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■この記事は教科書的、文献的な内容についてまとめ、多くの方が参考にしていただけるよう掲載しています。必ずしも最新の情報を提供するものではありません。■なお、本件に関して専門に研究している職員は配置されていないため、個別相談には対応しかねます。 ■渡航等に際して、当該国の最新情報や、接種対象、接種方法等の詳細が必要な場合は、外務省ホームページや大使館などで事前にご確認ください。
最終更新日 2019年8月20日
本稿では、キプロス共和国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、キプロス共和国のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。
両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。
実施状況 | キプロスで実施 | キプロスで未実施 |
---|---|---|
日本で実施 | ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症、 ジフテリア・破傷風・百日咳、 水痘、ポリオ、B型肝炎、 麻疹・風疹、 肺炎球菌感染症、 ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*) | 日本脳炎、 結核(BCG) |
日本で未実施 | 髄膜炎菌感染症、 流行性耳下腺炎(ムンプス) | A型肝炎、 インフルエンザ、 ロタウイルスによる感染性胃腸炎、 ダニ媒介脳炎 |
*: HPVワクチンについて、日本、キプロスでは女子のみ対象。
こどもの定期予防接種として、キプロス共和国で実施されず日本で実施されているものとしては、日本脳炎、結核(BCG)があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずキプロス共和国で実施されているものとしては、髄膜炎菌感染症、流行性耳下腺炎(ムンプス)があります。
日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。日本と同様な四種混合ワクチン(DTaP-IPV)がキプロスでも使われています。
キプロス共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年8月1日から)は、下の表2のとおりです。2016年8月1日から、中学1年女子(12-13歳)に対して、2016-17学年から、6か月間隔での2回接種としてHPVワクチンが導入されました。
接種時期 | 予防する感染症 | 接種するワクチン (英字略語表記等) |
---|---|---|
生後2ヶ月 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTaP(1回目)* |
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) | Hib(1回目) | |
ポリオ不活化ワクチン | IPV(1回目)* | |
B型肝炎 | HepB(1回目) | |
肺炎球菌結合型ワクチン | PCV(1回目) | |
生後4ヶ月 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTaP(2回目)* |
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) | Hib(2回目) | |
ポリオ不活化ワクチン | IPV(2回目)* | |
B型肝炎 | HepB(2回目) | |
肺炎球菌結合型ワクチン | PCV(2回目) | |
生後6ヶ月 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTaP(3回目)* |
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) | Hib(3回目) | |
ポリオ不活化ワクチン | IPV(3回目)* | |
生後8-12ヶ月 | B型肝炎 | HepB(3回目) |
生後12-13ヶ月 | C群髄膜炎菌結合型ワクチン | MCV-C(1回接種) |
生後12-15ヶ月 | 肺炎球菌結合型ワクチン | PCV(3回目) |
麻疹・流行性耳下腺炎(ムンプス)・風疹 | MMR(1回目) | |
生後12-18ヶ月 | 水痘 | Var(1回目) |
生後12-18ヶ月 | ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib) | Hib(4回目) |
生後15-18ヶ月 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTaP(4回目)* |
ポリオ不活化ワクチン | IPV (4回目)* | |
4-6歳 | ジフテリア・破傷風・百日咳 | DTaP(5回目)* |
ポリオ不活化ワクチン | IPV (5回目)* | |
麻疹・流行性耳下腺炎(ムンプス)・風疹 | MMR(2回目) | |
水痘 | Var(2回目) | |
12-13歳 (中学1年女子) | ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ | HPV(6か月間隔で2回接種) |
14-16歳 | ジフテリア・破傷風 | dT(1回接種。後は10年毎に1回接種繰り返し) |
65歳以上 | 肺炎球菌ポリサッカライドワクチン | PPSV23(1回接種) |
インフルエンザ | IIV(毎年1回接種) |
*:キプロス共和国では、DTaP-IPVという4種混合ワクチンで接種されます。
複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。
キプロス共和国は、ヨーロッパにおいて、トルコの南方の東地中海上に浮かぶキプロス島の大部分を占める国です。このキプロス共和国における公用語は、ギリシャ語(ギリシア語)です。キプロス共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等のギリシャ語による表記については、下の表3、表4、表5、表6のとおりです。日本語の表記も併記しました。
各国の予防接種
2014年5月13日初掲載
2019年7月10日改訂
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