このページの先頭です

エチオピアのこどもの定期予防接種について

■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。

最終更新日 2019年8月15日

こどもの定期予防接種のエチオピアと日本との違いについて

本稿では、エチオピア連邦共和国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、エチオピアのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のエチオピアと日本との違い
実施状況エチオピアで実施エチオピアで未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹
肺炎球菌感染症
日本脳炎
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)、
風疹
日本で未実施B型肝炎、
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
流行性耳下腺炎(ムンプス)
髄膜炎菌感染症
水痘
A型肝炎
インフルエンザ
腸チフス
コレラ

*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、エチオピアで実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎風疹ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずエチオピアで実施されているものとしては、B型肝炎、ロタウイルスによる感染性胃腸炎があります。

日本国外務省では、日本からのエチオピアへの赴任者に対して、黄熱(必須)、髄膜炎菌A型肝炎、B型肝炎、破傷風狂犬病腸チフスの免疫の保持を勧めています(参考文献1)。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がエチオピアでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib)があります。このような三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

エチオピアのこどもの定期予防接種スケジュールについて

エチオピアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)は、下の表2のとおりです。なお、ワクチンではなく、下の表2にも含まれていませんが、この他、ビタミンAが、乳幼児のビタミンA欠乏症対策としてワクチンに準じて乳幼児に投与されることがあります。また、回虫・十二指腸虫・鞭虫などによる蠕虫症対策として駆虫剤(de-worming drug)も投与されることがあります。

表2.エチオピアのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2014年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時結核BCG(1回接種)
ポリオ経口生ワクチンOPV(1回目)
生後6週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザ
b型菌(Hib)
Hib(1回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10(1回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(2回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(1回目)
生後10週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザ
b型菌(Hib)
Hib(2回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10(2回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(3回目)
1価ロタウイルスワクチンRV1(2回目)
生後14週ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザ
b型菌(Hib)
Hib(3回目)*
10価肺炎球菌結合型ワクチンPCV10(3回目)
ポリオ経口生ワクチンOPV(4回目)
生後9ヶ月麻疹Measles(1回目)
妊婦、
15-45歳の女性
破傷風トキソイドTT(3回接種。1回目の4週間後に2回目。2回目の6ヶ月後に3回目。こども時代に未接種であれば、さらに2回接種[3回目の1年後に4回目。4回目の1年後に5回目])

*:エチオピアでは、DTwP-HepB-Hibという5種混合ワクチンで接種されます。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

エチオピアにおけるワクチン等のアムハラ語表記について

エチオピアは、アフリカの東部に位置し、東をソマリア、南をケニア、西を南スーダン、北西をスーダン、北をエリトリア、北東をジブチに囲まれた内陸の国です。このエチオピアにおける公用語は、アムハラ語(Amharic)です。エチオピアのこどもの定期予防接種のワクチン等のアムハラ語表記は、下の表3 、表4のとおりです。なお、エチオピア政府のウェブページには、英語表示のページもあります。
また、世界中で広く使われている暦であるグレゴリオ暦(西暦)とは異なるエチオピア暦がエチオピアでは使用されることがあり、年月日の表示には注意が必要です。エチオピア暦2000年1月1日はグレゴリオ暦2007年9月11日でした。

表3 エチオピアのこどもの定期予防接種のワクチン等[その1](アムハラ語・日本語対照表記)

表4 エチオピアのこどもの定期予防接種のワクチン等[その2](アムハラ語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. 外務省;渡航関連情報(外部サイト)世界の医療事情(外部サイト)エチオピア(外部サイト)」:(日本語).
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. WHO vaccine-preventable diseases: monitoring system. 2014 global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  4. 世界保健機関(WHO)エチオピア国事務所(外部サイト)予防接種(外部サイト):(英語).
  5. ユニセフ「エチオピア」(外部サイト)プレス リリース(外部サイト): (英語).
  6. 日本ユニセフ協会(外部サイト)(ユニセフ日本委員会) ; 世界のこどもたち(外部サイト)「エチオピア」(外部サイト): (日本語).
  7. GAVI Alliance(外部サイト)(ワクチンと予防接種のための世界同盟[The Global Alliance for Vaccines and Immunization])
    エチオピア(外部サイト): (英語).
  8. 予防接種活動提携(外部サイト)(Immunization Action Coalition: IAC)
    言語別米国ワクチン情報(外部サイト): (英語).
  9. エチオピア国保健省(外部サイト)(Ministry of Health):(英語).

2014年7月18日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:846-616-638

先頭に戻る