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クロアチア共和国のこどもの定期予防接種について

最終更新日 2019年7月3日

こどもの定期予防接種のクロアチア共和国と日本との違いについて

本稿では、クロアチア共和国のこどもの定期予防接種について触れます。まず、クロアチア共和国のこどもの定期予防接種と日本のこどもの定期予防接種との違いを見てみましょう。

両国で定期予防接種として実施している予防接種もありますが、一方の国でしか定期予防接種として実施していない予防接種もあります。表にまとめると、下の表1のとおりです。

表1. こどもの定期予防接種のクロアチア共和国と日本との違い
実施状況クロアチア共和国で実施クロアチア共和国で未実施
日本で実施ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)感染症
ジフテリア・破傷風百日咳
ポリオ
麻疹風疹
結核(BCG)、
B型肝炎、
ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマ(*)
日本脳炎
肺炎球菌感染症
水痘
日本で未実施流行性耳下腺炎(ムンプス)髄膜炎菌感染症
A型肝炎
インフルエンザ
ロタウイルスによる感染性胃腸炎
ダニ媒介脳炎

*: HPVワクチンについて、日本では女子のみ対象ですが、クロアチアでは男女とも対象です。

こどもの定期予防接種として、クロアチア共和国で実施されず日本で実施されているものとしては、肺炎球菌感染症日本脳炎水痘があります。反対に、こどもの定期予防接種として、日本で実施されずクロアチア共和国で実施されているものとしては、流行性耳下腺炎(ムンプス)があります。

多数のワクチンを混合したワクチン製剤がクロアチア共和国では見られます。たとえば、ジフテリア・破傷風・百日咳のワクチン(DTaP)、ポリオの不活化ワクチン(IPV)、ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)のワクチン(Hib)、B型肝炎ワクチン(HepB)を混合したワクチン(DTaP-IPV-Hib-HepB)があります。四つのワクチンが混合されたワクチンがあれば、個々のワクチンではそれぞれ1回ずつだと4回の接種が必要なところ、四つのワクチンが混合されたワクチンでは1回の接種で済むことになります。接種回数が少なくなれば、こどもが注射で痛い思いをする回数も少なくなります。また、接種スケジュールの設定も容易になります。

日本でも混合ワクチンが使われてきました。ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチン(DTaP)、麻疹・風疹のMRワクチンなどです。ポリオの不活化ワクチン(IPV)についても、ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオの、四種混合ワクチン(DTaP-IPV)が2012年11月から日本でも新たに使われるようになりました。

クロアチアは、景勝地ドブロブニクやスプリットなどが所在するアドリア海沿岸地域と首都ザグレブなどが所在する内陸地域とからなります。内陸地域は,サバ河沿岸を中心にダニ媒介脳炎の汚染地域となっています。この汚染地域に滞在予定の方に、日本国外務省では、ダニ媒介脳炎の予防接種[合計3回(2回目:初回接種の1-3ヶ月後,3回目:2回目接種の9-12ヶ月後)]を推奨しています(参考文献4)。日本では製造・販売されていないワクチンですが、一部の渡航医学外来のある医療機関では接種が可能とのことです。クロアチア現地ではオーストリア製ワクチンの接種が可能とのことです。

クロアチア共和国のこどもの定期予防接種スケジュールについて

クロアチア共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)は、下の表2のとおりです。
2015年には、生後2、4、6ヶ月で接種されていたDTaP-Hib-IPVという5種混合ワクチンが、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチンに替えられました。
2016年には、第8学年(13歳)の男女を対象にヒトパピローマウイルスワクチンが導入されました。また、3歳時に接種されていたDTaP(5回目)が5歳で接種されるように変更され、6-7歳と18-19歳で接種されていたdTが接種されなくなりました。

