されているものとしては、水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずラオスで実施されているものとしては、B型肝炎があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がラオスでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

ラオスのこどもの定期予防接種スケジュールについて

ラオスのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。なお、ワクチンではなく、下の表2にも含まれていませんが、この他、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて生後6-59ヶ月の乳幼児に年2回投与されます。

表2.
ラオスのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時結核BCG(1回接種)
B型肝炎HepB(1回目)
生後6週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)**
生後10週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)**
生後14週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種: 2015年10月から導入)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目)**
生後9-11ヶ月麻疹風疹MR(1回接種)
日本脳炎弱毒生ワクチンLAJEV(1回接種)***
10歳(小学5年生、指定地域[ビエンチャン首都市及びビエンチャン県]の女子のみ)ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV(1回目:女子のみ)
HPV(2回目:1回目の1-2ヶ月後)
HPV(3回目:1回目の6ヶ月後)
15-45歳の女性破傷風・ジフテリアTd(1回目:受診時あるいは妊娠中できるだけ早く)
Td(2回目:1回目の4週間後)
Td(3回目:2回目の6ヶ月後)
Td(4回目:3回目の1年後)
Td(5回目:4回目の1年後)
*:ラオスでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます(2009年導入)。
**:2013年から、13価肺炎球菌結合型ワクチンが導入されました。
***:2016年から定期予防接種に導入。2015年には、4月から、生後9か月から14歳のこどもを対象に日本脳炎弱毒生ワクチンキャンペーンが行われました。ラオスはGAVI(ワクチンと予防接種のための世界同盟)の援助により日本脳炎弱毒生ワクチンを定期予防接種に導入した最初の国です。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

ラオスにおけるワクチンのラオス語表記について

ラオスにおける公用語は、ラオス語(Laotian: ラオ語とも呼ばれます。)です。ラオスのこどもの予防接種のワクチン等についてラオス語による表記は、下の表3、表4、表5のとおりです。日本語の表記も対照して併記しました。

表3 ラオスのこどもの定期予防接種のワクチン[その1](ラオス語・日本語対照表記)

表4 ラオスのこどもの定期予防接種のワクチン[その2](ラオス語・日本語対照表記)

表5 ラオスのこどもの定期予防接種のワクチン[その3](ラオス語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. Global summary.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. WHO ラオス事務所(外部サイト)
    予防接種(外部サイト)
    : GAVIの援助によりラオスが日本脳炎予防へ(外部サイト)(2015年4月22日):(英語)。
  3. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  4. 日本国外務省:世界の医療事情(外部サイト)ラオス(外部サイト). :(日本語).
  5. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    ラオス(外部サイト)
    ; GAVIの援助によりラオスが日本脳炎予防へ(外部サイト)(2015年4月1日)
    ; ラオスがGAVIの援助により肺炎球菌ワクチンとHPVワクチンを導入した東南アジアの最初の国に(外部サイト)(2013年10月2日)
    GAVIによる日本脳炎ワクチン援助(外部サイト)
    GAVIによるヒト-パピローマウイルス(HPV)ワクチン援助(外部サイト): (英語).
  6. ユニセフ(UNICEF)-ラオス事務所(外部サイト)
    ワクチン由来のポリオウイルスによるポリオ患者多発に対するラオスの対応(外部サイト)(2016年4月22日)
    ラオスがワクチン由来のポリオウイルス1型(VDPV1)によるポリオ患者1名発生の報告(外部サイト)(2015年10月9日)
    生後9ヶ月から10歳未満のこどもに対するMRワクチンキャンペーン(外部サイト)(2014年11月12日)
    日本人歌手がラオスの小学校・水道施設を訪問(外部サイト)(2014年1月8日[水]): (英語).
  7. Bruni L, Barrionuevo-Rosas L, Albero G, Aldea M, Serrano B, Valencia S, Brotons M, Mena M, Cosano R, Munoz J, Bosch FX, de Sanjose S, Castellsague X. ICO (Institut Catala d'Oncologia) Information Centre on HPV and Cancer(外部サイト)(HPV Information Centre). Human Papillomavirus and Related Diseases in Laos. Summary Report 2015-12-23(外部サイト) [pdf:947KB] (PDF版). : (英語).
  8. ラオス-パスツール研究所(外部サイト)(Institut Pasteur du Laos: IPL):(英語).
  9. 米国予防接種活動連合(Immunization Action Coalition(外部サイト): IAC)
    ; 米国ワクチン情報(各国語版)(外部サイト)
    ; 米国ワクチン情報(ラオス語版)(外部サイト): (英語).
  10. ビエンチャン-タイムス(Vientiane Times(外部サイト): 新聞)
    ; ポリオ不活化ワクチンを定期予防接種に導入(外部サイト)(2015年10月16日)
    ; 保健省がポリオワクチンキャンペーン(外部サイト)(2016年5月16日): (英語).
  11. ラオス保健省(外部サイト)
    食品医薬品局(外部サイト)
    ポリオ多発に関する国家公衆衛生非常事態宣言及び対策(外部サイト) [pdf:345KB] 」2016年1月13日(PDF版): (英語・ラオス語(外部サイト) [pdf:375KB] ).

2016年5月16日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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