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フィンランドのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2018年8月27日

こどもの定期予防接種のフィンランドと日本との違いについて

本稿では、フィンランド(芬蘭)共和国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、フィンランドのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

日芬両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のフィンランドと日本との違い
 フィンランドのこどもの定期予防接種
実施実施せず
日本のこどもの定期予防接種実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
結核(BCG)、
水痘
B型肝炎
実施せず流行性耳下腺炎(ムンプス)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
インフルエンザ
(ダニ媒介脳炎**)
髄膜炎菌感染症
A型肝炎
*: HPVワクチンについて、フィンランド、日本とも女子のみ対象。
**: フィンランドでは、オーランド諸島でこどもの定期予防接種となっています。

こどもの定期予防接種として、フィンランドで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎、結核(BCG)、水痘、B型肝炎があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずフィンランドで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)ロタウイルスによる感染性胃腸炎インフルエンザがあります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がフィンランドでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。同様の四種混合ワクチン(DTaP/IPV)がフィンランドでも使われています。

フィンランドのこどもの定期予防接種スケジュールについて

フィンランドのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。

表2. フィンランドのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
生後2ヶ月ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV5(1回目:商品名RotaTeq)
生後3ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10(1回目:商品名Synflorix)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV5(2回目)
生後5ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10(2回目)
ロタウイルスによる感染性胃腸炎RV5(3回目)
生後6-35ヶ月季節性インフルエンザIIV(初年度の冬は1ヶ月以上の間隔で2回、次年度の冬からは毎冬1回接種)
生後12ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV (3回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10(3回目)
生後12ヶ月(または14-18ヶ月)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)***
4歳ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)**
ポリオ不活化ワクチンIPV (4回目)**
6歳麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
11-12歳(女子のみ)****ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌HPV2(1回目:女子のみ)
HPV2(2回目:1回目の6ヶ月後)
14-15歳ジフテリア・破傷風百日咳dTap(1回接種)
25歳以後10年毎(25歳、35歳、45歳、55歳、)ジフテリア・破傷風dT(10年毎に1回接種繰り返し)
65歳以上季節性インフルエンザIIV(毎年1回接種)
*:フィンランドでは、DTaP-Hib-IPV(商品名:Infanrix-Polio+Hib, Pentavac)という5種混合ワクチンで接種されます。
**:フィンランドでは、DTaP-IPV(商品名:Tetravac)という4種混合ワクチンで接種されます。
***:海外渡航等のためにMMRワクチンの接種時期を生後6ヶ月まで早めることができますが、その場合には生後12ヶ月以降に2回の接種(生後14-18ヶ月および6歳)をすることが推奨されます。
****:11-12歳女子でのHPVワクチンが推奨されますが、HPVワクチンの導入後2年間は13-15歳女子も接種対象とされました。フィンランドでは、HPVワクチンの導入は、2013年11月でした。HPV2(商品名Cervarix)を接種。

フィンランドのオーランド諸島(island of Aland)では、上記の他、3歳以上で、ダニ媒介脳炎ワクチン(商品名:TicoVac Junior[1-15歳の小児用]、TicoVac[16歳以上の成人用])が定期予防接種となっています。基礎免疫のシリーズは、3回のワクチン接種からなります。二回目は、一回目の1-3ヶ月後に、三回目は、二回目の5-12ヶ月後に接種します。一回目の追加接種は基礎免疫の三年後、二回目以後は五年毎に追加接種を繰り返します。ただし、60歳以上では、三年毎に追加接種を繰り返します。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

フィンランドにおけるフィンランド語によるワクチン等の表記について

フィンランドにおける公用語は、フィンランド語(Finnish)とスウェーデン語です。フィンランドのこどもの定期予防接種のワクチン等のフィンランド語による表記については、下の表3、表4、表5のとおりです。日本語の表記も併記しました。

表3 フィンランドのこどもの定期予防接種のワクチン等(フィンランド語・日本語対照表記)


表4 フィンランドのこどもの定期予防接種のワクチン等(フィンランド語・日本語対照表記)


表5 フィンランドのこどもの定期予防接種のワクチン等(フィンランド語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. 予防接種(Rokottaminen)ホームページ(外部サイト)
    :フィンランド国立健康福祉研究所[National Institute for Health and Welfare (THL(外部サイト))]が管理.
    フィンランドのこどもの定期予防接種スケジュール(外部サイト):(フィンランド語).

2014年2月18日初掲載
2014年2月19日更新
2015年1月22日増補改訂
2016年12月8日増補改訂

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電話:045-370-9237

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ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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