表2.
クロアチア共和国のこどもの定期予防接種の標準的なスケジュール(2016年)
接種時期予防する感染症接種するワクチン(英字略語表記等)
出生時(B型肝炎)HepB(B型肝炎に感染している母親[HBs抗原陽性]から生まれた児に接種。抗B型肝炎ウイルス免疫グロブリンも投与)
結核BCG(1回接種:出生した病院で退院前に接種することが好ましいが、できなかった場合には一歳未満で接種)
生後2ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(1回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(1回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(1回目)*
B型肝炎HepB(1回目)*
生後4ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(2回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(2回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(2回目)*
B型肝炎HepB(2回目)*
生後6ヶ月ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(3回目)*
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(3回目)*
ポリオ不活化ワクチンIPV(3回目)*
B型肝炎HepB(3回目)*
生後12ヶ月(1歳)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(1回目)
1歳(3回目のDTaP-Hib-IPV-HepB接種の6-12ヶ月後)ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(4回目)**
ヘモフィルスインフルエンザb型菌(Hib)Hib(4回目)**
ポリオ不活化ワクチンIPV(4回目)**
5歳ジフテリア・破傷風百日咳DTaP(5回目:以前のスケジュールで3歳時にDTaPを接種した児は不要)
第1学年(6歳)麻疹流行性耳下腺炎(ムンプス)風疹MMR(2回目)
ポリオ不活化ワクチンIPV(5回目)
12-13歳B型肝炎HepB(3回接種:B型肝炎ワクチン接種済みでない者が対象。0-1-6ヶ月で接種。)
第8学年(13歳)ジフテリア・破傷風dT(1回接種)
ポリオ不活化ワクチンIPV(6回目)
第8学年(13歳:男女とも)ヒトパピローマウイルス16型・18型による子宮頸部癌、外陰癌、膣癌、肛門癌および6型・11型による尖圭コンジローマHPV4(1回目:男女とも)
HPV4(2回目:1回目の6ヶ月後)
60歳破傷風トキソイドTT(1回接種)
65歳以上季節性インフルエンザIIV(毎年1回接種)
*:クロアチア共和国では、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチン("6u1" cjepivo)で接種されます。
**:クロアチア共和国では、DTaP-Hib-IPVという5種混合ワクチン、または、DTaP-Hib-IPV-HepBという6種混合ワクチンで接種されます。

複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、複数のワクチン製剤を同じ注射器に吸い上げて混合して用いるようなことをしては、いけません。それぞれのワクチン製剤を別々の注射器に吸い上げて、できるだけ離れた部位に接種します。たとえば、一方のワクチンを右腕に接種したら、もう一方のワクチンを左腕に接種するというように接種します。限られた部位に接種しなければならない場合でも、接種部位は2.5cm以上離します。複数のワクチン製剤を同じ日に接種する場合には、接種部位が区別できるように、それぞれの接種部位について、接種の記録に、より詳細な記述が必要です。

クロアチア共和国におけるクロアチア語によるワクチン等の表記について

クロアチア共和国は、ヨーロッパにおいて、西はアドリア海を隔てイタリアと、北はスロベニアハンガリーと、東はセルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナと、南はモンテネグロと接する国です。このクロアチア共和国における公用語は、クロアチア語です。クロアチア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等のクロアチア語による表記については、下の表3、表4、表5、表6、表7のとおりです。日本語の表記も併記しました。

表3 クロアチア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(クロアチア語・日本語対照表記)

表4 クロアチア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(クロアチア語・日本語対照表記)

表5 クロアチア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(クロアチア語・日本語対照表記)

表6 クロアチア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(クロアチア語・日本語対照表記)

表7 クロアチア共和国のこどもの定期予防接種のワクチン等(クロアチア語・日本語対照表記)


関連事項

各国の予防接種

予防接種法とインフルエンザ予防接種(日本)

参考文献

  1. WHO Vaccine-Preventable Diseases: Monitoring System. global summary.
    全世界の国々の予防接種(外部サイト)(WHO):(英語)。
  2. 欧州CDC(外部サイト)Vaccine schedule platform(外部サイト)(欧州各国の定期予防接種スケジュール) :(英語).
  3. クロアチア共和国健康省(外部サイト)(Republika Hrvatska Ministarstvo zdravlja)
    ;クロアチア公衆衛生局(外部サイト)(Hrvatski zavod za javno zdravstvo)
    感染症予防接種部門(外部サイト)(Odjel za prevenciju zaraznih bolesti i cijepljenje)のページ
    :クロアチア共和国の最新の定期予防接種スケジュール等の情報が得られます。
    クロアチア共和国の定期予防接種(2014-16年)計画(外部サイト) [pdf:478KB] (2013年7月18日付)
    クロアチア共和国の定期予防接種(2016-18年)計画(外部サイト);(2015年5月8日付)
    クロアチア共和国の定期予防接種(2016)スケジュール(外部サイト)
    クロアチア共和国のHPVワクチン接種について(外部サイト):(クロアチア語).
    ;(ニュース)クロアチア共和国のHPVワクチン接種(外部サイト):(英語).
  4. 外務省;渡航関連情報(外部サイト)在外公館医務官情報(外部サイト)クロアチア共和国(外部サイト)」:(日本語).

2014年5月9日初掲載
2015年2月4日改訂増補
2017年1月26日改訂増補

このページへのお問合せ

健康福祉局衛生研究所感染症・疫学情報課

電話:045-370-9237

電話:045-370-9237

ファクス:045-370-8462

メールアドレス:kf-eiken@city.yokohama.jp

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