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中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年8月27日

こどもの定期予防接種の中華人民共和国(香港特別行政区)と日本との違いについて

本稿では、中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

香港(ホンコン)でも日本でも定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

2014年1月2日から香港(ホンコン)のこどもの定期予防接種に水痘が含まれました。2013年1月1日以後に生まれたこどもが対象で生後12ヶ月で香港(ホンコン)の母子保健センター(母嬰健康院[中国語]:Maternal and Child Health Centre[英語])で受けることができます。2019-20学年から、香港(ホンコン)のこどもの定期予防接種にHPVワクチンが含まれました。小学5-6年で女子に接種されます。9価ワクチン(9vHPV)によって香港では子宮頸がんの90%が予防されると期待されています。また、2019年1月1日生まれの児から、13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)について、3p+1スケジュールの4回接種から2p+1スケジュールの3回接種に変更され、2、4、12か月での接種となります。

表1.こどもの定期予防接種の中華人民共和国(香港特別行政区)と日本との違い
実施状況中華人民共和国(香港特別行政区)で実施中華人民共和国(香港特別行政区)で未実施
日本で実施結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
水痘
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)、
B型肝炎
日本脳炎
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)
インフルエンザ(**)
髄膜炎菌感染症
A型肝炎
ロタウイルスによる感染性胃腸炎

*: HPVワクチンについては、日本、香港とも女子のみ対象。香港では9価ワクチン(9vHPV)が接種されます。
**: インフルエンザについては、香港では、生後6ヶ月以上12歳未満、50歳以上、妊婦等が対象。

こどもの定期予防接種として、中華人民共和国(香港特別行政区)で実施されず日本で実施されているものとしては、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症、日本脳炎(JapEnc)があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されず中華人民共和国(香港特別行政区)で実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)インフルエンザがあります。
日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。同様の四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が中華人民共和国(香港特別行政区)でも使われています。

中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種スケジュールについて

中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年)は、下の表2のとおりです。

表2.中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2019年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目)
結核BCG(1回接種)
生後1ヶ月B型肝炎HepB(2回目)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ポリオIPV(1回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(1回目)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ポリオIPV(2回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(2回目)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ポリオIPV(3回目)*
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(3回目:2019年1月1日生まれの児から不要)****
B型肝炎HepB(3回目)
生後6ヶ月以上、12歳未満インフルエンザIIV(初めての年は4週間間隔で2回接種。翌年からは毎年1回接種。LAIV[生ワクチン]が接種される場合もあります。12歳以上でも小学生ならば接種対象となります)
生後12ヶ月麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
13価肺炎球菌結合型ワクチンPCV13(4回目)
水痘Var(1回接種)***
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)*
ポリオIPV(4回目)*
小学1年生ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(5回目)*
ポリオIPV(5回目)*
麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹水痘MMRV(2回目)***
小学5年生ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(女子のみ)9vHPV(1回目:女子のみ)*****
小学6年生ジフテリア・破傷風百日咳(減量)dTap(1回接種)**
ポリオIPV(6回目)**
ヒトパピローマウイルス16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(女子のみ)9vHPV(2回目:女子のみ)*****
(50歳以上)(インフルエンザ)IIV(毎年1回接種)
(65歳以上)(23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)PPSV23(1回接種)******

*:中華人民共和国(香港特別行政区)では、DTaP-IPVという4種混合ワクチンで接種されます。
**:中華人民共和国(香港特別行政区)では、dTap-IPVという4種混合ワクチンで接種されます。
***:水痘ワクチンについては、2013年1月1日以後に誕生の児が対象です。2012年12月31日以前の誕生の児は、小学1年では、MMRVではなく、MMRが接種されます。
****:2019年1月1日生まれの児から、13価肺炎球菌結合型ワクチンについて、3p+1スケジュールの4回接種から2p+1スケジュールの3回接種に変更され、生後2、4、12か月での接種となります。
*****:2019-20学年から、定期予防接種にHPVワクチンが含まれました。小学5-6年で女子に接種されます。
******:心血管、肺、肝、腎などの慢性疾患や免疫不全などハイ-リスクとみなされるときには、23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(PPSV23)だけでなく、13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)も接種されることがあります。まずPCV13を接種し、1年後にPPSV23(23vPPV)を接種します。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

中華人民共和国(香港特別行政区)におけるワクチン等の中国語表記について

中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種スケジュールについて中国語による表記については、下の表3のとおりです。日本語の表記も併記しました。日本語の表記と一致するものもあれば一致しないものもあり、中華人民共和国(香港特別行政区)における中国語の接種の記録を見るときなどには注意が必要です。

表3 中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種スケジュール(中国語・日本語対照表記)

中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種のワクチンについて対照すると、下の表4のとおりです。表の最下段のB型肝炎免疫グロブリンについては、ワクチンではありませんが、B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた児に注射することがあります。

表4 中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種のワクチンについての対照表

中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの任意予防接種のワクチンについて対照すると、下の表5のとおりです。

表5 中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの任意予防接種のワクチンについての対照表


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine Preventable Diseases Monitoring System: Immunization schedules by antigen.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. 中華人民共和国香港特別行政区衛生署家庭健康サービス(外部サイト)中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種スケジュール (外部サイト):(中国語).
  4. 中華人民共和国香港特別行政区衛生署家庭健康サービス(外部サイト)中華人民共和国(香港特別行政区)のこどもの定期予防接種スケジュール (外部サイト):(英語).
  5. 中華人民共和国香港特別行政区衛生署健康保護センター(外部サイト)
    (衛生防護中心: Centre for Health Protection: CHP)
    予防接種制度(外部サイト)
    予防接種制度一覧(外部サイト):(英語).
  6. 香港特別行政区政府Press Releases: HPV vaccine to be provided under Childhood Immunisation Programme(外部サイト). Thursday, October 11, 2018.
  7. 香港特別行政区政府Press Releases: Updated schedule of pneumococcal vaccination to be implemented under Childhood Immunisation Programme(外部サイト). Wednesday, April 10, 2019.

2014年1月9日初掲載
2015年11月25日改訂増補
2019年6月14日改訂増補

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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