このページの先頭です

キューバのこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月3日

こどもの定期予防接種のキューバと日本との違いについて

本稿では、キューバ共和国(久場:Republic of Cuba)のこどもの定期予防接種について触れます。まず、キューバのこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

キューバと日本、両国とも定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のキューバと日本との違い
実施状況キューバで実施キューバで未実施
日本で実施結核(BCG)、
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
B型肝炎
日本脳炎
水痘
肺炎球菌感染症
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本で未実施髄膜炎菌感染症
腸チフス
流行性耳下腺炎(ムンプス)
A型肝炎
黄熱
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
インフルエンザ

*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象。

こどもの定期予防接種として、キューバで実施されず日本で実施されているものとしては、水痘、日本脳炎(JapEnc)、 肺炎球菌感染症ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマがあります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずキューバで実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)髄膜炎菌感染症腸チフス、があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がキューバでは見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTwP)、B型肝炎のワクチン(HepB)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)を混合したワクチン(DTwP-HepB-Hib:[スペイン語:西語]DPT-HB+Hib)があります。三つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと3回の接種が必要なところ、三つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが見られます。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP/IPV)が2012年11月から新たに使われるようになりました。

キューバのこどもの定期予防接種スケジュールについて

キューバのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)は、下の表2のとおりです。2016年1月11日(月曜日)から、生後4ヶ月でポリオ不活化ワクチン(IPV)が導入されました。

表2.
キューバのこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2017年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時B型肝炎HepB(1回目:生後12-24時間で接種。母親がHBs抗原陽性の場合には、引き続き、生後1,2,12ヶ月でHepBワクチン接種)
BCGワクチン(結核)BCG(1回接種)
生後1ヶ月~2歳11ヶ月29日ポリオ経口生ワクチンOPV(2回接種)**
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(1回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
生後3ヶ月B、C群髄膜炎菌ワクチンMenBC(1回目)
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(2回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回接種)
生後5ヶ月B、C群髄膜炎菌ワクチンMenBC(2回目)
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(3回目)*
B型肝炎HepB(4回目)*
1歳麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
生後18ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTwP(4回目)
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症Hib(4回目)
6歳(小学校1年生)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
ジフテリア・破傷風DT(1回接種)
9歳~9歳11ヶ月29日ポリオ経口生ワクチンOPV(1回接種)**
9-10歳(小学校5年生)腸チフスワクチンViCPS(1回目)
12-13歳(小学校8年生)腸チフスワクチンViCPS(2回目)
13-14歳(小学校9年生)破傷風トキソイドTT(1回接種:後は、15-59歳で10年ごとにTT1回接種を繰り返し、60歳以上で5年ごとにTT1回接種を繰り返し。)
15-16歳(小学校11年生)腸チフスワクチンViCPS(2回目)
妊婦インフルエンザIIV(1回接種)
65歳以上インフルエンザIIV(毎年1回接種)
*:キューバでは、DTwP-HepB-Hib([西語]DPT-HB+Hib)という5種混合ワクチン([西語]Pentavalente)またはDTwP-HepB([西語]DPT-HB)という4種混合ワクチン([西語]Tetravalente)で接種されることがあります。
**:ポリオ経口生ワクチン(OPV)については、キャンペーン時に接種します。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

キューバにおけるスペイン語のワクチンの略語表記について

スペイン語はキューバの公用語です。キューバにおけるスペイン語のワクチンの略語表記については、下の表3のとおりです。英語のワクチンの略語表記と一致するものもあれば一致しないものもあり、スペイン語(西語)の接種の記録を見るときなどには注意が必要です。また、流行性耳下腺炎(ムンプス)・風疹麻疹のウイルス三種混合ワクチンについて、スペイン語圏の国々では略称はSRPまたはSPRとしている国が多く、キューバのようにPRSとしている国は珍しいです。

表3.
キューバにおけるスペイン語のワクチンの略語表記
西語略称西語表記(vacuna contra ---)日本語表記英語略称
DT(Doble bacteriana)toxoide doble, contra difteria y tetanos (infantil)細菌二種混合トキソイド(ジフテリア・破傷風;幼児用)DT
TTToxoide tetanico破傷風トキソイドTT
DPTまたはDTPvacuna contra difteria, pertussis(tos ferina)[ de celulas enteras] y tetanos三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳[全菌体]・破傷風)DTwP
VPIまたはIPVvacuna antipoliomielitica inactivadaポリオ不活化ワクチンIPV
VPOまたはOPVvacuna antipoliomielitica oralポリオ経口生ワクチンOPV
HibVacuna contra Haemophilus Influenzae tipo bヘモフィルス-インフルエンザb型菌Hib
HBまたはHepBvacuna antihepatitis B recombinanteB型肝炎(リコンビナント)ワクチンHep B
HAまたはHepAvacuna antihepatitis AA型肝炎ワクチンHep A
neumococoまたはVCN, VPCVacuna conjugada contra el neumococo肺炎球菌結合型ワクチンPCV
neumococoまたはVPNVacuna polisacarida contra el neumococo (23 serotipos)(23価)肺炎球菌ポリサッカライドワクチンPPSV(23)またはPPV(23)
VPHまたはHPVVacuna recombinante tetravalente contra el Virus del Papiloma Humano - VPH(Tipos 6, 11, 16 y 18)(4価)ヒト-パピローマウイルスワクチンHPV(4)
PRS(triple viral)vacuna triple viral, contra parotiditis(paperas), rubeola y sarampion流行性耳下腺炎(ムンプス)・風疹麻疹(ウイルス三種混合ワクチン)MMR
FAまたはAMAFiebre amarilla(vacuna antiamarilica)黄熱YFV
ROTAVIRUSまたはRVVacuna contra el rotavirusロタウイルスワクチンRV
BCGVacuna BCG(Bacilo de Calmette y Guerin)[TBC: tuberculosis]BCGワクチン[結核]BCG
Influenzavacuna contra la influenzaインフルエンザワクチンIV
AM-BCまたはVA-MENGOC-BCvacuna antimeningoccocica BCB、C群髄膜炎菌ワクチンMenBC
AT(VI)vacuna antitifoidica腸チフスワクチンViCPS(あるいはViPS)
pentavalente(DPT-HB+Hib)vacuna pentavalente (de celulas completas)五種混合ワクチン(全菌体)DTwP-HepB-Hib
tetravalente(DPT-HB)vacuna tetravalente (de celulas completas)四種混合ワクチン(全菌体)DTwP-HepB

キューバは、北大西洋、カリブ海のキューバ島を主島とする島国です。アメリカ合衆国のフロリダ半島の南、メキシコのユカタン半島の東に位置します。海を隔てて、北東にはバハマが、東にはイスパニョーラ島のハイチとドミニカ共和国が、南にはケイマン諸島とジャマイカが存在します。

関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine Preventable Diseases Monitoring System: Immunization schedules by antigen.
    全世界の国々の予防接種スケジュール(外部サイト)(WHO) : (英語)。
  2. 世界の医療事情(外部サイト) - 日本国外務省; キューバ(外部サイト):(日本語)。
  3. キューバ公衆衛生省国立医学情報センター(外部サイト)
    Esquema oficial de vacunacion de la Republica de Cuba(外部サイト)(国の予防接種スケジュール)
    ESQUEMA DE VACUNACION, CUBA(外部サイト)(国の予防接種スケジュール:PDF版)
    衛生・疫学分野の国のプログラム一覧(外部サイト): (スペイン語).

2017年6月20日初掲載

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

前のページに戻る

ページID:230-780-368

先頭に戻る